インフラ点検での生産性の向上について

0

    JUGEMテーマ:経済全般

    JUGEMテーマ:経済成長

    JUGEMテーマ:土木工作物

    JUGEMテーマ:土木

    JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

    JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

    JUGEMテーマ:安全保障

     

     

     今日は「インフラ点検での生産性の向上について」と題して論説します。

     

     下記は読売新聞の記事です。

    『読売新聞 2018/10/04 08:57 橋・トンネル点検に赤外線…精度向上で効率化

     国土交通省は、国や自治体が管理する橋やトンネルなどの老朽化対策について、赤外線を使ってコンクリートのひび割れの有無などを確認する調査を本格的に導入する。異常が疑われる場合は目視による再確認も行い、事故の未然防止の効果を高める。老朽化したインフラ(社会基盤)の改修が全国的な課題となる中、人手が不足する地方自治体で点検の精度を向上させる狙いもある。

     国や高速道路会社、地方自治体が管理する橋やトンネル、歩道橋は全国に77万か所ある。9人が死亡した2012年12月の中央道・笹子トンネル天井板崩落事故の後、管理者による5年に1度の点検が義務付けられている。道路法施行規則に基づく「点検要領」に従い、コンクリートの状況などは原則、技術者が目視でチェックしたり、ハンマーでたたいたりして確認しなければならない。(後略)』

     

     上記記事の通り、国や地方自治体が管理する橋やトンネルの老朽化対策について、赤外線を使ってコンクリートのひび割れの有無を確認する検査を本格的に導入するということで、事故の未然防止の効果を高められるだけでなく、人手不足が顕著な地方自治体で点検の精度を向上させる狙いがあると報じられたニュースです。

     

     国交省は最近フリーゲージトレインを断念したり、いいニュースが多い。このニュースも生産性の向上につながる素晴らしいニュースです。

     

     具体的には赤外線を使った非破壊検査というものがあります。赤外線サーモグラフィーを使えば、文字通り叩いたり破壊せずとも検査することが可能です。例えば橋梁の床版やトンネル覆工のコンクリートのうき・剥離や、コンクリート構造物の凍害・漏水箇所の調査や補修・補強箇所の健全度を調査することが可能です。

     

    (出典:土木管理総合試験所(証券コード:6171)のホームページから) 

     

     

     上記写真の赤外線サーモグラフィーを使って検査をする場合、人手が不足していたとしても、たくさんの仕事ができるようになります。一人当たりの生産性が向上しますので、効率性が上がります。

     

     赤外線以外にも効率性が上がる技術はたくさんあるのですが、政府としてどの技術を採用するか?決まっていませんでした。今回ようやく赤外線を使ったコンクリートのひび割れの有無を確認する調査を本格的に導入することとなりました。国交省は2018年度中に、原則目視に限っていた点検要領を緩和し、2019年度以降赤外線による状況調査を認める方針です。

     

     今年は8/15にイタリア北部で、高速道路の高架橋崩落事故が発生しました。緊縮財政でインフラにお金をかけてこなかった日本で、今後イタリアのような事故が日本でも起きないとは限りません。特に日本では市町村が管轄する橋がチェックされず、交通止めになったまま放置されてるところも多くあります。

     

     こうした赤外線を使った技術でチェックするようになれば、橋が崩落するリスクを削減できますので、すぐに始めるべきです。と同時に十分に予算付けし、作業の効率化と同時に進めていく必要があるものと考えます。

     

     また、土木管理総合試験所では、AIを活用して道路・軌道の異常度診断ビックデータ共有システムのROAD−Sを開発しました。このROAD−Sを使えば、地中レーダ探査で「橋梁床版異常度診断データ」「舗装体の異常度診断データ」「路面下の空洞診断データ」「埋設物の敷設状況データ」のほか、「舗装表面ひび割れ」「舗装表面のわだち掘れ」を検出することができるとのこと。国立研究開発法人の科学技術振興機構のホームページの戦略的イノベーション創造プログラムのサイトに掲載されています。

     

    <土木管理総合試験所のROAD−S>

     

    (出典:科学技術振興機構のホームページから)

     

     

     土木管理総合試験所のROAD−Sは、3Dレーダーを使って橋梁や橋の強度を自動的に分析する技術が特徴です。従来は1キロメートル分の分析に1か月程度かかっていたのですが、ROAD−Sを使えば、数秒で完了してしまうのです。この技術もまた人手不足の解消につながる一人当たり生産性向上になる素晴らしいシステムです。

     

     ぜひとも赤外線の技術や、3Dレーダーを使ったROAD−Sが活躍し、さらなる技術の向上を促すことができるようにするために、日本政府は十分な予算付けと躊躇なき国債発行を同時に行っていただきたいと思います。

     

     

     というわけで今日は「インフラ点検での生産性の向上について」と題して論説しました。

     

    〜関連記事〜

    決して他人事ではないイタリアで発生した高架橋崩落事故について

    ”祝!値幅制限変えてのまたまたストップ高”(株)土木管理総合試験所(証券コード:6171)


    サイバーダイン(証券コード:7779)と介護事業

    0

      JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

      JUGEMテーマ:年金/財政

      JUGEMテーマ:介護

       

       今日は「サイバーダイン(証券コード:7779)と介護事業」と題して論説します。

       

       皆様には懺悔したいことがあります。先週は世界同時株安となり、杉っ子のポートフォリオも大きく値下がりしました。そして今週も月曜日は日経平均は大幅続落です。

       

       中でも特にサイバーダイン(証券コード:7779)については、何回か取り上げましたが、株価の推移が思わしくなく、杉っ子の保有するサイバーダイン株も50%超の含み損状態です。本ブログをみて、サイバーダインの株を購入された方は、ほとんど利益が出ていない状況です。損失補てんすることはできませんが、ご容赦いただきたく思います。

       

       サイバーダインの将来性について競合他社の登場などなど、いろんなことをいう人がいます。私が思いますに株価の推移が思わしくない最大の要因は黒字化のメドが付けられず、単年度黒字化の実現を何年も持ち越しているということでしょう。決算のたびに黒字化が遅れるというのが何回も続いた結果、多くのサイバーダイン株式の保有者が疑心暗鬼となり、株価が上昇しにくい状況にあるものと考えております。

       

       また財務省が介護費用の自己負担額引き上げを示唆したり、介護報酬を引き下げたりとする緊縮財政によって、介護業者が投資できる資金がねん出ができずにいて、その結果、実質(台数)の需要も名目(台数)の需要も伸び悩んでいるのでは?とも思っています。

       

       本来ならば日本は人口構造上、生産年齢人口の減少が顕著であるため、今この瞬間出生率が増加に転じたとしても最低20年は人手不足の状態が続きます。とはいえ、安倍政権が外国人労働者受入を活発化させていることは、サイバーダイン株にとっては逆風といえます。

       

       なぜならば、サイバーダインのパワーアシストスーツを買うくらいならば、人件費の安い外国人労働者の雇用を選択するという企業もあり得るからです。実際に介護の現場では、給与水準が低いことから日本人が就業せず、常に人手不足の状態になっています。

       

       下記の図 楚洵は、いずれも第一生命経済研究所のマクロ経済分析レポートからの引用です。

       

      <図 Р雜逎蹈椒奪箸陵用についてのアンケート>

      (出典:第一生命総合研究所のマクロ経済分析レポートから引用)

       

       

      <図◆Р雜逎蹈椒奪箸覆匹硫歛蝓μ簑蝓

       

      (出典:第一生命総合研究所のマクロ経済分析レポートから引用)

       

       

      <図:医療福祉の就業者数の需給ギャップの試算>

      (出典:第一生命総合研究所のマクロ経済分析レポートから引用)

       

       

       図´△蓮第一生命経済研究所が行ったアンケートで、全国の介護保険サービスを実施する事業所から無作為抽出した17,641事業所を対象にアンケート調査を実施した結果です。

       

       図,硫雜逎蹈椒奪箸良甬敕拗腓い離▲鵐院璽箸任蓮79%もの介護事業者が利用していないと回答し、利用しているのは、わずか6%に留まっていることがわかります。

       

       図△硫雜逎蹈椒奪箸覆匹硫歛蝓μ簑蠅箸いδ敢困任蓮◆崙各する予算がない」という回答が60%近くあり、「投資に見合うだけの予算がない」というのも30%弱の回答としてあります。それ以外では「清掃や消耗品管理などの維持管理が大変である」という回答もあります。要は資金が捻出できないということであって、こうした回答は、介護報酬を引き上げて、介護事業者が十分に利益が出るようになれば解決するのでは?と考えられます。

       

       また「誤作動の不安がある」「技術的に使いこなせるか心配である」「どのような介護ロボットがあるかわからない」「ケアに介護ロボットそれ自体を活用することに違和感を覚える」という辺りは、十分に介護ロボットが認識されていなかったり普及されていないことが要因であるとも思えます。十分に普及されないのは、介護報酬を引き上げないために儲からないから介護事業者が購入に躊躇するものと考えられます。

       

       産業別賃金では2017年度の厚生労働省の資料で、介護事業は年収250万円程度で最下位でした。本来は高齢化がより一層進むという環境であるため実需は多いのですが、介護報酬をもっと引き上げなければ、賃金UPの原資も、介護ロボットを購入するための投資資金も捻出できないというのが、介護業界の実態なのでは?と思います。

       

       図では、医療福祉の就業者数の需要と供給のギャップを試算しています。図では2025年に実際に必要な就業者数959万人に対して、148万人不足するとシミュレーションしています。図は2025年で止まっていますが、2026年以降もギャップは広がり続けるのでしょう。何しろ生産年齢人口の減少と高齢化によるギャップ拡大は、この瞬間出生率が増加に転じても20年間は拡大し続けるからです。

       

       因みに図について、「需要959万人>供給811万人」というのはインフレギャップ状態です。このインフレギャップ148万人分について、本来ならば介護ロボットを使って一人当たり生産性の向上によって148万人分の人手不足を埋めることができれば、経済成長できます。

       

       例えば、サイバーダインからパワーアシストスーツを購入するとなれば「介護事業者の支出=サイバーダインの生産=サイバーダインの所得」となります。介護ロボットを購入した事業者が、生産性の向上が図られれば、一人当たり従業員の生産性の向上となるため、賃金UPの原資を生み出せます。(サイバーダインのパワーアシストスーツはリース賃貸なのですが、話を分かりやすくするため購入したものとしています。)

       

       仮に、ある高齢者が介護サービスを100万円買うとしたらどうなるか?

       「高齢者の介護サービスの支出100万円(介護保険の支出90万円+自己負担額10万円)=介護事業者の生産100万円=介護事業者の所得100万円」です。

       

       同じ100万円のサービスを二人の高齢者が購入するとして、生産性向上により一人で二人分のサービスを供給した場合と、二人でサービスを供給した場合ではどうなるか?

       

      ●二人分の需要200万人に対して、一人で二人分のサービスを供給する

      介護サービスの支出二人分200万円(介護保険の支出180万円+自己負担額20万円)=一人当たりの生産額200万円=一人当たりの所得200万円

       

      ●二人分の需要200万円に対して、一人で一人分のサービスを各々が供給する

      介護サービスの支出二人分200万円(介護保険の支出180万円+自己負担額20万円)=一人当たりの生産額100万円×2人=一人当たりの所得100万円×2人

       

       上記のように一人で二人分のサービスを供給すれば、一人当たりの所得も2倍になるのです。一人当たり生産性の向上を目的にサイバーダインのパワーアシストスーツをリースで導入したとすれば、実際にはリース料が差し引かれます。そのため生産性の向上が図られたとしてもリース料が高ければ、所得は2倍増とはなりません。

       これを解決するためには、100万円というサービス料について、200万円にまで引き上げてかつ自己負担割合もサービス受給者の負担とならないよう1割に留めるとすれば、リース料を差し引いても十分に利益が出るでしょう。

       

       このとき介護事業就業者の賃金UPの原資が生み出されますので、賃金UPがしやすくなります。実際に賃金UPすれば、今度は介護事業就業者が消費者となったときに購買力が増えているので、消費が増えやすくなっていくことになるでしょう。

       

       

       というわけで今日は「サイバーダイン(証券コード:7779)と介護事業」と題して論説しました。下方にサイバーダインの株価チャートと杉っ子の保有銘柄(2018/10/14時点)を掲載いたしますので、ぜひご参考にしてください。

       サイバーダインの株価が低迷しているのも緊縮財政が原因といえます。どんなに優れた技術を持っていても、儲かりにくい環境では企業は投資せず、内部留保を積み上げます。

       ユニクロを展開するファーストリテイリングや、ニトリといった会社は、単に人件費の安い国で工場を作り、安く作ったものを日本に輸入しているというビジネスモデルです。こういうビジネスモデルは、資金量の有無で成否が決まるということです。さらにダンピング販売であるため、同業他社が困るだけです。結果的に供給力の弱体化と賃金伸び悩みで消費が伸び悩むということになります。

       その点、サイバーダインは資金力で既存の他社を排除するというビジネスモデルで成長するのではなく、AIを使ったメカトロニクスによって、生産年齢人口の減少という環境を解決できる製品を市場に供給して、日本の経済成長に貢献すると考えています。だから私は株価が50%以上損していても保有を継続したいと思っています。

       

      <サイバーダインのチャート>

      (出典:ヤフーファイナンス)

       

       

      <杉っ子のポートフォリオ>

      (出典:楽天証券)


      トランプ大統領のFRB批判と世界同時株安について

      0

        JUGEMテーマ:経済全般

        JUGEMテーマ:ドナルド・トランプ

        JUGEMテーマ:国際金融情勢

         

         先週は、世界同時株安となりました。2018/10/10に株式市場が大幅に下落し、ニューヨークダウ平均株は830ドル以上も値を下げ、史上3番目の下落幅ということで取引を終了しました。その翌日の2018/10/11も前日比で545ドル以上値下がりして続落。

         2018/10/12は284ドル16セント値上がりしたものの、この3日間で1000ドルの値下がりです。

         

         米国株が下がった要因としては、「FRBの金利引き上げ」「米中貿易摩擦への警戒」「南欧イタリアの財政危機」などがあげられています。

         

         そしてトランプ大統領のFRB批判というニュースがありました。ロイター通信の記事を2つ紹介します。

         

        『ロイター通信 2018/10/12 00:21 トランプ米大統領、連日のFRB批判 利上げ「ばかげている」

         [ワシントン 11日 ロイター] - トランプ米大統領は11日、連邦準備理事会(FRB)の利上げは利払い負担を重くしているため「ばかげている」と一蹴、前日に続きFRBの政策を批判した。

         トランプ大統領はフォックス&フレンズとのインタビューで「FRBのせいで、高い金利を支払っている。FRBは大きな過ちを犯しており、これほどまでに積極的でないことを望む」と述べた。

         トランプ氏がFRBを重ねて批判する背景には連日の米株価急落がある。FRBの利上げ戦略が株安の一因となっており、特に安全資産とされる米国債の利回り上昇を招いていることが嫌気されている。

         国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は米CNBCに対し、FRBの利上げは「経済が健全であることの証しで、恐れるよりも歓迎すべきことだ」と強調。「大統領はFRBに政策を指南することはしていない。FRBは独立しており、やりたいようにやるだろう」と述べてトランプ氏の発言を補足した。

         トランプ氏はその後、パウエルFRB議長について、解任する意向はなく、単に失望しているだけだと発言した。

         

        『ロイター通信 2018/10/12 23:00 トランプ大統領は低金利を志向、FRBの独立性は尊重=米財務長官

         [ワシントン 12日 ロイター] - ムニューシン米財務長官は12日、トランプ大統領は米連邦準備理事会(FRB)を攻撃する必要性を感じておらず、FRBの独立性を尊重していると述べた。
         ムニューシン長官はCNBCとのインタビューで「大統領は低金利が好ましいとしている、大統領は、FRBが行き過ぎた利上げをして景気を減速させることを懸念している。そのような懸念は明らかに自然だ」と語った
         パウエルFRB議長について、良い仕事をしていると評価。トランプ大統領の発言はFRBに打撃を与えていないと述べた。
         また、米経済のファンダメンタルズは強固と主張し、市場は調整局面との認識を示した。利回り曲線は正常化しており、米国債への需要は依然旺盛と述べた。』

         

         

         上述の通り、FRBの利上げで米国の株価が下がり、トランプ大統領がFRBの利上げを批判しました。FRBが予想よりも早いペースで利上げをしていくため、ビジネスがしにくくなっていると述べています。

         

         なぜ利上げをするのか?利上げするのは景気がいいから利上げするということかもしれません。一方で世界的にスロートレードといわれ、貿易量が減少している状況にもあります。もちろん引き金を引いたトランプ大統領がしかける米中貿易摩擦もスロートレードにつながることはあるかもしれません。ある意味でブーメランともいえます。

         

         とはいえ、少し景気が良くなったからといってすぐ利上げをしてしまえば、経済成長を抑制してしまいます。アクセルを踏んでせっかく加速したのに、加速したと思ったらその直後にブレーキを踏むようなものに近い。景気の過熱抑制という目的であれば、もう少しインフレ率が高くなるまで待ってもよいのでは?という意味では、トランプ大統領の指摘はごもっともと思います。

         

         しかしながら私はトランプ大統領が、一貫してブレていないと思うことがありまして、それはアメリカンファーストです。

         

         FRBの利上げの批判についていえば、大統領就任後に1兆ドルのインフラ投資を表明し、関税を引き上げて米国国民の雇用と賃金を守り、自国での産業育成をするというのは、極めて米国の国益にかなう政策です。

         

         米中貿易摩擦は、中国がルールを守らないから。チャイナグローバリズムで覇権を取ろうとするから。具体的にはハイテク技術の獲得を目指そうとする中国に、安全保障面から対抗しようとして中国を封じようとすることが狙いでしょう。ハイテク技術以外に、遺伝子のヒトゲノムについても、情報をどう扱うか?2国間の覇権争いが苛酷になっているといえます。

         

         仮にもトランプ大統領がグローバリズムを是とするならば、輸出相手国に自由貿易を求めておきながら自国市場は関税や補助金や規制で保護し、投資相手国の土地や企業や技術を自由に買うことを求めておきながら、自国内では外国人の土地購入を認めず進出してきた外資には技術移転を強要するという中国の姿勢は、絶対に認められないでしょう。

         

         その他の通商政策では、NAFTAの見直しにしても、メキシコからの不法移民が米国国民の雇用と賃金から守るためのものですし、日米FTA(二国間協定)も、米国の製品をもっと日本に買ってもらおうとする話です。いずれも米国国民の雇用の創出、賃金UPにつながる政策です。

         

         上述の「FRBの金利引き上げ」「米中貿易摩擦への警戒」のほかにもう1つ米国株の下落の背景として「南欧イタリアの財政危機」を指摘する人がいます。

         

         欧州ではイタリアの財政の先行きに対する懸念が強まって売り注文が相次ぎ、欧州の株価も下落しました。2018/10/15までにイタリア政府が提出予定の2019年度予算案について、巨額の財政赤字を前提とした予算案になっているということで、モスコビシ委員長が向こう3か年の財政支出対GDP比率を-2.4%、-2.1%、-1.8%とする計画に対して、-2.4%、-2.1%を見直す旨を要請しました。ところがイタリア政府は、内容の見直しをしない方針を示しました。

         

         その方針をきっかけにイタリアの財政に対する懸念が強まって幅広い銘柄に売り注文が出て欧州の株価が下落。その日のニューヨーク市場でも取引後半には、その影響でさらにダウ平均が下がりました。

         

         南欧を中心に欧州諸国の財政危機が問題になっていますが、欧州の経済成長率は低迷しているわけで、その結果、税収が不足します。イタリアのようなことは、南欧諸国を中心に今後も同じ問題が表面化する可能性は十分にあり得ます。

         

         米国の株価は確かに高い水準で推移してきました。長い目で見れば、多少の下落もあっても地に足の着いた経済成長であれば、問題がありません。米国の政策はアメリカンファーストを徹底しており、他国の輸入に頼らないように自国で産業を育成することができるようになれば、たとえ中国の経済が崩壊したとしても、欧州諸国でリーマンショックのようなことが発生したとしても、株式市場を含めて米国経済への影響は限定的といえるでしょう。

         

         日本も米国に見習い、ジャパニーズファーストとなるような政策をやっていただきたい。それは内需主導の経済政策です。

         

         ところが実際は内需を縮小する消費増税をやるというのです。一部では消費増税の延期の声も出始めていますが、まだまだ少数派です。その一方でマスコミの報道は既成事実化する報道が相次いでおり、本当にこのまま消費増税をやるのか?と思うところもあります。

         

         私は消費増税そのものが反対です。先月の2018/09/21に日本自動車工業会で、豊田章男氏が平成31年の税制改正の要望書を出しました。その中で10%への消費増税による新車市場への影響について、「30万台程度の減少となり、経済効果は2兆円のマイナス、さらに雇用は9万人が減少する」との試算を示し、自工会としてネガティブな意思表示をしました。

         

         また国内自動車市場は消費増税引き上げのたびに市場規模が縮小し、次の引き上げで国内自動車市場がさらに縮小するだけでなく、厳しさを増す通商環境という新しい不安要素が加わり、このままだと自動車産業の空洞化・衰退の危機に晒されることになるだろうとの見通しを述べています。

         

         自工会は従来から消費税に賛成してきました。2013/09の段階では自工会では消費税が必要といっていました。そういう意味では自工会は明らかに今度の消費増税にネガティブになっているといえるでしょう。

         

         なぜか?といえば日米通商交渉とかかわっているのです。USTR(米国通商代表部)と話し合いの前の段階で、日本の消費税は米国にとっては関税と同じとみています。米国製品にも消費税はかかるからです。消費増税をすれば米国製品も売れにくくなります。このまま消費税を10%に増税するならば、米国としては日本の関税率10%への引き上げとみなし、対抗手段として日本の自動車と部品に25%の関税をかけると圧力をかけられているのです。

         

         日本の自動車業界としては25%の関税をかけられたら大変なこと。米国でいくら生産拠点を置いても、輸出が伸びやなむのは当然の帰結。そのためには日本政府が消費税は上げないと明確な意思表示をしておくことが対米通商政策でも交渉の妥協点を見い出しやすいということなのだと考えます。

         

         

         というわけで今日は「トランプ大統領のFRB批判と世界同時株安について」と題して論説しました。

         私が日本の株式市場に対して思うことは、「トランプ大統領が大統領を辞める」「日本の第二次補正予算の金額が2兆円〜3兆円程度としょぼい」「消費増税は安藤提言なしにそのまま10%増税する」の3つがすべて覆されなければ、株式への投資金額は減らしてキャッシュポジションを引き上げたほうがいいと考えています。上述3つがすべて該当した場合は株式市場からの資金の引き上げも検討すべきです。

         逆に「トランプ大統領が大統領のままで居続ける」「日本の第二次補正予算の金額が10兆円レベルとなる」「消費増税は凍結もしくは安藤提言を受け入れる」「2019年度にプライマリーバランス黒字化が外れる」となった場合、日本はオリンピック不況をはるかに吹き飛ばして好景気になるような気がしまして、地に足が付いた株価の上昇も期待でき、株式を継続保有して問題ないと思っています。


        2018年度の第一次補正予算9,400億円をどう見るか?

        0

          JUGEMテーマ:大震災後の復興支援

          JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

          JUGEMテーマ:天候、地震など

          JUGEMテーマ:土木工作物

          JUGEMテーマ:土木

           

           今日は「2018年度の第一次補正予算9,400億円をどう見るか?」と題して論説します。

           

           下記は時事通信の記事です。

          『時事通信 2018/10/11 18:56 1次補正9400億円=災害復旧、学校に冷房−政府

           政府は11日、2018年度第1次補正予算案の総額について、約9400億円とする方針を固めた。相次ぐ自然災害からの復旧に加え、公立学校の冷房整備や危険なブロック塀の改修などの費用を盛り込む。15日にも臨時閣議で決定し、24日に召集する臨時国会での早期成立を目指す。
           1次補正予算案の大半は、西日本豪雨や大阪北部地震、台風21号、北海道地震からの復旧・復興関連費用。道路をはじめとするインフラの修復や観光振興、中小企業の資金繰り支援などが中心となる見通しだ。』

           

           上記記事の通り、西日本豪雨など今年の夏以降の自然災害の復旧費や公立小中学校の教室に冷房を設置するための関連費用を盛り込み、第一次補正予算として9,400億円を支出する見込みであることを報じています。

           

           この第一次補正予算の額9,400億円という数字が、どうやって出てきたのか?が私の関心事です。

           

           例えば西日本豪雨、大阪北部地震、台風21号、台風24号、最大震度7を観測した北海道北部地震など、災害の現場をチェックしてつぶさに調査した結果、9,400億円の予算が必要であるということであれば問題ありません。

           

           しかしながら今ある財源は予備費等、2018年度でまだ未執行の予算が9,400億円程度あるから、それを使いましょう!という発想ですと、間違いなく復興復旧のスピードは遅くなるに決まっています。

           

           京都では御所の木がたくさん倒れています。私は保険代理店で営業をしていますが、担当している企業において、企業向けの包括火災保険のご契約をしていただいているすべての企業が罹災しています。

           

           というより、西日本豪雨で西日本を中心に大被害が発生し、台風21号、台風24号で全国がやられ、震度7の北海道胆振地震で北海道がやられているというように、今年は日本のほとんどの地域で何らかの自然災害の被害が発生しているといえるでしょう。

           

           小さな現場であっても、そうした一つ一つをつぶさにチェックして、そのために必要な額を速やかに積み上げていくという方針で、政府には復興予算を立てていただきたいと思います。

           

           もちろん、これは一次補正予算であるため、出始めのスタートとも考えられます。災害復旧は一回の補正予算をやれば終わりというものではないため、被害を元通りにするのみならず、被害発生前以上の水準に戻してもらうくらいの対策をしていただきたいです。

           

           その例として毎日記事を紹介します。

          『毎日新聞 2018/10/13 17:45 地元自治体:関西空港「海底トンネル構想」推進へ

           関西国際空港と対岸を海底トンネルで結ぶ「第2のルート」整備計画が日の目を見るかもしれない。9月の台風の影響で連絡橋が破損し、利用客らが一時孤立。周辺自治体はこの事態を懸念し、30年以上前から整備を求めてきた。巨額の資金がネックで計画は動かなかったが、懸念が現実になり、リスク管理や関西経済への側面からも首長らは来月、国土交通省や総務省に構想推進を直談判する。

           海上に人工島を造成し1994年に開港した関空。計画段階では、対岸の大阪府泉佐野市、泉南市、田尻町が連絡橋の候補地だった。大阪府は「複数ルートの整備が必要」としつつも、大阪市中心部により近い泉佐野市と関空島北部をつなぐ「北ルート」が選ばれ、自動車と鉄道用の連絡橋が建設された。

           一方、候補地から外れた泉南市は、災害やテロ行為でアクセスが絶たれるリスクを回避すべきだとして、島南部と市を結ぶ「南ルート」整備を主張。86年から国や府などへの要望活動を始めた。

           2000年には府南部や和歌山県の市町とともに「関西国際空港連絡南ルート等早期実現期成会」を設立。現在は8市2町が参加、毎年関係省庁や国会議員に陳情しているが具体的な協議に入ったことはないという。

           南ルートが「検討課題」として宙に浮く中、先月4日の台風21号では連絡橋にタンカーが衝突し、道路と鉄道が通行止めとなった。利用客や職員ら約8000人が一時空港島内に閉じ込められ、自動車道の全面再開は、来年春の見通しだ。

           関空は07年に2本目のB滑走路が供用されて以降、格安航空会社(LCC)の需要が高まり、昨年度は過去最多となる約2880万人の旅客が利用した。期成会の事務局を務める泉南市の竹中勇人市長は「関空はインバウンド(訪日外国人)が増え続け、昔とは状況が異なる。世界的に注目される空港となった以上、今回のような事態は二度とあってはならない。南ルートの検討を直ちに始めるべきだ」と主張する。

           期成会は、強風の影響を受けないトンネルでの整備を念頭に置くが、少なくとも1000億円以上はかかるとみられ、実現へのハードルは極めて高い。

           国交省の担当者は「(施設を所有する)新関西国際空港会社は多額の負債を抱え、すぐに新ルート整備に着手するのは現実的ではない。まずは地元自治体で建設費の試算や需要予測など具体的な計画を立ててほしい」としている。』

           

          <関西国際空港連絡南ルートの海底トンネルのイメージ>

          (出典:泉南市の市役所のホームページから引用)

           

           

           上記の記事は、今年2018年9月5日の台風21号の被害で発生したタンカーと連絡橋の衝突事故によって関西国際空港が一時島に閉じ込められたということで、改めて泉南市をはじめとする地方自治体が、第2ルートである海底トンネル構想の実現の検討を始めるべきと論じているニュースです。

           

           これこそ、被害発生以前以上の水準にする関西空港の強靭化につながる政策といえるでしょう。

           

           公共事業に否定的でかつ財務省の緊縮財政の意向に忠実な毎日新聞らしく、「少なくても1,000億円以上かかるので、実現へのハードルは極めて高い」などと報じています。 毎日新聞の記事は、関西国際空港連絡南ルートの海底トンネル構想を報じたものの、資金がボトルネックになる懸念ということなのでしょう。

           

           ”1,000億円のハードルが極めて高い”とは、なぜでしょう?1,000億円ものお金をかけることが、あたかも無駄なように聞こえます。あたかも財源はどこ?とでも言いたいように聞こえます。

           

           確かに泉南市や大阪府といった地方自治体には通貨発行権はありません。国交省や総務相に直談判とありますので、国策で予算を付けてもらうなり、今回の災害の補正予算で予算を付けてもらうなり、地方交付税交付金を大幅に増やしてもらうなりといったことを、大阪府選出の国会議員や大阪府知事がやるべきことでしょう。

           

           いずれにしても補正予算は第一次で終わりません。2018年末には国土強靭化対策を中心とした第2次補正予算を組むとしています。

           

           ようやく日本も自然災害対策に本気で取り組むようになってきたということがわかるくらいの金額の補正予算をドーンとやっていただきたい。正直、一次補正予算の9,400億円では、景気浮揚策にもなりません。

           

           なぜならば、消費増税のマイナスインパクトは個人消費で8兆円マイナスといわれています。加えて働き方改革で残業代の減少による個人消費のマイナスが8兆円(大和総研調べ)。さらにオリンピック特需後の需要の落ち込みが数兆円と、20兆円近いデフレギャップが存在するといわれています。

           

           この20兆円近いデフレギャップを埋めるためには、しかも消費増税10%を敢行するとすれば、20兆円の政府支出をしない限り、ひどいデフレに突っ込むことになることでしょう。

           

           もちろん一次補正予算のみならず、二次補正予算だけで災害対策が終わるわけではありません。とはいえ、次の二次補正予算の金額で、国土強靭化の本気度の度合いが判明するかもしれません。

           

           例えば二次補正予算の額が、「2兆円〜3兆円で大幅に増やした。すごいでしょ!」みたいな程度であれば、国土強靭化の本気度はウソと断定せざるを得ません。

           

           2018/09/20に行われた自民党総裁選の翌日に閣議を行い、3年間で緊急のインフラチェック・点検を行うと表明しました。その結果、各地方でインフラ点検の作業を行い、補修に必要な費用を積み上げてチェックしたものを集計しています。

           

           この積上げ額は相当な額になるはずですが、積み上げた額に対して、実際に予算を付けるかどうかは別問題であるため、積上げ額に対してどれだけ予算が付くか?で、国土強靭化の本気度が決まります。

           

           今年12月中旬に閣議決定されますが、大体の予算の規模は11月頃に判明します。そこで11月中旬〜12月中旬にかけて財務省との駆け引きなどの調整が予想されるでしょう。

           

           財務省の緊縮財政の思考にハマり、2兆円〜3兆円程度で補正予算額が決定されるとなれば、災害対策を本気でやるというのは、ウソです。

           

           この場合、「安倍総理は国土強靭化を徹底的にやると言ったはずであるにも関わらず、2兆円〜3兆円程度とかその程度でよいのか?」という批判があってしかるべきであり、「政府として国土強靭化を改めて行うと言ったはずなのに、ウソではないか!」ということになります。

           

           だから各地方の現場では、被害に遭った箇所をしっかりとつぶさにチェックして報告していただき、政府はプライマリーバランス黒字化とか財政規律とか一切を無視して、本当に日本国民の安心を確保するためには何が必要なのか?という視点で予算を付けるという方針になるようにしていただきたいと思うのです。

           

           

           というわけで今日は「2018年度の第一次補正予算9,400億円をどう見るか?」と題して論説しました。

           ぜひとも政府には建設国債を発行するなど、財源について躊躇せず国債増刷していただき、現場から積み上げられた費用に対して予算を付けていただきたい、日本国民の命を守るようにしていただきたいと考えます。

           人の命はお金には代えられません。防災対策は、時間をかけて少しずつやるというのではなく速やかに完了させれば、例えば10年かかるものを1年で終えれば、残り9年間は人の命が守られます。

           絶対にそうするべきだし、そのようにしていただきたいものと、私は思います。


          オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省

          0

            JUGEMテーマ:プライマリーバランス

            JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

            JUGEMテーマ:経済全般

            JUGEMテーマ:年金/財政

             

             今日は「オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省」と題して論説します。

             

             今年のノーベル賞で、本庶佑さんが分子「PD−1」の発見でノーベル医学生理学賞を受賞しました。「PD−1」という分子で、小野薬品工業のがん治療薬のオプジーボの開発につながりました。この科学的根拠がある治療を、健康保険適用することで安価な料金で治療が受けられるようになっているにもかかわらず、この「安価な料金」で治療を受けることが、医療財政に大きな負担と受け止める輩がいるようです。

             

             それは誰でしょうか?もちろん家計簿発想の財務省です。彼らは国家の財政運営を家計簿発想でとらえます。日本国民が暮らしやすいようにという経世済民の発想がなく、ただ「カネカネカネ」とやってひたすら国家にお金を貯め込むのが善いことで、支出は悪という発想を持っています。

             

             財務省が支出を善とするときとは、どういうときでしょうか?

             

             その典型的な例は、約20年間にわたって開発費を出し続けたフリーゲージトレインの投資総額500億円です。中長期的に支出を抑えることが可能であれば、研究開発費を惜しまないということがよくわかります。

             「中長期的に政府支出増を抑える」ことを目的とした場合、「中長期的に支出を減らす=中長期的に生産を減らす=中長期的に所得を減らす」でGDP3面等価の原則で、必ずそうなります。

             

             オプジーボの話に戻しますが、仮にがん患者にオプジーボを1か月間投与して100万円で完治したと仮定して、その費用の一部を政府支出で負担する場合と、全額自己負担する場合とでどうなるでしょうか?

             

            <イメージ図 費用の一部を社会保険負担した場合>

             

             

            <イメージ図◆費用の全額を患者が負担した場合>

             

             イメージ図,蓮高額療養費制度で8万円の自己負担として、残りを健康保険適用したイメージですが、イメージ図△牢擬圓100万円全額自己負担した場合のイメージです。

             

             マクロ経済のGDP3面等価の原則でいえば、必ず例外なく下記の式になります。

             

             生産面のGDP100万円=支出面のGDP100万円=分配面のGDP100万円

             

             

             

             イメージ図,肇ぅ瓠璽舷洵△琉磴い蓮費用の一部を政府支出としたか、費用の全額を患者負担としたか?の違いです。

             イメージ図,任い┐弌下記の通りです。

             

             生産面のGDP=製薬会社が薬を製造・生産するサービス100万円

             

             支出面のGDP=政府支出92万円+個人消費8万円

             

             分配面のGDP=製薬会社の所得100万円

             

             

             

             製薬会社の所得について、仮に労働者への分配率を40%、役員報酬への分配率60%とすれば、下記の通りとなります。

             

             分配面のGDP=給与所得40万円+役員報酬60万円

             

             

             労働分配率の問題は別にしても、製薬会社の売上高100万円は、個人消費であろうが税金で費用の大部分を補てんしようが変わりありません。

             オプジーボを全額自己負担にしなくても、自己負担割合を引き上げるとなれば、自己負担額に耐えられないお金が払えない患者は治療を受けることができなくなります。その負担額の引き上げ幅が大きくなればなるほど、治療を受けれなくなる患者が増えるというのは、誰でも理解できるのでは?と思います。

             

             そう考えたとき、緊縮財政を是として政府支出額を減らして自己負担割合を引き上げるという考え方と、経済成長で国民を豊かにするために政府支出額を増やして自己負担額を引き下げるという考え方でいえば、後者の方が国民が暮らしやすいに決まっているわけです。

             

             ところが財務省の人々の思考回路は、どうやら前者のようです。

            『産経新聞 2018/10/09 19:19 社会保障費抑制へ改革案 高額医薬品は保険の対象外 財務省が財政審に提示

             財務省は9日、「財政制度等審議会(財務相の諮問機関)」の分科会を開き、社会保障費の抑制に向けた改革案を示した。高額な医薬品については、費用対効果を勘案し公的保険の対象から外すことも検討するよう提案。75歳以上の後期高齢者が受診する際の自己負担割合を現行の原則1割から2割へ増やすことも改めて打ち出した。

             高齢化の進展で膨張する社会保障費を抑制する。今後も議論を進め、今年11月をめどに財政審がまとめる平成31年度予算編成の建議(意見書)に反映する。同時に、政府が年末まとめる歳出改革の工程表にも織り込みたい考えだ。

             医薬品は現在、新薬がほぼ自動的に保険適用される形となっている。ただ、がん免疫治療薬「オプジーボ」の当初価格のように高額になるケースも多く、医療財政の大きな負担となっている。財務省は費用対効果や財政影響など経済面も評価し、保険適用の可否を判断できる仕組みを導入すべきだとした。

             このほか財務省は、政府が利用を促す「かかりつけ医」に患者を誘導するため、「かかりつけ医」以外で受診した場合、追加で定額の負担を設けることを提案。日ごろから患者の状態をよく知っている「かかりつけ医」なら、無駄な診療をせず、医療費を抑制できる可能性がある。

             高齢者の負担増については現在70〜74歳の窓口負担が1割から2割に移行しているのに続き、75歳以上も2割とする。介護も自己負担を原則2割に高めるべきだとした。』

             

             

             上記産経新聞の記事の通り、財務省は「オプジーボ」の価格が高いことを問題視しています。研究開発費にどれだけのコストと時間がかかったか?製薬会社の投資費用を考えれば、高くても仕方がないと私は思います。

             製薬業界では1000億円売り上げる薬のことを、「ブロックバスター」と呼ぶようですが、この「ブロックバスター」を生み出すにしても、基礎研究で探した新薬候補が実際に発売できる確率は、2万〜3万分の1(0.02%〜0.03%)といわれ、期間も10年以上かかるといわれています。その中からブロックバスターとなれば、さらに確率は低くなります。

             

             薬価基準引き下げとなれば、患者の負担は確かに減りますが、製薬会社は儲けが少なくなります。儲けが少なくなれば、従業員への給料も増やせなくなりますし、新薬への投資費用を捻出できなくなってしまいます。

             

             いや「確率を高めるための努力をすれば、いいのでは?」という人がいたとして、「投資を効率よくすればいい!」という発想の人は、ぜひ株式市場で株価が1年後2倍になる銘柄を当て続けるということがいかに難しいかを想像してみてください。

             投資を効率よくするなどというのは、「言うは易いし行うは難し」です。新薬開発でも株式投資と同じで、確率を高めるよう効率化を図るなどというのは”寝言”としかいいようがありません。

             

             普通に薬価は維持し、政府支出増によってしかも財源を国債発行でやれば、普通に経済成長し、普通に製薬会社の従業員の賃金UPの原資となり、製薬会社以外の日本国民も最先端の治療を受けられるようになります。

             

             こうした発想は、「政府の借金=悪」という家計簿発想を国家の財政運営に持ち込むと出てこないでしょう。資本主義とは国家でも民間でもいいのですが、誰かが負債を増やさない限り、経済成長することはないのです。「借金=悪」という考え方は、経済成長の否定、資本主義の否定そのものです。

             

             

             というわけで、今日は「オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省」と題して論説しました。

             産経新聞の記事では、医療費負担削減で、高齢者の自己負担を引き上げ、介護費用まで1割→2割に引き上げるべきなどとしています。財務省は日本という国家を滅ぼす輩であることは間違いありません。

             財務省の人事給与制度について、増税を実現した人や緊縮財政を実現した人を評価して出世させるのではなく、GDPを増やした人が出世できるように改めることをしなければ、日本はこのままですと滅んでいくことでしょう。

             そうならないようにするためには、私たち日本国民が経済についての知見を高め、政治家などに声として訴え続けるしかないものと私は思います。

             

             

            〜関連記事〜

            社会保障費の増加は、何ら問題がないという真実!

            薬価改定について製薬会社の反発は当然です!

            森友学園問題!日本国を亡ぼす財務省の人事評価制度に鉄槌を!

            財務省の緊縮財政発想が日本の医療介護サービスを崩壊させる!

            財務省が2018年度に医療・介護費削減する理由

            医療サービスにおける混合治療推進論について反対します。

            オバマケアの失敗と日本が誇れる国民皆保険

            世界第2位のノーベル賞受賞者輩出国の科学技術立国から転落しようとしている日本


            自分たちの業界が消費増税から助かりたいとする愚かな考え

            0

              JUGEMテーマ:経済全般

              JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

              JUGEMテーマ:年金/財政

              JUGEMテーマ:コンビニ

              JUGEMテーマ:消費税

              JUGEMテーマ:消費税増税

               

               今日は「自分たちの業界が消費増税から助かりたいとする愚かな考え」と題して論説します。

               

               下記は産経新聞の記事です。

              『2018/10/03 19:32 コンビニ業界が全食品を軽減税率対象で調整 消費増税で イートインは「休憩施設」

               来年10月の消費税率引き上げと同時に導入される軽減税率をめぐって、コンビニエンスストア業界が、酒類を除き取り扱う飲食料品全てを、客が持ち帰り、税率が8%となる軽減税率の対象品とすることで、政府と調整に入っていることが3日、分かった。店内のイートインコーナーでの飲食を「外食」扱いとすれば税率は10%となるが、コンビニ業界は同コーナーを「休憩施設」と位置づけ、「飲食禁止」を明示することで、外食としてのサービス提供でないことを明確にする方針だ。

               コンビニ業界は既に、財務省などに対して、この方針を伝えている。関係者によれば、財務省や国税庁からも一定の理解を得ており、調整を経て、今後、国税庁のガイドラインなどで運用ルールの具体化を進めるとしている。ただ、外食産業からは、税率差が生じるため、反発が強まりそうだ。

               コンビニ大手は軽減税率に対応した新型レジシステムの導入を済ませている。だが、レジで客に購入する飲食料品について、「持ち帰りか、イートインで飲食するか」と、いちいち確認することは難しいとみている。コンビニは飲食料品だけでなく日用品など幅広い商品を扱い、レジでは短時間に大量の接客をこなさざるを得ないからだ。

               外食は「テーブルやイスなどの設備がある場所で飲食サービスを提供する」と定義される。コンビニ業界は、イートインを、飲食のサービスを提供するのではなく、単に休憩施設として場所を提供するものとして位置づける。

               購入した飲食料品がトレーに載せられて座席に運ばれたり、返却が必要な食器に盛られて提供されたりすると、外食と判断される。このため、そうしたサービスはできないようにして、全ての飲食料品を持ち帰りができる状態で販売するよう徹底する。コンビニ業界は、こうした施策で、取り扱う飲食料品は持ち帰りと定義でき、客がイートインで飲食したとしても税率は8%になるとみている。

               しかし、持ち帰りと店内飲食ができるファストフードなどの外食産業などからは、コンビニの対応に対して批判が強まる可能性がある。あるファストフードの首脳は「同じ昼食でも、外食は10%、コンビニ弁当は8%と、税率差が生じることは不公平だ」と警戒感を示している。(後略)』

               

               上記の記事の通りコンビニ業界が、2019年10月の消費増税に伴って導入される軽減税率で、コンビニで取り扱う飲食料品すべてについて、税率8%の軽減税率の対象品とするよう政府と調整しているとのことです。

               

               コンビニ業界として、かなり細かい点を工夫しているようにみえます。大手のコンビニは、軽減税率に対応した新型レジシステムを既に導入済みのようで、レジで購入する飲食料品について、テイクアウトか?イートインか?を都度確認するのは難しいとしています。

               

               当然、持ち帰りと店内飲食ができるファーストフード店などの外食産業からは、コンビニ業界の対応に対する批判が強まる可能性があるでしょう。

               

               とはいえ、こんなことになるのであれば消費税を上げるのを止めればいいのではないでしょうか?

               

               私は軽減税率を導入しても、運用上きれいに線引きすることが難しいと考えます。結果、軽減税率の対象に認めるか認めないか?が財務省の権限を強めるという見方もあるでしょう。

               

               新聞社は軽減税率が適用されるため、新聞各社は消費増税の反対をしなくなっているのでは?という疑義・批判があります。

               

               つい先日は自動車業界が自動車税の軽減という話もありましたが、消費増税ありきの議論でした。今回のコンビニ業界の軽減税率導入も、消費増税ありきの議論です。

               

               自動車業界でいえば消費増税しても自動車税を軽減させる、コンビニ業界の場合は飲食料品を他のファーストフード店よりも消費税を軽減させるといった具合に、消費増税しても自分たちの業界だけは助かりたいとする動きが顕著です。

               

               そもそも軽減税率を導入するということは、消費が冷え込むのを心配しているということです。消費増税をしても消費が落ち込むのは一時的という話は間違っているのでは?と疑問を持っていることと同じです。

               

               だったら消費増税を上げるのを止めればいい。

               

               京都選出の衆議院議員の安藤裕氏が安藤提言というものを安倍政権に提言しています。

               

               その中で、1取引当たり100万円以下は消費減税5%にし、住宅や自動車など個人が買う場合も消費税5%にするとしています。この安藤提言であれば、多くの業界で消費税の軽減税率の対象となることでしょう。

               

               私は安藤提言に賛成の立場なのですが、もし普通に消費増税が敢行され、コンビニ業界だけがうまく軽減税率を導入したとしても、多くの業界で消費増税となるため、消費が落ち込んでコンビニでも売り上げが落ち込むことでしょう。

               

               自分たちの業界だけが助かりたいと思っても、他の業界が不景気になってしまっては、結局自分たちの物・サービスを買ってもらう購買力が増えません。

               

               その点、安藤提言では、1取引当たり100万以下は消費税5%に減税し、しかも個人が購入する住宅や自動車も消費税5%と、軽減税率の対象を大幅に増やす内容で、これなら逆に消費を刺激して多くの業界で売り上げが伸びることになると考えられます。

               

               

               というわけで「自分たちの業界が消費増税から助かりたいとする愚かな考え」と題して論説しました。

               新聞業界にしろ、コンビニ業界にしろ、軽減税率の導入をしたところで自分たちだけの売上が維持されると考えている時点で愚かなことです。

               もっとシンプルに考えるべきなのですが、何しろ消費税は「欧米のように高くなければならない」とか「社会保障費を維持するためには必要」とか「財政破綻しないためにも増税は必要」といった間違った論説が多く蔓延っているため、こうした動きにつながるのだと思います。

               沖縄県知事選挙で自民党が敗北したこともあり、消費増税やっても大丈夫なのか?といった声も出始めているともいわれています。今日は後半で安藤提言について触れましたが、消費増税をやるのであれば軽減税率を大幅に拡充し、財務省の意向を逆手に取った安藤提言をそのまま実行に移すことが、日本にとってデフレ脱却につながって税収増も期待できることにつながるでしょう。

               首相官邸のホームページに掲載されていますので、ぜひお時間のある方は安藤提言をご参照いただければと思います。

               

               

              〜関連記事〜

              なぜ諸外国は消費税20%とか25%とかできるのか?

              低年金者向けの消費増税対策について

              消費税を引き上げれば引き上げるほど財政は悪化します!

              財務省に電話して「”財政破綻の定義”って何ですか?」と聞いてみましょう!(財務省職員は絶対に財政破綻の定義について答えられません!)

              インフレになっていない状況で実施された消費増税の経済へのすさまじい破壊力

              消費税率1%UPで2.5兆円増収できるというウソ

              財務省職員の人事評価制度について(増税できた人を評価するのではなく、GDPを増やした人を評価すべき)

              日本人にとって、国内における真の敵は財務省の職員?

              「国の借金」と間違った教育を受けている岡山県の女子高生

              社会保障費増加は普通に国債発行でOK!増税して借金を返済する必要もありません!

              消費税増税した場合、個人消費は一時的に落ち込んでも、翌年以降V字回復するというのはウソです!

              税収を増やすためには、名目GDPの成長が必要です!

              消費税増税はインフレ対策です!

              「法人税」と「所得税の累進課税」が高く、「消費税」と「社会保険料負担」が低い国家とは?


              スマトラ地震を教訓に津波対策で設置したブイを維持・管理できなかったインドネシア

              0

                JUGEMテーマ:経済全般

                JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                JUGEMテーマ:経済成長

                JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

                JUGEMテーマ:安全保障

                JUGEMテーマ:天候、地震など

                JUGEMテーマ:天変地異、災害

                 

                 今日は「スマトラ地震を教訓に津波対策で設置したブイを維持・管理できなかったインドネシア」と題して論説します。

                 

                 産経新聞の記事を紹介します。

                『産経新聞 2018/10/08 18:13 インドネシア地震、死者2千人に迫る 残る未捜索地域、なお増加の恐れ

                 インドネシア国家災害対策庁は8日、スラウェシ島を襲った地震と津波による死者が185人増え、1948人になったと発表した。液状化現象で泥に埋まった家屋が多い地区など捜索が進んでいない被災地も残っており、犠牲者数はさらに増える見通し。

                 対策庁は、生存者の捜索活動を地震発生から約2週間となる11日まで続け、その後は行わない方針も明らかにした。液状化現象の被災地などで約5千人が行方不明との未確認情報があるが、多くの行方不明者の生死が分からないまま、捜索が終了する可能性がある。

                 対策庁によると、8日時点で行方不明者は835人。1万679人が大けがを負った。避難者数は7万4千人を超えた。

                 スラウェシ島を9月28日に襲った地震では、沿岸部で津波被害があったほか、内陸部では数キロ四方に及ぶとみられる広範囲の液状化現象が発生した。地面の陥没で多数の家屋が沈み、泥に埋まったままで、正確な行方不明者数の把握は難航している。(共同)』

                 

                 

                 上述の産経新聞の記事は、先月2018/09/28に発生したインドネシアのスラウェシ島を襲った地震と津波のニュースです。地震発生の当初、ニューズウィークの記事では、死者384人、行方不明者29人、負傷者540人と報じられていました。それが被害が拡大していることが判明して、死者が185人増えて1948人になったというニュースです。

                 

                 インドネシアの全体地図とスラウェシ島がどのあたりか?下記の地図で確認しておきましょう。

                 

                <インドネシアの地図>

                (出典:ヤフー地図)

                 

                 赤いピンで数字の「1」とあるのが、ジャワ島で首都のジャカルタです。青いピンで「レ」とあるのがスラウェシ島です。日本も地震が多い国ですが、インドネシアもまた地震が多い国です。2004年にはスマトラ島地震で大津波が発生し、たくさんの人々が命を落としました。当時は日本人観光客も亡くなった人がいました。

                 

                 今回、国家災害対策庁の報道官によれば、周辺に設置された22基の津波観測用のブイがすべて作動しなかったことを明らかにしています。周辺の海上には津波観測用のブイが22基あったのですが、残念ながら稼働しなかったのです。

                 

                 このブイとは、どういうものでしょうか?

                 

                 国交省のホームページに説明がありますので、ご紹介します。

                 

                <ブイの写真とGPS波浪計システムの概要>

                 

                (出典:国交省ホームページから引用)

                 

                 上記写真の通り、ブイとは海上に浮かぶ波浪観測するための機材です。インドネシアでは2004年に発生したスマトラ島の巨大津波を受け、このブイを設置しました。

                 

                 ところが2012年以降、どのブイも作動しない状態が続いていたとのことです。

                 

                 その理由はなぜか?

                 

                 予算不足でブイの稼働の維持ができていなかったとのことでした。要は維持管理にかけるお金がなかったため、設置したまま放置していたというわけです。

                 

                 緊縮財政をよしとする財務省職員や、東大教授の吉川洋らは、どのように思うでしょうか?海外のこうした事例をみても、他山の石と思わないでしょうか?

                 

                 日本はインドネシアと異なり、世界最大の純資産大国です。にもかかわらず、すさまじい緊縮財政をやっています。

                 

                 とにかく無駄削減、小さな政府を目指すために民営化、規制緩和をやっていき、イノベーションを誘発させるなどと主張する有識者が多いのが今の日本です。

                 

                 新技術を入れようとしてイノベーションといっておきながら、緊縮財政をやるとどうなるか?インドネシアのブイがすべて作動しなかったということは、日本でも起き得るのではないでしょうか?

                 

                 結局、イノベーションで新しい技術を創出しても、十分に予算を付けないとなれば、放置されてしまうのです。

                 

                 ではインドネシアの場合、ブイを設置したのは全部無駄だったのか?というと話は複雑で、ブイがあったために安心して津波から非難することが遅れて、死者が増えてしまったと言えなくもありません。だからといってブイを設置するべきではなかったということではないことは明白です。普通にブイの維持・管理にお金をかければいいだけの話です。

                 

                 緊縮路線を突き進むためにイノベーションというのは、金の無駄であり、人殺しにすらなるということを、財務省職員や日本政府の関係者は教訓にするべきでしょう。

                 

                 一度設置したブイを維持管理するために予算を付けるということ自体、政府支出増=ブイの維持管理サービスの生産=生産者の所得ということで、GDP3面等価の原則的には経済成長に貢献します。日本の場合は純資産大国ですので、普通に政府支出増で維持管理すればいいだけの話です。

                 

                 インフラの補修を含め、使うべきところにお金を使わないと人命が失われます。

                 

                 インドネシアの今回の事故から何を学ぶか?といえば、日本でも導入している津波のブイの維持管理について、しっかりと予算を付けていただきたいということです。

                 

                 

                 というわけで今日は「スマトラ地震を教訓に津波対策で設置したブイを維持・管理できなかったインドネシア」と題して論説しました。

                 緊縮財政とイノベーションの組み合わせは、金の無駄と人殺しにすらなると申し上げました。例えば新幹線のフリーゲージトレインの計画も同じだと思うのです。財務省は、フル規格新幹線を作るとお金がたくさんかかるため、フル規格新幹線を不要にするためにフリーゲージトレインの開発を後押ししていました。何しろケチケチの財務省がフリーゲージトレインのために20年間にわたり500億円もの予算を付けていたのです。

                 仮想敵国中国の新幹線への投資は毎年6兆円です。日本もフリーゲージトレインで中途半端に緊縮財政のためのイノベーションをやると、人の命が危険に晒されます。何しろフリーゲージトレインはJR各社が安全性を担保できないという理由で拒否しているのです。

                 また今回のブイでいえば、しっかりと予算を付けて維持管理をしていれば、2000人近くもの死者を出さずに済んだかもしれません。緊縮財政がいかに人を殺してしまうのか?日本政府は一例として教訓にすべきであると私は思います。


                世界第2位のノーベル賞受賞者輩出国の科学技術立国から転落しようとしている日本

                0

                  JUGEMテーマ:経済全般

                  JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                  JUGEMテーマ:経済成長

                  JUGEMテーマ:年金/財政

                   

                   今日は「世界第2位のノーベル賞受賞者輩出国の科学技術立国から転落しようとしている日本」と題して論説します。

                   

                   今年のノーベル医学生理学賞において、日本人で京都大学の本庶佑(ほんじょ たすく)さんの受賞が決まりました。本庶さんのノーベル賞受賞により、日本人でノーベル賞を受賞した人は26人となりました。

                   

                   ノーベル医学生理学賞受賞の理由となったのが、画期的ながん治療を生んだ小野薬品工業のオプチーボの開発につながった「PD−1」という分子の発見です。この本庶さんが発見した「PD−1」分子の発見がどれだけすごいことなのか?何が画期的なのか?AERAの記事をご紹介します。

                   

                  『AERA 2018/10/05 16:00 本庶佑さんノーベル賞受賞で注目の“オプジーボ”は何が画期的なのか?

                  (前略)37歳で教授に就任したエリートで、俳優と見紛うルックス。順風満帆な研究者人生を歩んできた京都大学高等研究院特別教授の本庶佑(ほんじょ・たすく)さん(76)が、ついにノーベル医学生理学賞に選ばれた。がん細胞を攻撃する免疫細胞にブレーキをかけるタンパク質「PD−1」を発見したことが、画期的ながん免疫療法に結びついた。がん細胞を除去したり破壊したりする従来の手術、放射線、抗がん剤という3本柱の治療法とまったくアプローチの異なる研究は、がん治療の常識を覆す希望の光となっている。(中略)

                   発見したPD−1が生み出したがん治療薬「オプジーボ」は、何が画期的なのか。「がん治療設計の窓口」事務局長で医学博士の中村健二さんは語る。
                   「手術で切り取るか放射線でぶっ壊し、あとは抗がん剤で追い詰めるというのが従来のがん治療の戦略。小さな取り残しが再発や転移につながらないよう、抗がん剤で追い詰める考え方ですが、がん細胞は『死んだフリ』をして、抗がん剤の治療が終わったら、また動き始める。しかも抗がん剤は正常細胞まで大きくダメージを与えるので、がん細胞と闘う免疫細胞や抗酸化機能などの生体防御機能まで損なわれてしまう」
                   しかし、オプジーボは発想が全く異なる。中村さんが続ける。
                   「普段免疫細胞は不良品のがん細胞を見つけるとやっつけるんだけど、がんが大きくなるとなぜだか攻撃しなくなる。PD−1が免疫細胞にカバーをかけて働かなくしていたのです。じゃあカバーを取ってしまおうというのがオプジーボ。免疫細胞を働きやすくして生体防御機能を大きくし、がん細胞との綱引きに勝とうということです」
                   がんは、常に存在する不良品たるがん細胞と免疫力のバランスが崩れて起きる生活習慣病とも言える。しかし、免疫療法は“亜流”扱いされてきた。中村さんは言う。(後略)』

                   

                   

                   小野薬品工業のオプジーボの開発につながった分子「PD−1」の発見は、がん治療の常識を覆すとしています。免疫の力でがんを抑えられるというのが特徴です。

                   

                   本庶さんによれば、免疫力こそががんを直す力とし、オプジーボが効く効かないの判断は、まだ十分ではないとのこと。副作用への対応の仕方も課題との指摘もしています。

                   

                   一方で肺がんなどで保険診療になっているオプジーボと異なり、科学的根拠がない治療を「がん免疫療法」とうたい、自由診療で提供している医療機関が多くあるとも指摘。ノーベル賞受賞後に講演した本庶さんは、講演後の会見で「(科学的に裏付けのないがん治療法を)お金儲けに使うのは非人道的だ。藁にもすがる思いの患者に証拠のない治療を提供するのは問題だ」と強調したとされています。

                   

                   私は自由診療ではなく、保険診療となる治療法が増えれば、多くの人々が先進的な治療を安価な料金で受診することができるため、多くの国民が便益を受けると思っています。その一方で自由診療を増やしていくべき!などとする有識者がいます。

                   

                   自由診療を増やせばどうなるか?お金儲けが自由にできることになります。自由にお金儲けができる一方で、治療を受ける側は自己責任のもと、化学的に裏付けがあるか否か?自分で判断して治療を受けることになります。

                   

                   竹中平蔵氏がいう「TPPは自由貿易なんです。だからやるんです。」「規制でがんじがらめだから規制緩和をやるんです。」という発想で、日本の制度を変えられてしまうと、金儲けのために患者に対して証拠のない治療を提供するのも自由ということになってしまいます。

                   

                   むしろ政府が関与し、科学的根拠がある治療方法について健康保険適用するとなれば、そうした悪徳治療で金儲けをしようとする輩を排除でき、しかも科学的根拠がある治療を安価な料金で受診できるようになるのです。

                   

                   少し話を戻しましょう。

                   

                   私見ですが、私はノーベル賞について、平和賞、文学賞、経済学賞は、いろんなバイアスやプロパガンダなどもあって、価値がない賞と個人的には思います。一方で、自然科学分野である医学生理学賞、化学賞、物理学賞は、人類の発展に貢献する非常に価値がある賞だと思っています。

                   

                   自然科学分野に限っていえば、米国は約170人の受賞者を輩出し、日本も自然科学分野で十数名出しています。

                   

                   これは世界で2番目の輩出であり、文字通り日本は科学技術立国であることの証左です。

                   

                   本庶佑さんは京都大学の教授で、京大では10人目になるとのことなのですが、日本の科学技術力を示すものといえるでしょう。日本の科学技術の水準が高いことを示しているといえるでしょう。

                   

                   とはいえ、心配な一面があります。

                   

                   受賞対象となった研究のほとんどが30年以上前の研究の成果であるということです。

                   

                   過去のノーベル賞受賞者からは、近年の日本の研究力が低下しているという指摘が出ているのです。

                   

                   30年前といえば、1980年代〜1990年代にかけての研究業績となります。日本がデフレに突入したのは1997年の構造改革基本法制定後の1998年からです。いわゆる失われた20年です。

                   

                   しかしながら30年前の1980年代〜1997年までは、デフレになる前の日本であり、インフレでGDPも右肩上がりでした。当時は大学の活力もあったといわれています。

                   

                   ポジションがたくさんあって助手がたくさんいて、准教授がいて教授がいるといった状況でした。若者同士が研究を切磋琢磨して優秀な人間が教授になっていくという状態だったのですが、今は研究費自体が削減され、仕事の半分くらいがお金を稼ぐための営業活動に近いことをやらされています。

                   

                   下記は科学技術関連予算の推移です。

                   

                  <科学技術関係予算の推移>

                  (出典:内閣府の”「科学技術関連予算」平成29年度当初予算案及び平成28年度補正予算について”から引用)

                   

                   上記資料は2001年からの数値の推移ですが、2009年度と2012年度のみ補正予算が増えて5兆円超となった以外は、4兆5000億円前後を推移しています。

                   

                   そして下表は、主要国における博士号・修士号の取得者数の2008年と2014年の比較です。

                  (出典:文部科学省 科学技術・学術政策研究所、「科学技術指標2018」を基に、杉っ子が加工・作成。)

                   

                   

                   中国や韓国が博士号・修士号の取得者を増やしているのに比べて、日本は2008年度と2014年度の対比で減少しているという状況です。

                   

                   期限付きのポジションで5年限定で研究させるなど、例えばIPS細胞の山中教授のところでは、非正規雇用の学者ばかりであったりもしています。そのために山中教授が資金集めに奔走しているのです。

                   

                   本庶さん曰く、本を読んだり、実験をしたり、論文を書いたりする時間がどんどん少なくなっていて、このままだと将来20年後、30年後、ノーベル賞は取れなくなるだろうとのこと。

                   事実、1998年から日本はデフレとなり、それから30年となる2028年まであと10年ですが、今から10年後、1つもノーベル賞が出ない国に落ちぶれてしまっているということを懸念しているようです。

                   

                   本庶さんは自らがノーベル賞受賞によって獲得した賞金、特許料を全て、学生のための基金を作るとしていますが、これは本庶さんの日本の将来を憂いた痛切な叫びといえるのではないでしょうか?本庶さんはノーベル賞を取って初めて、自分の意見を聞いてもらえるとお考えになり、一生懸命仰っておられるのだ!と私は思うのです。

                   

                   

                   というわけで今日は「世界第2位のノーベル賞受賞者輩出国の科学技術立国から転落しようとしている日本」と題して論説しました。

                   プライマリーバランス黒字化目標がある限り、科学技術関連予算を大幅に増やすことはあり得ないでしょう。100歩譲って科学技術関連予算を大幅に増やすのであれば、家計簿発想のプライマリーバランス黒字化目標のために、科学技術予算を増やす分、他の予算を削減するか、消費税を20%に引き上げるなどといった発想になるに違いありません。結局、経済成長の芽を摘んでしまうのです。

                   ノーベル賞受賞者をいかに輩出し続けることができるか?これも結局はプライマリーバランス黒字化を破棄しなければ解決しないことと私は思うのです。

                   

                   

                  〜関連記事〜

                  日本における科学技術の衰退(このままだとノーベル賞受賞者が出なくなります!)

                  IPS細胞の山中教授は、プライマリーバランス黒字化(=財務省の緊縮財政)の被害者

                  オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス


                  お金の本質を理解していた江戸時代の勘定奉行”荻原重秀”

                  0

                    JUGEMテーマ:江戸時代

                    JUGEMテーマ:経済全般

                     

                     江戸時代に荻原重秀という人物がいます。荻原重秀は、儒学者の新井白石と争ったとされるのですが、今日は「お金の本質を理解していた江戸時代の勘定奉行”荻原重秀”」と題して論説します。

                     

                    1.近現代における通貨発行に関する歴史

                    2.1万円札の担保とは?何か?

                    3.ジンバブエのハイパーインフレについて

                    4.慶長小判→元禄小判→宝永小判と2回の改鋳を行った荻原重秀

                     

                     上記1〜4の小題で荻原重秀がいかにすごい人であったか?をご説明します。

                     

                     

                     

                    1.近現代における通貨発行に関する歴史

                     

                     荻原重秀が生きていたのは1658年〜1713年で、元禄時代に貨幣改鋳を行ったことで知られている人です。この人のすばらしさは、お金の本質を理解していたことです。

                     

                     お金の価値とは何なのか?考えたことありますでしょうか?

                     

                     近現代史におけるお金の価値に関するイベントを編年体で記すと下記の通りです。

                     

                    ●1944年 金本位制→金ドル本位制

                     ブレトンウッズ体制・IMF体制の確立

                    ●1971年 金ドル本位制→管理通貨制度へ移行

                     米ドルと金の兌換を廃止する宣言、ニクソンショックによって管理通貨制度へ移行

                     

                     現在は金本位制でも金ドル本位制でもない管理通貨制度ということになります。中央銀行が紙幣をどれだけ発行できるか?国債をどれだけ発行できるのか?金の貯蔵量によらずとも、中央銀行は自由に紙幣を発行することが可能です。

                     

                     金本位制のときは、紙幣は金地金と交換する預かり証を兼ねていたため、金の貯蔵量分しか紙幣を発行できませんでした。管理通貨制度では、各国が自主権に基づき、紙幣の発行も国債の発行も自由にできます。インフレ率やGDPデフレータをみながら、国債を発行して、マネタリーベースを政府が調整し、国民が生活しやすい環境を整えるのです。具体的には、インフレ率が非常に高い場合であれば、財政出動を抑制したり、日銀が国債を売ってマネタリーベースを縮小したり、法定準備金の準備率を引き上げるなどします。

                     

                     何が言いたいかといえば、今は管理通貨制度であるため、金の貯蔵量や外貨準備高に関係なく、政府日銀は自由に通貨を発行し、国債を発行することが可能なのです。

                     

                     逆に言えば、1万円札と金を交換するということはできません。なぜならば現在の1万円札は金を裏付けとしているわけではないからです。

                     

                     

                     

                    2.1万円札の担保とは?何か?

                     

                     そもそも1万円札は何を裏付けに、何を担保として発行されているのでしょうか?100ドル紙幣は何を裏付けに発行されているのでしょうか?他通貨はどうなのでしょうか?

                     

                     通貨の裏付けは、国力という抽象的な言い方しかできません。1万円札が信用されるのは日本の国力ということになります。100ドル紙幣が信用されるのは米国の国力となります。

                     

                     国力の強い国とは、需要創出、物・サービスの供給力のほとんどが自国でできる国といっていいでしょう。他国に頼らず、自国で需要を創出し、物・サービスを自国で賄える国、それが国力の強い国です。

                     

                     自国の生産力で、自国民の需要を満たすことができる割合が高い国のことを先進国ともいいます。先進国というのは「先進的な国」という抽象的な概念ではありません。国内の需要を満たすのに十分な生産能力を保持している国が先進国であるといえるのです。

                     

                     日本には資源がありません。電力で使う燃料の原油や天然ガス、ウランなどは日本では算出されず、他国からの輸入に頼っています。資源以外は、ハードインフラストラクチャー(建設、土木など)、ソフトインフラストラクチャー(国防、電力ガス水道、教育、農業、警察・消防などの行政サービスなど)は、自国で対応できるもしくはその技術を持っています。

                     

                     少し話が変わりますが、飲み屋で支払いをツケで払うといった場合、飲み屋さんは、その人を知っていて所得があることを知っているからこそ、後払いを許します。もし無職だとわかっていたら、ツケで払うことを認めないでしょう。ツケで払う場合、名刺の裏に飲み代5000円と書いたとしても、名刺に5000円分の価値があるわけではありませんし、小切手でもないために裏面に5000円と書かれた名刺そのものに譲渡性もありません。

                     

                     たとえ5千円札で支払った場合も、5000円紙幣自体に価値があるわけではありません。日本銀行が発行した紙幣であり、日本銀行は政府が55%株式を保有し、日本政府は徴税権や通貨発行権といった強大な国家権力を保持し、その日本国そのものが国力があるからということが5千円札紙幣の担保になっています。

                     

                     

                     

                    3.ジンバブエのハイパーインフレについて

                     

                     発展途上国の場合、「需要>供給」で需要を供給力で満たすことができない状態が多いです。こういう国は、どれだけ自国の通貨を発行したとしても、即ち紙幣を発行したとしても、紙幣自体に価値があるわけではないため、普通にインフレが発生します。発展途上国がすべきことは、紙幣を増刷することではなく、供給力を強化することに尽きます。

                     

                     ジンバブエのハイパーインフレは有名な話です。そのジンバブエでは、2017年11月にムガベ大統領が亡くなりました。かつてジンバブエは農業大国で、食糧余剰生産国だったのですが、ムガベ大統領が、資本やノウハウを持つ白人を排斥したことで、「需要<供給」→「需要>供給」となってしまったのです。

                     

                     この場合、飢え死にしたくないとなれば、食料品は普通に値上がりします。どれだけ通貨を発行したとしても、農作物の供給量がUPしない限り「需要>供給」となるため、普通に物価上昇します。農業のノウハウを持つ白人を排斥して供給力を削減し、供給力不足を放置して、大量に紙幣を発行すれば、ハイバーインフレーションになって紙幣の価値が激減するのは必然だったでしょう。

                     

                     通貨の価値とは、その程度のものです。物・サービスを作り出す供給力がなければ、どれだけ紙幣を発行しても逆に通貨の価値は減ります。先進国とは物・サービスを作り出す供給力がある国力の強い国ともいえるのです。

                     

                     また、金本位制ではないため、国家に金地金がどれだけ保管されていようと、国力がない国の通貨は弱く、国力がある国の通貨は強い。そして金地金や外貨準備高によって中央銀行は通貨発行を制限されるものではない、これが管理通貨制度の本質といえます。

                     

                     つまるところ、人間にとって優先順位が高いのは、通貨よりもモノ・サービスを供給する力です。金地金やお金を貯め込むことではありません。人々の需要を満たすために、十分に供給できる生産能力が実在すること、即ち国力が強ければ流通する通貨そのものは「債権と債務の記録となっていること」「通貨の単位が明確になっていること」「譲渡性があること」の3つをすべて満たせば、紙切れでも石ころでも貝殻でも何でもいいのです。

                     

                     荻原重秀は、このことを完全に理解していたと思われる人物だったといえます。

                     

                     

                     

                    4.慶長小判→元禄小判→宝永小判と2回の改鋳を行った荻原重秀

                     

                     荻原重秀が生きた元禄時代、日本国内では金銀の産出量が下がる一方、外国からの輸入が増え、貴金属が海外に流出する状況にありました。経済が発展して「お金の需要」が拡大したものの、貴金属の裏付けなしでお金を発行することはできない状況でした。この場合、十分にお金がないということでデフレ化します。

                     

                     荻原重秀は、デフレ化を食い止めるため、1695年(元禄8年)に慶長金貨、慶長銀貨について金銀の含有量を85%→57%まで減らした鋳造を行いました。これが元禄小判と呼ばれるものです。

                     

                    <慶長小判と元禄小判と宝永小判の写真>

                     

                    (出典:日本銀行金融研究所「金融研究」第12巻第2号(平成5年6月)から引用)

                     

                     しかしながら元禄小判に改鋳した後も、幕府の財政が災害や浪費で困窮しました。新井白石が力を得て、荻原重秀に圧力をかけました。その結果、再改鋳で金の比率を高めた小判にせざるを得ませんした。この小判を宝永小判といい、1710年から流通させました。この宝永小判を発行する際、荻原重秀は小判そのものの大きさを半分にすることで金自体の使用量を変えなかったのです。 

                     

                     江戸時代の史書に「三王外記」という書物があるのですが、この「三王外記」に荻原重秀が語った言葉が記載されています。

                     

                      「貨幣は国家が造る所、瓦礫を以ってこれに代えるといえども、まさに行うべし。今、鋳するところの銅銭、悪薄といえどもなお、紙鈔に勝る。これ遂行すべし。」

                     

                     荻原重秀は元禄時代に生きた人ですが、貨幣というお金について、それ自体に価値がある金や銀である必要はなく、瓦礫が流通したとしても問題ないということで、金本位制の限界に気付いていたと思われるのです。

                     

                     金本位制の限界とは、金という資源が限られており、金を裏付けに紙幣を発行するとなると、経済のパイが大きくなったとしても、金が不足しているために紙幣が発行できないということをいいます。

                     

                     金の含有量が85%もあった慶長小判から57%にまで比率を下げた元禄小判への改鋳、あるいは金自体の使用量を変えないようにするために小判の大きさを半分にした宝永小判の改鋳は、いずれも金が不足していたということのほか、荻原重秀が貨幣の価値は金の含有量に左右されないということを理解していたということの証左だと考えられるのです。

                     

                     ニクソンショックのきっかけは、ヨーロッパの国々が米国に対して多額のドル紙幣と金との交換を迫ったことがきっかけです。世界の経済のパイが拡大するにつれて、ドル紙幣を発行しまくるわけですが、金の保有量の関係なく発行しまくったため、多額のドル紙幣を金と交換することを求められた米国は、金との引き換えに応じることができなくなりました。

                     

                     そこで金ドル本位制を終わらせる、即ちドル紙幣を金の兌換券との位置づけを止めることを宣言するニクソンショックが起き、1971年以降、現在の管理通貨制度に移行されたのです。

                     

                     

                     というわけで今日は「お金の本質を理解していた江戸時代の勘定奉行こと”荻原重秀”」と題して論説しました。

                     お金の価値は、中央銀行の金地金の保有量とか関係ないのです。そのことを200年以上も前に生きていた荻原重秀という人物が知っていたということに対して感動を覚えてしまうのは私だけでしょうか?

                     管理通貨制度の下では、政府でいえば外貨を貯め込む、企業でいえば内部留保を貯め込む、それらは通貨防衛や企業のM&Aの原資という意味では役に立つかもしれません。とはいえ、デフレを放置して供給力を毀損し続けて発展途上国化してしまえば、貯め込んだお金の価値は下がってしまうのです。

                     企業経営ですら、内部留保をたくさん貯め込んだとしても、従業員への能力開発費が十分に当てられず、設備も古いままという状況では、競争力が落ちていくことになるでしょう。

                     世の中「カネカネカネ」という人が多いのですが、それは個人や家計分野でやっていただきたい。国家や企業経営では、お金を貯め込むよりも、設備投資や研究開発や能力開発費に多くお金を投じることで、単位当たり労働コストを引き下げ、国家でいえば国力が増強、企業でいえば競争力が強化されていくものと私は思います。

                     

                     

                    〜関連ブログ〜

                    国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

                    ジンバブエのハイパーインフレについて


                    日本のプライマリーバランスが黒字だったときは?

                    0

                      JUGEMテーマ:経済成長

                      JUGEMテーマ:年金/財政

                      JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                       

                       今日は「日本のプライマリーバランスが黒字だったときは?」と題し、プライマリーバランス黒字化目標について論説します。

                       

                       プライマリーバランスとは何か?といえば、基礎的財政収支のことをいいます。

                       

                       では財政収支とは何でしょうか?一般政府(国・地方自治体・社会保障基金)において、歳入から歳出を差し引いたものです。その財政収支から、国債の利払い費用を除いたものを基礎的財政収支(=プライマリーバランス)と呼んでいます。

                       

                       プライマリーバランス黒字化とは、入ってくるお金から、出ていくお金と国債の利払い費用を差し引いた数値をプラスにするというものです。家計簿の発想でいえば、収入から支出を差し引き、住宅ローンや自動車のローンなどの利息を引いたものをプラスにすると考えれば理解ができるでしょう。

                       

                       家庭の家計簿ならまだしも、国家の財政運営においてプライマリーバランス黒字化目標は、本当に日本にとって必要なのでしょうか? 

                       

                       このプライマリーバランス黒字化目標が導入されたのは、竹中平蔵氏が経済財政政策担当大臣だった小泉純一郎政権のときです。竹中平蔵氏の「財政健全化のためには、プライマリーバランス黒字化が必要」という誤った考え方は、財務省に受け継がれ、デフレ脱却を困難にしている一つです。

                       

                       そもそも政府はプライマリーバランス黒字化する必要はありません。徴税権と通貨発行権という強力な権限を持つ日本政府は、国民経済を成長させ、国民を豊かにするためならば、プライマリーバランスが赤字だったとしても何ら問題はありません。

                       

                       基礎的財政収支を黒字にしよう赤字にしようとも、それが「国民が安全に、豊かに暮らすこと」が達成できればいいのです。なぜならば、日本政府は「国民が安全に、豊かに暮らすこと」を目的とした非営利組織であって、利益追求組織ではないからです。

                       

                       自民党の総裁選で争った安倍首相と石破茂氏とでは、プライマリーバランス黒字化について意見が異なっています。安倍政権は、2017年10月の衆議院議員選挙直後の2017年10月22日に日本テレビ番組において、「プライマリーバランスを無理やり黒字化して、アルゼンチンは次の年にデフォルトになった。経済を成長させ、投資すべきものはしっかりと投資しながら、財政健全化を図っていきたい」と述べました。

                       

                       つまり安倍首相は、無理やりプライマリーバランス黒字化をしてはいけないという意見を持っていると考えられます。一方で石破茂氏は、2017年6月27日のブルームバーグの記事によれば、「プライマリーバランス黒字化目標を変えたら終わりだ!」と述べていました。

                       

                       プライマリーバランス黒字化目標を撤廃したところで、何が終わるのでしょうか?日本が終わるといっているのでしょうか?

                       

                       プライマリーバランス黒字化目標を撤廃することこそ、デフレ脱却の一矢であることを、私たちは認識する必要があります。この世の中で、政府、企業、家計のすべてが黒字になることはできません。誰かが赤字にならない限り、黒字は生みだしません。仮にも政府がプライマリーバランス黒字化を無理やり続けた場合、企業や家計は赤字になり続けます。これは貧困化を意味します。企業や家計が赤字になれば、当然税収も減ります。

                       

                       即ちプライマリーバランス黒字化すべきと主張することは、日本国民に「貧しくなれ!財政は悪化しても構わない!」と主張していることに等しいのです。

                       

                       日本のプライマリーバランスが過去に黒字化したときがありました。下記のグラフをご覧ください。

                       

                      (出典:世界経済のネタ帳から引用)

                       

                       1985年〜1992年にかけて、日本のプライマリーバランスは黒字化しています。この時代はバブル期で、企業も家計も超絶黒字の絶好調だったため、税収が激増して景気対策も不要になりました。このようにプライマリーバランスが黒字になっているときに景気対策をすると、さらに景気が過熱化します。

                       

                       もし、財務省が本気でプライマリーバランスを黒字化したいと考えるのであれば、政府の財政支出を拡大させ、減税を繰り返して超好景気にすればいいだけの話です。

                       

                       財務省の官僚が本気でプライマリーバランス黒字化を目標に掲げるのであれば、日本経済に好景気をもたらすように財政支出増を認めるべきです。にもかかわらず、緊縮財政と政府支出削減を継続するならば、財務省の官僚はプライマリーバランス黒字化を望んでいないのでは?という結論にならざるを得ません。

                       

                       

                       というわけで今日は「日本のプライマリーバランスが黒字だったときは?」と題して論説しました。

                       バブル期のときに黒字だったプライマリーバランスが、なぜ赤字を続けているか?といえばバブル崩壊という原因もあったでしょう。特に1997年の構造改革基本法制定以来、緊縮財政が始まった1998年から、赤字が継続していますが、金利も一環として下げ続けてきました。

                       マイナス金利が続いているということは企業に資金需要がないということです。しかも政府も借金を増やそうとしていないわけですからなおさらです。企業が債務を増やしてまで投資をしようとしないデフレ期においては、政府が財政赤字を拡大して国内需要の創出に努めなければ、国民は貧困化していきます。誰かが支出を増やさない限り、誰かの所得も創出されないからです。

                       GDPデフレーターで2%、コアコアCPIで2%が達成されるまで、プライマリーバランスの赤字幅を増やし続ければ、やがて景気が良くなってGDPが拡大して税収も増えていくことで、プライマリーバランスは黒字化するでしょう。

                       そもそも資本主義とは、企業や政府の負債は増え続けながら経済成長するものです。企業も政府も家計も黒字になることはできません。プライマリーバランスを黒字化させるのであれば、政府支出増と減税が必要であることを多くの人々に気付いていただきたいと私は思います。


                      財政赤字を増やそうとしたイタリア政府

                      0

                        JUGEMテーマ:年金/財政

                        JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

                        JUGEMテーマ:経済成長

                        JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                        JUGEMテーマ:イタリア

                         

                         今日は「財政赤字を増やそうとしたイタリア政府」と題して論説します。

                         

                         財政赤字という言葉を聞いて、皆さんはどんな印象を持つでしょうか?財政赤字というキーワードの赤字という言葉をネガティブにとらえる人は多いと思います。

                         

                         日本ではプライマリーバランス黒字化目標というものがあります。基礎的財政収支を黒字にするというもので、国家予算の支出を税収の範囲内で収まるようにするというのがコンセプトです。

                         

                         私はプライマリーバランスを黒字化にすること自体を目標にすることは反対です。なぜならば、プライマリーバランスは常に黒字であることが正しいとか、常に赤字であることが正しいという発想自体がそもそも誤りです。

                         

                         これは消費増税も当てはまります。デフレの時は消費増税をする必要がなく、むしろ消費税をゼロにすることもあり得ます。一方でGDPデフレーターが10%とか、コアコアCPI(生鮮食品とエネルギーの価格変動を除いた消費者物価指数)が10%とか、インフレ率が高いときは、景気の過熱を抑制することを目的に消費税を実施して税率を引き上げることも政策の一つとしてあり得ます。

                         

                         経済政策の議論で思うのは、家計簿の発想を国家の財政政策に持ち込み、黒字でなければならないと考えることが一番の大きな過ちです。

                         

                         日本では相変わらず家計簿発想で「自然災害で出費が増えて”財政ガー”破綻するー!」とか「自然災害に備えるための出費で”財政ガー”破綻するー!」という論説が多いです。そんな中、イタリア政府が財政赤字を増やそうと試みました。下記はブルームバーグの記事です。

                         

                        『ブルームバーグ 2018年10月4日 04:34 イタリア:2020、21年の財政赤字目標引き下げ−EUに一定の譲歩

                         イタリア政府は3日、2019年の財政赤字目標を対国内総生産(GDP)比2.4%とし、20年と21年には同比率を引き下げる方針を表明した。欧州連合(EU)に一部譲歩する形となった。EUはイタリアのトリア財務相に対し、連立与党が要求する歳出予算を抑制するよう圧力をかけていた。

                         イタリアは先週、19−21年の財政赤字目標をいずれもGDP比2.4%とする方針を示していた。
                         財政赤字目標の当初の発表予定日から5日経過しても、イタリア政府はまだ財政計画の根拠となる経済成長見通しを示していない。政府報道官は、こうした詳細の発表は4日になると述べた。

                         コンテ首相は、「われわれは自分たちの約束を尊重する」とした上で、「これは真剣で責任が重く、勇気ある予算だ。イタリアは力強い成長が必要だ」と語った。

                         コンテ首相率いるポピュリスト政権の19年の財政赤字目標は、前政権が掲げたGDP比0.8%の3倍に当たる。トリア財務相は0.8%はもはや達成不可能になったと繰り返し述べていた。現政権は20年に同比率を2.1%、21年に1.8%に引き下げることを目指す。

                         連立政権はまた、債務残高の対GDP比率を21年に126.5%まで引き下げることも約束した。

                         EUの行政執行機関、欧州委員会のモスコビシ委員(経済・財務・税制担当)は、イタリアの財政赤字予測が修正される可能性があるのは「良い兆し」としながらも、19年の目標が修正されなければEU規則に反する恐れがあると指摘した。

                         イタリア連立政権の財政政策を巡る同国とEUの争いは、イタリア国債相場を欧州債務危機のピーク時以来の低水準に押し下げていた。イタリア10年債利回りは2日、14年以来の高水準で取引を終了した。その後、イタリア政府のEUへの譲歩が漏れ伝わったことから、14ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。』
                         イタリア政府は先週財政赤字を拡大しようとして、2019年〜2021年の3年間で0.8%の3倍にあたる2.4%にする旨を表明していました。上述のニュースは、EUとしてはイタリア政府の今後3年間の財政赤字目標をー2.4%にすることを許さないと圧力をかけ、2019年度の財政支出対GDP比率ー2.4%の後は、2020年はー2.1%、2021年度はー1.8%にする方針と、イタリア政府が譲歩したというニュースです。

                         

                         下図はイタリアのインフレ率の推移とイタリアの10年物国債の金利の推移です。

                        (出典:世界経済のネタ帳から引用)

                         

                        (出典:Investing.comから引用)

                         

                         2014年度から2016年度にかけて低成長で、2016年度はマイナス0.05%にまで落ち込みました。その後、2017年に1.33%まで上昇しましたが、直近の2018年は1.09%となっています。2017年の1.33%では、まだまだデフレ脱却したとはいえず、しかも2018年度も前年比で落ち込もうとしている状況から、デフレ脱却できていないといえるでしょう。したがって、現在のイタリアは財政出動を拡大すべき局面です。

                         2000年からリーマンショックが発生した2009年を除いて2012年まではインフレ率は2%〜3%台を推移していましたが、インフレ率の推移からみて、明らかにイタリアはデフレ化が始まっていると思われます。

                         

                         日本と異なるのは、金利がやや上昇傾向にあることです。日本ではマイナス金利で国債の増刷の余地が十二分にあるのですが、イタリアの場合は国債の金利が上昇している点が日本と異なります。

                         

                         イタリアはEUに加盟しているため、金融政策の自主権がありません。もし、イタリアがEUに加盟せず、ユーロに参加していなければ状況が変わります。

                         イタリアの中央銀行が国債を買い取って金利を抑制しつつ国債を増刷し、イタリア政府の財政支出増でインフレ率を押し上げるということが可能になるのです。

                         

                         しかしながらそれができず、しかも今回のブルームバーグのニュースのように、EUに財政赤字幅の抑制を求められてイタリア政府は譲歩してしまいました。

                         

                         イタリアは共通通貨ユーロに参加している以上、金融政策に自主権はありません。そのため日本のアベノミクス第一の矢のように金融緩和で国債金利をコントロールすることができません。またEUに加盟しているために、マーストリヒト条約で財政赤字対GDP比率を3%にしなければならないとするルールがあるのです。

                         

                         マーストリヒト条約はEU加盟国に対して、インフレ率の抑制や為替の安定のほか、財政均衡主義を要求しているのです。これらの縛りは、マーストリヒト条約という国際法によって定められているため、イタリア国内の法律よりも優先されます。これは日本でいえば、憲法よりも優先されるという話です。

                         

                         ブルームバーグの記事では、EUの行政執行機関である欧州委員会のモスコビシ委員が、イタリア政府が2020年と2021年の財政赤字対GDP比率をー2.4%からー2.1%、-1.8%へと引き下げて譲歩したことについて「良い兆し」などといいながら、2019年のー2.4%も引き下げるように求めています。

                         

                         モスコビシ委員は、明らかにイタリア政府に緊縮財政を迫っているわけですが、露骨な内政干渉です。とはいえ、イタリア政府はEUに加盟しているため、モスコビシ委員の露骨な内政干渉は許されてしまいます。

                         

                         本来ならばイタリア政府は2021年までー2.4%を継続するべきですし、経済状況によってはさらに赤字を増やしてもいいのですが、イタリアはEUに加盟している以上、財政赤字の額ですら国家主権に基づいて決めることができない状況にあるのが、イタリア政府の置かれている立場です。

                         

                         

                         というわけで今日は「財政赤字を増やそうとしたイタリア政府」と題して論説しました。

                         今日の記事をお読みになった読者の皆様は、なぜイギリス国民が国民投票でEUから離脱をしたのか?理解ができるのではないでしょうか?

                         イタリア政府が財政赤字対GDP比率を十分に拡大しなければ、イタリアは日本と同様に本格的なデフレーションに突っ込む可能性があります。ユーロやEUという仕組みがイタリア経済を縛り付けていることは明白ですが、イタリア政府だけで解決策することは難しい。EUの中の勝ち組のドイツが、日本の地方交付税交付金のように負け組のイタリアに資金を配るくらいが真の解決策かもしれません。

                         ただ日本の地方交付税交付金は日本人同士の助け合い、同胞の助け合いですが、イタリアとドイツは明らかに別々の国民であるため、それは難しいでしょう。となれば、イタリアもイギリスと同じようにEUを離脱するしか方法がないのでは?と私は思うのです。

                         

                        〜関連記事〜

                        決して他人事ではないイタリアで発生した高架橋崩落事故について

                        デフレ脱却のためには財政赤字の拡大が必要です!

                        「自国で通貨発行・政府支出ができる日本」と「EUに加盟しているためにできないフランス」どっちが愚かなのか?

                        「政府の債務残高対GDP比率3%以下」という”3%”に根拠なし!

                        フランスでも始まるか?日本で猛威を振るうデフレ長期化をもたらした緊縮財政!

                        イギリスのメイ首相のEU離脱宣言について!


                        アベノミクスはいいのか?悪いのか?

                        0

                          JUGEMテーマ:年金/財政

                          JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

                          JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                          JUGEMテーマ:経済成長

                           

                           今日はIMFのラガルド専務理事がアベノミクスを見直すよう要請したというニュースを取り上げ、「アベノミクスはいいのか?悪いのか?」と題して論説します。

                           

                           下記はAFP通信の記事です。

                          『AFP通信 2018/10/04 20:22 IMF専務理事、アベノミクスの見直しを要請

                          【AFP=時事】来日中の国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)専務理事は4日、根強い低インフレと成長の鈍化、急速な高齢化に直面している世界第3位の経済大国である日本に対し、経済政策の全面的な見直しを促した。

                           ラガルド氏は、超金融緩和政策に財政刺激策と構造改革を併せた安倍晋三(Shinzo Abe)首相の「アベノミクス(Abenomics)」を「新たな目」で見直すよう要請。

                           「政策の見直しが必要になってくるだろうと考えている。われわれの見解としては、基本方針は引き続き妥当であるものの、拡大し、持続させ、加速させる必要がある」と指摘した。

                           また、日本の経済と人口の両方の規模が今後40年間で4分の1縮小するとの予測に触れ、日本が直面している経済問題は「人口の高齢化と縮小が続く以上、大きくなる一方だろう」と警告した。』

                           

                           上記の通り、IMFのラガルド氏が来日しており、安倍総理と会談の中でアベノミクスの見直しを要請したというニュースです。

                           

                           記事では、「超金融緩和政策」と「財政刺激策」と「構造改革」を合わせたアベノミクスを見直すよう要請とあります。

                           

                           アベノミクスは三本の矢といわれていますが、当初は下記の通りでした。

                           第一の矢:金融政策(異次元の金融緩和)

                           第二の矢:財政政策(財政支出増による国土強靭化)

                           第三の矢:成長戦略

                           

                           それが2015/09/24に新三本の矢ということで、下記の通りとなりました。

                           第一の矢:希望を生み出す強い経済

                           第二の矢:夢をつむぐ子育て支援

                           第三の矢:安心につながる社会保障

                           

                           当初のアベノミクスの矢は、成長戦略こそ不明でしたが、第一の矢と第二の矢は具体的だったといえます。デフレ脱却のオーソドックスな政策である「金融緩和」「財政支出増」の組み合わせであり、実際に2013年度は異次元金融緩和と国土強靭化による財政支出増の組み合わせで、名目GDPは1.9%プラスとなり、税収は法人税・所得税が伸びて6.9%プラスとなりました。

                           

                           ところが2014年4月の消費増税8%を実行に移したことに加え、国土強靭化はどこ吹く風と言わんばかりに緊縮財政をやりました。本予算と補正予算を合わせて、公共事業を削減する方向に転換したのです。さらにデフレ脱却ができない状況、即ちデフレギャップが存在する状態「需要<供給」であるところに、成長戦略とは名ばかりの規制緩和で供給↑を推進したため、「需要<供給」のデフレギャップがさらに拡大することとなったのです。

                           

                           コアコアCPIが大きくマイナスせず、プラスマイナスゼロで持ちこたえる理由は、医療介護費が伸びているからです。しかしながらこれも医療費抑制、介護費抑制で伸びを抑制しています。医療費・介護費の伸びを抑制していなければ、その分経済成長できていたということが明々白々です。

                           

                           アベノミクスはいいのか?悪いのか?

                           

                           国民が豊かになるということは、国民の所得が増える、給料が増えるということになります。しかも実質賃金が増えているということ、即ち物価の上昇以上に実質賃金が増えていくことが重要です。

                           

                           安倍政権は2013年度こそ、名目GDPを増やして税収も増やしたのですが、2014年から消費増税をして以降、実質賃金は下落しています。

                           

                           その失政を指摘されることを嫌がり、株価は上昇していると国会でも発言していました。自分が在任してから株価が2万円台になったと発言したのです。これは安倍首相自身のみならず、自民党の一部の政治家、安倍政権側につくジャーナリストらもそうした発言をすることがあります。

                           

                           実際はどうでしょうか?株価が上昇すると国民は豊かになるのでしょうか?

                           

                           現実には実質賃金が5%も下げているわけで、株価と所得は全然違うことに気づかない人々は、上述の発言に騙されてしまうのです。

                           

                           そもそも日本の株価は誰が決めるのでしょうか?

                           

                           

                          (出典:蠹豕証券取引所のホームページの株式年間売買状況から引用)

                           

                           上記は株式年間売買状況をグラフにしてみたものです。外国人投資家の売買比率が60%〜70%を占めます。売買代金でみた場合でも、2013年の安倍政権誕生をきっかけに、600兆円〜800兆円と伸びています。2013年は個人投資家もアベノミクスに夢を求めたか?少しだけ売買代金が増えて200兆円まで伸びましたが、その後は伸び悩み、外国人投資家と大きく差がついている状況です。

                           

                           安倍政権や首相官邸はこうした数字を知っているのか知らないのか?外国人投資家が株を買えば株価が上がり、外国人投資家が株を売れば株価は下がるのです。

                           

                           なんで外国人の売買状況によって左右されるものを経済指標にしているの?と疑問に思いませんでしょうか?

                           

                           このようなものを経済指標にすること自体、本当にばかばかしい話であり、アベノミクスの成果は、実質賃金が下がっている以上、目立った成果はないと私は考えます。

                           

                           というより、過去5年間のアベノミクスの成果は失敗であったということを、政府も日銀も認識している可能性があります。特に内閣府や財務省職員ら官僚たちからみれば、安倍政権は過去5年間は失敗と認識しているのではないでしょうか?

                           

                           政治家は認識せずとも官僚たちは総務省が公表する実質賃金統計を知っているはずです。すなわち実質賃金が下がって貧困化しているということを認識しているでしょう。ところがそれを認めたくないため、失政を隠すために株価は堅調に推移などと言っているのではないでしょうか?

                           

                           それだけではありません。今年9月、マスコミの発表では7月の実質賃金が対前年比0.4%増と報じましたが、これは統計の対象のサンプルを半分入れ替えた補正をしていない数値です。実際は同一事業所でみた場合、下記の通り、給与総額で0.4%のマイナス(グラフでは小数点が四捨五入されて0.0%と表示されている。)、実質賃金で1.1%マイナスです。

                           

                          (出典:厚生労働省の毎月均等統計調査の平成30年7月分結果速報から引用)

                           

                           しかしながら本来ならば補正をかけるべきところ補正をかけていない事実を知らせず、マスコミが1.5%増と報じれば、多くの人々は新聞を見て安倍政権はよくやっていると思う人が多くなることでしょう。

                           

                           私は国会議員にも問題があると思うのですが、指摘しておきたいのは2点あります。

                           

                           まずデータをみる習慣がないのでは?ということです。例えばこの記事で使っているグラフは、東京証券取引所や厚生労働省のホームページに載っています。にもかかわらず、当選回数が多い少ないに関係なく、新聞の数字をそのまま信じてしまうという点は問題だと思うのです。

                           

                           もう1つは、与党の政治家は安倍政権の成果を否定するような論説は耳にしたくないということです。このポイントは、嘘は言っていないということ。株価が上昇しているのは事実です。とはいえ、株価と実質賃金に相関関係があるのかないのか?説明をしていません。実質賃金が上昇しているというのは、対象事業所数のサンプルを半分も入れ替えして、上昇したといっていますが、これは巧妙に国民を騙しているのと同じではないか?と思うのです。

                           

                           

                           というわけで今日は「アベノミクスはいいのか?悪いのか?」と題して論説しました。

                           私はアベノミクスは失敗だったと思っています。2014年以降の消費増税や緊縮財政が原因です。とはいえ「国債増刷」「政府支出増」へ政策を転換していただければ、普通に成果は出せるでしょう。

                           デフレが脱却できるまで、具体的にはGDPデフレータでプラス2%以上かつコアコアCPIでプラス2%以上が継続的に推移する状態になるまで「国債増刷」「政府支出増」を継続すれば、安倍政権は文句ない成果を出すことができ、国民が豊かになることを実感できるものと私は思うのです。


                          大規模な国債発行で国土強靭化をしよう!

                          0

                            JUGEMテーマ:年金/財政

                            JUGEMテーマ:天候、地震など

                            JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

                            JUGEMテーマ:土木

                            JUGEMテーマ:土木工作物

                            JUGEMテーマ:安全保障

                            JUGEMテーマ:経済成長

                            JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                             

                             この土日は台風24号が日本列島を襲い、大規模な自然災害が相次いでいます。今週末には台風25号も来るかもしれません。

                             

                             改めて日本は自然災害国家であることを十分に認識します。

                             

                            ●2018年度の大自然災害

                             6月には大阪観測史上最大の震度を観測した大阪北部地震

                             7月には200人以上の犠牲者を出した西日本豪雨

                             8月に入ってからは危険な暑さによる熱中症で多くの死者が発生

                             9月に入ってから台風21号、北海道南西部地震、台風24号

                             

                            ●安政元年(1854年)〜安政3年(1856年)にかけて発生した大自然災害

                             1854年 安政の南海地震

                             1855年 安政の江戸地震

                             1856年 安政3年の大風災

                             などなど

                             

                             江戸時代の日本も毎年のように大自然災害が連続発生しました。

                             さすがに今年のように大地震と大きな台風は連続発生するのは稀ですが、今年は連続発生してしまいました。そもそも地震や台風の発生確率が高い国が日本であり、災害大国であることの証左です。

                             

                             海水温の上昇、地球の温暖化に伴う海水温の上昇による大気中の水蒸気の圧倒的な格段の増加によって、台風や豪雨が増えているという指摘はきっと正しいでしょう。

                             

                             地震は東日本大震災に象徴される通り、日本列島の地盤地殻の活動が活発化しています。大阪や北海道で地震が発生しましたが、これから地震が連発する時期に入ってきているかもしれません。

                             

                             首都直下型地震、南海トラフ地震が秒読みの可能性があります。どこかで起きたらしばらく発生しないということはあり得ません。

                             

                             今後この災害が相次ぐと日本はどうなるか?といえば、土木学会の試算によりますと南海トラフ地震で1400兆円、首都直下型地震で800兆円、地震が来なくても高潮被害では、大阪・東京でそれぞれ120兆円の被害といわれています。大きな台風がきて荒川が決壊した場合の被害額は60兆円ともいわれています。

                             

                             洪水や高潮が派生するとそれぞれの都市が壊滅していく。首都直下型地震、南海トラフ地震が発生すると、日本自体が巨大被害を受けるわけですが、今年は連続発生しています。

                             

                             大阪でメガ台風が来て、首都直下型地震がくるとか、そのあと半年後くらいに南海トラフ地震が発生するなど、全然あり得る話ですが、仮にそうなれば日本はインフラがボロボロになってアジアの最貧国になるかもしれません。

                             

                             それを防ぐためには、耐震補強するというのが、まず当たり前といえます。防潮堤を作れば、普通の高潮被害は全部防げるでしょう。荒川も1兆円とかお金を使って荒川決壊を防ぐための防潮堤を作れば、60兆円の被害はゼロにできるかもしれません。

                             

                             大阪の淀川や名古屋の庄内川も同様です。全国各地で防潮堤で数兆円使えば、洪水・高潮のリスクを激減させることが可能です。

                             

                             何よりも首都直下型地震が発生したときに、被害は地震だから完全に防ぐことはできません。東京に30%の人口と経済が集中しているから、これを分散させる必要があります。そのためには地方に新幹線、高速道路を作るという当たり前のインフラ整備をすればいいだけの話です。

                             

                             堤防を作り、ダムを作り、耐震補強を行い、地方に人々が分散化しやすいようにするための地方への投資をすることを徹底的に続けていけば、被害は激減させることが可能だと考えられます。

                             

                             では、堤防にしろダムにしろ耐震補強にしろ、公共投資になるわけですが、この財源をどうするのか?という話になります。税金でやる必要は全くなく、というより公共投資は基本的には建設国債でやればいいだけの話です。

                             

                             財務省が国土強靭化をやると決めて、建設国債発行を徹底的にやると決めればいいだけです。躊躇なく大量の建設国債を発行し、それを財源に国土強靭化していけば、それ以降はどんな大きい台風が来ても誰も死ななくなるかもしれませんし、どんな大きな地震が来ても電力もブラックアウトしなくなるかもしれません。だからそれを実行に移せばいいだけの話です。

                             

                             財務省が国債発行するかどうかを判断するだけの話です。1兆円という金額だけを考えると、それを何に使うのか?どうするのか?と思われる人が多いでしょう。

                             

                             とはいえ、日本銀行は金融緩和で年間80兆円規模の国債を買い入れています。日銀という円を発行する組織が、政府に毎年80兆円貸し付け続けているということであり、政府には大量のお金があるのです。

                             

                             国債を80兆円を買っているため、81兆円になったとしても80兆円と比べれば、大した割合ではありません。それが日本政府の実力ともいえます。デフレであるがゆえに政府はお金をたくさん使えるのです。

                             

                             例えばミクロネシアの小国のトンガや、東南アジアの発展途上国であれば、1兆円という金額は大変なことかもしれません。管理通貨制度のもとでは、お金の価値は物・サービスの供給力というやや抽象的な国力が裏付けとなります。発展途上国は物・サービスを十分に供給する力が先進国と比べて劣るため、1兆円という金額を使うのは大変なことです。

                             

                             日本は経済大国であるため、5兆円とか10兆円とか普通に調達できます。だから建設国債を躊躇なく発行して速やかに防災対策、強靭化策をやれば、20年〜30年くらいは安全度が増すといえるでしょう。

                             

                             

                             というわけで今日は「大規模な国債発行で国土強靭化をしよう!」と題して論説しました。

                             資本主義における経済成長とは、負債を増やしていきながら経済の規模を拡大していくことに他なりません。国土強靭化のために大規模な国債発行でこれを行うことは、経済成長に資します。GDP3面等価の原則により、国土強靭化のための生産=支出=所得となるからです。

                             家計は負債は相続し、企業は負債は債務超過で経営破綻があり得ます。政府は利益追求する必要もなければ、内国建て債務で破綻することはあり得ず、建設国債発行は内国建て通貨債券であり、大量発行して何ら問題がありません。

                             今度こそ安倍政権には、日本国民を自然災害から守るための国土強靭化を着実に実行に移していただきたいと思います。

                             

                             

                            〜関連記事〜

                            堤防建設という公共工事の経済効果(物語「稲むらの火」の主人公、濱口梧陵の偉業)

                            公共工事B/C(ビーバイシー)基準と宮城県釜石市の「釜石・山田道路(通称:命の道)」


                            中国のAIIBと一帯一路に手を貸す銀行・企業は、中国の侵略に手を貸すのと同じです!

                            0

                              JUGEMテーマ:グローバル化

                              JUGEMテーマ:中国ニュース

                              JUGEMテーマ:銀行

                               

                               今日は「中国のAIIBと一帯一路に手を貸す銀行・企業は、中国の侵略に手を貸すのと同じです!」と題して論説します。

                               

                               皆さんは、AIIBというものを聞いたことがあるでしょうか?

                               

                               AIIBとはアジアインフラ投資銀行のことで、「Asian Infrastructure Investment Bank」の略称で、中国が主導する国際開発銀行です。

                               

                               2015年12月25日に発足して、2016年1月16日に開業式典を行いました。発足当時、日本と米国は参加を見送りましたが、その後自民党の二階俊博氏が2017/05/15に「日本も大きく後れを取らないうちに参加するべきだ」という考えを示しました。

                               

                               日本は、AIIBへは絶対に参加するべきでないと思っています。日本は既にアジア開発銀行(Asian Development Bank=ADB)で発言権を持っています。下図の通り、ドナー拠出額で約1兆2000億円(≒11.197百万米ドル)でシェア36%は世界1位です。中国の拠出額は日本の100分の1にも満たず、シェアは1%も満たしません。

                               

                               

                              <ADBドナー拠出額の国別拠出額とシェア(単位:百万ドル)>

                              (出典:アジア開発銀行 2016年 年次報告)

                               

                               

                               中国は自国主導で新たにAIIBを設立。当初、英国、ドイツ、イタリアなどが参加表明しましたが、中国の融資の可否の意思決定に、中国側が拒否権を行使しないと伝えました。しかしながら中国主導で融資が実行される構図であることは明白で、採算度外視の融資で巨額の焦げ付きが出る可能性も懸念されていました。

                               

                               中国側は、融資の可否の意思決定で拒否権を行使しないと表明することで、警戒感を示していた欧州側のガードを下げ、欧州各国が米国の制止を振り切る形で相次ぎ参加表明したのです。

                               

                               とはいえ、中国が拒否権を行使しなくても強い影響力を持つことは間違いありません。しかも中国は事実上のスポンサーでありながら先進国でもありません。アジア開発銀行のような透明性の高い融資基準で運営されているわけではなく、中国が推進している「一帯一路構想」を資金面から支える金融機関という側面が実態に近いのです。

                               

                               当時の日本のマスコミはAIIB発足の際、日本も欧州諸国と同様にAIIBに参加するべきであるという報道が多かったのですが、最近ではそうした論説は少ないです。とはいうものの一部のシンクタンク、例えば大和総研や日本総研といったシンクタンクが、ビジネスチャンス拡大のためにAIIB加盟すべきという論説を掲載しています。

                               

                               日本としてはアジア開発銀行で発言権を持つため、AIIBが国際援助の仕組みとして本当に機能するのか否か?中国の意図はどこにあるのか?を見極めながら、様子見に徹底し、距離を置くという方針でよいかと考えます。

                               

                               むしろ警戒すべき論調としては、「日本は人口減少するから経済成長できず、アジアの人口拡大による経済成長の恩恵を受けるためにも、アジアへの進出の足掛かりをより強く持つべきだ!」などというような論調です。

                               

                               私は人口減少についてのテーマで記事も書いていますが、人口の増減と経済成長は相関関係ないという立場です。たとえ人口が多くなったとしても一人当たりの購買力が小さければ、全体の需要もまた小さくなります。人口が減少していても、政府支出によって需要を創出したり、一人当たり生産性の向上によって一人当たりの賃金UPがされていれば、経済成長することは可能です。経済成長という言葉の定義をGDPと定義すれば、上述は理解できるでしょう。

                               

                               話を戻しますが、AIIBについては事態がややこしことになっていまして、その理由はムーディーズ、フィッチ、スタンダードプアーズら、格付3社がAIIBに「トリプルA」の格付けを付与したことです。

                               

                               下記は1年以上前の古い記事で恐縮ですが、2017/06/29に産経新聞が報じた記事です。

                               

                              『産経新聞 2017/06/29 19:52 中国主導のAIIB、最上位の格付け獲得 日米ADBと同格

                              【北京=藤本欣也】中国が主導する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)は29日、米格付け大手、ムーディーズ・インベスターズ・サービスから最上位の格付け「Aaa(トリプルA)」を取得したと発表した。

                               大手格付け会社によるAIIBの格付けは初めてで、Aaaは世界銀行やアジア開発銀行(ADB)と同格。日米などAIIB未加盟国の間で参加を求める声が高まる可能性もある。

                               ただムーディーズは、経済成長鈍化と債務負担増の見通しから5月下旬、中国の長期国債格付けを上から5番目に引き下げている。その中国が最大出資国のAIIBに対し、最上位の格付けを付与する妥当性をめぐって論議を呼びそうだ。

                               ムーディーズはAIIBについて「ガバナンス(統治)の枠組みがしっかりしている」などと評価した。

                               AIIBには、中国が掲げる現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を資金面で支える役割がある。今回、AIIBが最上位の格付けを取得したことで、その信用力をバックに国際金融市場において安い金利で債券を発行、資金調達規模を拡大できる。途上国への低利融資も可能となる。』

                               

                               上記記事の通り2017/06/29にムーディーズに続き、その後7/13にはフィッチ、7/18にはスタンダードプアーズがそれぞれ「トリプルA」の格付けを付与しています。こうした格付け会社の「トリプルA」格付けの付与によって、AIIBが将来ドル建て、円建ての債券を発行する可能性が出てきたのです。

                               

                               AIIBの融資基準は非常にあいまいであり、発展途上国に対して過大な貸し込みをして返済不能となるや否や、インド南部のスリランカで港を中国が租借することになるという事件まで発生しています。この事件は、スリランカの南部のハンバントタ港が中国から年利7%弱の融資を受けて建設されました。ところが船舶の利用がすくないため、ゴースト・ポートと化してしまいました。財政難にあえぐスリランカ政府は2016年、11億ドルで港湾管理企業の80%を「99年間」中国企業に貸し出すことになってしまったのです。

                               

                               この99年間の意味は、英国がアヘン戦争後の1898年に香港を清朝政府に割譲させて「99年間の租借」を決めた数値と一致します。香港は99年後の1997年に中国に返還されましたが、それまで99年もの間、英国の統治下におかれました。

                               

                               このように発展途上国に貸し付けて、返さなければ国土の支配権を得るという手法に、マイナス金利で貸付先に悩む邦銀がAIIBの円建て債券を購入することで手を貸してしまうというシナリオの危険性が出てきたのです。

                               

                               その理由はもう一つあります。AIIBが格付け会社から「トリプルA」の格付けを付与されたことで、円建て債やドル建て債の発行に踏み切る可能性がある旨を説明しました。

                               

                               アジア開発銀行とAIIBのそれぞれのバランスシートを見比べてみましょう。

                              (出典:アジア開発銀行 2016年年次報告から杉っ子が作成)

                               

                               

                               

                               

                              (出典:アジアインフラ投資銀行レポート 2017年9月30日から杉っ子が作成)

                               

                               

                               アジア開発銀行は融資残高がソブリンとノンソブリンの合計で約10兆円程度ある一方、AIIBは約700億円程度です。総資産でみてもアジア開発銀行が約16兆円で、AIIBは約2兆円です。アジア開発銀行は16兆円のうち10兆円が貸出していますが、AIIBは2兆円のうち700億円しか貸出がありません。

                               

                               しかしながら、格付け会社の高格付け付与をきっかけとして円建て債を発行した場合、マイナス金利で貸出先がないことで苦しむ邦銀がAIIBの円建て国債を買う可能性があるのでは?との疑義があり、政府は規制を検討することすらしていないのです。

                               

                               銀行には世界ルールで自己資本比率規制というのがあり、BIS規制ともいわれています。

                               

                               BIS規制=自己資本/リスクの大きさ

                               

                               具体的には国際的に活動する銀行は8%以上とし、海外拠点を持たない銀行は4%以上としています。この規制を自己資本比率規制といい、「バーゼル規制」などともいいます。

                               

                               このリスクの大きさについては、2018年2月に金融庁と日本銀行が連名で発信している”「信用リスク(標準的手法)」の概要”という資料に記載されています。

                               

                               例えば銀行向け債権かつ長期債券のリスクウェイトは、AAA〜AA−=20%、A+〜A−=30%、BBB+〜BBB−=50%、BB+〜B−=100% というように格付けが下がるにつれてリスクウェイトは大きくなります。

                               

                               同様に事業法人向け債権は、AAA〜AA−=20%、A+〜A−=50%、無格付=100% などとなっています。

                               

                               リスクウェイトが大きい場合、リスクが大きいということになりますので、銀行がリスクウェイトの大きい債券ばかりを保有すると分母が大きくなって、8%以上、4%以上の規制を守るためには、それぞれその分の自己資本が必要となるのです。

                               

                               もし、AIIBの円建て債券が格付けAAAとなった場合、無格付の中小企業のリスクウェイトが100%であるのに対し、AIIBの円建て債券のリスクウェイトは20%となり、日本の銀行が中小企業の融資ではなく、相対的にAIIBの債権を購入しようとするインセンティブが働く可能性があります。

                               

                               マイナス金利に苦しむ邦銀が日本の企業に融資せずAIIBに融資する。そのお金で中国共産党政府がAIIBを使って発展途上国に無理に貸し込み、返済できなければ領土を奪っていくというやり方で発展途上国への侵略に手を貸す。

                               金融庁は、邦銀がAIIBの債権を購入しないように、規制するべきではないでしょうか?

                               

                               資本移動の自由で、銀行のビジネスモデルも自由だから放置が正しいという発想は、おかしいのではないでしょうか?と私は思うのです。

                               

                               日本国内の貸出需要が伸びないのはデフレを放置しているからです。デフレを放置しておき、銀行のバランスシートを痛めつけ、それを自己責任という名の下、AIIBへの資金提供について、米国の格付け会社がAAAを格付けしたからといって、そのリスクウェイトを適用して、銀行のBIS規制のリスクウェイトを低く評価するというのは、誠に遺憾としかいいようがありません。

                               

                               

                               というわけで今日は「中国のAIIBと一帯一路に手を貸す銀行・企業は、中国の侵略に手を貸すのと同じです!」と題して論説しました。

                               一帯一路にしろ、中国製造2025にしろ、ビジネスチャンス拡大とばかりに報道する日本のマスコミには腹立たしい限りです。中国のグローバリズムに手を貸すだけでなく、日本の企業機密の流出など、国益を損ねることが多いからです。

                               AIIBは不透明な世界銀行組織です。その一方、アジア開発銀行は厳格な融資基準であり、日本企業といえども常に受注できるわけではないくらい透明性が高いです。

                               AIIBは何しろ中国共産党政府が融資先をコントロールできます。鉄鋼を中心に余剰供給力に苦しむ中国が輸出で需要を創出しつつ、土地を強奪していく上述のシナリオに手を貸さないようにして欲しいと思います。具体的には、AIIBや一帯一路に日本企業・邦銀は参加させないということを徹底する必要があるものと私は思います。

                               

                               

                              〜関連記事〜

                              ムーディーズなどの格付け会社の格付けは全く信用できません!


                              北海道電力にブラックアウトの責任を押し付ける北海道の高橋はるみ知事の無能さ!

                              0

                                JUGEMテーマ:反原発と愛国心

                                JUGEMテーマ:電力自由化

                                JUGEMテーマ:大震災後の復興支援

                                JUGEMテーマ:安全保障

                                 

                                 台風24号が日本列島を縦断中です。被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。現在は、関東・東北・北海道地方に向かっているため、台風21号や北海道地震で被害に遭われた方々は、くれぐれも今後の台風24号の動向にご注意いただきたいと思います。

                                 

                                 今日は「北海道電力にブラックアウトの責任を押し付ける北海道の高橋はるみ知事の無能さ!」と題して、論説します。

                                 

                                 下記はNHK政治マガジンの記事です。

                                『NHK政治マガジン 2018/09/20 停電「北電の責任は極めて重い」高橋知事

                                 今月(9月)6日の地震で北海道内全域で停電が発生したことについて高橋知事は、20日開かれた道議会で「停電により道民の暮らしや産業活動は重大な影響を受けており、北海道電力の責任は極めて重い」と述べて再発防止の徹底を求める考えを示しました。

                                北海道議会は20日、定例の道議会が開かれ、今月6日に発生した地震以降初めてとなる代表質問が行われました。

                                 この中で高橋知事は、地震のあと道内全域で停電が発生したことについて、「停電により道民の暮らしや産業活動は重大な影響を受けており、道民の生命、財産を預かる知事として極めて深刻な事態と受け止めている。電力会社としての北海道電力の責任は極めて重いものと考えている」と述べて、再発防止の徹底を求める考えを示しました。

                                 また高橋知事は、地震からの復興に向け今週中にも「緊急経済対策官民連携協議会」を立ち上げるほか、今後の防災対策に生かすため、道の災害対応を検証する専門家らによる検証委員会を設置する考えを示しました。』

                                 

                                 

                                 上記記事の通り、北海道の高橋はるみ知事は、北海道地震によって発生したブラックアウト(大規模停電)について、北海道電力についての責任について言及しました。

                                 

                                 私はこの発言は、極めて問題がある発言と言わざるを得ません。なぜならば泊原発が稼働していれば、そもそもブラックアウトは発生しなかった可能性が極めて高いからです。

                                 

                                 しかしながら、高橋知事も北海道議会も泊原発の再稼働に否定的でしたし、今もなお泊原発稼働については触れておらず、それでいて”北海道電力の責任は極めて重い”という発言は、泊原発稼働の代替案を説明したうえで発言すべきであると思います。

                                 

                                 現実的には泊原発稼働の代替案は存在しません。再生可能エネルギーは不安定電源であるため、クソの役にも立ちません。もし冬に地震が発生してブラックアウトして北海道民の多くの人々が凍え死んでしまうような惨事となった場合、それでも北海道電力の責任というのでしょうか?あまりにも無責任な発言としか言いようがありません。

                                 

                                 北海道電力は泊原発を停止していることで、数百億円の経常損失を計上し、東日本大震災後に経済産業省に電気事業法第36条に基づく渇水準備引当金の取り崩しを申請するなどして債務超過の回避をしてきました。北海道知事も北海道議会も、北海道電力の経営体力を奪う経営環境を作っておきながら「北海道電力の責任は重い」などと発言するのは無責任すぎます。

                                 

                                 電気事業連合会という団体が、2018/09/27に「北海道胆振東部地震における大規模停電の発生について」という報告書を出しています。その中の資料を抜粋し、図1〜図4をご紹介します。

                                 

                                 

                                <図1:北海道胆振東部地震の震度>

                                (出典:「北海道胆振東部地震における大規模停電の発生について」の資料から引用)

                                 

                                 

                                <図2:北海道内の発電所の設置場所・発電方式・発電量のイメージ図>

                                 

                                 

                                <図3:北海道地震発生震源地を中心に拡大したもの>

                                (出典:エレクトリカルジャパンから引用)

                                 

                                <北海道内の発電所別の電力量シェア>

                                発電所名 電力量(Kw) シェア
                                苫東厚真火力発電所 1,650,000 21.1%
                                泊原子力発電所 2,070,000 26.5%
                                京極水力発電所 400,000 5.1%
                                その他 3,689,565 47.2%
                                合 計 7,809,565 100.0%

                                 

                                (出典:北海道電力のホームページから引用)

                                 

                                 

                                <図4:地震発生からブラックアウトとなるまでの周波数>

                                (出典:「北海道胆振東部地震における大規模停電の発生について」の資料から引用)

                                 

                                 

                                  まず、図1〜図3をご覧いただきたいのですが、苫東厚真火力発電所がある地域は震度6〜震度7となっている一方、泊原子力発電所がある地域は、震度2〜震度3です。

                                 北海道の発電所別の電力量シェアをみますと、苫東厚真火力発電所が165万Kw(21.1%のシェア)、泊原子力発電所が207万Kw(26.5%のシェア)です。仮に泊原子力発電所が稼働していれば、苫東厚真火力発電所をはるかに上回る電力量ですので、普通に電力供給できていた可能性があるのです。

                                 

                                 

                                 続いて報告書には、地震発生から大規模停電に至るまでの状況というのが記載されています。これを時系列に記載すると下記の通りです。下記の 銑は、図4の 銑と一致しますので見比べながらお読みいただきたく思います。

                                 

                                |録免生直後(地震発生〜周波数回復)

                                1.苫東厚真2,4号機停止(発電:▲116万Kw:タービン振動検知)により周波数が急低下した

                                  加えて苫東厚真1号機の出力が低下した(発電:▲5万Kw:推定)

                                2.北本連係設備から緊急的に電力を受電した

                                3.周波数の低下により負荷遮断を行なった(需要:▲130万Kw)

                                4.狩勝幹線、新得追分線、日高幹線の送電線故障により、道東エリア及び北見エリアが停電(需要:▲13万Kw)、水力が停止した(発電:水力▲43万Kw)

                                5.周波数の低下により風力が停止した(発電:風力▲17万Kw)

                                6.周波数の低下が46.13Hzで止まり、回復方向に切り替わった

                                7.中央給電指令所よりバランス停止中の水力・火力発電機に起動指令を行った

                                8.北本連係設備や水力のAFC機能により周波数が一時的に50Hzでバランスした

                                 

                                地震発生直後(送配電線再送電〜負荷遮断2回目)

                                9.狩勝幹線、新得追分線、日高幹線のほかの事故復旧(自動)により道東エリアが復電した

                                10. 需要追加により徐々に周波数が低下した

                                11. 中央給電指令所の指令により火力の出力が増加した

                                12. 苫東厚真1号機の出力が低下した(発電:▲20万Kw推定)

                                13. 周波数の低下により負荷遮断を行った(需要:▲16万Kw)

                                 

                                ブラックアウトまで

                                14. 苫東厚真1号機停止(発電:▲10万Kw推定)したため再び周波数が低下した

                                15. 周波数の低下により負荷遮断を行った(需要:▲6万Kw)

                                16. 知内1号機、伊達2号機、奈井江1号機が停止した(発電:▲34万Kw)

                                17. 周波数の低下により水力(主に46Hz以下)等が停止するとともに北本連係設備が運転不能となった

                                18. 北海道エリアがブラックアウトに至った

                                 

                                 図4の周波数の変動をみると、北海道電力が需要=供給となるように50Hzに合わせようと懸命に努力していたことがわかります。苫東厚真火力発電の2,4号機の停止後も、老体に鞭を打って懸命に50Hzに合わせようとしていたわけです。

                                 

                                 地震発生直後の,任脇囘豸真火力発電所の2,4号機が停止となって、116万Kwの電源が喪失していますが、仮に泊原子力発電所が稼働されていれば、その発電量は207万Kwであるため、震度2〜震度3ならば発電所は普通に発電を続けることができたでしょう。

                                 

                                 何が言いたいかと申しますと、泊原子力発電所が稼働していれば、今回の北海道地震でのブラックアウトは、ブラックアウトそのものが発生しなかったという疑義が極めて濃厚なのです。

                                 

                                 こういう状況であっても反原発派の人々は、泊原発が稼働していてもブラックアウトしたとか、冬に北海道民がブラックアウトしようがしなかろうが関係なく原発は稼働すべきでないなどと主張するのでしょうか?

                                 

                                 太陽光パネルをもっと推進すれば、原発を稼働しなくても今回のブラックアウトは防げたのでは?という人もいるかもしれません。ところが残念。太陽光パネルに雪が積もっていた場合、全く発電はできず、クソの役にも立たないのです。仮に雪が積もっていなかったとしても、夜は発電することができません。

                                 

                                 電力の大容量蓄電の技術がブレイクスルーしない限り、原子力発電所は稼働させておくしかないのです。電力の大容量蓄電ができないこと、電力サービスとは需要と供給を過不足なく一致させること、こうした電力サービスの基本を知っているのか?知らないのか?北海道電力の苦労も理解できない高橋はるみ知事や原発反対の政治家が考え方を改めない限り、北海道民を危険に晒すことになるでしょう。

                                 

                                 

                                 というわけで今日は「北海道電力にブラックアウトの責任を押し付ける北海道の高橋はるみ知事の無能さ!」と題して論説しました。

                                 

                                〜関連記事〜

                                原子力発電所の炉型の違い(BWRとPWR)と東芝問題

                                北海道電力(株)について(電気事業法第36条に基づく渇水準備引当金)


                                緊縮財政派と財務省側の思惑の多い予算編成

                                0

                                  JUGEMテーマ:大震災後の復興支援

                                  JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

                                  JUGEMテーマ:天候、地震など

                                  JUGEMテーマ:土木工作物

                                  JUGEMテーマ:土木

                                   

                                   今日は今年の相次ぐ自然災害によって、政府が2018年の補正予算を編成するというニュースについて取り上げます。

                                   

                                  まずは読売新聞の記事です。

                                  『読売新聞 2018/09/22 補正予算2段階、1次で災害復旧…2次インフラ

                                   政府が、2018年度補正予算を2段階で編成する方向で検討に入った。まず、今秋の臨時国会に、西日本豪雨など自然災害からの復旧・復興費用を盛り込んだ第1次補正予算案を提出する。年末にかけては国土強靱(きょうじん)化対策などを計上する第2次補正予算も編成する方針だ。19年10月に控えた消費税率10%への引き上げを見据え、切れ目のない財政出動で景気を下支えする狙いもある。
                                   今夏は西日本豪雨のほか、大阪北部地震、台風21号、北海道地震など災害が相次いだ。第1次補正予算は、被災地での道路などインフラ(社会基盤)復旧、中小企業の資金繰り支援、観光振興策などが中心となる。来年以降の猛暑対策として、公立小中学校の教室にクーラーを設置する関連費用も計上する。財源は17年度決算の剰余金の一部や、公共事業に使途を限定した建設国債の発行などで賄うことを検討している。

                                   

                                   当たり前の話ですが、復興財源は建設国債発行で賄うことを検討していると報じています。財政法第4条で公共事業は建設国債発行を認めています。そのため、具体的には短期的な復旧・復興支援は言うまでもなく、次なる災害に備えた中長期的な治水事業・治山事業や、公立の小中学校の教室にエアコンを設置することなど、どんどんやればいいだけです。

                                   インフレの状況でこれらのことをすれば、さらなる物価上昇を引き起こし、バブルを生み出すリスクがあるのですが、幸いにも日本はデフレであり、むしろどんどん建設国債という負債を増やして、政府支出を拡大させることが、デフレ脱却につながり、経済成長に資します。

                                   

                                   補正予算は暫定的なものであるため、それと合わせて注視していかなければならないのが、2019年の本予算です。次の記事をご紹介します。

                                  『産経新聞 2018/08/29 11:40 国土交通省、6兆9000億円を概算要求 水害対策、大幅拡充へ

                                   国土交通省は29日、平成31年度予算の概算要求を発表した。総額は6兆9070億円、うち公共事業関係費は6兆1736億円で、いずれも30年度当初予算比で19%増になる。西日本豪雨などを踏まえた防災・減災対策に力を入れるほか、物流体制の強化などに重点を置いた。

                                    大幅に拡充するのは水害対策で、33%増の5273億円。堤防のかさ上げや住民避難のタイミングなどを時系列で想定するタイムラインの策定など、ハード・ソフト両面の対策を推進。被災地で集中的な対策を実施し、再発防止に取り組む。地方自治体向けの防災・安全交付金は21%増の1兆3431億円とした。

                                    物流ネットワーク強化には29%増の4374億円を要求し、三大都市圏の環状道路整備、輸送効率の高い「連結トラック」の実用化などに充てる。自治体のインフラ整備を支援する社会資本整備総合交付金は、20%増の1兆663億円を求めた。また、災害時も物流を滞らせないため、道路の耐震化や除雪体制の整備、緊急輸送道路の無電柱化などの費用として4156億円も盛り込んだ。

                                   観光庁は、来年1月から出国時に1人千円を徴収する国際観光旅客税の税収480億円を見込み、要求額を2・68倍の739億円とした。新税の税収は関係省庁に配り、訪日客が旅行しやすい環境づくりに充てる。緊急災害対策派遣隊(TEC−FORCE)や観光庁、海上保安庁などの体制強化のため、404人の定員増も求める。』

                                   

                                   上記は2018/08/29付の産経新聞の記事ですが、本予算について報じています。この中で、西日本豪雨を踏まえた防災体制強化、北朝鮮の漂流船の監視拡充、サイバー攻撃対策など、日本が直面する喫緊の課題に取り組むための項目が織り込まれています。

                                   

                                   大幅に拡充しているのは、水害対策で33%増の5,273億円となっています。一見して数字でみると3割以上の増えているので、いいニュースにみえるのですが、これがなかなか一筋縄ではいかない複雑な話なのです。

                                   

                                   水害対策で「うゎー!3割も増えるんだ!すごい!」と思ってしまうかもしれませんが、財務省に思わされているだけという可能性があります。というのも要求しているだけだからです。

                                   

                                   前年予算の9割は確保しておき、そこから30%上積みして概算要求するのはOKで、即ち前年比120%増の予算を要求するのはOKだけど、認めるのは100%と、財務省は各省庁に指示を出しているといわれています。

                                   

                                   そういう前提であるために、各省庁は要求しているだけであり、概算要求で5,237億円がそのまま承認されることはないでしょう。

                                   

                                   「概算要求で33%増」と報じられると、本予算が増えると思うかもしれませんが、実際はそうなりません。しかも増やしたらダメという緊縮財政の人がいるわけです。特に公共事業を忌み嫌う人がいます。それだけでなく、国交省や防衛省を目の敵にしている人もいます。安全保障強化を盾にいろいろと予算要求するからです。

                                   

                                   そうした人からみれば、「概算要求で33%増」という記事をみたら怒りを買うこととなり、緊縮思考を一層喚起することができるのです。そうやって報道させて、緊縮財政派の人をムカつかせて削減するというシナリオは、普通に考えられます。

                                   

                                   また本予算において水害対策で33%増なのに、全体は19%増ということは、他の省庁はプロジェクトを企画して予算要求するということを、それほどやっていないということになります。この場合、一律カットしたら、水害対策以外の予算が思いっきり削減される危険性があるため、本来だったら従来の予算よりも純増すべきでした。

                                   このままでいくと、一律に予算削減された場合に、「はい!言われた通り、水害の分は増やしましたよ!」となる一方、道路や新幹線整備やインフラ老朽化対策などが、思いっきり削減されてしまう危険性があります。

                                   

                                   とはいえ、デフレ脱却できずにデフレで苦しみ、地方経済が苦しむ中では、道路も新幹線整備もインフラ老朽化対策も、すべて喫緊の課題であって速やかに着手すべき案件であることは言うまでもありません。

                                   

                                   

                                   というわけで今日は「緊縮財政派と財務省側の思惑の多い予算編成」と題して論説しました。

                                   2018年度の補正予算は、可及的に速やかに建設国債を発行して政府支出を実行するべきです。何しろ北海道の観光被害だけでも、292億円の被害です。それ以外にも大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号と、復興需要はたくさんあるはずです。

                                   かつて民主党政権のときの東日本大震災のときは、こういう状況で復興増税を導入し、日本経済を痛めつけました。というより今もなお痛め続けています。安倍政権には、補正予算編成でどうか躊躇なく建設国債を発行していただくと同時に、本予算についても概算要求のすべてが認められるようリーダーシップを発揮していただいて財務省の緊縮思考を駆逐していただきたいと思うのです。


                                  祝!財務省の罠を駆逐!国交省が北陸新幹線フリーゲージトレイン導入を断念!

                                  0

                                    JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

                                    JUGEMテーマ:新幹線

                                     

                                     今日は「祝!財務省の罠を駆逐!国交省が北陸新幹線フリーゲージトレイン導入を断念!」と題し、論説します。

                                     

                                     みなさんは、フリーゲージトレインというものを聞いたことがあるでしょうか?FGTとも略されるのですが、車輪の幅が広くなったり狭くなったりできる車両のことをフリーゲージトレインといいます。以前も「祝!JR九州、JR西日本の反対により、フリーゲージトレイン計画が崩壊!」ということで、長崎新幹線にフリーゲージトレインを導入しようとして計画が崩壊したことについて、大変喜ばしいこととして本ブログでも取り上げています。

                                     

                                     今回のニュースもまた、大変すばらしいことであり、公共事業費を削減を目論む財務省職員には猛省を促していただきたいと思うのです。(多分猛省しないでしょうね!プライマリーバランス黒字化目標が正しいという考えが根っこにある以上、考えを翻すことはないかもしれません。)

                                     

                                     下記は朝日新聞の記事です。

                                    『朝日新聞 2018/08/28 フリーゲージトレイン、北陸新幹線も断念 国交省が方針

                                     車輪の間の幅を変えて新幹線と在来線の両方を走れる新型車両フリーゲージトレイン(FGT)について、国土交通省は27日、北陸新幹線(東京―金沢―新大阪間)への導入を断念する方針を与党側に説明した。JR西日本から24日に導入断念の意向について報告を受けたという。

                                     FGTをめぐってはJR九州も九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)への導入をあきらめており、国内新幹線へのFGT導入計画はいずれも頓挫したことになる。

                                     27日にあった与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)で国交省が報告した。JR西の広報担当者は「耐久性とコストの問題。この二つの課題が解決していない中で導入は難しい」と説明している。一方、PTの座長を務める自民党の岸田文雄政調会長は会合終了後、「地元への説明など、しっかり丁寧な対応を国交省に求めた。その上でPTとしての結論を出す」と話した。(後略)』

                                     

                                     

                                     上記記事の通り、国交省側が新幹線と在来線を直通運転できるフリーゲージトレインについて、北陸新幹線への導入を断念する方針を与党側に説明しました。先ほども申し上げた通り、フリーゲージトレインというのは、左右のレール幅に合わせて車両の間隔を変えることができる特殊な台車の列車のことを指します。

                                     

                                     国交省がJR西日本から導入断念の意向を受けましたが、主な理由は下記の通り。

                                    ●車体の耐久性の検証に時間がかかる

                                    ●車両コストが高額になる

                                     

                                     記事によれば、自民党の岸田政調会長が今後住民と調整して正式に断念するか否かを決めると話したと報じています。

                                     

                                     読者の皆様は、このフリーゲージトレインについてどう思われるでしょうか?一見すると素晴らしいアイデアに見えます。なぜならば新幹線と普通の在来線の区間を行ったり来たりできるためです。新幹線の線路幅は1435个派現犁阿噺討个譟∈瀝萓の線路幅は1067个廼控阿噺討个譴討い泙后このことなる線路幅を、行ったり来たりできるのがフリーゲージトレインです。

                                     

                                     因みに、山形新幹線はミニ新幹線と呼ばれていますが、福島〜山形間の在来線の線路を標準軌に改軌して1435个砲靴燭發里任后山形新幹線が在来線を走っているというのは、そういうことなのです。余談で捕捉すると蔵王〜山形間は貨物列車が入線するため、下り線のみ三線軌道になっています。

                                     

                                     秋田新幹線も同様ミニ新幹線ですが、秋田新幹線の場合は、峰吉川〜神宮寺菅の区間は三線軌道にして在来線列車も新幹線列車も走れるようにしています。三線軌道というのは全国的にも珍しく、山形・秋田新幹線以外では京急なども三線軌道となっているようです。

                                     

                                     本来の新幹線は、カーブと勾配を緩くして道路と立体交差にして踏切を無くす新線を建設し、ひたすら高速化を目指すのがコンセプトです。ところが山形新幹線も秋田新幹線も、建設コスト抑制と早期完成のため、そうしませんでした。普通の新幹線をフル規格新幹線といい、山形・秋田新幹線のことをミニ新幹線といいます。北陸新幹線、北海道新幹線、九州新幹線は、フル規格新幹線であり、ミニ新幹線は、山形・秋田新幹線のみです。

                                     

                                     建設コスト抑制と早期完成と引き換えに、高速化を目指さなかったことのツケは大きいです。なぜならば生産性向上のパフォーマンスが落ちてしまっているからです。高速鉄道は時間の短縮をどれだけできるか?で、当たり前ですが生産性向上のパフォーマンスが変わります。結果、秋田県と山形県は、インフラ格差がついたままの状態になったといえるのです。

                                     

                                    <秋田新幹線の三線軌道>

                                    (出典:秋建時報 平成24年11月11日(第1222号)の「三線軌条」から引用)

                                     

                                     フリーゲージトレインの話に戻します。線路幅の違いについて、普通の軌道は狭軌、新幹線は広軌ともいいます。狭軌と広軌で幅に差があるため、日本の新幹線は三線軌道の山形・秋田新幹線以外に、在来線を走ることは不可能です。

                                     

                                     ところがフリーゲージトレインとなれば、その在来線も走ることができるようになります。ですが、これは罠です。

                                     

                                     なぜ、今まで500億円という大金がフリーゲージトレインの研究開発に使われたのか?といえば、フリーゲージトレインができたら、2度とフル規格新幹線を作る必要がなくなるからです。

                                     

                                     財政削減したい人、国家にお金を貯め込むことをよしとする人、緊縮財政をよしとする人の価値観からみれば、フル規格新幹線を作る必要はありません。フリーゲージトレインで走れるから、コストが高いフル規格新幹線は不要だろうという話なのです。さもなければ緊縮財政をよしとする財務省が、500億円もの研究開発費を出すとは思えません。

                                     

                                     フリーゲージトレインは、いわば新しいフル規格新幹線を作らせないための罠という側面が強いのです。実際のところ、国交省側の役人が財務省の罠だと思っていて研究開発していないというわけではなく、技術的に本当に無理だから研究開発していいないのです。何しろ新幹線は一番早いところで時速320舛覗ります。そのため、数ミリずれるだけで命取りとなって乗客に危険が生じるのです。

                                     

                                     高速化というコンセプトを捨て去り、ゆっくり走る分にはフリーゲージトレインはOKです。例えば、奈良の近鉄、東京の京急といった私鉄であれば導入の検討もできるでしょう。実際に導入を検討していた近畿鉄道では、北陸新幹線でのフリーゲージトレイン導入が断念され、開発費が単独で高くついたとしても、導入を引き続き検討するとのことです。

                                     

                                     近鉄の場合、観光地の京都と吉野山を結ぶ移動では、京都〜橿原神宮前間は標準機、樫原神宮前〜吉野間は狭軌となっているために、列車の乗り換えが必須になっています。フリーゲージトレインを導入すれば乗り換えなしで移動できるようになります。

                                     

                                     近畿鉄道の場合は新幹線と異なり、スピードが遅いからそれほど危なくないと考えられますが、スピードの速いところで導入すると、少しずれただけで大事故を引き起こして乗客がみんな死亡してしまうから無理なのです。

                                     

                                     仮に導入できたとしても、車体の重量はかなり重くなります。新幹線は精密機械でものすごい規格でできた車両であるため、広軌と狭軌の2系統に備えた精密機械となると、さらに車体重量が重くなるわけです。そのような重い車両で走られたらメンテナンスが困難であり、車両も線路もメンテナンスが必要になります。

                                     

                                     大幅な出費を伴うフル規格新幹線計画を止めさせたい財務省側は、フリーゲージトレインができれば、企画を担当した財務省職員は出世するでしょう。とはいえ、新しいフル規格新幹線を作る必要がなくなり、財政支出が将来削減できることになるかもしれませんが、技術者サイドからみたらこれは無理・無謀ということなのです。

                                     

                                     だから日本に新幹線を走らせるのであれば、フル規格新幹線にした方がいいに決まっています。北陸新幹線でいえば、2023年春に金沢〜敦賀間、2046年には敦賀〜新大阪間が開通する見通しです。

                                     

                                     JR西日本は敦賀開業に合わせてフリーゲージトレインを導入する予定でしたが、今回の判断で無理となり、フル規格新幹線になります。そのため、早く敦賀〜新大阪間を開通させる必要があります。

                                     金沢〜敦賀間までの工事が終わったら、その工事部隊は即座に敦賀〜大阪間に新幹線整備に人を回し、政府もしっかりと躊躇なく予算を付けるべきです。

                                     

                                     だいたい2046年に開通などというのは、あと25年以上もかかるというわけで、のんびりしすぎです。実際に関西経済連合会によれば、2031年くらいまでに作って欲しいとの声があるようで、今から13年くらいで完成を目指して欲しいという要望になるわけですが、これはある意味で当然の声です。

                                     

                                     完成時期の2046年というのは、JR西日本が時間軸を決めて計画しているのではなく、今の政府の予算の枠組みで作るとすれば、2046年くらいに完成するということです。日本の新幹線整備の予算は毎年755億円ですが、中国では年間6〜7兆円と100倍近い予算が付いています。しかも中国はトランプとの貿易戦争で輸出が伸び悩むことを予測して、内需拡大のためにさらに1兆円積み増す方針ということが、2018/08/14の日本経済新聞の記事で報じられました。

                                     

                                     日本も中国のように、鉄道建設への予算がちゃんと多くつくならば、時間軸の話は全く変わってきます。実際は2030年以降の財源スキームは全く決まっておらず、その財源スキームを今から議論するというような”眠い”段階です。

                                     

                                     与党自民党の新幹線プロジェクトチームで、予算の枠組みについて改めて考え直す動きが出ており、その議論が始まって予算の枠組みが決まれば、2046年完成という話はなくなって、完成時期をもっと早くできる可能性があるのです。

                                     

                                     

                                     というわけで今日は「祝!財務省の罠を駆逐!国交省が北陸新幹線フリーゲージトレイン導入を断念!」と題し、論説しました。

                                     改めて整理しますと、フリーゲージトレインのデメリットとしては、財政出動を抑制するという意味での名目GDPの縮小に加え、高速化というコンセプトを捨てることによる将来の生産性向上のチャンスを捨ててしまうということでインフラ格差が決定的になってしまうことだといえます。

                                     財務省職員が猛省できるよう、財務省職員の人事給与制度を見直して、緊縮や増税をする人が出世するのではなく、名目GDPを増やした人が出世するような組織に変えていかなければ、彼らが発想を変えるとは思えません。

                                     とはいえ目の前のインフラ整備は、待ったなしで急ぐ必要がありますので、とりあえず北陸新幹線でのフリーゲージトレイン導入断念というニュースは、日本の国益を守ることができたという意味で、大変喜ばしいニュースであると思うのです。

                                     

                                    〜関連記事〜

                                    悔しいですが、あまりにも正しすぎる中国の鉄道建設を中心とした内需拡大政策

                                    北陸新幹線の開業効果について

                                    強制的にインフレにする恐るべき新幹線の効果

                                    日本の運命を決定する長崎新幹線車両(「フル規格」に賛成!「FGT」は反対!)

                                    祝!JR九州、JR西日本の反対により、フリーゲージトレイン計画が崩壊!

                                    地方創生にはインフラ整備が必要です!(JR四国・JR北海道の再国有化)

                                    四国新幹線の署名活動について


                                    絶対に許すべきでない外国人による国民健康保険の悪用問題

                                    0

                                      JUGEMテーマ:行政

                                      JUGEMテーマ:年金/財政

                                      JUGEMテーマ:社会保険

                                      JUGEMテーマ:グローバル化

                                      JUGEMテーマ:中国人研修生

                                       

                                       今日は「絶対に許してはいけない外国人による国民健康保険の悪用問題」と題し、外国人による日本の社会保険制度のタダ乗り問題について取り上げます。

                                       

                                       産経新聞の記事を2つ紹介します。

                                       

                                      『産経新聞 2018/08/29 20:51 自民、外国人の国保悪用防止へ検討を開始 ワーキンググループが会合

                                       自民党は29日、外国人が国民健康保険(国保)を悪用して高額な治療を少ない自己負担で受ける問題が相次いでいることを受け、外国人が関係する医療問題の対策について本格的な検討を始めた。医療目的で来日し、本来なら国保加入の資格のない外国人が「留学」と偽って保険を使うようなケースが目立つという。日本の医療保険制度に深刻な影響を与えかねないため、自民党は今後、加入審査の厳格化などを検討し、提言をまとめる方針だ。

                                       党の外国人労働者等特別委員会(木村義雄委員長)は29日、党本部で「在留外国人に係る医療ワーキンググループ」(WG)の会合を開き、国保の不正利用の状況などについて関係者からヒアリングを行った。

                                       以前は、国保に外国人が加入するには1年の在留期間を満たす必要があった。平成24年、住民基本台帳法の改正に伴い、3カ月超の滞在で国保加入が義務付けられるようになった。国保加入によって一定額以上の自己負担を免除する高額療養費制度を利用することもできるため、新型がん治療薬「オプジーボ」の自己負担も大幅に削減されているという。

                                       WGに出席した東京都荒川区の担当者は、29年度の区内の国保被保険者計5万4107人のうち、外国人は17%に当たる9183人いたと報告。出産育児一時金(42万円)を受け取った外国人の件数は105件に上り、このうち海外で出産した外国籍の加入者の申請が35件あったという。(後略)』

                                       

                                      『産経新聞 2018/08/29 20:56 国保、外国人悪用なかなか見抜けず

                                       外国人による国民健康保険(国保)の不正利用については、在留資格の真偽を医療機関や保険者である自治体では把握しづらいことや、すでに国保に加入している家族や知人になりすましても医療従事者が加入者本人かどうか識別するのは困難など、解決に向けたハードルは高い。

                                       厚生労働省によると、国保の平成28年度の被保険者は3013万人。このうち外国人は99万人(3・3%)で、19年度比で15万人増えた。国保全体の被保険者が減る中、外国人が占める割合は逆に1・8倍も増えている。一方、国保の28年度の赤字額は1468億円で、赤字分は公費が穴埋めしている。

                                      29日の自民党WGに出席した神戸市の担当者によると、26年に不法滞在のベトナム人女性が妹の国民健康保険証を利用し、2年以上にわたって総額1千万円以上のHIV(エイズウイルス)治療を受けていた。

                                       東京都荒川区の担当者は、本来国保の加入資格がない医療目的の入国が疑われるようなケースでも「入国前に日本の医療機関へ入院予約しているなどの確たる証拠がない限り『あなたは入国目的が違うのではないか』と言いづらい」と打ち明けた。

                                       厚労省幹部は、外国で作成されたさまざまな証明書類について「真偽の確認は厚労省だけでは難しく、関係省庁と連携しなければならない」と訴えた。国保の保険者である自治体と省庁との連携なども課題だ。

                                       外国人による国保の不正利用を防ぐための抜本的な対策が求められる。(原川貴郎)』

                                       

                                       

                                       上記記事の通りですが、自民党は外国人による医療問題の対策について本格的な検討を始めました。日本の医療保険制度に深刻な影響を与えかねないため、加入審査厳格化を検討して提言をまとめる方針と記事では報じています。

                                       

                                       記事では不法滞在のベトナム人女性が妹の国民健康保険を利用して、総額1000万以上のHIV(エイズウイルス)の治療を受けていたことも報じられています。

                                       

                                       医療受診目的で来日し、本来であれば国民健康保険に加入資格のない外国人が、留学と偽って国民健康保険を使うというケースが増えているのです。

                                       

                                       また国民健康保険の加入によって、一定額以上の自己負担を免除する高額療養費制度を利用し、新しい小野製薬のがん治療薬のオプジーボも、自己負担が大幅に削減されて治療を受けているケースもあるようです。

                                       

                                       こうした記事をみていると、正直ムカつきます。本当に由々しき事態です。

                                       

                                       本来保険とは、普通の健康な人であっても、数パーセントの確率で病気になったり事故に遭って怪我をしたり、その時に全部自己負担するとなれば、とんでもない治療費がかかるため、みんなで少しずつお金を出し合って、自分が病気になったりケガをしたりしたら治療を安く受けられるようにするというものです。

                                       

                                       まさに相互協力の助け合いの制度であって、この制度は日本人のために適用されるものです。なぜならば、日本人は生まれてからずっと日本にいるからです。日本人は健康保険料を払っているからです。その代わりとして治療費の一部をもらえるというのが健康保険制度であり、相互協力助け合いの制度です。

                                       

                                       外国人の場合も、ずっと日本に住み続け、まじめにビザを更新して健康保険料を納め続けているならば問題ありません。ところが、記事にある荒川区内の外国人や、神戸市のベトナム人女性らがやっていることは、悪用して健康保険に乗っかり、治療費を掠め取っていくという行為です。

                                       

                                       いわば移民問題の最初の問題ともいえます。実施に本ブログの読者も腹立たしく思いませんでしょうか?

                                       

                                       高い保険料を払っているのは、何も外国人のために積み立てているわけではありません。

                                       

                                       荒川区では、平成29年度の国民健康保険の被保険者54,107人のうち、外国人は17%に該当する9,183人がいたと報告したことも報じられています。もちろんこの17の中には、しっかりと保険料を納めて資格を持っている人もいるでしょう。

                                       しかしながら、それらに紛れて明らかに悪用しているブローカーが存在し、「日本で高額医療を安く治療を受けたいから頼むよ!」ということで、ブローカーにお金を払って来日してくる外国人がいるのです。

                                       荒川区の報告にある17%の9,183人のうち、何人がそうした外国人に該当するかは不明ですが、相当数いるはずであり、断固として許してはいけません。

                                       

                                       なぜこんなことになったのか?といえば、もともとは日本に来日する外国人は少なく、少ない外国人に対して、旅行時に病気をしたら困るだろうからということで、やさしさでハードルを下げて使わせてあげようかという軽いノリで始めました。今や日本政府は移民をじゃぶじゃぶ受け入れ、世界で第4位の移民受入国になり、こうした問題が出てきたといえるのです。

                                       

                                       

                                       というわけで「絶対に許すべきでない外国人による国民健康保険の悪用問題」と題して論説しました。

                                       私はもともと、外国人労働者の受入に反対です。生産性向上のための投資を阻害するからです。英国のメイ首相がなぜEUを離脱

                                      したのか?といえば、外国人労働者受入問題も理由の一つです。東欧諸国から労働を求めてくる人々の入国をシャットアウトするためです。

                                       またインバウンドに頼るという政策も反対です。なぜならば外需主導ということで在庫調整などあらゆる部分でリスクが高くなり、国力強化とは反対の方向に走っていくからです。国力強化のためには、インバウンドや輸出ではなく、トランプ大統領のように内需主導の経済となるような政策をやるべきであり、国力増強につながります。

                                       ところが外国人を受け入れ、インバウンドを推進とやって、世界第4位の移民受入国になってしまった今、健康保険制度については加入のハードルを今あげておかないと、日本人全員が泣き寝入りすることになります。絶対に許してはならず、与党政府がどう対応策をまとめるのか、見守っていきたいと思います。

                                       

                                      〜関連記事〜

                                      外国人フリーライド(日本の社会保険制度のタダ乗り)問題

                                      安倍政権の移民受入推進により、中国人らの食い物にされている国民健康保険について


                                      地方が疲弊している理由は、行政の仕組みが悪いからではなく、圧倒的に基礎インフラが不足しているからです!

                                      0

                                        JUGEMテーマ:年金/財政

                                        JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

                                        JUGEMテーマ:土木工作物

                                        JUGEMテーマ:土木

                                        JUGEMテーマ:行政

                                         

                                         今日は「地方が疲弊している理由は、行政の仕組みが悪いからではなく、圧倒的に基礎インフラが不足しているからです!」と題して、圏域行政について取り上げます。

                                         

                                         皆様におかれましても、圏域行政という言葉は聞きなれないかと思いますが、毎日新聞の記事で、圏域行政について取り上げられています。

                                        『毎日新聞 2018/08/19 10:00 「圏域」法制化 地方は反発 政府検討、自治体の廃止危惧

                                         政府は複数市町村で構成する行政主体「圏域」を法律により新たな行政単位に位置付ける議論を本格化させる。地方で将来深刻になる人口減少などに対応するのが狙いだ。だが、地方自治体の事実上の廃止につながる可能性があり、地方からは反発の声が上がっている。

                                         安倍晋三首相の諮問機関「第32次地方制度調査会(地制調)」が7月に発足。急速に進む人口減少に対応した行政サービスのあり方を2020年までにまとめ、首相に答申する。圏域を新行政単位とする議論が柱の一つとなる見通しだ。(後略) 』

                                         

                                         上記記事の通り、複数の市町村で構成する行政組織「圏域」というものを新たな行政単位に位置付ける議論を本格化させたというニュースです。目的は急激な人口減少で行政サービスを維持できなくなる市町村が出てくることに対応することが狙いとしています。しかしながら、地方自治体の事実上の廃止につながる可能性があり、地方からは反発の声が上がっています。

                                         

                                         圏域法制化とはどういうことか?

                                         

                                         圏域行政の話の前に、日本の市町村制度の一つして中核都市というのがあります。中核市は地方自治法第252条の22第1項で定める政令による指定を受けた市で、人口が20万人以上となると指定要件を満たします。中核市の例としては、旭川市、いわき市、宇都宮市、八王子市、高松市など2018/04/01時点で54市が指定されています。

                                         

                                         上述の中核市を中心に、周辺の自治体を4つ〜7つ程度集め、共同で街づくりをしたり、行政を進めていくということをすること。これが圏域行政というものです。 

                                         

                                        <圏域行政のイメージ>

                                        (出典:日本経済新聞から引用)

                                         

                                         

                                         毎日新聞の記事は、政府がこの圏域行政を加速させようと検討し始めたということです。

                                         

                                         いろんな自治体が共同して行政をやること自体は、悪いことではないかもしれません。広域行政になじむ案件について、広域行政を行っているだけで、法制化するとなると、議会や役所を作るという大掛りで極端な話になります。

                                         

                                         具体的には、都道府県と市町村の2層の行政ではなく、圏域という3層目を入れるという話であり、本当に問題がないのか?心配する声が上がっているのです。

                                         

                                         単一市町村を超えた圏域単位の行政サービスは、今でもあります。例えば公共施設の共同利用などが該当し、現時点では緩やかな連携に留まっています。

                                         

                                         平成30年7月の自治体戦略2040構想研究会の第二次報告という資料によれば、人口減少下において、満足度の高い人生と人間を尊重する社会をどう構築するか?として、法律で圏域を行政単位と位置づけ、医療施設や学校の共同運営を想定しています。

                                         

                                         これに対して、市町村からは医療施設や学校の統廃合のために、圏域行政を入れるのが目的では?という危惧があるようです。

                                         

                                         私は広域連携自体はメリットがあるので加速すべきだと思いますが、法制化となるとやりすぎという印象を持ちます。無理やり改革するのではなく、今の状況から改善を一つずつやっていくというやり方にしないと、小さい村町の独自性が無くなるなどのデメリットの方が大きいと思われるのです。

                                         

                                         改善はやったほうがいいと思うのですが、改革は、よほど慎重にやらないと改悪になる可能性があるわけで、改革よりも地道な努力が必要であると私は考えます。そういう意味で地道な努力をしやすい環境を作るというのならばいいのですが、議会を設置したり役所を作ったりとそうしたニーズが不要なところまで巻き込むのはどうかと思うのです。

                                         

                                         過去、過激な改革としては郵政民営化というのがありました。過激な改革の行き着く先としては、日本維新の会などが主張する道州制の導入という話もありますが、こうした改革は百害あって一利なしです。

                                         

                                         政府はこれまでも地方創生に力を入れようとして人口減少を食い止めようと取り組んでいましたが、結果が出ないから改革が過激になり、改革をやればやるほど疲弊するという悪循環になっています。

                                         

                                         そもそも地方が疲弊している理由とは何か?と聞くと、行政の仕組みが悪いと思われる人が多いかと。だから改革が必要なのだという論調が人気を得やすい。大阪都構想や道州制導入もそうです。しかし本当にその論説は正しいのでしょうか?行政の仕組みが悪いから地方が疲弊するのでしょうか?

                                         

                                         断言しますが、違います。行政の仕組みが悪いのではなく、デフレが放置されていることに加え、一番大きいのは、地方は都会と比べて圧倒的に基礎インフラが不足しているからで、これに尽きます。

                                         

                                         したがって、基礎インフラをしっかり整備することこそ、地方疲弊化をストップさせる地方創生の真の解決策です。新幹線計画があるところは新幹線を作り、高速道路計画があるところは高速道路を作り、LRT(ライトレールトランジット)計画があるところはLRTを作るなど、こうしたインフラをしっかり作ることで地域のお金が回りやすくすることで、人・物が動くようになり、地域が活性化します。そうなって広域連携をすれば、活力があるから連携もしやすくなるでしょう。

                                         

                                         

                                         というわけで「地方が疲弊している理由は、行政の仕組みが悪いからではなく、圧倒的に基礎インフラが不足しているからです!」と題し、広域連携を法制化しようとしている政府に対して、やや批判的に論説しました。

                                         そもそもなぜ多くの地域が共同運営に否定的なのか?といえば、贅沢なことをいっている暇がないのです。目の前には自然災害の復旧があり、高齢者の問題や医療・介護の問題もあるものの、そこまで人とお金が回らないのです。

                                         しっかりと政府がインフラ整備を主導して、デフレ脱却をすれば、自ずと地方の経済も活発化していくことになるものと、私は思います。


                                        台風21号と震度7の地震が襲った北海道には、公的資金でもなんでも入れるべきです!

                                        0

                                          JUGEMテーマ:大震災後の復興支援

                                          JUGEMテーマ:天候、地震など

                                          JUGEMテーマ:年金/財政

                                          JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

                                          JUGEMテーマ:経済成長

                                          JUGEMテーマ:電力自由化

                                           

                                           今日で震度7を観測した北海道地震から3週間が経過しようとしています。

                                           

                                           今年は夏の猛暑による熱中症、台風21号、西日本豪雨と、地球温暖化による影響もあると思われる自然災害が多く発生しました。中でも北海道は、台風21号で大被害があった後に、震度7の地震ということで、北海道電力の苫東厚真火力発電所の停電による悪影響が今もなお続いています。

                                           

                                           千葉でサンマが豊漁となりましたが、昨年まで全然取れなかったサンマが今年は北海道でも豊漁でした。ところが3週間前の地震によって、北海道内で大規模停電(ブラックアウト)が発生し、電気がストップすれば、冷蔵施設も使えないということで、市場や小売業でサンマを並べることができず、かなりの被害が出てました。その豊漁だったサンマは、地震の直前から漁獲が激減し、築地市場北海道産サンマは卸売価格が2.5倍超にまで跳ね上がりました。

                                           

                                           JAとまこまい広域では、じゃがいものコンテナが地震でめちゃくちゃとなり、片づけに追われるなどして、東京の大田市場では北海道産じゃがいも、にんじん、たまねぎの出荷量が地震の直前と比べて2〜4割も減少しています。

                                           

                                           こうした中、2週間が経過した先週、北海道電力苫東厚真火力発電所1号機が、ようやく再稼働しました。1号機の再稼働によって北海道電力の供給力391万キロワットに回復し、地震の前日のピーク需要を上回ったため、経済産業省は特別な節電は不要となったとして、節電は解除されました。

                                           

                                           その北海道電力は、2018/09/06未明の地震の後、大規模停電(ブラックアウト)を防ぐために、一部地域を強制的に停電させて電力の需要を減らす措置を3回試みたことがわかっています。

                                           

                                           とにかく北海道経済は大打撃です。1次産業、2次産業、3次産業もすべて大打撃です。北海道で罹災に遭われた方々は、電気がインフラの中のインフラで、現代文明に必要不可欠かつ社会的基盤に必須のインフラであることを、骨に染みて理解されたと思います。

                                           

                                           ところが日本政府としては、インフラの中のインフラである電力について、供給体制を脆弱なまま放置していたといえます。むしろ脆弱な供給体制だったのをさらに脆弱化させる発送電分離を推進しようとしています。

                                           

                                           電力の供給体制を強靭化するためには、どう考えても発電と送電を一体化して国家が一括管理するというのが強靭化の方向ではないでしょうか?

                                           

                                           そのためには発送電分離は、やってはいけないことなのですが、国会議員や国民からそうした声が出ないということに、私は失望します。

                                           

                                           自由化がすべて正しいということはありません。規制緩和がすべて正しいということはありません。特に公共性が高い分野においては、むしろ規制が必要で、政府の関与は大きくなければ供給体制を強化できません。無駄を削減して効率化させるために民営化という発想は、一見正しく思えますが、無駄があって遊びがあればこそ、いざという時の大災害でも強靭に供給することができるのです。

                                           

                                           無駄や遊びがあるということは、民間企業では、なかなか許されません。利益追求の株式会社組織では利益が優先され、安全保障の強化・強靭化ということにお金を使うというインセンティブは、どうしても弱くならざるを得ないのです。

                                           

                                           いかに今まで政府が自由化を進めてきたとしても、今回の事故を踏まえて反省して政策転換しないとすれば、誠に遺憾としか言いようがありません。

                                           

                                           下記は産経新聞の記事です。

                                          『産経新聞 2018/09/15 20:12 観光の損失、292億円 宿泊キャンセル94万人

                                           北海道は15日、最大震度7の地震が発生した6日以降、道内の宿泊施設の予約をキャンセルしたのは延べ94万2千人で、飲食などを含む観光全体の損失額は推計約292億円に上るとの集計を発表した。

                                           昨年度、北海道を訪れた観光客は過去最高の5610万人で、うち宿泊客は1883万人。外国人観光客も多く、地震の影響が長引けば国や道が進めるインバウンド施策にも影を落としそうだ。

                                           道が15日までにまとめた集計によると、ホテルや旅館などの宿泊施設のほか、テーマパークなどの観光施設では6万9千人、フェリー・遊覧船は2万2千人、観光バスでは4千台のキャンセルが出た。』

                                           

                                           北海道は厚真町と知床で300僧イ譴討り、電力は復旧したものの、上記の産経新聞の記事の通り、観光のキャンセルが相次いでいます。9/6〜9/15の間で、292億円の損失額という試算です。

                                           

                                           北海道民の方々が、それだけ所得を失ったということ。北海道電力にしてみたら、仕方がないかもしれませんが、国家として仕方がないというわけにはいかないでしょう。政府として国民の財産を守ることができなかったわけで、本来であれば北海道民の方々は、政府に対して損害賠償請求をしてもいい話です。

                                           

                                           下記の写真は、9/19に運行が再開した北海道の貨物列車13両の「ジャガイモ列車」の写真です。

                                          (出典:NHKニュースウェブから)

                                           

                                           国内最大のジャガイモの産地の十勝地方では、本州にジャガイモを運ぶ専用の臨時列車、通称「ジャガイモ列車」というのがあります。この「ジャガイモ列車」は臨時貨物列車なのですが毎年運行され、十勝地方で採れたジャガイモを大量に本州に運んでいるのです。

                                           北海道地震の後、線路にゆがみが見つかったため、運行が延期されていたのですが、線路の復旧が完了して、9/19から運航が始まりました。青函トンネルを経由して埼玉県内の駅に到着し、ポテトチップスに加工するためにトラックに積み替えられ、首都圏各地の工場に運ばれるのです。

                                           

                                           こうした鉄道路線でいえば、JR北海道は厳しい状況に置かれています。JR東海やJR東日本と異なり、相対的にドル箱路線がないために路線を維持するにしても経営環境が厳しいのです。そのため、どんどん路線が撤退するともいわれています。

                                           

                                           ただでさえ北海道経済は疲弊しており、そうした中での台風21号と北海道地震の発生です。日本政府は北海道の復興を真剣に考えていただきたい。具体的には公的資金の投入やJR北海道の国有化で社員の公務員化のみならず、公務員自体を増員する、政府支出によるインフラ整備の支出を増額するなど、その財源は建設国債を発行すればいいだけの話。国債不足でマイナス金利になっている状態であるため、タダ同然で政府はお金を借りられます。建設国債を大量に発行すれば、国債不足も解消し、銀行のバランスシートを毀損し続ける状況もストップできるでしょう。

                                           

                                           

                                           というわけで今日は「台風21号と震度7の地震が襲った北海道には、公的資金でもなんでも入れるべきです!」と題し、論説しました。

                                           

                                          〜関連記事〜

                                          JR北海道は再国有化してもよいのでは?(進行している日本の発展途上国化の縮図か?)

                                          無駄を省くために民営化という欺瞞が引き起こした北海道電力ブラックアウトと関西空港閉鎖

                                          脆弱な北海道のエネルギー供給体制について


                                          北朝鮮の密輸船が日本に寄港

                                          0

                                            JUGEMテーマ:朝鮮問題について

                                             

                                             今日は「北朝鮮の密輸船が日本に寄港」と題して論説したく、日本経済新聞の記事をご紹介します。

                                             

                                            『日本経済新聞 2018/8/30付 北朝鮮密輸船か 日本に寄港 国連が制裁違反疑い指摘後も

                                             北朝鮮産の石炭の密輸に関わった疑いがあるとして8月に韓国政府から入港禁止措置を受けた貨物船4隻が、2016年3月以降、日本に合計25回寄港していることが分かった。寄港は国連安全保障理事会による北朝鮮への制裁決議で石炭の輸出制限が始まった後で、今年3月に国連に制裁違反の疑いを指摘されて以降も日本に複数回寄港しており、日本の取り締まりの網をくぐり抜けていた可能性がある。

                                             船舶への検査をモニタリングする国際組織「東京MOU」のデータベースで判明した。それによると、4隻のうち1隻は韓国で摘発される直前の8月7日に広島県の尾道港に寄港。この船とは別の2隻も7月に日本に寄港していた。海上保安庁は4隻に立ち入り検査をしたが、違反は見つからなかった。

                                            問題となった4隻を巡っては、北朝鮮産の石炭など計約3万5000トンをロシアを経由して不正に持ち込んだ疑いがあるとして韓国関税庁が今月10日に関係者を摘発した。

                                             4隻が日本に寄港した際に北朝鮮の石炭密輸に関与していたかどうかなどは明らかではない。ただ国連安保理北朝鮮制裁委員会の専門家パネルで16年まで委員を務めた古川勝久氏は「北朝鮮産の石炭が日本に流入した可能性もある」と述べ、日本の船舶検査の実効性を高めるべきだと指摘した。』

                                             

                                            <北朝鮮の密輸船が東シナ海で密輸している様子>

                                            (出典:ロイター通信の記事を引用)

                                             

                                             

                                             上述の記事の通り、北朝鮮産の石炭の密輸に関わった疑いがあるとして韓国政府から入港禁止措置を受けた貨物船4隻が2016年3月以降で、日本の港に25回も寄港していたというニュースです。問題となった4隻は、北朝鮮産の石炭など、35,000トンがロシアを経由して不正に持ち出し、韓国関税庁が2018/08/10に関係者を摘発したと報じています。

                                             

                                             2017年以降、核ミサイル発射の実験を相次いで行った北朝鮮に対し、米国のトランプ大統領が2018/02/25に北朝鮮への経済制裁を強化しました。

                                             

                                             そもそも国際協調する経済制裁が、北朝鮮に対して効き目があるのか?という問題はあります。国連加盟国192か国のうち、国交のない国は、日本、韓国、米国、フランス、サウジアラビアなど26か国である一方、ロシアやアフリカ諸国など100か国以上と国交があります。

                                             

                                             国交がある国からみれば、特にアフリカ諸国は発展途上国で外貨も不足しているため、安く輸入できるものであれば輸入したいというニーズがあり、国益を尊重すれば北朝鮮と貿易を継続していた方がメリットがあります。100か国以上もの国々が同じように北朝鮮と貿易を継続していたら、国連は文句が言えないでしょう。

                                             

                                             日本人は北朝鮮に対して、「米国のトランプ大統領が何とかしてくれそうだ!」とか、「国連が何とかしてくれそうだ!」と思う人が多いかもしれません。しかしながら経済制裁とは戦争の延長線にあるものです。もちろん日本国憲法9条第1項では、国家間との解決の手段として戦争という手段を放棄するとありますが、経済制裁という手段を放棄しているわけではありませんし、日本は独自で北朝鮮の武力行使に対して自国防衛の手段を持たなければなりません。

                                             

                                             今回の貨物船寄港は、韓国関税庁が関係者を突き止めたから、日本にも寄港しているのでは?という疑義が生じたのですが、本来ならば日本自体で寄港する貨物船の検査を強化しなければならなかったと思うのです。

                                             

                                             国際社会の北朝鮮への包囲網の網の目が大きすぎるのか?即ち偽装船に対して日本として対策を講じるべきです。

                                             

                                             そもそも「この船は北朝鮮籍の船です!」といって入港する船はありません。「北朝鮮籍の船です!」という船は、簡単に取り締まることができます。

                                             

                                             また石炭には北朝鮮産と書いてあるわけでもありません。北朝鮮籍の船からロシア船籍の船に積み替えられ、例えばミクロネシア諸島のバヌアツ籍の船やら、アフリカのシオラレオネ籍の船などに積み替えられ、北朝鮮産の石炭が入ってくるわけです。韓国関税庁の摘発以前に、日本でもこうした船について未然に寄港を防ぐことができなければ経済制裁の効果は弱くなってしまうでしょう。

                                             

                                             

                                             というわけで今日は北朝鮮の密輸船が経済制裁の網を潜り抜けて日本に寄港していたことが判明したというニュースを取り上げました。

                                             北朝鮮問題の専門家で、古川勝久氏という方が居られます。古川氏によれば、国連が違反した船は、資産を含めて凍結することができるとしているとのこと。しかしながら国連が凍結できると謳っていたとしても、日本には違反した船を凍結する法整備がないため、経済制裁の網の目が大きくなってしまっているとの指摘があります。

                                             日本国内で自国防衛の手段が整備されていないというのは大変ダメなことであり、法律をしっかりと作って整備する必要があるものと私は思うのです。 


                                            なぜ諸外国は消費税20%とか25%とかできるのか?

                                            0

                                              JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                                              JUGEMテーマ:年金/財政

                                               

                                               今日は「なぜ諸外国は消費税20%とか25%とかできるのか?」と題し、論説します。

                                               

                                               自民党総裁選が9/20に投票が行われ、安倍首相が再選しました。この総裁選では、消費増税が取り沙汰されました。マスコミの報道の論調として、消費増税は既定路線という論調が多く、石破前幹事長は消費税は上げるべきと語り、安倍首相もまた上げたいと述べていました。

                                               

                                               しかしながら、完全に決まったわけではありません。これまでも増税は2回延期されていますが、同じように延期される可能性は十分にあります。

                                               

                                               にもかかわらず最近のマスコミの論調をみると、既定路線という論調が強まっています。下記は日本経済新聞の記事です。

                                              『日本経済新聞 2018/09/20 自工会、自動車税の大幅下げ要望へ 「軽並み」視野、消費増税を懸念  

                                               自動車の保有者が毎年負担する自動車税について、自動車業界が引き下げの要望を強めている。2019年10月の消費税率引き上げが販売の逆風となるうえに、米国が表明した輸入自動車の関税引き上げ案が国内生産に与える影響を懸念しているためだ。日本自動車工業会は20日、税額の大幅な引き下げを求める。19年度の税制改正に向けた調整が本格化する。

                                               自工会は20日発表する税制改正要望で、新規で取得する自動車の自動車税を大幅に下げるよう求める。引き下げの目安として示すのは軽自動車の保有者にかかる軽自動車税。経済産業省は水面下で、地方税を所管する総務省に自動車税を「軽並み」に下げるよう求めている。

                                               業界が税を軽くするよう求めるのは、自動車の保有にかかる負担が重いと考えているためだ。自動車税は排気量1000cc以下の小型車でも年2万9500円かかる。軽自動車税は年1万800円。この税負担の差が、自動車の国内販売で軽に人気があつまる理由でもある。

                                               仮に自動車税が「軽自動車並み」になれば、排気量1000ccの小型車なら税額は1万6400円まで下がる。新車価格が120万円なら、消費税が2%上がる分の負担増を2年で取り戻すことができる。

                                               自動車業界は毎年のように減税を求めてきたが、今年は特に危機感が強い。業界団体は消費税率の引き上げで、国内の新車販売は30万台ほど縮小するとみている。さらに米トランプ政権が検討する自動車への追加関税が発動されれば輸出に響く。自工会は国内の雇用を守るためにも、自動車の国内需要を刺激する必要があるとの立場だ。

                                               財源探しは難しい。自動車関連の税から見つけるなら、軽自動車税の引き上げが視野に入る。だが、軽は公共交通機関の乏しい地方では生活の足として定着し、増税は反発を招きやすい。軽自動車の販売を冷やしかねないだけに、あるメーカー幹部も「軽自動車を財源にすることはあり得ない」と語る。

                                               大きな減税を穴埋めするなら、ガソリンにかかる揮発油税が候補になる。1リットルあたり1円上げれば500億円ほどの増収が見込まれるが、石油関係の業界は反発する。

                                               19年10月の消費増税については、政府が6月にまとめた経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に税制面での対応が明記されている。増税後に販売が冷え込む反動減対策は、消費増税時に導入される燃費課税を初年度はゼロにする案が浮上。自工会は自動車税についても購入初年度の負担をゼロにするよう要望する見通しだ。(後略)』

                                               

                                               

                                               上記の記事を踏まえ、下記の順に論説します。

                                              1.消費増税を勝手に既定路線化するマスコミども

                                              2.各国の消費税率比較と税金の使途について

                                              3.なぜ諸外国では消費税が20%とか25%という国が存在するのか?

                                               

                                               

                                               

                                              1.消費増税を勝手に既定路線化するマスコミども

                                               

                                               上述の記事は、日本自動車工業会が、2019年10月の消費税率引き上げとトランプ大統領による輸入自動車の関税引き上げに備え、自動車業界として助かりたいために、自動車税の大幅な減税を求めているというニュースです。

                                               

                                               自動車税の税率が軽自動車税の税率水準になれば、ドライバーにとっては確かに嬉しい話でしょうが、裏を返せば自動車業界が消費増税による影響の心配をしているということ。むしろ消費増税による影響を懸念しているということです。

                                               

                                               消費増税を懸念しているのであれば、本来は増税を反対すべきです。増税に対してネガティブな意見を持っているにもかかわらず、消費増税を既定路線として消費増税の延期・凍結もしくは消費善税が叶わないと考え、自分の業界だけを税金を安くして欲しいという話は、根本の解決になりません。

                                               

                                               根本の解決とは名目GDPを増やすためにデフレ脱却することと、実質賃金UPとなるような経済環境を作ることです。

                                               

                                               マスコミは消費増税は既定路線という論調が強いですが、そのマスコミの団体協会の一つ日本新聞協会は、新聞は軽減税率の対象品目とするよう働きかけ、新聞には軽減税率が適用されています。

                                               

                                               彼らの働きかけの根拠としては、ニュースや知識を得るための負担を減らすためとしています。理由は何であれ、自分たちの業界は消費増税による売上減少の懸念から助かったと思っているに違いないでしょう。

                                               

                                               ところが消費増税をすることで、増税直後は強制的に物価が引き上げられて名目GDPが上昇するものの、実質GDPは減少して、その後で名目GDPが減少します。この名目GDPが上昇して、実質GDPが減少するという現象は、強制的に物価が引き上げられても賃金がそれ以上に伸びていないために、物・サービスを買う個数・数量が減少するということです。

                                               

                                               GDPデフレータという指標がありまして、「GDPデフレータ=名目GDPの増減率÷実質GDPの増減率」で、デフレ・インフレを判断する重要な指標です。端的にいえば、GDPデフレータがプラスならばインフレ、マイナスならばデフレなのですが、消費増税UPした直後は、デフレインフレに関係なく、例外的にGDPデフレータはプラスになります。

                                               

                                               その理由は、GDPデフレータの算出式の「GDPデフレータ=名目GDPの増減率÷実質GDPの増減率」にあります。分母の実質GDPの減少率は大きく、分子の名目GDPの減少率は消費増税で強制的に物価が引き上げられるために減少率は小さくなりがちです。結果、消費増税直後はGDPデフレータはプラスになりやすいのです。

                                               

                                               少し話を戻しますが、新聞業界は自分たちが助かったと思っているかもしれませんが、消費増税直後GDPデフレータがプラスになっても、すぐにその後マイナスになります。なぜならば個数が売れなくなる状況なので、値下げ圧力がかかるからです。値下げすることで名目GDPは、やがて減少に転じ、そのままデフレが深刻化していきます。これこそ、1998年の消費増税3%→5%以降、繰り返してきたことなのです。

                                               

                                               自分たちの業界が助かったと思いきや、名目GDPが減少してデフレが深刻化すれば、実質賃金が伸び悩み、もしくは減少し、結果的に新聞だって買われなくなるのです。

                                               

                                               自動車業界も同じです。消費増税をすればデフレ脱却が遠のき、その影響は、新聞業界であろうが自動車業界であろうが、どの産業も同じです。

                                               

                                               

                                               

                                              2.各国の消費税率比較と税金の使途について

                                               

                                               下記は、各国の消費税の標準税率の比較表です。

                                               

                                              <各国の消費税の標準税率の比較>

                                              (出典:国税庁のホームページ)

                                               

                                               上記の通り、日本の8%は低い方で、この比較表をみると欧米のように消費税率を高くしてもいいというようなイメージを持つかもしれません。

                                               国税庁のホームページには、豆知識として「消費税は私たちの老後と地域を支えています。」として、年金や医療などのために使われると、実に巧妙な微妙な言い回しで解説しています。

                                               なぜ微妙な言い回しかといえば、こう書かれると、ほとんどの人が消費税は年金・医療のために必要なんだと思う人がほとんどだからと思うのです。別に私は消費税が年金や医療に使われることは無いということを言いたいのではありません。それは間違っています。

                                               とはいえ、実際は一般財源であるため、消費税は法人税・所得税などと同様に一般財源として徴収し、支出は年金・医療以外のことにも使われます。例えば自動車重量税が一般財源化されました。2009年に道路特定財源制度が廃止されたためです。

                                               

                                               道路特定財源制度が存在していた時は、自動車重量税で集められた税金は、使途が道路の補修などのインフラ整備に関連する支出に決まっていました。ところが一般財源化されたため、重量税で集められた税金は、必ずしもインフラ整備にのみ使われているわけではないのです。同様に消費税も、年金・医療財源に使途が限定されているわけではないのです。

                                               

                                               

                                               

                                              3.なぜ諸外国では消費税が20%とか25%という国が存在するのか?

                                               

                                               諸外国には、消費税が20%とか25%という国があります。なぜ、そんなことができるのでしょうか?

                                               

                                               答えは簡単です。デフレでないからです。

                                               

                                               日本もデフレでなければ、消費税率20%とか25%とか、全然あり得る話です。税率を少しずつ引き上げ、その都度デフレでなくインフレであることを確認したら、税率を引き上げるというように、これを繰り返せば、ゆっくり徐々に上げていけば、デフレにならないということはあり得ます。

                                               

                                               もとよりインフレ率が極端な話2%どころか10%などと高い状態で、バブル形成を助長するという判断があるのであれば、むしろ消費増税をした方がいいときもあります。

                                               

                                               問題は、日本はデフレ脱却しないまま、しかも緊縮財政を継続したままの状態で消費増税をしてきたことにあります。

                                               

                                               もともと消費増税すべきだ!という考え方の人々の頭の中には、デフレとかインフレということに興味がありません。そういう人々はマクロ経済をロクに理解していないため、消費税率10%の次は、15%に引き上げるべきだということになるでしょう。

                                               

                                               事実、消費増税10%は一里塚という論調が徐々に強まってきており、自民党の総裁選でも石破前幹事長は、「消費増税は10%で十分か?」とのインタビューに対して、「足りない。15%に引き上げるべき!」と将来的には、さらなる消費増税を示唆していました。

                                               

                                               自然災害対策のために公共事業に支出を増やすことで財政破綻するという論文を中央公論8月号で書いた東京大学名誉教授の吉川洋氏は、2018/09/02の読売新聞の論説で消費税は15%にすべきであり、10%は一里塚であると述べています。

                                               

                                               デフレ状況で10%に引き上げると、さらにデフレが深刻化し、さらに税収は伸び悩むことになります。日本のGDPが500兆円で20年も横ばいを続けているのは、少子高齢化で老人が増えており、消費税で需要が削減されるところを、老人の医療・介護の需要で埋め合わせているのですが、その医療・介護の需要も、医療報酬・介護報酬引き下げやジェネリック薬品の推進で、費用が抑制されてGDPが伸び悩んでいるのです。

                                               

                                               何が言いたいかといえば、このままデフレ脱却を放置した状態で10%→15%→20%とやれば、消費が落ち込み、GDPが伸び悩みます。他方で諸外国は政府支出増を継続していることからGDPを伸ばしていくことになるでしょう。

                                               

                                               日本は貧困化し、諸外国は経済成長していく、それが現実のものになるということです。私たちの将来世代に引き渡す日本の形が、デフレで貧困化してインフラがボロボロとなり、生産性向上についても相対的に他国に劣後するという状況でいいのでしょうか?

                                               

                                               

                                               

                                               というわけで「なぜ諸外国は消費税20%とか25%とかできるのか?」と題して論説しました。

                                               デフレ放置した状態での消費増税は断固として反対です。一方で、消費増税をした方がいい局面があります。それは想定以上にインフレになったときです。例えばインフレ率20%を1年間放置すると、1.20の12乗≒9となり、100円の缶コーヒーが1年後900円になります。これはこれで人々が生活しにくい可能性があるわけで、消費増税をして需要を削減し、インフレ率2%〜3%程度になるまで、消費増税をした方がいいのです。

                                               消費税率というのは、「欧米諸国と同じように〇〇%でなければいけない!」とか「〇〇%まで引き上げるべき!」という話ではありません。これは法人税や所得税などのほかの税金も同様です。国民が生活しやすいように、その時々で税制制度を変えていくということ、それが政府の役目なのです。

                                               

                                              〜関連記事〜

                                              「GDPと税収の関係」と「GDPデフレーターの特徴」について

                                              名目GDPと実質GDPとGDPデフレータを完全理解しよう!

                                              本当は経済成長していないのに実質GDPがプラスになってしまう現象について

                                              財務省職員の人事評価制度について(増税できた人を評価するのではなく、GDPを増やした人を評価すべき)

                                               

                                               


                                              仮想通貨の金融商品取引法上の問題点

                                              0

                                                JUGEMテーマ:ビットコイン

                                                JUGEMテーマ:リップル

                                                JUGEMテーマ:仮想通貨

                                                JUGEMテーマ:暗号通貨

                                                JUGEMテーマ:仮想通貨 マイニング

                                                 

                                                 今日は仮想通貨について論説します。

                                                 

                                                 今週、コインチェックと同様に、仮想通貨交換所大手の「Zaif(ザイフ)」で、約67億円分のビットコインなどの仮想通貨が不正流出したというニュースがありました。このニュースを取り上げ、改めて仮想通貨について金融商品取引上の問題点を指摘したいと思います。

                                                 

                                                 下記は読売新聞の記事です。

                                                『読売新聞 2018/09/20 13:02 仮想通貨67億円相当が流出…「ザイフ」から

                                                 仮想通貨交換業者「テックビューロ」(大阪市)は20日、同社が運営する交換所「ザイフ」から、「ビットコイン」など計3種類の仮想通貨(約67億円相当)が不正アクセスによって外部に流出したと発表した。金融庁は18日、同社に対し、改正資金決済法に基づく報告徴求命令を出した。20日午後にも詳細な報告を受けた後、立ち入り検査に入る。大阪府警は不正アクセス禁止法違反などの容疑で捜査に乗り出した。

                                                 流出したのは、「ビットコイン」のほか、「ビットコインキャッシュ」、「モナコイン」の計3種類。被害額のうち約45億円は顧客からの預かり資産で、残り約22億円が同社の資産だった。テックビューロは、顧客への補償に応じる方針という。被害にあった顧客の数は明らかにしていない。(後略)』

                                                 

                                                 

                                                 上記の記事は、仮想通貨交換業者「テックビューロ」が運営する「Zaif」が不正アクセスを受け、ビットコインなどの3種類の通貨が外部流出したという事件です。「テックビューロ」は2回業務改善命令を受け、3/8、6/22と2回行政処分を受けていました。にもかかわらず、こうした大量流出事件が発生したということで、仮想通貨自体の問題もさることながら、取引所業者についてのシステム管理、ガバナンス管理が問われることになりました。

                                                 

                                                 仮想通貨はいろんな問題点がありますが、そのうちの一つとして、仮想通貨が有価証券ではないため、金融商品取引法、金融商品販売法の規制を受けないことがあげられます。そのため、相場操縦が自由にできてしまうなどの問題があり、リスクが大きいのです。

                                                 

                                                 その一例をケーススタディでご説明しようと思いますが、その前に、仮想通貨の特徴について簡単に触れておきます。仮想通貨では「マイニング」という言葉を聞いたことがある方がおられるかと思います。

                                                 

                                                <マイニングのイメージ>

                                                 

                                                (出典:GMOインターネット社)

                                                 

                                                 マイニングとは何か?

                                                 

                                                 仮想通貨の特徴として取引データを台帳に記録して更新していく追記作業のことを、マイニングといいます。ネットワークに分散して保存されている台帳データと、一定期間内に発生したすべての取引データとの整合性を取りながら情報更新していく追記作業のマイニングには、膨大な量の計算を短時間で行う必要があります。こうした追記作業を行う人をマイナー(=採掘者)といい、ビットコインの場合は、追記作業に成功したマイナーに新たなビットコインが報酬として支払われ、新たなビットコインが発行されます。

                                                 

                                                 相場操縦に話を戻しますが、仮想通貨はビットコイン以外にも新たな仮想通貨が世界中で生み出されています。相場操縦が自由にできる例として、例えば、仮想通貨をマイニングするマイナーと呼ばれる業者が、100枚の新しい仮想通貨を発行したとして、そのうち90枚は仲間内でホールドし、10枚だけをマーケットに出します。この出された10枚の値段を、発行主体と仲間たちが結託して吊り上げることが可能なのです。

                                                 

                                                 具体的には、最初に1円で発行した仮想通貨に100円の初値が付いたとして、それを100円で購入した人が200円で売りに出します。そのあと200円で購入した人が300円で売りに出すという方法で、値段をどんどん釣り上げていきます。これがもし株式投資の世界であれば、金融商品取引法で禁じられている相場操縦にあたる行為なのですが、仮想通貨は金融商品取引法の適用を受けないため、こうしたことが自由にできてしまうのです。

                                                 

                                                 上述の例では、仲間内が値段を吊り上げていく中で、広告宣伝を入れて新規市場参入者を増やしながら、自分たちがプールしていた90枚を徐々に売り出していくというということができます。

                                                 

                                                 同じような事例として、絵画のオークションがあります。ある画家の作品が1号10万円だったとして、その絵の値段を吊り上げたい画商がいると仮定します。その画商は絵画の絵を100枚持っていて、100枚のうち1枚をオークションに出して、値段を1号100万円くらいまで吊り上げます。その絵の評価額が1号100万円と当初の10倍に跳ね上がったところで、残りの99枚を売りに出していくのです。このような絵画の値段を吊り上げる行為については、有価証券でなく普通の商品なので犯罪にはなりません。

                                                 

                                                 こうして仮想通貨それ自体にもいろんな問題点があるのですが、今回「Zaif」のように大量の仮想通貨を流出させた業者についても、ガバナンス不在の弊害という問題があります。「Zaif」を運営する業者のテックビューロ株式会社は、仮想通貨交換業者16社の1社です。

                                                 

                                                 ガバナンス不在の弊害という例としては、金融庁が仮想通貨交換業者の検査・モニタリングした際に、5つをあげています。

                                                〕益を優先した経営姿勢

                                                ⊆萃役及び監査役に牽制機能が発揮されていない

                                                6睛散箸箸靴討離螢好管理に知識を有する人材が不足

                                                ね用者保護の常識や法律を遵法精神が低い

                                                シ弍直霾鵑篋睫馨霾鵑粒示に消極的

                                                 

                                                 上記 銑イ蓮⇒用者からみれば決しておろそかにして欲しくない項目ばかりですが、テックビューロ株式会社が2018/06/22に受けた行政処分の内容は、下記の通り6つです。

                                                顱 経営管理態勢の構築(内部管理部門及び内部監査部門の機能が十分に発揮できる態勢等の構築を含む)
                                                髻 法令遵守態勢の構築
                                                鵝 マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に係るリスク管理態勢の構築
                                                堯 利用者財産の分別管理態勢の構築
                                                . 利用者保護措置に係る管理態勢の構築
                                                . 仮想通貨の新規取扱等に係るリスク管理態勢の構築

                                                 

                                                 先述の通り2018/03/03にも行政処分を受けたにもかかわらず、6/22にも行政処分を受けているのです。上述の顱像の内容についてもまた金融庁の検査で指摘している項目とほぼ一致します。

                                                 

                                                 特に利用者財産の分別管理体制でいえば、2017年4月1日に施行された改正資金決済法によって「利用者財産の分別管理」が義務付けられました。

                                                 

                                                 2018/01/22にNEMの大量流出で問題になったコインチェック社(現在はマネックス証券の傘下)は、顧客資産の保管状況が明らかにならず、仮想通貨交換業者としての適格性を著しく欠いていた点が問題でした。コインチェック社の場合は、財務内容も明らかになってなかったのですが、理由は中小企業の扱いであるためです。中小企業は税制面で優遇措置があるほか、経理の人員が少なく高度な会計処理に対応できる十分な能力や経営体制を持っていないなどの理由で、計算書類などの作成負担を最小限に留めて過重な負担を課さないという措置が取られています。

                                                 

                                                 とはいえ中小企業というだけで、監査も十分にできていない会社に仮想通貨交換業者の認定を与えてもよいのか?という疑問を持ちます。コインチェックでは月間4兆円も取引があったのに、それだけの資金を顧客から預かるに足る能力を体制があったのか?という指摘は免れないと思うのです。

                                                 

                                                 下表はテックビューロ社、コインチェックの2社の概要です。

                                                 

                                                 コインチェックも問題でしたが、テックビューロ社も従業員がコインチェックよりも少ない約60人程度です。70億円もの資金を預かる体制が、テックビューロ社にあったのか?疑問を持たざるを得ません。

                                                 

                                                 これが証券会社であれば、顧客から預かる株式、債券、金銭は証券会社自身の資産とは区別して管理することが、金融商品取引法で義務付けられています。投資信託の場合も、証券会社は販売窓口の販売会社という位置付けで、運用資産は信託銀行で信託銀行自身の資産とは区別して管理されます。

                                                 

                                                 もともと、仮想通貨交換業者が、顧客の仮想通貨を管理している状況では、内部不正や業者が破綻した場合に、預けた仮想通貨が戻らないというリスクもあります。たとえ改正資金決済法の規制通りに、仮想通貨交換業者と顧客の資産を分別管理していたとしても、単に分別管理しているだけでは業者が倒産したときに一般債権と扱われて一定額しか戻らないリスクもあります。

                                                 

                                                 顧客サービスの品質向上のためには、仮想通貨交換業者はコストをかけても信託の仕組みを銀行と締結することが必要でしょう。

                                                 

                                                 分別管理だけでなく、管理方法についても不正アクセスによる流出の防止に十分なコストをかける必要があります。ところが実際は利益追求でコストを抑制し、結果的に事件を引き起こすという業者が多いという印象を私は持ちます。

                                                 

                                                 

                                                 というわけで今日はZaifの不正アクセスによる仮想通貨流出事件を取り上げ、仮想通貨について金融商品取引法上の問題点をご説明しました。

                                                 

                                                 

                                                〜関連記事〜

                                                ビットコインを含む仮想通貨の問題点について

                                                仮想通貨への投資のリスクとは?

                                                仮想通貨の暴落で理解できる「バブルの崩壊→デフレ化」へのプロセスとGDP


                                                関西空港閉鎖がもたらした日本経済への影響について

                                                0

                                                  JUGEMテーマ:大震災後の復興支援

                                                  JUGEMテーマ:天候、地震など

                                                  JUGEMテーマ:土木工作物

                                                  JUGEMテーマ:土木

                                                  JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

                                                   

                                                   関西空港は台風21号によって一時閉鎖に追い込まれました。今日は関西空港閉鎖による日本経済への影響について論じたいと思います。

                                                   

                                                   下記は日本経済新聞の記事です。

                                                  『日本経済新聞 2018/9/12 19:27 伊丹・神戸 受け入れ決定 関空代替、1日計70便     

                                                   台風21号で大きな被害を受けた関西国際空港の機能の一部補完について、大阪国際(伊丹)、神戸の両空港が臨時に1日最大で合計70便を受け入れることが決まった。内訳は伊丹40便、神戸30便で国際線を含む。伊丹空港の周辺10市でつくる大阪国際空港周辺都市対策協議会(10市協)と神戸市は12日、国土交通省からの要請をおおむね受け入れると同省に回答した。

                                                   10市協は伊丹空港の運用時間を現行の午前7時〜午後9時から午後10時まで1時間延長することは認めなかったが、これまで認めなかった遅延便を弾力的に受け入れる姿勢に大きく転換した。

                                                   1日当たりの最大便数は従来の370から410まで拡大することも容認。増便の際の低騒音機の優先導入や、今回の臨時措置が2カ月を超える場合の再協議も求めた。

                                                   神戸空港の施設所有者である神戸市の久元喜造市長は「大阪府知事から要請のあった運用時間の延長についても対応する用意がある」とコメントした。大阪府知事は同空港について、午前7時〜午後10時から午前6時〜午後11時までの延長を要請している。』

                                                   

                                                   上記記事の通り、台風21号の被害で大幅に減少している関西空港の発着便について、伊丹空港と神戸空港の関係自治体が、2つの空港で国際便を含めた増便を受け入れる方針を正式に表明しました。

                                                   

                                                   関西空港の機能縮小で日本経済への影響が心配される中、国内線のみ就航させる取り組みだった2つの空港の伊丹空港、神戸空港が国際線を含めて補完するという異例の対応です。

                                                   

                                                   9/14には第一ターミナルが再開されましたが、関西空港には入国する外国人の3割が利用しているとのことで、国際線の再開が1か月遅れるだけで600億円の被害との試算も出ています。

                                                   

                                                   空港が止まった場合の経済被害は大きいのですが、多くの人々は、それがどのくらい大きいのか?イメージができないかもしれません。

                                                   

                                                   関西空港は、実は超巨大物流空港であるということが意外と知られていないのです。24時間空港という便利さもあって、物流空港としても重要な空港だったのですが、これが閉鎖する・機能が縮小するというのは、相当なダメージです。仮に成田空港を代替したとしても、成田空港から大阪に運ぶ手間があるわけです。

                                                   

                                                   被害額600億円との試算は、旅客移動だけを考慮した試算である可能性もあり、物流移動を含めたら被害がもっと大きい可能性があります。

                                                   

                                                   また、関西空港の運営会社の関西エアポートは、9/14に第一ターミナルを再開したものの、災害は訪日客に影響を与えました。下表の通り、7月の訪日客数は推計値で前年同月比で4.7%増と、伸び率は1ケタ台になってしまいました。

                                                   

                                                  <過去5か年の訪日外国人数の6月と7月の比較>

                                                  (出典:JTB総合研究所作成の訪日外国人の推移を引用 2018年度は推計値)

                                                   

                                                   6月に大阪北部地震、7月の西日本豪雨で、風評被害も広がっているかと思います。とはいえ、それ以上にダメージを受けたものとしては、日本の先進国としての威信が傷付いたことであると思うのです。

                                                   

                                                   関西空港の閉鎖、タンカーが橋げたに激突するという映像は、先進国としていかがなものでしょうか?橋が一本しかないということはあり得るのでしょうか?普通にもう1本橋を架けるのか、地下にトンネルで道路をつなぐなどすれば、関西空港の閉鎖は避けられたでしょうが、実際は橋が1本しか架けていなかったために空港閉鎖に追い込まれました。

                                                   

                                                   たとえ無駄であっても、緊急時には活躍する道路というのは、日本では普通に需要があるのです。大阪維新の会の人たちは、もともと無駄削減を注力してきた政党ですので、彼らが大阪府で基盤が強い状況では、橋をもう1本架けるとか、地下に道路をトンネルでつなげるなどという発想は出ないでしょう。

                                                   

                                                   

                                                   というわけで今日は「関西空港閉鎖がもたらした日本経済への影響について」と題して論説しました。9月の北海道胆振地方の地震では、新千歳空港も一時閉鎖したり、苫東火力発電所が損傷して電力がブラックアウトしてしまいました。

                                                   東日本大震災で福島原発事故で傷付いた日本が、関西空港閉鎖、北海道ブラックアウトで、さらに威信が傷付いてしまったと言えると思うのです。スピーディーに復旧できれば「さすが、先進国日本!」となるでしょうが、全面復旧には相当の時間がかかるでしょう。

                                                   私たち日本は、発展途上国化してそこまで落ちぶれてしまっているという認識を持たなければなりません。日本の威信を回復するためには改革や緊縮財政ではなく、躊躇なき建設国債の発行によってインフラ整備・国土強靭化に邁進する以外に方法はないものと、私は思います。


                                                  現金給与総額の前年比増加率に隠されたイカサマ

                                                  0

                                                    JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                                                     

                                                     今日は「現金給与総額の前年比増加率に隠されたイカサマ」と題して論説します。

                                                     

                                                     下記は西日本新聞の記事です。

                                                    『西日本新聞 2018/09/12 10:14 統計所得、過大に上昇 政府の手法変更が影響 補正調整されず・・・専門家からは批判も

                                                     政府の所得関係統計の作成手法が今年に入って見直され、統計上の所得が高めに出ていることが西日本新聞の取材で分かった。調査対象となる事業所群を新たな手法で入れ替えるなどした結果、従業員に支払われる現金給与総額の前年比増加率が大きすぎる状態が続いている。補正調整もされていない。景気の重要な判断材料となる統計の誤差は、デフレ脱却を目指す安倍政権の景気判断の甘さにつながる恐れがある。専門家からは批判が出ており、統計の妥当性が問われそうだ。

                                                     高めになっているのは、最も代表的な賃金関連統計として知られる「毎月勤労統計調査」。厚生労働省が全国約3万3千の事業所から賃金や労働時間などのデータを得てまとめている。1月に新たな作成手法を採用し、調査対象の半数弱を入れ替えるなどした。

                                                     その結果、今年に入っての「現金給与総額」の前年比増加率は、1月1.2%、2月1.0%、3月2.0%、4月0.6%、5月2.1%、6月3.3%を記録。いずれも2017年平均の0.4%を大きく上回り、3月は04年11月以来の2%大、6月は1997年1月以来21年5か月ぶりの高い伸び率となった。安倍政権の狙い通りに賃金上昇率が高まった形だ。

                                                     しかし、調査対象の入れ替えとならなかった半数強の事業者だけで集計した「参考値」の前年比増加率は、1月0.3%、2月0.9%、3月1.2%、4月0.4%、5月0.3%、6月1.3%と公式統計を大きく下回る月が目立つ。手法見直しで、計算の方法を変更したことも誤差が生じる要因とみられる。

                                                     誤差に対しては、経済分析で統計を扱うエコノミストからも疑義が相次いでいる。大和総研の小林俊介氏は「統計ほど賃金は増えていないと考えられ、統計の信頼性を疑わざるを得ない。報道や世論もミスリードしかねない」と指摘。手法見直し前は誤差が補正調整されていたことに触れ「大きな誤差がある以上、今回も補正調整すべきだ」と訴える。

                                                     厚労省によると、作成手法の見直しは調査の精度向上などを目的に実施した。調査対象の入れ替えは無作為に抽出している。見直しの影響で増加率が0.8ポイント程度上振れしたと分析するが、参考値を公表していることなどを理由に「補正や手法見直しは考えていない」(担当者)としている。』

                                                     

                                                     

                                                     この報道で指摘されている毎月勤労統計調査について、私も調べてみました。

                                                     

                                                     具体的には、厚生労働省の毎月勤労統計調査(平成30年7月分結果速報)をみますとと、P2には新たな手法で調査したもの、P13には参考値として従来の事業所を対象にしたものということで、数値が記載されていました。

                                                     

                                                     それぞれの数値を並べますと、下記のグラフの通りとなります。

                                                    (出典:厚生労働省の毎月均等統計調査の平成30年7月分結果速報から引用)

                                                     

                                                     

                                                     上記グラフの通り、事業入替後の統計は、入替前の同一事業所の統計と比べて、毎月上回っています。入れ替えること自体に何か問題があるわけではないと考えますが、問題なのは補正調整をしないということです。

                                                     

                                                     補正調査をしないと上記グラフの青のグラフが正式な統計となります。対象の事業所を入れ替えたとすれば、

                                                     

                                                     実際、この数値を使い、新聞各社は下記の見出しで報道しています。

                                                     

                                                    ●『ロイター通信 2018/08/07 実質賃金、21年5か月ぶりの伸びに=6月の毎月勤労統計』

                                                    ●『日本経済新聞 2018/08/22 6月の名目賃金確報値3.3%増、速報値から縮小 毎月勤労統計』

                                                    ●『時事通信 2018/09/07 7月の実質賃金0.4%増=賃上げ広がる』

                                                    ●『毎日新聞 2018/09/07 7月給与総額、前年比1.5%増 12か月連続プラス』

                                                     

                                                     各紙、毎月勤労統計では実質賃金の上昇を報じています。では、先ほどの入替前の同一事業所の統計で、現金給与総額指数から消費者物価指数を控除すると実質賃金指数が算出されます。それをグラフに加えてみたのが、下記のグラフです。

                                                    (出典:厚生労働省の毎月均等統計調査の平成30年7月分結果速報から引用)

                                                     

                                                     上記の通り、実質賃金は2018年6月以外はマイナスで推移しています。調査対象から「給料が低い事業所」を外して「給料が高い事業所」を入れれば、普通に前年比でプラスします。西日本新聞の記事は、このことを問題視しているのです。

                                                     

                                                     少なくても、入替後の1年間は、旧事業所で同一事業所の数字の比較を出すべきですが、そうせず入替して3.3%増えたしているのです。入替自体に問題があるということを言いたいわけではありませんが、2018年7月速報でいえば、事業所入替後の給与総額がプラス1.5%に対して、同一事業所の実質賃金はマイナス1.1%です。

                                                     

                                                     プラスとマイナスでは印象が大きく変わります。1000兆円の借金問題における「一人当たり800万の借金」と「一人当たり800万の貸付金」というのでは、印象が全く異なるのと同様です。

                                                     

                                                     印象が全く異なるとすれば、これはもうイカサマとしか言いようがありません。しかしながら、こうした数字のイカサマを知らないとどうなるか?「賃金は名目も実質もプラスになっているので、消費増税しても影響はない!」となって、消費増税は強硬されてしまうことになるのです。

                                                     

                                                     

                                                     というわけで今日は「現金給与総額の前年比増加率に隠されたイカサマ」と題して論説しました。

                                                     本来安倍政権は、厚生労働省に対しては、補正調整の指示をすべきですが、それをしないと厚労省の担当者は述べています。数字をでっち上げて平気で発表し、それをマスコミがイカサマと気付かずに報道し、多くの国民がまたそれを鵜呑みにする。

                                                     韓国や中国並みに数字が信用できなくなってしまうくらいに落ちぶれてしまった日本と思うのは私だけでしょうか?

                                                     中国のGDPの数字がウソ・デタラメなのは有名ですが、それ以外に中国では鉄道貨物輸送量、工業電力消費量なども怪しい数字が多いといわれています。日本も統計数値をイカサマするようになったとすれば、もはや中国や韓国のことを笑ってバカにしてはいられないものと思うのと同時に、そこまで落ちぶれてしまったということに落胆せざるを得ないのです。


                                                    脆弱な北海道のエネルギー供給体制について

                                                    0

                                                      JUGEMテーマ:反原発と愛国心

                                                      JUGEMテーマ:電力自由化

                                                      JUGEMテーマ:大震災後の復興支援

                                                      JUGEMテーマ:安全保障

                                                       

                                                       今日は「脆弱な北海道のエネルギー供給体制について」と題して論説します。

                                                       

                                                       北海道内最大の火力発電所の苫東厚真火力発電所の完全復旧は11月以降になるとの見通しを発表しました。この発表の前までは、1週間程度で復旧するともいわれていたのですが、ボイラーが熱くて中が点検できないなど、思いのほか損傷が多かったというのがその理由です。

                                                       

                                                       北海道電力は泊原発の稼働を停止しています。かといって誤解のなきように申し上げますと、再生可能エネルギーで原発の代替をしていたわけではないのです。再生可能エネルギーで原発の代替が可能と思っている方は、電力について何もわかっていない人たちといえます。

                                                       

                                                       火力発電と原子力発電は安定電源ですが、再生可能エネルギーは不安定エネルギーです。水力発電所でさえ、大雨の状態では水を流すことができません。皆さんは大雨であっても夏場はエアコンで電気をつけっぱなしにされる方がほとんどかと思います。水力発電所でさえも、大雨では稼働できず、ダムに水が溜まらず枯渇しても稼働できません。風力発電にしても、風が吹かなければ発電できず、風が強すぎる場合は設備が破損するために稼働を停止します。風が強いときでも風が全く吹かなかったとしても、暑い夏場はエアコンを付けるでしょうし、寒い北海道は冬は暖房を使うことでしょう。

                                                       

                                                       したがって電力サービスは安定電源の割合が多ければ多いほど、付加価値が増します。何しろ停電になる確率は、安定電源の割合が増えれば増えるほど低くなるからです。

                                                       

                                                       

                                                       という電力サービスの基本を理解していただいたうえで、時事通信の記事をご紹介します。

                                                      『時事通信 2018/09/13 22:43 北海道電、揚水発電が再稼働=20万キロワット追加、供給なお綱渡り

                                                       北力は13日、北海道地震後の電力不足を補うため、京極揚水発電所1号機(京極町、出力20万キロワット)を再稼働させた。地震で損傷した道内最大の火力発電、苫東厚真発電所(厚真町、出力165万キロワット)の全面復旧は11月以降になる見通しで、電力供給はなお綱渡りの状態が続く。
                                                       1号機は水車の不具合で今月2日から運転を停止していた。定期点検で運転を停止している2号機(20万キロワット)も14日に運転を再開する予定。
                                                       経済産業省は、京極揚水発電所1、2号機が再稼働し40万キロワットの追加電源を確保できた場合、平日の昼間を対象とした2割の節電要請を14日午後にも見直すことを検討する。
                                                       13日夜の会見で同省担当者は、計電の実施について「相当リスクが低下した状況にあると理解している」との認識を示した。
                                                       ただ、道内の電力需要は10月以降、暖房の利用に伴い増加する見通し。再稼働させた老朽火力が故障する恐れもあり、道内の家庭や企業には引き続き節電が求められる。
                                                       経産省によると、13日の節電率(午前8時半〜午後8時半)は11.8〜19.6%。2割の節電目標に届いていないが、最低ラインと位置付ける1割を超えている。北海道電は同日、14日までと同様に15日も計電を見送ると発表した。』

                                                       

                                                       合わせて北海道電力の電力設備・発電所についてもみてみましょう。

                                                      発電設備 電力量(Kw) シェア
                                                      水力発電所 1,648,355 21.1%
                                                      火力発電所 4,065,210 52.1%
                                                      原子力発電所 2,070,000 26.5%
                                                      地熱発電所 25,000 0.3%
                                                      太陽光発電所 1,000 0.0%
                                                      合 計 7,809,565 100.0%

                                                       

                                                       

                                                       

                                                      発電所名 電力量(Kw) シェア
                                                      苫東厚真火力発電所 1,650,000 21.1%
                                                      泊原子力発電所 2,070,000 26.5%
                                                      京極水力発電所 400,000 5.1%
                                                      その他 3,689,565 47.2%
                                                      合 計 7,809,565 100.0%

                                                       

                                                      (出典:北海道電力のホームページから引用)

                                                       

                                                       

                                                       発電設備別にみていきますと、火力発電所のシェアが52.1%と大きく、次いで原子力発電所が26.5%となっています。ただし、原子力発電所は泊原子力発電所1か所のみで、しかも3.11の東日本大震災以降、泊原子力発電所は停止しています。稼働別のシェアで見た場合の火力発電所の割合は、さらに大きくなります。

                                                       

                                                       発電所別にみていきますと、電力量で1,000,000Kw以上の発電所は、苫東厚真火力発電所(1,650,000Kw)と泊原子力発電所(2,070,000Kw)の2か所です。この2か所以外は、すべて1,000,000Kw未満の発電所です。

                                                       

                                                       苫東厚真火力発電所は、1号機350,000Kw(昭和55年10月運転開始)、2号機600,000Kw(昭和60年10月運転開始)、4号機700,000Kw(平成14年6月運転開始)の3機です。

                                                       

                                                       泊原子力発電所は、1号機579,000Kw(平成元年6月運転開始)、2号機579,000Kw(平成3年4月運転開始)、3号機912,000Kw(平成21年12月運転開始)の3機で、原子炉型は全てPWRの加圧水型軽水炉です。PWRはBWR(沸騰水型軽水炉)よりも安全な原発といわれています。

                                                       

                                                       こうしてみますと、泊原子力発電所の発電能力は圧倒的で、泊原子力発電所を稼働すれば、節電などしなくても普通にカバーできると考えられるのです。

                                                       

                                                       また苫東火力発電所の1号機、2号機は、1980年代から稼働を開始していますが、老体に鞭を打って火力発電所を使い続けることで、故障した場合の代替はどうすべきか?という議論もあります。いうまでもなく再生可能エネルギーは代替になり得ません。

                                                       

                                                       世耕経済産業大臣は、北海道内の電力需給について、9/9〜9/15の週が特にヤマ場として、平常時よりも2割の節電要請への協力を求めてきました。9/13からは揚水発電が少しずつ稼働を始めました。その結果、9/14には2割の節電という数値目標はなくなったとはいえ、エネルギー供給体制の脆弱さを世耕大臣は指摘していました。

                                                       

                                                       もともと北海道電力は泊原発が動くことが前提で、全体の電力ネットワークが作られてきました。にもかかわらず、泊原発は止まっています。北海道電力としては、そのうち泊原発が動くだろうと考え、暫定的にどう対応するか?ということで、苫東厚真火力発電所の供給割合を集中的に上げ、全体の中で大きな割合を占めました。

                                                       

                                                       もし泊原発が普通に稼働していれば、苫東火力発電所の供給割合はかなり抑えられ、ブラックアウトは回避できた可能性があります。

                                                       

                                                       電気は使う需要側、生産する供給側、常に需給を一致させなければいけないサービスです。需給を柔軟に調整する発電設備は、火力発電と原子力発電以外にありません。今回のブラックアウトは、9月上旬で暖かかったからまだよかったのですが、これが真冬だったらと思うと、ぞっとします。おそらく1000人規模で人が死んだ可能性があると思うのです。

                                                       

                                                       

                                                       というわけで今日は「脆弱な北海道のエネルギー供給体制について」と題して論説しました。

                                                       地震は時期を選び、9月に発生したわけではありません。12月〜2月にかけての真冬に発生する可能性も十分に想定できます。今回はたまたま9月上旬で、サンマが食べられない、牛乳が飲めない、ジャガイモがダメになるというそれだけでも北海道経済への影響は大きいですが、真冬だったら暖房が使えず多くの北海道民が大変な状況になっていたことでしょう。

                                                       再生可能エネルギーで原発の代替をしているわけではありません。原発の代替として再生可能エネルギーを増やそうというのは、大変愚かなことであると同時に、泊原発を早く動かすことが北海道民の利益になり、日本国民の利益になるということを、多くの国民に気付いていただきたいです。

                                                       

                                                       

                                                      〜関連記事〜

                                                      原子力発電所の炉型の違い(BWRとPWR)と東芝問題

                                                      電力サービスとは、需要に対して過不足なく供給するサービスである!
                                                      「再生可能エネルギー固定価格買取制度」の終了!
                                                      ドイツのFIT廃止と日本のFITの現状と発電税
                                                      北海道電力(株)について(電気事業法第36条に基づく渇水準備引当金)


                                                      プーチン大統領から提案されたロシアとの平和条約には反対!

                                                      0

                                                        JUGEMテーマ:領土問題

                                                        JUGEMテーマ:反原発と愛国心

                                                         

                                                         今日は「プーチン大統領から提案されたロシアとの平和条約には反対!」と題し、論説します。

                                                         

                                                         下記は産経新聞の記事です。

                                                        『産経新聞 2018/09/14 13:10 安倍晋三首相「11〜12月の日露首脳会談が重要」 平和条約締結に意欲

                                                         安倍晋三首相は14日、ロシアのプーチン大統領が領土問題などの「前提条件」抜きでの日露平和条約締結を提案したことに関し「(プーチン氏が)平和条約が必要だという意欲を示したのは間違いない。11月、12月の首脳会談は重要な会談になっていく」と述べた。

                                                         自民党総裁選に関する日本記者クラブ主催の討論会で語った。11〜12月に予定されているアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせた会談が念頭にあるとみられる。

                                                         首相は「プーチン氏のさまざまな言葉からサインを受け取らなければならない。『とにかく平和条約ちゃんとやろうよ』と言ったことは事実だ」と述べた。同時に「日本は領土問題を解決をして平和条約を締結するという立場だ」と強調した。

                                                         首相は「『私の時代にやる』と言ったから前に進んでいく」とも語り、通算22回の日露首脳会談の成果について言及。総裁選で連続3選を果たせば次の任期中に平和条約締結を目指す考えを重ねて示した。』

                                                         

                                                         

                                                         上記記事に掲載の通り、9/14(金)に安倍首相が平和条約締結に意欲を示したというニュースです。

                                                         ロシア側から持ち掛けられた日ロ平和条約締結の提案は、その2日前の2018/09/12(現地時間で9/13)には、ウラジオストクで第4回東方経済フォーラムが開催されて安倍首相が出席し、その際プーチン大統領から安倍首相に対して、北方領土問題を事実上棚上げにして日ロ平和条約の締結を提案したのです。

                                                         

                                                         日本政府は北方領土の帰属問題の解決が条約締結の前提という立場を崩しておらず、提案通りには応じない方針としていました。これは日本の立場としては当たり前のこと。領土問題が決着しない状態での日ロ平和条約の締結は、言語道断です。

                                                         

                                                         なぜ北方領土が日本国有の領土であるといえるのか?北方領土についての史実を振り返ってみましょう。

                                                         

                                                         1854年 日米和親条約締結 (※安政の南海地震津波が発生)

                                                         1855年 日露和親条約(日魯通行条約、日ロ通行条約、下田条約などともいう)締結 (※安政の江戸地震が発生)

                                                         1875年 千島樺太交換条約締結

                                                         1905年 ポーツマス条約締結

                                                         1951年 サンフランシスコ講和条約締結

                                                         1956年 日ソ共同宣言

                                                         

                                                         ※カッコ書きは本記事の内容と関連がありませんが併記しています。

                                                         

                                                         

                                                        【1855年 日露和親条約締結後の領土】

                                                         ※樺太は、日本もロシア帝国もどちらも帰属していない

                                                         

                                                         

                                                        【1875年 千島樺太交換条約締結後の領土】

                                                         

                                                         

                                                        【1905年 ポーツマス条約締結後の領土】

                                                         

                                                         

                                                        【1855年 日露和親条約】

                                                         江戸幕府時代、1799年〜1800年にかけて北方領土のほか、千島樺太を含む蝦夷地を直轄地として日本人が開拓

                                                         日本とロシア帝国間で、平和的・友好的な形で日露和親条約を締結

                                                         自然に成立していた択捉島とウルップ島の間の国境をそのまま確認する

                                                         

                                                        【1875年 千島樺太交換条約】

                                                         日本とロシア帝国間で、千島列島と樺太全島を交換する千島樺太交換条約を締結

                                                         樺太を放棄する代わりに千島列島(現在のウルップ島以北)を獲得する

                                                         

                                                        【1905年 ポーツマス条約締結】

                                                         日本はポーツマス条約でロシア帝国から樺太南部を譲り受ける

                                                         

                                                        【1951年 サンフランシスコ条約】

                                                         日本はサンフランシスコ条約で、樺太南部と千島列島(※)に対するすべての権利を放棄する

                                                         ※千島列島とは「ウルップ島以北」を指し、択捉島・国後島・色丹島・歯舞諸島は含まれない

                                                         またソ連はサンフランシスコ条約に署名しておらず、条約上の権利を主張することはできない

                                                         

                                                        【1956年 日ソ共同宣言】

                                                         日ソ共同宣言で、平和条約締結後にソ連が歯舞群島と色丹島を引き渡すという前提で平和条約の交渉を行う合意

                                                         しかしながら、以降北方領土についての何らかの現状変更はなく、現在に至る

                                                         

                                                         

                                                         

                                                         ソ連は1945年8月9日に日ソ中立条約に違反して対日参戦し、ポツダム宣言受託後の1945年8月28日〜9月5日の間に北方四島のすべてを占領しました。その当時の四島はソ連人が一人もおらず、日本人は四島全体で約17,000人が住んでいましたが、ソ連は1946年に四島を一方的に自国領として「編入」し、1948年までにすべての日本人を強制退去させたのです。

                                                         

                                                         史実を振り返れば、誰もが理解できると思うのですが、北方領土は少なくても史実で確認できる江戸時代の頃から日本の領土であり、ソ連に帰属したことはありません。1951年のサンフランシスコ条約で、日本は南樺太と千島列島を放棄したのは事実ですが、千島列島とはウルップ島以北を指し、北方領土は含まれないのです。

                                                         

                                                         それだけではありません。サンフランシスコ条約の際には、既に冷戦に突入しており、ソ連とポーランドとチェコスロバキアの共産圏3か国は、署名しませんでした。サンフランシスコ条約に署名しない以上、ソ連は条約上の権利すら主張することはできません。

                                                         

                                                         こうして史実を振り返りますと、ソ連は領土を泥棒のごとく盗んだというのが正しい認識です。プーチン大統領がそうした史実や立場を知っているのか否か?不明ですが、泥棒で国土を盗んでおきながら、経済協力を得るために平和条約を結ぼうというのは、あまりにもバカにしている話です。

                                                         

                                                         日本政府の見解として菅官房長官は、今まで通り北方領土の返還・帰属があってこその平和条約といっていますが、「北方領土を横においてまずは年末に平和条約を結ぼう!」との呼びかけに対して、「極めて遺憾である!」とはいっていません。

                                                         

                                                         失礼な呼びかけであって完全に舐められているといいくらい失礼にもほどがあります。

                                                         

                                                         一部の安倍首相を持ち上げる識者らは、”安倍の外交”とか”外交の安倍”などと持ち上げる人がいます。日ロ首脳会談の際、「平和条約が締結されていない異常な戦後を、私(安倍首相)と大統領(プーチン)で終わらせる」といいました。安倍首相の意図としては、北方四島の返還をやってからその後という意図だったはずです。

                                                         

                                                         それを逆手にとってプーチン大統領は、安倍首相が異常というなら、平和条約を締結しようというノリで発言したにすぎないでしょう。プーチン大統領ですら”平和条約締結”を口に出すことすらヤバイと思っていたかもしれません。しかしながら、安倍首相が平和条約を締結していない状態が異常というから、だったら平和条約締結について触れてもいいのでは?と思った可能性があります。

                                                         

                                                         完全にプーチン大統領は軽く見ており、見下しているといえるでしょう。

                                                         

                                                         プーチン大統領は、平和条約締結後に歯舞諸島、色丹島を引き渡すと発言。1956年日ソ共同宣言は、ソ連の最高会議と日本の国会で批准されたが、日本がその後に拒否したとも言及しました。

                                                         

                                                         確かに日本が拒否したのは事実です。なぜならば2島だけではなく4島一括返還を主張したからです。拒否したという言い方で止めるのは、4島一括返還という日本の主張を意図的に無視した言い方であり、悪質です。

                                                         

                                                         私たち日本人は、「4島返還以外平和条約の締結はできない」という主張を続けるしかありません。

                                                         

                                                         

                                                         というわけで今日は「プーチン大統領から提案されたロシアとの平和条約には反対!」と題して論説しました。

                                                         日ソ共同経済活動とも関係しますが、法律を作ってからやるべきことを、法律を作る前に仲良くやろうといっているのに等しく、仮にロシアの法律で共同経済活動を行うとしたら、北方四島がロシアの領土であることを日本政府が認めたことになってしまうのです。

                                                         識者と呼ばれる人の中には、「2島返還で妥協してもいいのでは?」という論説を述べる人がいます。これは史実を知らないばかりか、国益が何なのか?を理解しない愚民です。仮に国会議員の中にそうした人がいるとするならば、すぐにその職を辞していただきたい。日本の国益を損ねるからです。

                                                         そもそもなぜ日本は平和条約を締結しないか?といえば、平和条約を締結すれば領土問題が存在しないことを認めることになるからであり、国際的に常識な話なのです。 


                                                        無駄を省くために民営化という欺瞞が引き起こした北海道電力ブラックアウトと関西空港閉鎖

                                                        0

                                                          JUGEMテーマ:大震災後の復興支援

                                                          JUGEMテーマ:安全保障

                                                          JUGEMテーマ:脱原発

                                                          JUGEMテーマ:電力自由化

                                                           

                                                           今日は「無駄を省くために民営化という欺瞞が引き起こした北海道電力ブラックアウトと関西空港閉鎖」と題し、論説します。

                                                           

                                                           毎日新聞の記事をご紹介します。

                                                          『毎日新聞 東京朝刊 北海道地震 節電2割目標撤廃 需要削減要請は継続 経産相

                                                           世耕弘成経済産業相は14日、北海道地震後に家庭や企業に要請していた「平常時から2割節電」との数値目標を同日夜で撤廃すると明らかにした。京極水力発電所(北海道京極町)の稼働などで電力供給が上積みされたため。数値目標は撤廃するが、連休明けの18日以降も厳しい需給は続くとして、1割の需要削減努力を求める。

                                                           世耕氏は記者団に「一律2割の節電目標の設定はしない」と明言。計画停電も「当面実施する必要はない」との見通しを示した。

                                                           6日未明の大規模停電を受け、政府と北海道電力は8日から2割節電を要請。老朽火力発電所を急きょ稼働させたほか、本州からも電力融通を受けた。13日に京極水力発電所1号機(20万キロワット)を、14日に2号機(同)をそれぞれ動かして地震前のピーク需要(5日夜の383万キロワット)を上回る386万キロワットの供給力を確保した。京極水力発電所は、電力需要の少ない深夜などにくみ上げた水を、需要のピーク時に落として発電する「揚水式」で、効率的に電力を活用できる。

                                                           経産省は「生活に大きな制限がかからないような節電でも、需給のバランスが保てるレベルになった」と判断。北電や道と協議の上、負担感の強い数値目標は撤廃することにした。

                                                           10月以降は火力で道内最大出力(3基計165万キロワット)を持つ苫東厚真火力発電所や、定期検査などで停止中の他の火力発電所の復旧が順次見込まれる。このため寒さの本格化で電力需要が増えても需給は安定するとの見通しを示した。

                                                           一方、北電の真弓明彦社長は14日、札幌市内で記者会見し、「今後は一律の2割節電目標は設定しない。需要減1割に向け節電の協力を継続してほしい」と呼びかけた。【岡大介、日下部元美】』

                                                           

                                                           

                                                           北海道で発生した最大震度7の地震で、本州から北海道内に電力を送電することができず、送電の全面復旧に時間がかかり、多くの課題を浮き彫りにしました。

                                                           

                                                           北海道と本州では、電力が足りなくなった時に電力を融通しあう送電線がありましたが北海道と東北だけがつながっている状態で送電量も少ないことから、災害時の電力供給が不安視されていました。東日本大震災のときは、東日本と西日本で電力の周波数が異なるため、他の電力会社から十分な電力を得られなかったということもありました。

                                                           

                                                           北海道地震に限ったことではないのですが、電力の融通網が弱いのが、日本のエネルギー事情です。欧州と比べて考えられないほど弱いのですが、その理由は日本の場合は民間主導でやっているからです。日本のエネルギーはベースである電気・ガスはすべて民間企業で株式会社が独立して運営しています。

                                                           

                                                           そのため、JRでいえば、東北と東海道が切れてしまっています。本当は全部つながっていた方が利用者は楽なはず。しかもJR東日本は首都圏に多く人が集まることで山手線を中心にドル箱路線を持ち、JR東海は東海道新幹線というドル箱路線を持つ一方、JR北海道やJR四国では新幹線整備が遅れて、ドル箱路線を持ちません。そうしたインフラ格差があるにもかかわらず、地域で別々に民営化して株式会社組織で運営いるのが日本の鉄道網です。

                                                           

                                                           電力会社も北海道電力、東北電力、東京電力など、別々に運営しているため、その間の接続は空白になって融通網が弱いのが日本の電力サービスです。

                                                           

                                                           原発停止と再生可能エネルギー推進によって、日本全体の電力システムが極めて脆弱化しているのは明らかです。それだけにとどまらず、自由化・民営化すれば、そもそも電力サービスは脆弱化します。なぜならば、地震のことを考えるにしても、株式会社は短期的な利益を考えます。地震対策、リスク管理は長期的というより下手すれば超長期的に考えなければならず、経営でそんな先のことまで考えて投資するというのは、極めて難しいです。

                                                           

                                                           こうした問題を抱えているにもかかわらず、今でさえ日本は過剰に民営化を推進してきました。安倍政権は、さらに自由化させて、発送電分離をやると言っています。北海道電力のブラックアウトを経験しているにもかかわらず、なぜデメリットしかない発送電分離をやろうとしているのか私には全く理解ができません。

                                                           

                                                           もともと公務員がやると無駄が多く、無駄を省くためには民営化が必要という話があります。しかしながら、災害のことを考えると、その無駄が必要なのではないでしょうか?

                                                           

                                                           無駄がないから北海道はブラックアウトしたともいえます。関西空港でいえば、もう1つくらい橋を架けるか、地下トンネル開通しておけば、空港閉鎖にはならなかったはずです。にもかかわらず、お金がないからという理由でそれをしなかった。そのため無駄がないから大損をしているのです。

                                                           

                                                           北陸や山陰での大雪被害でいえば、除雪車が十分に配備されていれば、道路が不通になるリスクは軽減できます。しかしながら、余分に配備するのは無駄として、配備車両を少なくすれば、道路が不通になるリスクは高くなります。

                                                           

                                                           想定される南海トラフ地震(土木学会による想定被害額1400兆円)では、広域にわたって発電所が運転停止するということもあり得ます。

                                                           

                                                           首都直下型地震(同750兆円)や南海トラフ地震に備え、全体的に電力不足が生じたときに生き残った地域の発電所が融通し合うシステムを作らないと、いつまで経っても非常時における電力供給システムの脆弱さは解消されないでしょう。

                                                           

                                                           

                                                           というわけで今日は「無駄を省くために民営化という欺瞞が引き起こした北海道電力ブラックアウトと関西空港閉鎖」と題し、論説しました。

                                                           国土強靭化ならぬエネルギー強靭化もまた、資源がない日本にとっては必須です。エネルギー強靭化のためには、発送電分離ではなく政府の力でネットワーク全体が融通し合うよう増強させる必要があるでしょう。地域ごとの株式会社がそれぞれ融通し合うとしても、いつ起きるかわからない地震に対して投資を継続するのは難しいですが、政府なら可能です。なぜならば政府は利益追求が不要の非営利団体組織(NPO法人)だからです。無駄であってもインフラを整備できるのは、営利組織の株式会社ではなく、政府しかできません。そうした無駄を私たち国民も認めるよう理解する必要があります。

                                                           また原発の稼働についても、国民の理解を得る必要があるでしょう。現状は老朽化した火力発電所で、綱渡りの運営をしています。いわば老体に鞭を打っているのが、今の日本のエネルギー事情です。再生可能エネルギーは何の役にも立ちません。

                                                           こうした電力サービスについての知見も、多くの国民が持つ必要があるものと私は思うのです。


                                                          日本における科学技術の衰退(このままだとノーベル賞受賞者が出なくなります!)

                                                          0

                                                            JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                                                            JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

                                                            JUGEMテーマ:年金/財政

                                                            JUGEMテーマ:経済成長

                                                             

                                                             今日は、「日本における科学技術の衰退(このままだとノーベル賞受賞者が出なくなります!)」と題して論説します。

                                                             

                                                             人口当たりの修士・博士号の取得者について、近年主要国だけ、日本が減少しているのをご存知でしょうか?

                                                             下表は、主要国における博士号・修士号の取得者数の2008年と2014年の比較です。

                                                            (出典:文部科学省 科学技術・学術政策研究所、「科学技術指標2018」を基に、杉っ子が加工・作成。)

                                                             

                                                             

                                                             上記の通り、近年主要国では、日本だけが減少しています。日本の研究論文の質、量も低下していることも問題になっているのですが、大学院に進む若者の数でも一人負けの状態であり、研究力の衰退を示す結果が出ているといえるでしょう。

                                                             

                                                             今、大学はボロボロになっています。なぜならば、研究費が大幅に削減されているからです。

                                                             

                                                             その結果、ポジションも削減される一方で「改革しろ!」の掛け声のもと、研究に充てるべき大切な時間を、「改革」の対応のために時間が割かれてしまっているのです。

                                                             

                                                             

                                                             毎日新聞の記事をご紹介します。

                                                            『毎日新聞 2018/08/22 19:49 日本だけ減少…研究力衰退あらわ 7カ国調査

                                                             人口当たりの修士・博士号取得者が近年、主要国で日本だけ減ったことが、文部科学省科学技術・学術政策研究所の調査で判明した。日本の研究論文の質や量の低下が問題になっているが、大学院に進む若者の数でも「独り負け」で、研究力の衰退を示す結果といえる。

                                                             比較可能な日米英独仏中韓の7カ国で修士・博士号の人口100万人当たり取得者数を、2014〜17年度と08年度で比べた。

                                                             その結果、最新の修士号の取得者数は、中国が08年度比1.55倍の350人▽フランスが1.27倍の1976人−−などで、日本以外で増加。日本だけが08年度比0.97倍の570人と微減だった。

                                                             博士号も同じ傾向で、韓国は1.46倍の279人▽英国は1.23倍の353人−−などと増える中、日本だけが0.90倍の118人と減った。内訳が明らかでない中国を除く6カ国で自然科学で比較しても、日本だけが修士・博士号取得者は横ばい、または減少していた。

                                                             研究所によると、日本の取得者は自然科学に偏るが、他国では特に修士で人文・社会科学の取得者が多く、全体の取得者数に影響しているという。

                                                             日本の博士号取得者は、06年度をピークに減少に転じた。取得後も多くが雇用が不安定な任期付き研究員にならざるを得ず、敬遠されたことも背景にあるとみられている。【酒造唯】』

                                                             

                                                             

                                                             記事に記載の通り、2006年をピークに減少し、2008年との比較で一人負けとのこと。博士号を取得しても、多くが雇用が不安定な任期付き研究員にならざるを得ず、敬遠されていることが背景と報道されています。

                                                             

                                                             要は、博士号を取得しても、多くが派遣社員などの短期雇用者として就業するということ。これ、不安定な雇用ばかりでは、博士号を取ろうとする人など、減少して当たり前です。

                                                             

                                                             安倍政権は雇用が回復したと述べていますが、不安定な雇用が増えているというのが実態であり、こうした研究の職場においても不安定な雇用が多いということの現れです。

                                                             

                                                             なぜ、不安定な雇用形態なのか?といえば、緊縮財政をやっているからです。科学技術予算を増やしていないからです。それどころか緊縮財政で「無駄を削減しろ!」とやっているわけですから、こうした結果になったのは、もはや必然といえるでしょう。

                                                             

                                                             お金を削減するだけではありません。大学として十分な研究費を割り当ててもらえるようにするために、文理融合をやれということで分離融合学部を作ることを指示されます。本当は、作りたくもないのに、そうした学部を作らざるを得ません。

                                                             

                                                             例えば、九州大学では「共創学部」、横浜国立大学では「都市科学部」、滋賀大学では「データサイエンス学部」、宮崎大学では「地域資源創成学部」といった具合です。

                                                             

                                                             緊縮財政でなく、積極財政で支出増の中で、上記のような各部を作るならまだいいのですが、緊縮財政でもともとお金を削られている中で、こうした文理融合の各部を作るのは、大変な事務量やロードがかかり、大学の現場は疲弊するだけでしょう。

                                                             

                                                             上述の例は文科省が主導しているのですが、大阪では大阪府立大学と大阪市立大学を一緒にしろと、大阪府と大阪市の命令でやらされ、そこに大変な時間とロードが費やされているのです。

                                                             

                                                             それだけではありません。先進国の中で、GDPに対する大学にかけるお金はダントツに低く、他国が1.0%〜2.0%のところ、日本では0.6%程度です。

                                                             

                                                             そもそも橋本政権の構造改革基本法制定後の1997年以降、緊縮財政によってGDPが成長せず、その中で予算を削減しています。緊縮財政で予算を削減しているがゆえに、大学がダメになっているといえるでしょう。

                                                             

                                                             統計的にいえば、論文数の世界シェアは、GDPシェアと相関関係があります。経済成長しないということは、論文が書けず、ノーベル賞が出ないということ。今、ノーベル賞が出ている研究領域であっても、今後はネタが尽き、やがて日本からノーベル賞受賞者が出なくなってしまうことでしょう。

                                                             

                                                             今のノーベル賞受賞者は、20年以上前の研究の成果です。1997年の構造改革基本法から20年以上経過し、緊縮財政を継続しているため、今後はノーベル賞がほとんど出ない国になる可能性は大です。

                                                             

                                                             日本は資源がない国であるため、科学技術費・研究費を削減している現状では、未来は暗いといえます。このままだと日本は東南アジアや南アメリカやアフリカのように途上国と化していくことでしょう。

                                                             

                                                             そのための解決策は、緊縮財政を止めることです。建設国債でなくても教育国債でも何でもいいので、国債発行してそれを財源に科学技術予算をしっかり付けることです。負債を増やしていくことで経済成長するのが資本主義であり、国債発行を否定する輩は資本主義を否定することと同じなのです。

                                                             

                                                             もちろん経済成長は科学技術予算を付すだけでなく、インフラ投資でも構いません。生産年齢人口減少の日本は、将来の生産性向上のためのインフラ投資や、自然災害の安全保障強化のためのインフラ投資など、需要は山ほどあります。その需要に政府が負債を増やしてお金を付ければ、支出増=生産増=所得増 となってGDPが成長するのです。

                                                             

                                                             

                                                             というわけで今日は、「日本における科学技術の衰退(このままだとノーベル賞受賞者が出なくなります!)」と題して論説しました。

                                                             「国債発行」「政府支出増」を組み合わせれば、普通に経済成長できます。幸いにも日本はデフレでマイナス金利です。インフレですと「政府支出増」ができないことがあり得るのですが、デフレであるがゆえにインフラ投資や科学技術投資に、多額の政府支出ができる環境です。あとは資本主義とは、負債を増やして経済成長するということが理解できれば、国債発行を躊躇することもなくなるでしょう。

                                                             その結果、年率で2〜3%GDPが増えれば、研究費も2〜3%伸びていくでしょう。予算が増えると思えば、やる気が出るはずです。今は「削減しろ!」「改革しろ!」という緊縮思考であるため、修士・博士になりたいと思う若者がいないのだと思うのです。

                                                             日本は科学技術振興があってこそ、「資源がない」という弱点を克服し、先進国であり続けることが可能な国であると私は考えます。

                                                             しかしながら、借金=悪という家計簿発想が、科学技術分野においても足枷となっているわけです。この状況を打破するためにも、無駄削減、借金=悪、という発想を持つ国民の誤解を解き、少しでも早く緊縮財政から積極財政に転じれるように知見を高めていかなければならないと、改めて思いました。


                                                            北海道地震の停電による北海道経済への影響

                                                            0

                                                              JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                                                              JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

                                                              JUGEMテーマ:年金/財政

                                                              JUGEMテーマ:経済成長

                                                               

                                                               今日は9/15ですが、北海道地震が発生して10日近く経ちました。

                                                               

                                                               厚真町で大規模な山崩れ・土砂崩れが発生し、得体のしれない恐竜のようなものが踏みつぶしたか、爪でひっかいたみたいに、一連の山が土砂崩れを起こしました。

                                                               

                                                               震度7ということでしたが、このクラスの地震が東京、大阪、名古屋で発生したらとんでもないことになるでしょう。

                                                               

                                                               生乳と野菜の出荷が停滞しているなど、既に食卓にも影響が出ており、旬のサンマや一部の野菜が品薄になっていると各紙が報道しています。特に食料の供給力としては一大供給地といえる北海道で発生した地震です。

                                                               

                                                               首都圏でも卸値が高騰していて家計にも痛手でしょう。

                                                               

                                                               全国の生乳の5割超を占める北海道では、停電した後も、非常用電源で搾乳した業者もいたようでしたが、流通ルートが寸断され、大手工場の停電などもあって、北海道内各地で生乳の廃棄が相次ぎました。

                                                               

                                                               牛は乳を搾らないと死んでしまうため、非常用電源がない酪農家は、手作業で乳を搾ったとのこと。

                                                               

                                                               こうした事態を聞くと、電力供給の強靭化の確保は極めて大事なことだと認識させられます。

                                                               

                                                               ところが政府は発送電分離して電気を自由化しようとしています。これは明らかに電力供給の強靭性を下げます。

                                                               

                                                               何か大災害が発生したときに、今回のような事態を発生させる確率を、どんどん高めていくことになるでしょう。

                                                               

                                                               それでも発送電分離をして電気を自由化しようとするのはなぜなのでしょうか?

                                                               

                                                               私には理解ができません。

                                                               

                                                               酪農家がどれだけひどい状況になっているのか?築地市場ではサンマは今年は豊漁といっていましたが、この事故で一転し、停電で出荷に支障が生じました。1756円のサンマが1,512円と2倍の値をつけたという事態も発生し、北海道地震ではこうした影響も出ているのです。

                                                               

                                                               

                                                               というわけで、今日は「北海道地震の停電による北海道経済への影響」と題して、記事を書きました。本当は原発を持っているので、全面停電なんてしなくてもいいのですが、発電所を止めている。そのことでどれだけの北海道の人たちが困っているのか?私たちは改めてエネルギー安全保障の問題と電力供給の強靭化について考える必要があると、私は思います。

                                                               

                                                               

                                                              〜関連記事〜

                                                              電力サービスとは、需要に対して過不足なく供給するサービスである!
                                                              「再生可能エネルギー固定価格買取制度」の終了!
                                                              ドイツのFIT廃止と日本のFITの現状と発電税
                                                              北海道電力(株)について(電気事業法第36条に基づく渇水準備引当金)


                                                              << | 2/18PAGES | >>

                                                              calendar

                                                              S M T W T F S
                                                                  123
                                                              45678910
                                                              11121314151617
                                                              18192021222324
                                                              252627282930 
                                                              << November 2018 >>

                                                              スポンサーリンク

                                                              ブログ村

                                                              ブログランキング・にほんブログ村へ
                                                              にほんブログ村

                                                              selected entries

                                                              recent comment

                                                              • ハロウィーンは日本のお祭りとは違います!
                                                                ユーロン (11/12)
                                                              • オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省
                                                                SSST. (10/13)
                                                              • サムスン電子について
                                                                故人凍死家 (09/26)
                                                              • 財務省の役人は、なぜ緊縮財政なのか?
                                                                吉住公洋 (09/26)
                                                              • 生乳流通改革という欺瞞と、イギリスのミルク・マーケティング・ボード
                                                                富山の大学生 (06/05)
                                                              • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
                                                                師子乃 (10/02)
                                                              • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
                                                                mikky (12/01)

                                                              profile

                                                              search this site.

                                                              mobile

                                                              qrcode

                                                              powered

                                                              無料ブログ作成サービス JUGEM