円高になる可能性と日銀の金融政策について

0

    JUGEMテーマ:資産運用

    JUGEMテーマ:外国為替

    JUGEMテーマ:国際金融情勢

     

     明日明後日にかけて、日本国内では日銀施策決定会合がある一方、米国では7/30にFOMCがあり、日米両国で金融政策を決定する会議が予定されています。米国のFRBは今回必ず利下げをすることがほぼ決定的と言われていますが、果たして、日銀はどうなるでしょうか?

     

     そこで今日は「円高になる可能性と日銀の金融政策について」と題して、日銀が取り得る金融政策について4つ取り上げて論説します。

     

     マーケットでは今週、日銀が追加利下げや金融緩和をやるのか?注目されています。

     

     米国は金融緩和の余地がかなり残っているのに比べ、日本は緩和手段がほとんど限られているというのが現状です。そのため、米国FRBは利下げするとみられる一方で、日銀はほとんどできないとする予想が大方です。となれば、日米間の金利差が縮小するため、円高ドル安に向かうというのが一般的な見方となります。

     

     日米の金利差に着目した場合、日銀がほとんど何もできないという前提となれば、米国FRBの金利の下げ幅がどうなるか?ということが重要になります。

     

     市場の予想では0.25%の利下げですが、果たしてどうなるか?

     

     米国の4月〜6月のGDP速報値は2.1%で、1%台を予想していたところ、2%台を維持できたとなれば、例えば0.5%など0.25%以上の利下げをする大義名分が存在しません。

     

     したがって年率0.25%の利下げ幅に留まれば、日米の金利差の縮小幅が小さく、それほど円高にならないという見方もあるかもしれません。

     

     逆に日本国内の生命保険会社や銀行などの機関投資家が外債を買うため、円売りになるという見方も考えられます。

     

     このように日銀の緩和策はほとんどないのでは?という前提でみれば、それほど円高にならず、むしろ円安になるという見方がある一方、前提条件の日銀の緩和策について、本当に何もできないのか?と言われると、全くないわけではありません。

     

     

    (1)マイナス金利の追加利下げ

     

     まず一つ目として、マイナス金利の追加利下げという方法があります。

     

    <日銀当座預金とマイナス金利のイメージ>

     

     上図の通り、銀行が持つ日銀当座預金を3つのレイヤーに分け、政策金利残高と呼ばれるレイヤーにマイナス金利▲0.1%がかけられていますが、この政策金利残高に対して、例えば▲0.2%とすることがマイナス金利の追加利下げです。

     

     

    <マイナス金利の追加利下げのイメージ>

     

     上図は金利のイールドカーブをイメージにしたものですが、短期金利について現在▲0.1%となっているところ、追加で▲0.2%とする方法があります。

     

     

    (2)長期金利にもマイナス金利をかける

     

     二つ目は、長期金利の指標の10年物国債について、0%近辺で推移していますが、これをさらに引き下げるため、長期金利にもマイナス金利をかけます。

     

    <長期金利にマイナス金利をかけるイメージ>

     

     上図の通り、期間が長めの国債である長期金利に対してもマイナス金利をかけるというイメージ図です。

     

     

    (3)量的金融緩和の再開

     

     ご承知の通り、アベノミクス第一の矢の金融緩和では、年間80兆円の国債を買い取るということで、市中の国債(メガバンクや地銀・信金・信組が持つ国債)を買い取り続けてきました。しかしながら物価目標2%が達成されず、国債増刷もしなかったため、国債不足を懸念して、2016年9月より、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」というものを導入しました。

     

     この「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」では、物価目標2%になるまで金融緩和をすることは変わらないものの、年間80兆円を毎年買い続けた場合、国債の増刷がない限り国債が枯渇してしまうため、長短金利の操作を行う「イールドカーブコントロール」によって買い取る量を操作することとしました。

     

     その結果、当初は80兆円の規模で国債を買い取っていましたが、直近では20兆円程度しか買っていません。

     

     

    (4)日銀によるETF買いの増額

     

     日銀が上場投資信託ETFを買い、株価を支えているというのは聞いたことがあるかもしれません。よく日銀や郵貯マネーが日本株を買い支えるなどといわれて、逆に割高な株を買わされている側面があると、私は思っていまして、あまりいい政策ではないと感じています。

     

     しかしながら、このETF買いをさらに増額するという方法は、あり得るかもしれません。

     

     量的緩和で日銀が国債を購入する場合、政府と日銀は親子関係にあるため、実質的に返済しなければならない政府の負債が消滅します。親子関係にあれば連結貸借対照表作成時に、親子間取引は相殺されてしまうからです。ある意味で「”いわゆる”国の借金」問題は、既に日本の場合は1000兆円どころか、日銀保有の400兆円分は減っているといえるのです。

     

     1000兆円の国債の所有者は、銀行だけではなく、生命保険会社や損害保険会社といった長期で資産運用していかなければならない金融機関が保有しており、それらを日銀が買い取るわけにはいきません。保険会社のビジネスモデルが成り立たなくなるからです。

     

     かといってETFを増額した場合、ETFは株式であるため、株式をいずれ売却することになるでしょう。そうなった場合、ただでさえ薄商いで日銀しか買い手がいない日本の株式市場において、ETFを売却するとなれば、大きな売り圧力となって日経平均が暴落する可能性があります。

     

     ETFを売るときの影響が大きすぎるといえるでしょう。

     

     

     このように(1)〜(4)の方法を考察しましたが、どの案もマイナスの影響が大きすぎると私は考えます。そのため現実的には日銀は何もできないという見方は正しいといえるでしょう。

     

     

     というわけで今日は「円高になる可能性と日銀の金融政策について」と題して論説しました。今週はマーケットがどう動くのか?日銀の金融政策決定会合の動きと米国FRBのFOMCに注目したいと思います。

     

     

    〜関連記事〜

    いよいよ円高を傍観するしかなくなる日本銀行

    逆イールドカーブの報道について

    元FRB議長のイエレンよ!経済が分かっていないのはトランプ大統領ではなく、お前だ!

    みずほ銀行の6800億円巨額損失について


    ブレグジットが英国国民の雇用創出・賃金UPによる内需拡大をもたらすことに気付かず、マスコミに騙された日本企業

    0

      JUGEMテーマ:経済成長

       

       英国の首相がボリス・ジョンソン氏に決まりました。そこで今日はブレグジットを取り上げ、「ブレグジットが英国国民の雇用創出・賃金UPによる内需拡大をもたらすことに気付かず、マスコミに騙された日本企業」と題して論説します。

       

       下記はAFP通信の記事です。

      『AFP通信 2019/07/25 06:36 ジョンソン新首相、EU離脱に向け新内閣 閣僚の大半入れ替え

      【7月25日 AFP】新英首相に就任したボリス・ジョンソン(Boris Johnson)氏は24日、閣僚の大半を入れ替え、主要ポストに英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)強硬派を置く新内閣を発表した。

       ジョンソン氏は、ブレグジットを10月31日までに実現させるため、EU側との新たな合意を取り付けるか、それが不可能ならば合意なしで離脱すると宣言。その直後に主要閣僚の交代を発表し、ブレグジットをめぐる新たな方向性を示した。

       ジョンソン氏はまず、財務相にパキスタン移民の両親を持つサジド・ジャビド(Sajid Javid)内相を指名。前任のフィリップ・ハモンド(Philip Hammond)氏は、「合意なき離脱」も辞さないとするジョンソン氏の方針を繰り返し批判し、合意なき離脱は経済に深刻な打撃をもたらすと警告。ジョンソン首相就任の数時間前に辞任していた。

       外相には、ジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)氏に代わりブレグジット強硬派のドミニク・ラーブ(Dominic Raab)氏が指名された。ラーブ氏はテリーザ・メイ(Theresa May)政権でジョンソン氏と共に閣僚を務めていたが、両者はいずれもメイ氏のブレグジット方針をめぐり辞任していた。

       内相はブレグジット賛成派の急先鋒(せんぽう)であるプリティ・パテル(Priti Patel)氏が指名された。同氏は国際開発相を務めていた2017年、休暇でイスラエルを訪れた際に同国高官らと非公式の会談を行い、辞任に追い込まれていた。』

       

       

       上記記事の通り、新英国首相に就任したボリス・ジョンソン氏が閣僚の大半を入れ替え、ブレグジット強硬派で固める新内閣を発表しました。

       

       そもそもブレグジットとは、英国のEU離脱のことで、ブリティッシュエグジット=ブレグジットです。

       

       今から3年前の2016/06/23に英国でEU離脱の国民投票が行われ、その結果、EU離脱=ブレグジットが決まりました。

       

       マスコミの事前調査では、EU残留派が圧倒的に勝利するという予想だったのですが、ふたを開けてみたら、まさかのまさか、EU離脱派の勝利となったため、世界中がショックを受けました。

       

       当時の世界中のマスコミは、ブレグジットについて経済の観点から、英国経済がどれだけ悪くなるか?ひどくなるか?という論調で占めていました。何しろ当時の世界中の常識では、ブレグジットなど選択肢としてあり得ず、英国の自殺行為であるという論調でした。ところがEU離脱派の勝利という国民投票の結果を受け、英国のメディアが狼狽し、英国経済を崩壊させると大宣伝を始めました。

       

       私が思うに、英国にとってブレグジット決定は大変いい結果であり、むしろ英国はEUからもっと早く抜け出すべきだったと思っています。ブレグジットが決定されて、すでに3年以上が経過しましたが、英国経済はどうなったか?といえば、未来に対する不安感は残っていると思われますが、実際にはマイナスの影響はありません。

       

       むしろEU残留派の予想とは全く逆で、英国経済は他の先進国よりも調子がいいです。主要国の直近のGDP伸び率と失業率の推移を見てみましょう。

       

      <2018年度実質GDPの前年比伸び率>

      英国 1.40%
      日本 0.81%
      イタリア 0.88%
      フランス 1.52%
      ドイツ 1.45%
      米国 2.86%

       

      <直近3か年の失業率の推移>

      (出典:グローバルノート)

       

       数字で見ると、英国のGDP成長率は1.4%です。

       

       この1.4%という数字は、それほど良い数字に見えないかもしれません。米国の2.86%という数字はフランスやドイツのおよそ2倍であって格別でとてつもなくいい数字であることがわかりますし、日本は0.81%とダメダメです。いずれにしても英国経済に悪影響があったとは思えず、フランスやドイツ並みの経済成長率となっていることがわかります。

       

       一方で、失業率でいえば、2018年度の失業率は4.08%で、イタリア10.63%、フランス9.11%に比べれば、圧倒的に調子が良いといえますし、3か年の推移でみても下落傾向のトレンドになっています。

       

       このように英国はボリス・ジョンソン氏が新首相となり、合意なきEU離脱に突き進むと予想されますが、すでに国民投票以来、ブレグジットによる経済的効果が悪くなると想定していたよりも逆に出ていて、経済は崩壊に向かっていません。

       

       雇用者数も見てみましょう。

       

      <英国とドイツの就業者数の推移>

      (出典:世界経済のネタ帳)

       

       上記グラフの通り、就業者数も英国は2016年から2018年にかけてドイツと同じくらいで約70万人の就業者が増加となっています。

       

       当初、英国政府財務省の予想では、ブレグジットになれば英国から50万人近い雇用が失われると警鐘を鳴らしていました。その一番の理由が外資系企業が英国から離れるということで、それを恐れて50万人近い雇用が失われると予想していたのですが、雇用が減少するどころか、逆に70万人も就業者数は増加しています。

       

       ブレグジットが決定されるまで、外資系企業が英国から逃げ出すといっていたにもかかわらず、この3年間で現実はどうだったか?といえば、事前の予想と異なり、外資系企業の投資は逆に増加しています。投資が減るどころか次々に増え、特に米国企業による英国への投資は6%ほど増加しています。

       

       欧州全体でみても、海外からの投資額は欧州全体の中で英国が最も多いのですが、日本の企業は、マスコミの話を鵜呑みにして英国進出企業は引き揚げてしまいました。

       

       この判断は果たして正しかったのでしょうか?

       

       海外から英国への投資の増加で既に5万人以上の外資系企業による雇用が増加していますが、同じ3年間でもドイツは、わずか19,000人で、ドイツの倍以上の雇用数が増えているのです。

       

       海外企業は英国経済が良くなると思って投資を増やしており、日本以外の企業はマスコミに騙されていないということがいえるでしょう。

       

       

       

       というわけで今日は「ブレグジットが英国国民の雇用創出・賃金UPによる内需拡大をもたらすことに気付かず、マスコミに騙された日本企業」と題して論説しました。

       世界中が反グローバルに転換し、経済成長による雇用増加と賃金UPを勝ち取っている一方、日本は周回遅れのグローバリズムの推進で負け組のフランス、ドイツに追随しようとしています。その上、2019年10月に消費増税10%を実施しようとしているのですから、絶望的に日本経済は悪くなり、発展途上国への転落は決定的となるでしょう。

       読者の皆様におかれましても、世界経済がどうなっているのか?マスコミの情報に鵜呑みにされず、ビジネスや投資についてお考えいただきたいものと思います。

       

       

      〜関連記事〜

      ブレグジットでホンダが出て行くことは、ユーロに加盟していない英国には関係のない話です!

      メイ首相辞任と英国ポンドの相場の行方について

      本質的に全く同じ現象の”英国のブレグジット問題”と”トランプ大統領のロシア疑惑”

      EU加盟後に国民の所得が激減したイギリス

      地球上の世界は、英国が歴史を動かしてきたという史実

      EU離脱案が2度も否決された理由の一つである北アイルランドとアイルランドの国境のバックストップ問題

      EU加盟のデメリット(主権を失うこと)に気付いたイギリス人

      メキシコの壁の建設により減少した不法入国者

      否決されてしまった英国のEU離脱案

      ”ちゃんとEUから離脱しろ!”との与党保守党の声とメイ首相の苦悩


      緊縮財政で少額の予算で運営されている”はやぶさ供匹硫挙

      0

        JUGEMテーマ:宇宙

        JUGEMテーマ:科学

        JUGEMテーマ:JAXA

        JUGEMテーマ:宇宙開発

         

         今日は「緊縮財政で少額の予算で運営されている”はやぶさ”の快挙」と題して論説します。

         

         2019/07/11、探査機「はやぶさ2」が、小惑星「りゅうぐう」への2回目のタッチダウンを試みるということで、JAXAのプレスリリースによれば、無事成功したと報じられています。

         

         今回、JAXAが何を目指していたか?というと、世界初となる小惑星の地下の物質採取に挑みました。

         

         はやぶさ兇蓮∈G2019年2月22日に、1度目の着陸に成功し、地表の砂・石を回収して機体内に保管ができたとみられています。今回2回目の着陸で、岩等と衝突して損傷すれば、最初の着陸の成果を地球に持ち帰ることができなくなる恐れがありました。

         

         そんな中、今年4月に金属の塊を発射して衝突させて人口クレーターを作りました。2回目の着陸は、そのクレーターの近くに着陸して地中の岩石を採取するというのが目的です。

         

         初代はやぶさで培った技術力を生かし、2回目の着陸に成功させたJAXAの関係者の皆さんの不断の努力に心から敬意を表したいと思います。

         

         しかしながらこの計画は、日本国家としては、非常に少額の予算で運営されています。今年2019/02/23に日本経済新聞が1回目の着陸成功の後に報じた論説をご紹介します。

         

        『日本経済新聞 2019/02/23 01:30 宇宙小国日本、技で勝負 はやぶさ2着陸成功     

        (前略)宇宙開発にかける資金では、日本は米中に遠く及ばない。米国は航空宇宙局(NASA)だけで年間予算は約200億ドル(約2兆2千億円)。防衛関連も含めると、4兆5千億円前後と推定される。中国の予算は明らかでないが、米国に匹敵するとみられる。

         日本はJAXAの予算は約1800億円で、防衛省の宇宙関連予算を合わせても3千億円足らずだ。米国の10分の1にも満たない。

         はやぶさ2の費用は289億円。惑星探査機より1ケタ少ない水準だ。少ない予算の中ではやぶさ計画で培った技術とノウハウは日本にとって大きな武器になる。初代はやぶさの帰還をきっかけに、JAXAはNASAと小惑星探査で連携した。はやぶさ2の成功で、NASAはノウハウ提供などを求めている。

         小惑星は将来、資源開発でも期待される。金属を多く含むタイプでは、直径1キロメートルの小惑星に3000万トンのニッケルや7500トンのプラチナなど多くの貴重な金属が含まれるという試算もある。はやぶさ2の経験は宇宙の資源開発に必要な技術につながる。

         宇宙開発は月や火星、さらに遠い天体に広がる。一つの国では難しく、国際協力が欠かせない。小惑星探査の経験は、交渉や成果の利用などで優位に立つ日本の切り札になるはずだ。』

         

         上記記事の通り、いかに少額の予算で計画が運営されていることがご理解いただけるのではないでしょうか?

         

         もちろん多額の予算をかければいいというものではないという意見もあるでしょうが、日本は米国や中国に比べて非常に不利な条件の下で研究が行われているのです。

         

         こうした宇宙分野でも緊縮財政の影響を受けているといえるでしょう。

         

         一方で中国は「中国製造2025」を掲げ、製造業を強化して2025年までに中国産の製品を70%まで高めることを国家目標に掲げています。今までは、基幹部品で資本財などは日米から調達してきたのですが、これを脱却し、本当の製造業の実力をつけようとしているのです。

         

         それに比べて日本はどうか?

         

         カネカネカネとやって、科学技術にお金を使わず、政府の負債を「国の借金」と呼んで、日本国民があたかも負債を背負っているかの如くウソの情報を流し、政府がお金を使わないような仕組みに変えていっています。

         

         公務員を削減して民営化するとか、公共インフラをコンセッション方式やPFIで支出を削減し、供給力強化やサプライチェーン強化とは程遠いカネカネカネで増税を借金返済しか考えていない人ばかりが日本政府の中枢にいます。

         

         こうした考えは経団連を始めとする上場企業も同じベクトルと考えられます。何しろ経営者にストックオプションを付与し、自社株買いをすることで、経営者はキャピタルゲインをローリスクで手にすることができます。

         

         自社株買いは株価上昇要因であるため、経営者以外の株主にも株価上昇という恩恵があるので、利害が一致しやすいのですが、本来であれば、自社株買いではなく、供給力強化や生産性向上のための投資やサプライチェーン強化のための投資だって、企業の競争力強化には必要なはずです。

         

         ところがデフレを放置しているから、企業も緊縮財政で内部留保を貯め込むという状況になっているわけで、このままでは普通に日本は中国に飲み込まれてしまうでしょう。

         

         はやぶさ兇硫挙の話から逸れてしまいましたが、いずれにしてもこれまで先人の人らが技術を蓄積してくれたからこそ、成し得た快挙であって、デフレでオリンピックの盛り上がりも今一つな日本にとっては、明るいニュースです。

         

         今回、2回目の着陸に成功し、内部の岩石の採取に成功した場合、その岩石は宇宙を飛び交う放射線の影響を受けていない岩石ということで、太陽系惑星が誕生したころの状態を、より原型をとどめているはずということから生命の起源や太陽系惑星誕生の謎の解明に期待ができるということであり、人類史上の快挙となることは間違いないので、ぜひとも成功していただきたいです。

         

         

         というわけで今日は「緊縮財政で少額の予算で運営されている”はやぶさ”の快挙」と題して論説しました。

         今からでも遅くないので、プライマリーバランス黒字化を無視して、科学技術国債でも大量に発行し、宇宙開発に多額の予算をつけるというのはありかと思います。

         そうすれば国債不足が解消し、銀行や生命保険会社も国債を買うことができますし、デフレ脱却にも資するはずです。ぜひ消費増税が実施されても、政府の負債の返済だけは経済縮小となるため、辞めていただきたいですし、むしろ国債増刷をしていただくよう多くの人々に理解していただきたく、情報発信を続けていきたいと改めて思います。

         

         

        〜関連記事〜

        宇宙航空研究開発機構の探査機”はやぶさ”が小惑星「りゅうぐう」に到着!


        韓国企業による生物・化学兵器を含む大量破壊兵器製造に転用可能な物資の不正輸出について

        0

          JUGEMテーマ:通商政策

           

           今日は「韓国企業による生物・化学兵器を含む大量破壊兵器製造に転用可能な物資の不正輸出について」と題して論説します。

           

           下記は産経新聞の記事です。

          『産経新聞 2019/07/15 05:00 【主張】韓国の不正輸出 責任ある行動をまず示せ

           やはりそうか、と言うべきか。韓国が摘発した戦略物資の不正輸出が急増し、この4年余りで156件に上ることが分かった。北朝鮮と友好関係にあるイランなどに大量破壊兵器製造に使われる物資を流す例まである。危険極まる不正の横行に驚くほかない。

           ところが、韓国側の認識は違うようだ。摘発増加は輸出管理制度を効果的に運用している証左であり、これを疑い韓国への輸出管理を厳格化した日本は不当である。そう訴えたいようだ。

           もちろん、額面通りに受け取ることなどできない。摘発を逃れた不正輸出も同時に増えているのではないか。そこがはっきりしないようでは、韓国の輸出管理は甘いという懸念を拭えない。むしろ不信は強まるばかりだ。

           12日には日韓当局者の会合があった。日本に措置の撤回を求めたいなら、その前にやるべきことがある。韓国自らが輸出管理体制の不備を改めることである。後先を間違えてはならない。

           2015年に14件だった件数が17、18年は40件台、今年は3月までに30件を超えた。化学兵器の原料に転用できる物資をパキスタンに、サリン原料をイランに、生物兵器製造に転用可能な資機材をシリアに流した事例などがある。

           

           

           上記記事の通り、韓国政府が複数の韓国企業について、生物・化学兵器を含む大量破壊兵器製造に転用可能な物資をシリアやイランなど北朝鮮の友好国に不正輸出したとして行政処分をしていたことが、日本政府関係者の取材で明らかになったというニュースです。

           

           韓国政府が作成したリストによれば、2016年1月〜2019年3月にかけて、軍事転用可能な物資が流出した不正輸出案件が、156件に上るということで、韓国政府はこれまで件数を公表してきませんでした。

           

           韓国の罰則や処分の運用が甘く、抑止効果が発揮できていないのでは?という疑いを持たざるを得ないニュースです。

           

           文在寅政権は南北融和で北朝鮮との融合を目指そうとしていた政権でもあったわけで、こういう記事から推察されることとしては、韓国側の規制が甘かったのでは?ということが当然に危惧されます。

           

           日本が韓国に対して、半導体材料の3品目(フッ化水素、フッ化ポリイミド、レジスト)の包括許可という優遇措置をやめて、個別許可制に移行したというのは、日本の安全保障を守るという観点からも当たり前の話といえるでしょう。

           

           韓国側はWTO物品貿易理事会で、自由貿易を歪める措置だとして撤回を求めていますが、「何言ってんの?」という話です。

           

           この件では様々な言説が飛び交い、徴用工問題の報復と受け取られかねないから日本が折れるべきとか、経済悪化を懸念する声もありますが、もともと日本政府は徴用工問題の報復とは一切言っておらず、たまたま時期が重なったに過ぎません。

           

           日本政府や経産省が上述のような不正の事実をつかんでいたため、それを理由に特別優遇を辞めるというホワイト国から外すという形での輸出規制強化を行っただけで、タイミング的に報復のようにみえますが、日本政府はそのようなことは一切言っていません。

           

           そのため、不正輸出があったので粛々と1個1個個別に確認するというだけの話で、国際法的に日本側に瑕疵を追及されることはないだろうと思える立て付けになっていると考えられます。

           

           以前にもこの件で記事を書いていますが、あくまでも優遇措置を見直しただけで、ペナルティをかけたわけでも何でもありません。そのため、私は日本の措置に問題がないと思いますが、普通に考えて経済的に日本も傷つきます。

           

           なぜならば日韓貿易では純輸出で利益を出しているからで、韓国への輸出が縮小すると、日本のGDPに下落圧力がかかります。

           

           そのため、消費増税を辞めて輸出依存で経済成長するのではなく、内需依存で経済成長することを高らかに宣言したうえで、韓国に対しては粛々と対応していただきたいものと私は思います。

           

           

           というわけで今日は「韓国企業による生物・化学兵器を含む大量破壊兵器製造に転用可能な物資の不正輸出について」と題して論説しました。

           参院選が終わり、韓国以外にも米国との通商協議も始まろうとするでしょう。

           今後の外交の立ち回り方として望むことは、自国より国力が弱い韓国には強気に出て、米国には対米従属で尻尾を振り、ロシアにはペコペコして、中国にも強いことがいえず、強気に媚びり弱気を挫くという情けない外交にならないように、日本の国益を考えた外交をお願いしたいと改めて思います。

           

           

          〜関連記事〜

          ”ダメな自民党”と”もっとダメな野党”の議論といえる対韓国輸出管理強化問題について

          韓国の文在寅大統領のWTO提訴の警告について

          日本政府は韓国に対して、半導体材料の輸出を規制したのではなく、特別扱いを辞めただけです!

          息を吐くように嘘を吐く韓国への制裁の検討は、やむを得ない

          日韓請求権協定は国際法であり、国際法を守ることは国家の基本的な存立条件です!

          日韓請求権協定は国際協定なので憲法・主権の上に立つ!

          サムスン電子について


          日本として対応が難しいイラン沖の民間船舶の護衛について

          0

            JUGEMテーマ:エネルギー

            JUGEMテーマ:安全保障

            JUGEMテーマ:国防・軍事

            JUGEMテーマ:自衛隊について

             

             今日は「日本として対応が難しいイラン沖の民間船舶の護衛について」と題して論説します。

             

             まずは日本経済新聞の記事をご紹介します。

            『時事通信 2019/07/20 05:52 米、有志連合構想で協力呼びかけ ホルムズ海峡警護

            【ワシントン=中村亮】米政府は19日、国務省で日本を含む各国外交団を招いた会合を開き、中東のホルムズ海峡周辺を航行する民間船舶の安全確保に向けた有志連合構想について説明した。船舶の護衛を各国に委ねる方針を示し、各国に艦船派遣や資金拠出を求めたとみられる。25日にフロリダ州タンパで2回目の会合を開き、詳細を説明する予定だ。

             国務省と国防総省が説明会を主催し、日本を含む各国の外交団が参加した。会合は約1時間行われた。ワシントンの日本大使館の担当者は終了後に「東京にきちんと報告する」と述べた。

             会合には60カ国以上が招待された。米政府は会合に出席した国の数を明らかにしていない。

             米国は有志連合に関し、対イランの軍事連合ではなく、ホルムズ海峡周辺の監視体制を強化して航行の自由を守る目的だなどと説明したもようだ。5月以降、イランによるタンカーに対する攻撃が相次いでいるとの米政府の分析も示した可能性がある。

             フロリダ州タンパには中東地域を担当する米中央軍の司令部がある。25日の会合では米軍と各国の役割分担などオペレーションの詳細を米側が説明するとみられる。

             有志連合構想は安全保障で同盟国に応分の負担を求めるトランプ大統領の意向を踏まえたものだ。トランプ氏は19日、ホワイトハウスで記者団に「(ホルムズ海峡周辺に)米国のタンカーは少ない。自国のエネルギーを使っているからだ」と語った。シェール革命で国内の原油生産が急増しており、中東での米軍の関与を弱めても米国への悪影響が小さいと見込んでいる。

             

            <ホルムズ海峡の場所(ペルシャ湾とオマーン湾の間)>

             

             

            <オマーンのワディシャーブへ向かう高速道路とその向こうに広がるオマーン湾>

             

            (出典:2019年1月1日に杉っ子が撮影)

             

             

             ご紹介させていただいた時事通信の記事は、米国トランプ政権が、中東のイラン沖などを航行する民間船舶を護衛するため、同盟国の軍などと有志連合の結成を目指し、日本政府に協力を打診したというニュースの続報です。

             

             自衛隊をホルムズ海峡に派遣する場合、大きく4つの法的枠組みが想定されます。

             

            ^汰簡歉禊慙∨,亡陲鼎集団的自衛権の限定行使・後方支援

            ⊆衛隊法での海上警備行動

            3ぢ餌仆菲,砲茲觴衛隊の覇権

            ご限を切った特別措置法の制定

             

             トランプ大統領は、各国が自国の船舶は自国で守るべきと主張し、安全保障で応分の負担を求めています。

             

             日本とすれば、あまり知られておらず、自衛隊問題でマスコミに取り上げられることはめったにないのですが、△砲△訥未蝓△泙瑳衛隊法で海上警備行動というのがあります。△砲茲辰涜捷駑琉茲砲△詁本の船舶を守ることは可能といわれています。

             

             したがってホルムズ海峡で各国が自国船舶を守るべきだ!というトランプ政権の主張に対して応じることは今でも可能です。そのため、海上自衛隊の重要な任務として、日本列島の防衛に加えて、シーレーンの防衛も重要なミッションとして入っているため、それは法的にも問題ないので粛々とやればいいだけのことといえます。

             

             問題は、今回の有志連合というのが、日本の船舶のみならず、他国の船舶も守るという点です。仮に有志連合で構成された艦隊があったとして、艦隊のオペレーションで日本だけを守るというのではなく、有志連合参加国すべての国の船舶を守るとなると、安全保障関連法の制定が必要と思われます。

             

             仮に日本が有志連合に参加するとして、他国の船舶の護衛をやらないとなれば、日本の存立が危機になるという状況であれば、安全保障関連法で対応するしかないのですが、難易度は高いと考えられます。なぜならば「米国の船を守らないと日本の存立が難しい」ということを立証するのが困難と思われるからです。

             

             そのため、自衛隊法に基づく海上警備行動を軸に考えていくのが基本スタンスといえます。仮に他国と日本が一緒になって有志連合が形成され、艦隊ができて司令部ができたとしましょう。

             

             例えば、ある時は日本の船舶の護衛なので、司令部に日本が入るが、ある時は日本の船舶ではないので司令部に日本は入らないというオペレーションが可能か?という疑問があります。きっと他国から、「それでは困る!だったら日本は入らなくてよい!」と言われる可能性も十分に想定されます。司令部に入ることなく有志連合に参画する形として、資金提供や給油というのも考えられますが、そうした支援が認められるのか?現時点では不明です。

             

             もし航行中に海賊が出たとして、海賊に対して攻撃できるといっても、民間船舶を海賊から守って警備するとなると全く別の話になります。端的にいえば、自衛隊が海賊から攻撃されれば発砲できますが、民間船舶を警備するとなると話は別ということです。

             

             結局、特別措置法の制定が必要になると思うのですが、これは時間がかかります。仮に時間をかけて有志連合に参加できたとしても、イランとの関係がどうなるか?という問題もあるのです。

             

             

             というわけで今日は「日本として対応が難しいイラン沖の民間船舶の護衛について」と題して論説しました。

             シーレーンの防衛は、日本にとっては極めて重要なことなのですが、日本はイランと良好な関係にあるため、非常に対応が難しく、私としても何がベストソリューションなのか?難しい問題です。

             とはいえ、私は過去に憲法9条2項についての議論で、「陸海空軍その他の戦力を保持しない」の文言をそのまま何もせず、憲法9条第3項で「自衛隊を持つ」と加憲する案が自民党から出ていることに懸念している旨の記事を書きました。

             憲法9条で自衛隊を持つことを明確に明記したうえで、海上警備行動について有志連合に加盟しても何ら支障がないように安全保障関連法の制定をして欲しいと私は思います。

             

             

            〜関連記事〜

            参議院選挙の争点に”改憲議論を進めることの是非”

            安倍首相のイラン訪問の成果について 


            米国が攻撃されても日本はソニー製のTVで米国が攻撃されるのを見ているだけか?

            0

              JUGEMテーマ:国防・軍事

              JUGEMテーマ:自衛隊について

              JUGEMテーマ:憲法改正

               

               今日は「米国が攻撃されても日本はソニー製のTVで米国が攻撃されるのを見ているだけか?」と題して、憲法9条問題について論説します。

               

               まず毎日新聞の記事をご紹介します。

              『毎日新聞 2019/06/27 00:44 トランプ氏「米国が攻撃されても日本は助ける必要はない」安保条約に不満

               トランプ米大統領は26日、米FOXテレビの電話インタビューで、日米安全保障条約について「もし日本が攻撃されたら、米国は第三次世界大戦を戦う。あらゆる犠牲を払って戦う。しかし、米国が攻撃されても日本は助ける必要はない。ソニーのテレビで、攻撃されているのを見ていられる」と述べ、防衛義務の片務性に関し不満を述べた。

               トランプ氏は、2016年大統領選の選挙集会でもほぼ同趣旨の発言をしていた。主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で訪日する前にあえて不満を漏らし、駐留米軍経費のさらなる負担や対日貿易赤字削減に向け圧力をかける狙いがあったものとみられる。安倍晋三首相との会談で、こうした点に触れる可能性がある。

               トランプ氏は「ほとんどすべての国が米国を利用してきた」とも語り、北大西洋条約機構(NATO)についても米軍の財政負担の割合が大きすぎるとして、ドイツを名指ししながら他の加盟国がもっと負担すべきだとの考えを示した。【ワシントン古本陽荘】』

               

               

               上記記事の通り、トランプ大統領がFOXテレビの電話インタビューで、日米安全保障条約の防衛義務の片務性に対して不満を述べたというニュースです。

               

               記事では、トランプ大統領が、もし日本が攻撃されたら米国は第三次世界大戦を戦い、あらゆる犠牲を払って戦う一方、米国が攻撃された場合は日本は米国を助ける必要はなく、ソニー製のTVで米国が攻撃されるのを見ているだけと皮肉を述べたと報じています。

               

               この発言について私が思うことは、「よくぞ、言った!その通りだ!」ということです。今までの米国の大統領は、みんなそう思っていたが、口に出して言うことは絶対にありませんでした。しかしながらトランプ大統領が言い放ったのです。

               

               なぜ日米安全保障条約があるか?といえば、憲法9条があるからで、憲法9条では日本は軍隊が持てないことになっています。米国は、そのような憲法を日本に押し付けたものです。

               

               戦争自体、国家間の紛争を解決する手段としては合法なのですが、戦争をできないようにする憲法を押し付けるというのは、国際法上は違法です。どのような法律に違反するか?といえば、ハーグ陸戦条約第43条です。

               

              『第三款 敵国の領土における軍の権力
              第42 条:一地方が事実上敵軍の権力内に帰したときは占領されたものとする。占領はその
              権力を樹立し、かつこれを行使できる地域をもって限度とする。
              第43 条:国の権力が事実上占領者の手に移った上は、占領者は絶対的な支障がない限り、
              占領地の現行法律を尊重して、なるべく公共の秩序及び生活を回復確保する為、施せる一
              切の手段を尽くさなければならない。

               

               このハーグ陸戦条約の第43条の赤字の部分が、占領軍が憲法を作ってそれを押し付ける行為を違反と指摘する根拠国際法令です。そのため、もともとは米国から言ってきた話であり、防衛できないのは当たり前です。そこで日米安全保障条約で米国を駐留させて、日本を属国化して日本が米国を守る形にしようとなりました。

               

               そんなわけで、米国が押し付けた憲法9条があって、防衛ができないから米軍を置くという米国の方針でずっと来た話を、その米国の大統領がオカシイと言ってくれたとするならば、では日本は憲法9条を改正させていただくという話になります。

               

               第二次大戦後直後、米国は日本に対して軍隊を持たせないようにしました。理由は日本が自分で自国を守れるようにするとなると、海軍のゼロ戦や陸軍の隼など軍事技術が高く、怖いので軍隊を持つな!と日本に対して今までやってきました。

               

               その米国が安全保障条約が片務的で嫌なので辞めたいというのであれば、「ありがとうございます!それでは軍隊を自前で持たせていただきます!」という話であり、「自分で軍隊をちゃんと持て!」と言っているに他なりません。

               

               宗主国の米国が「独立してください!」といってきてくれたのであれば、「独立することを許してくれるのですね!ありがとうございます。」ということ。にもかかわらず、憲法9条2項「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」を削除するなどの検討をせず、自衛隊を加憲して明記するというのは何事か?と思うのは私だけでしょうか?

               

               

               というわけで今日は「米国が攻撃されても日本はソニー製のTVで米国が攻撃されるのを見ているだけか?」と題して論説しました。

               

              〜関連記事〜

              「ホイッ!」と作られた日本国憲法とハーグ陸戦条約第43条

              参議院選挙の争点に”改憲議論を進めることの是非”

              憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!

              ”真珠湾攻撃で活躍したゼロ戦1万機”と”マレー沖海戦で活躍した隼5千機”を製造した日本の航空技術力


              横浜銀行と千葉銀行の業務提携について

              0

                JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                JUGEMテーマ:銀行

                 

                 今日は「横浜銀行と千葉銀行の業務提携について」と題して論説します。

                 

                 産経新聞の記事をご紹介します。

                『産経新聞 2019/07/09 19:58 横浜銀行と千葉銀行が業務提携へ 商品開発や顧客紹介で協業 10日にも会見

                 横浜銀行と千葉銀行が業務提携を検討していることが9日、分かった。運用商品の開発や顧客紹介などで協業する。10日にも両行トップが記者会見し発表する。神奈川県と千葉県を営業基盤とする両行がそれぞれの強みを生かして収益拡大を図る。有力な地銀が提携することで、地方銀行が連携する動きが広がりそうだ。

                 両行は業務提携によって、個人から法人向けまで幅広い金融サービスを提供できるようにする。個人向けでは運用商品の共同開発や、信託銀行の機能を持つ千葉銀が横浜銀に遺言信託などのサービスを提供することも検討する。

                 法人向けでは企業の合併・買収(M&A)や事業承継で協業。販路拡大などに向け、互いの取引先同士を紹介する事業も行う。

                 両行は現在、株式を0・30%ずつ持ち合っているが、今回の提携で、互いに株式を買い増す予定はないとみられる。』

                 

                 

                 上記の通り、地銀の規模で首位の横浜銀行と、3位の千葉銀行が、業務提携するというニュースです。神奈川県と千葉県の地盤の両行がそれぞれ強みを生かし、収益力を高め、個人から法人向けまで幅広い金融サービスを提供できるようにすると報じられています。

                 

                 よくマスコミの報道では、少子高齢化とマイナス金利政策の影響で、地銀を取り巻く経営環境は厳しさを増している旨の言説があります。

                 

                 私からいわせれば、今回の地銀1位と3位の業務提携について、少子高齢化やマイナス金利政策も要因の一つであるのは確かですが、一番最大の原因はインフレ率の下落という要するにデフレが最大の原因であって、デフレ放置が一番大きな影響を与えているのです。

                 

                 なぜならば、デフレになると投資しなくなります。インフレ率が高い状況であれば、将来経済成長するという見込みがあるので、お金を借りて投資しても回収できると考えます。

                 

                 デフレの場合、将来のビジネス環境が悪化するということなので、投資を抑制して内部留保するというのが経営者の判断としては当然です。

                 

                 儲かったお金を内部留保しているような状況で、わざわざ銀行からお金を借りてまでして、投資をしようとは誰も思わないでしょう。

                 

                 お金を借りて投資しようと思わなければ、銀行は儲けることができません。デフレでは、信用創造というビジネスモデルが成立せず、銀行は儲からないのです。

                 

                 そのため、こうした連携や業務提携をせざるを得なくなっています。スルガ銀行の「かぼちゃの馬車」事件が発生したのも、デフレが原因であるといえるでしょう。要は金融機関が死んでしまっているということでもあります。

                 

                 もともと資本主義は、負債を増やさない限り、経済成長ができません。負債を増やす主体は、企業でなくても家計でもいいのですが、家計もローンを組んでまで自動車を買う、家を買うという人がどれだけいるのか?たとえ買ったとしても新車ではなく中古車だったり軽自動車だったり、融資残高のサイズは小さくなりがちであり、住宅の場合も中古のリノベーション物件であったりすると融資残高のサイズは小さくなります。もちろんタワーマンションのようなものは融資残高は大きくなるものの、そうした物件はどれだけ数があるでしょうか?

                 

                 デフレが放置されているがゆえに、ライドシェアーなどというビジネスが流行り、デフレ放置が日本経済を痛めつけていることに気付かずに、時代が変わったなどと頭の中がお花畑な人が増えている状況です。

                 

                 デフレ放置によって資本主義が断末魔の叫び声をあげて死にかけており、その尖兵として銀行業が死にかけているのです。

                 

                 今回の横浜銀行と千葉銀行は業務提携ということになっていますが、今後は資本提携も視野に入れて、協議を進めるようで、収益力を高めるといっていますが、かつて金融ビッグバンが始まっていろんな地方の信用金庫や小さい銀行が統合し、それらがまた統合されるという歴史を繰り返しました。

                 

                 そして最初にいた人らは解雇されます。人手不足といっても、金融機関はそういう状況ではなく、人員整理の対象になっている状況ですが、デフレが放置されて信用創造で稼げない以上、いわば当然の帰結と言えるでしょうし、今後も安倍政権は財政出動せず、緊縮財政を続けるでしょうから、デフレが続き、銀行の経営は厳しくなるに決まっています。

                 

                 デフレ脱却ができていないこの状況で消費増税するとなれば、さらに将来のデフレ圧力が高まり、銀行はもっと地獄になっていくというわけです。

                 

                 マイナス金利云々より、デフレだから地銀の経営が苦しくなっているのに、インフレ対策の消費増税をやれば、デフレが深刻化し、日本経済が破壊されます。

                 

                 私はよく日本が発展途上国化していると主張していますが、10/1の消費増税で先進国からの脱落が決定的となるでしょう。

                 

                 

                 安倍政権のアベノミクスを初期から支えたブレーンで、本田悦朗という財務官僚出身で、スイス大使兼リヒテンシュタイン大使の方が居られました。本田悦朗氏の言説については私は好意的に思っていまして、「安倍首相の経済アドバイザー 本田悦朗氏(駐スイス大使)「増税凍結が望ましい!」」の記事を書いたことがあります。本田悦朗氏は安倍政権発足時から、金融緩和と消費増税の先送りを助言していたのですが、2019/04/12に内閣官房参与を辞職されました。辞職後、2019/05/23のブルームバーグの記事で、消費増税ならアベノミクスは失敗で、延期より凍結が必要という考えを示されておられます。そのうえ、消費税率引き上げを実施すれば、デフレ脱却が難しくなるだけではなく、日本発リーマンショック級の危機が訪れるとして、延期ではなく凍結が必要と、財務官僚出資であるにもかかわらず、正論を述べておられました。

                 

                 同じ同僚の元内閣官房参与の藤井聡先生によれば、消費増税に抗議し、総理に直談判して辞職されたとのことです。

                 

                 日銀の元副総裁の岩田規久男氏も、金融緩和だけでデフレ脱却ができるというのは間違っていたと、過去の主張の誤りをお認めになり、消費増税反対の論説を述べられております。

                 

                 このようにアベノミクスの初期を支えたブレーンが相次いで去っていく一方、政府はそうした人々の進言を聞くことなく、勝手に消費増税をして、銀行の経営が苦しいのを何とも思っておらず、すべて自己責任という言葉で解決しようとしているのでしょう。このやり方では、本当に日本が壊れて発展途上国化に向かって一直線となっていくことでしょう。

                 

                 

                 というわけで今日は「横浜銀行と千葉銀行の業務提携について」と題して論説しました。

                 

                 

                〜関連記事〜

                デフレ放置では銀行というビジネスは成り立たない

                みずほ銀行の6800億円巨額損失について

                ゼロからお金を生み出すことができるのが銀行です!

                借入金の否定=資本主義の否定(信用創造機能とは何か?)

                日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!

                国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

                ”政府は借金し放題”という”現代金融理論”について

                グリーン・ニューディール政策と現代金融理論

                安倍首相の経済アドバイザー 本田悦朗氏(駐スイス大使)「増税凍結が望ましい!」

                2年で物価目標2%を達成させるための大規模金融緩和政策という壮大な社会実験の失敗

                減額が続く日銀の国債買入額

                デフレが貨幣現象であるとする「貨幣」って、「マネタリーベース」OR「マネーストック」どっち?

                社会通念化している財政破綻論


                世界経済が減速する中、今日から消費減税のための新たな戦いの始まり

                0

                  JUGEMテーマ:今の日本にどうなって欲しいですか?

                  JUGEMテーマ:借金返済

                  JUGEMテーマ:借金問題

                  JUGEMテーマ:借金

                  JUGEMテーマ:年金/財政

                   

                   今日は「世界経済が減速する中、今日から消費減税のための新たな戦いの始まり」と題して論説します。

                   

                   予想されていたことではありますが、昨日の参議院選挙で自民党が勝利しました。

                   

                   これで2019年10月の消費税は、ほぼ確実になったといえます。なぜならば与党は公約に掲げて選挙を戦っていましたからです。ですが、既成事実化して争点の焦点に当たらないように、特にマスコミを中心にそうした報道がされていると感じたのは私だけでしょうか?

                   

                   いずれにしても10/1以降、消費増税10%は確定となり、日本経済の後進国化の始まりがスタートすることとなるでしょう。そんな中で、新車市場が急減速というニュースがありまして、日本経済新聞の記事をご紹介します。

                   

                  『日本経済新聞 2019/07/10 20:31 新車市場急減速、中印4〜6月2ケタ減 米欧も低調

                   世界の自動車市場が急減速している。国別で最大市場の中国と4位のインドの4〜6月の新車販売台数は前年同期比2桁減となり、米欧市場も低調だ。景気減速の影響が長引き、2019年の世界販売台数はリーマン・ショック直後の08〜09年以来の2年連続前年割れが濃厚になった。自動車産業の裾野は広く、販売低迷が続くと景気が一段と冷え込むリスクがある。

                   中印の業界団体が10日、6月の新車販売台数を発表した。日米と欧州の一部をあわせた主要5市場の4〜6月は約1600万台と前年同期比で13%減と、マイナスは4四半期連続で期間中で最大の減少幅となった。主因が中印の落ち込みだ。

                   中国の6月の新車販売は12カ月連続減だった。4〜6月の販売台数は13.5%減の594万台と、1〜3月からマイナス幅が2ポイント強拡大した。中国経済の減速や米中貿易戦争の長期化で、購買意欲に悪影響を及ぼしている。中国は18年通年で28年ぶりに前年を割り込んだ。業界団体は10日、19年も「前年実績を下回る」と、従来の横ばい予想を下方修正した。

                   インドの4〜6月は16.6%減り1〜3月の1.4%減から大幅に悪化した。18年9月に起きた大手ノンバンクの債務不履行で自動車ローンの貸し渋りが起き、市場は18年11月から減少が続く。

                   中印の不振が長引き、英調査会社IHSマークイットは7月、19年の世界市場見通しを2%減の9100万台とし、年初のプラス予想を下方修正した。米国の4〜6月は1.5%減、欧州主要国の合計も5月まで9カ月連続のマイナス。日本は4〜6月がプラスだが、10月の消費増税を控え先行きは不透明だ。

                   自動車産業は消費や雇用に影響を及ぼす。中国では保守サービスを含めると国内総生産(GDP)の1割を占めるとされ影響は大きい。中国政府は農村での車の買い替え補助や、一部主要都市でナンバープレート発給制限の緩和など消費刺激策を打ち出すが、目に見える効果になっていない。

                   中国と米国は年後半から回復するとの見方もある。中国では7月1日から国内の約半分の地域で新しい排ガス規制が始まり、新規制を前に起きていた車の買い控えが解消する可能性がある。

                   米国は自動車ローン金利の低下で販売は回復しつつある。ゼネラル・モーターズ(GM)のチーフエコノミスト、エレイン・バックバーグ氏は「下半期は米連邦準備理事会(FRB)の利下げが予測され、市場の支えになる」と指摘する。』

                   

                   上記日本経済新聞の記事の通り、世界の自動車市場が急減速しているというニュースです。新車市場はリーマンショック直後の2008年〜2009年以来の2年連続前年割れということですが、日本は消費増税します。

                   

                   記事にもある通り、自動車産業はすそ野が広いです。鉄鋼やタイヤ・ゴムといった目に見えるところもそうですが、車載電子部品産業も自動車産業を支えています。またそれら資本財を生産するための生産設備を作る会社や、それら生産設備に必要な工業燃料を製造する会社にも影響が出ます。

                   

                   したがって世界の自動車市場が急減速するとなれば、特に外需に頼っている自動車産業のダメージは大きいと予想されるでしょう。

                   

                   記事では中国と米国が年後半から回復すると報じていますが、米中貿易戦争が継続する最中に、米中への輸出を増やすことなど、できるのでしょうか?米国は米国の自動車産業を保護するため、日本車の輸入数量を減らすための通商政策を仕掛けてくるに決まっています。何しろ米国のトランプ政権は、米国民ファーストかつ安全保障を重視しているあため、日本車の輸入数量が多いことそのものが、米国国内の技術革新が弱体化するということで、トヨタ自動車などの日本車メーカーは、アルカイダや北朝鮮と同じ安全保障上の脅威と位置付けているのです。

                   

                   もともと米中経済戦争以前に、景気は長期低迷を続けていました。日本のGDP確報値が間もなく出ますが、2次速報ベースでみても、1〜3月は輸出も輸入も大きく落ち込んでいます。

                   

                  <輸出と輸入の名目GDP2次速報>

                   

                  <輸出と輸入の実質GDP2次速報>

                  (出典:内閣府ホームぺージ)

                   

                   上記グラフをみれば一目瞭然ですが、既に8%消費増税の時のショックと同じ程度、輸入が大きく落ち込んでいます。輸入が大きく落ち込むというのは、内需が弱いからで、海外のモノを買う金額(名目GDPの減少)、数量(実質GDPの減少)が減っており、輸入が大きく落ち込んでいることがよくわかります。

                   

                   海外ではマレーシアが消費税を廃止し、英国やカナダも消費税を下げました。日本も民主主義国家なので上がった消費税を下げることは普通に可能です。

                   

                   もともと世界経済で米国と英国以外がめちゃくちゃ悪い状況で、新車市場が急減速で景気が一段を冷え込んでいるにもかかわらず、日本だけが消費増税をするというのは、バカ丸出しとしか言いようがありません。

                   

                   

                   というわけで今日は「世界経済が減速する中、今日から消費減税のための新たな戦いの始まり」と題して論説しました。

                   参議院選挙で自民党が勝利した以上、10/1以降、新たな戦いということで消費税減税を目指し、情報発信を続けてまいります。日本を破壊するエセ保守、グローバリストらから、日本の文化・伝統・歴史を守りたい、ただその一心です。

                   読者の皆様におかれましても、賛同できる方は、どうか周りの知人にお声掛けください。一人一人が知見を高めていく以外に、日本を守ることはできないものと思うからです。

                   

                   

                  〜関連記事(法人税)〜

                  ”法人税を上げるなら日本を出て海外に出ていく”というのは企業側の単なる脅しに過ぎません!

                  国際競争力を高めるために法人税を下げなければならないという言説の欺瞞

                  「法人税が高いと企業が海外に流出してしまう!」というウソ

                   

                  〜関連記事(税金全般)〜

                  税金の役割とは何なのか?

                  「所得税を減税しないと富裕層が逃げていく!」は本当か?

                   

                  〜関連記事(マレーシア)〜

                  中国の一帯一路の被害国を増やすことに手を貸す日本企業と、中国とのプロジェクトを決別宣言したマレーシア

                   

                  〜関連記事(MMT・銀行のビジネスモデル・信用創造・経済指標など)〜

                  金利が下がれば設備投資が増えるは本当か?(魚の仲買人さんのビジネスモデル)

                  財政赤字は悪ではなく、国の借金は5000兆円でも問題ありません!

                  安倍総理の今後10年は消費税を上げないとする言説について

                  消費税は消費に対する罰則課税です!

                  金融庁の”一人当たり老後資金2000万円必要”との報告書について

                  日本のプライマリーバランスが黒字だったときは?

                  景気動向指数による”いざなぎ越え”の真相

                  デフレの本質を理解していない安倍総理

                  政府支出を拡大すればインフレ率が抑制できなくなるという言説に対する反論

                  公共事業などの政府支出は銀行預金で借りているわけではありません!

                  反論になっていない財務省の”増税不要論”への反論

                  MMT理論の批判論に対する反論!

                  ゼロからお金を生み出すことができるのが銀行です!

                  借入金の否定=資本主義の否定(信用創造機能とは何か?)

                  日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!

                  国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

                  ”政府は借金し放題”という”現代金融理論”について

                  グリーン・ニューディール政策と現代金融理論

                  親日家の投資家ジム・ロジャーズ氏が指摘する日本の財政破綻に反論する!

                  憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!

                  日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!


                  ”法人税を上げるなら日本を出て海外に出ていく”というのは企業側の単なる脅しに過ぎません!

                  0

                    JUGEMテーマ:年金/財政

                    JUGEMテーマ:税金と確定申告

                    JUGEMテーマ:経済全般

                     

                     私こと、杉っ子が初めてブログを書いたのは、2016年11月27日で、この日がブログデビューの日といえます。そのとき書いた記事は、『「所得税を減税しないと富裕層が逃げていく!」は本当か?』でした。今回は、その法人版として、「”法人税を上げるなら日本を出て海外に出ていく”というのは企業側の単なる脅しに過ぎません!」と題して論説します。

                     

                      今この記事を書いている時間は、7/21未明ですが、今日の夜には参議院選挙の投票結果が出ます。おそらく自民党が勝利して、消費増税10%が実施されることが確定されるでしょう。

                     

                     私は消費増税に反対の立場で論説しているのは、読者の皆様もご承知のことと思います。

                     

                     仮にも増税するとするならば、それは法人税ではないでしょうか?

                     

                     にもかかわらず、安倍政権は消費税率を引き上げる代わりに、法人税を下げます。

                     

                     何しろ「海外から投資してもらうためには法人税を下げなければ・・・」と日本は先進国なのになぜ海外に投資してもらわないといけないの?というレベルの低いバカげた理由で、法人税を下げようとしています。

                     

                     そもそも法人税を下げる必要などあるのでしょうか?法人税を引き下げればデフレ脱却できるようになるのでしょうか?

                     

                     法人版トリクルダウン理論で、「企業の内部留保がそこそこ溜まってくれば、やがて企業は設備投資をやるはず!」とか思っている方、完全に甘いです。お金のプール理論とも呼ばれるのですが、お金がプールされて溢れたものが投資になるなど、あり得ません。

                     

                     デフレで儲かりにくい環境では、企業経営では設備投資を控えざるを得ません。どれだけ法人税が下がろうとも、銀行の借入金利が下がろうとも、デフレ環境では設備投資は増えようがないのです。

                     

                     なぜならば儲からないからです。

                     

                     よく考えていただきたいのですが、モノの値段を下げないと売れないとなれば、銀行借入でなくても、自己資金で設備投資をしようにも、投資の将来の期待収益率が下がります。そのため投資したお金の回収期間が長くなり、回収しにくくなるのです。

                     

                     いうまでもなく銀行借入の需要は増えず、自己資金を投じようにも期待収益率が下がっている以上、躊躇する経営者が多いのは当然の帰結です。

                     

                     では、「法人税を上げたら、企業は海外に行ってしまう!」というのは、本当でしょうか?

                     

                     これは明確にウソです。法人税を上げたとしても、日本国内がデフレ脱却してマイルドなインフレ状態であれば、需要があるので設備投資は増えます。法人税が上がったからとという理由で投資を躊躇することはあり得ず、あくまでも需要があるか否か?です。

                     

                     この需要には、名目需要(値段を下げなくても売れること)と実質需要(数量が多く売れること)の両方が影響します。

                     

                     需要があれば法人税を上げたとしても、企業は設備投資をするのです。

                     

                     「法人税を上げれば海外に企業が出ていくぞ!」というのは、企業側の単なる脅しに過ぎません。例えば法人税を上げたからといって、トヨタ自動車や日立製作所といったグローバル企業が、海外移転することは絶対にありえません。

                     

                     そもそも日本の法人税は、東南アジア諸国からみれば、名目の税率が高いのは事実なのですが、いろんな抜け道があり、実質的な税率は低いのです。

                     

                     元国税庁OBでフリーライターの大村大次郎氏によれば、日本国内の年間売上高は、だいたい1,500兆円前後であり、90%以上即ち1,400兆円以上が経費で支出されているとのこと。法人税は年間10数兆円に過ぎず、企業の支出全体から見れば、1%程度とのことです。

                     

                     一方、法人税は利益が出ている企業にしかかからず、あのトヨタ自動車でさえ、リーマンショックの頃、赤字に転落して5年間法人税を納めていないという時期がありました。

                     

                     何がいいたいかと言えば、利益が出ている企業に対して、支出の1%程度を徴収するという話であって、赤字に転落した年は税金の徴収はなく、企業経営を圧迫しているというようなことは、全くあり得ません。

                     

                     仮に法人税が今の倍になったとしても、せいぜい支出が1%増えるにすぎないのです。

                     

                     その一方で、海外に進出するとなれば、言葉の問題から、文化の問題や商習慣の問題など、非常に大きなリスクを伴います。そのうえ、インフラの充実度も違います。

                     

                     新たな莫大な投資を必要とし、人材の発掘・育成や教育にも時間とコストがかかるうえ、相手国の治安情勢などの影響も受けます。たとえ法律に詳しかったとしても、文化の問題や商習慣の問題で、日本国内のビジネスとは比べ物にならないくらいのリスクがあります。私の会社で海外勤務のある方がいるのですが、その方によれば、インドでのビジネスにおいて、約束すっぽかしは当たり前だとおっしゃっていました。

                     

                     私はいろんな海外に行っていますが、インドでいえば普通に停電が発生しますし、ロジスティクスでは、州を通過するごとに税金を徴収されます。日本では停電など、大地震以外で発生することはまずあり得ず、都道府県を超えるたびに税金がかかることなどあり得ません。

                     

                     また電車は時間通りに走らず、バスに至っては時刻表が存在するのは日本ぐらいなものです。

                     

                     何がいいたいか?といえば、日本の企業のほとんどは、日本国内の事業をコアコンピタンスとしており、日本の文化になじんでいます。日本の文化は独特なものであって、海外に出て行ってそう簡単にビジネスができるというほど甘くはありません。

                     

                     だいたい法人税が高かったバブル以前は、今よりもはるかに海外進出は少なかったわけで、環境が整っていなかったという理由はあったかもしれませんが、日本国内に十分な名目需要・実質需要があったからこそ、わざわざ大きなリスクをとって海外に出ずともよかったのです。

                     

                     今は環境が整ったといっても、日本とのインフラ環境と異なるでしょうし、法人税が日本より格段に安いという程度の理由で、企業活動の主要部分を海外に移転することなど、現実的にはできないのです。

                     

                     

                     というわけで今日は「”法人税を上げるなら日本を出て海外に出ていく”というのは企業側の単なる脅しに過ぎません!」と題して論説しました。

                     

                     

                     

                    〜関連記事〜

                    国際競争力を高めるために法人税を下げなければならないという言説の欺瞞

                    税金の役割とは何なのか?

                    「法人税が高いと企業が海外に流出してしまう!」というウソ

                    「所得税を減税しないと富裕層が逃げていく!」は本当か?

                    金利が下がれば設備投資が増えるは本当か?(魚の仲買人さんのビジネスモデル)

                     


                    財政赤字は悪ではなく、国の借金は5000兆円でも問題ありません!

                    0

                      JUGEMテーマ:借金返済

                      JUGEMテーマ:借金問題

                      JUGEMテーマ:借金

                      JUGEMテーマ:年金/財政

                       

                       参議院選挙は、明日がいよいよ投票日ですが、消費増税をわざと争点にしようとしないよう不作為を装った作為的なバイアスを感じている今日この頃です。そんな中、今週の火曜日2019/07/20にニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授が来日し、MMT(Modern Monetary Theory)理論について、東京都内の衆議院議員会館にて講演が行われました。

                       

                       そこで今日は「財政赤字は悪ではなく、国の借金は5000兆円でも問題ありません!」と題して下記の論説します。

                       

                      1.ケルトン教授が、消費増税が不要と主張していることを、ちゃんと報道している産経新聞と朝日新聞

                      2.MMT理論批判論者の池田信夫氏の言説

                      3.真の制約はお金ではなくモノ・サービスを供給する力

                       

                       

                       

                       

                      1.ケルトン教授が、消費増税が不要と主張していることを、ちゃんと報道している産経新聞と朝日新聞

                       

                       新聞記事を2つ紹介します。まずは産経新聞です。

                      『産経新聞 2019/07/16 19:26 「財政赤字は悪でない」MMT国際シンポ開催 S・ケルトン教授講演  

                       現代貨幣理論(MMT=モダン・マネタリー・セオリー)の意義について議論する「MMT国際シンポジウム」(主催・京都大学レジリエンス実践ユニット)が16日、米ニューヨーク州立大のステファニー・ケルトン教授らを招き、国会内で開かれた。

                       MMTは、自前の通貨を持つ国がいくら自国通貨建てで国債を発行しても債務不履行(デフォルト)には陥らないとする理論で米国で注目されている。

                       MMTの主唱者の一人であるケルトン教授は講演で「政府の赤字は、非政府部門の黒字であり、財政赤字は悪ではなく、所得や雇用を上昇させるための政策手段だ」などとMMTの意義を強調した。

                       この日は、前内閣官房参与の藤井聡・京大大学院教授らも講演。藤井教授は「政府に対する最後の貸し手である日銀が存在する以上、政府のデフォルトはありえない」と語った。

                       

                       

                       次に朝日新聞です。

                      『朝日新聞 2109/07/16 23:05 「財政赤字は悪でも脅威でもない」MMT提唱の米教授

                       財政赤字の拡大を容認する「異端」の理論として議論を呼んでいる「MMT」(Modern Monetary Theory=現代金融理論、現代貨幣理論)の提唱者の一人、ニューヨーク州立大のステファニー・ケルトン教授が来日し、16日東京都内で講演した。自国通貨を発行している日本や米国は、税収による財政的な制約を課されることはないと主張。「財政赤字は悪でも脅威でもない」「債務の大きさにまどわされてはいけない」と訴えた。

                       ケルトン氏は、税収が財政の制約ではなく、インフレ率が制約になるべきだと主張。たとえば日本は2%のインフレ目標に達していないので、さらなる財政支出の余地があるとし、「もっと積極的に財政政策を活用して、減税で成長を下支えした方がいい」と述べた。財政赤字に対する見方を変えることの重要性も強調。「政府の赤字は、非政府部門にお金が注入されることであり、所得や雇用を増やす」とも語った。

                       MMTは、税は税収を得るために課されているのではなく、「所得を誰かから奪うもの。支払い能力を減らすために課す」との考え方をとるという。そのため、消費税については「消費増税の目的は消費支出を減らすことで、インフレを冷やすなら理にかなっている。だが、インフレ問題を抱えていない国にとっては意味がない」とし、政府が10月に予定する10%への消費増税に否定的な考えを示した。

                       ケルトン氏を招いたのは、安倍政権で参与を務めた藤井聡・京大大学院教授(公共政策)ら。左派系で参院選では野党候補らを支援する松尾匡・立命館大教授(理論経済学)も加わり、「反緊縮」の学者が立場を超えてMMTの理論家を招く異例の形となった。』

                       

                       

                       2つの記事を紹介しましたが、私こと、杉っ子もこのMMTシンポジウムの招聘プロジェクトに1万円を寄付した一人です。7/16(火)に私も出席する予定だったのですが、急遽、会社で決算分析の業務の対応をすることとなってしまい、出席できなかったのです。

                       

                       話を戻しますが、新聞記事でもご紹介の通り、MMT理論の提唱者のステファニー・ケルトン教授が、議員会館で行われました。そのMMT理論について、産経新聞、朝日新聞、いずれも今まで私が主張してきたことに近い論説です。

                       

                       一方で日本経済新聞は、事実としてステファニー・ケルトン教授の講演を報道しつつ、MMT理論批判記事を紹介し、「ステファニー・ケルトン教授の講演は大勢人が集まって注目されたが、現実は間違っていますよ!」と言わんばかりに、過去に報道したMMT理論批判のコメントを紹介しています。

                       

                       

                       

                      2.MMT理論批判論者の池田信夫氏の言説

                       

                       その中でも、MMT理論について、FTPL(物価水準の財政理論)を引き合いに出して「MMT理論は夢物語」という論説に対して反論いたします。FTPLとは、「Fiscal Theory of the Price Level」の略語で、「物価水準の財政理論」と訳されています。そしてこの理論は、クリストファー・シムズという2011年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者が提唱した理論です。

                       

                       MMT理論の批判者、池田信夫氏はMMT理論を夢物語と批判している一人です。特にクリストファー・シムズのFTPLを引き合いに出すのが特徴です。

                       

                       その批判論説について直近の主な言説を見てみましょう。

                      ●政府の債務が5000兆円になっても、高インフレは起きないのか?

                      ●物価水準についての超長期の理論としてFTPLがあり、「物価水準=名目政府債務/財政黒字の現在価値(PV)」というのがある

                      ●名目政府債務が5000兆円になっても物価が今と変わらないもしくはマイルドなインフレで収まるのは、財政黒字の現在価値が5000兆円となっているときであって、それ以外は高インフレになる

                      ●政府の計画通り2025年にプライマリーバランスが黒字化するとして、その後もゼロ金利が永遠に続くと仮定したとしても、毎年50兆円の黒字を100年間出し続けなければならず、これは不可能である

                      ●日本で低インフレが続いているのは、国民が政府を過剰に信頼しているからで、政府債務が5000兆円になっても国民が政府を信頼していれば何も起こらないが、信頼を失うとハイパーインフレになる

                      ●ハイパーインフレを日銀のインフレ目標で止めることはできない

                      ●財政支出をコントロールするのは中央銀行(=日銀)ではなく、政府の仕事である

                      ●MMT理論推進者の中には、政府はどうやって財政支出をコントロールし、財政赤字を止められるか?という問いに対して、「憲法83条に定める財政民主主義で国会が決める」と逃げる

                      ●政治家が財政支出を決めたら選挙のたびに財政出動が行われ、社会保障支出は際限なく膨張する

                      ●国債が暴落してインフレになったとき、国会で法改正を審議できるのか?

                       

                       

                       めちゃくちゃ突っ込みどころが多く、反論になっていない批判言説であると思いますが、上述の批判言説の中で、「現在価値」という言葉が使われておりまして、少しだけ解説します。

                       

                       現在価値とは、いま目の前にある100万円と、10年後の100万円では価値が違うということを、数式で計算するもので、「Present Value:略称PV」と英訳されます。

                       

                       もし物価上昇率が10年間2%だったとした場合、

                      割引率=(1+0.02)^10  ※^10=10乗

                      10年先の100万円=100万円÷(1.02)^10

                      となって、約82万円が10年後の100万円の現在価値となります。

                       

                       池田信夫氏によれば、財政出動すれば必ずインフレになるということで、インフレになってもゼロ金利が続くとすれば、50兆円の黒字を100年間出さなければならず、これは不可能であるとしています。とはいえ、この前提条件がおかしいです。

                       

                       金融政策で、高インフレになった場合、金融政策でインフレ率を抑制することは普通に可能な話です。マイナス金利を辞め、ゼロ金利を解除し、普通に利上げしたり、日銀当座預金の法定準備利率を引き上げて融資を抑制したり、マネーストックを減らすための国債の売りオペレーションを実施(市中に出回っている現金を回収することを目的に国債を供給する)したりするなど、日本は主権で金融政策を実施することができます。ギリシャやドイツなどは金融政策を独自に行えません。ユーロに参加しているため、主権にもとづいて金融政策を実施することができませんが、日本は主権にもとづいて金融政策を行うことが可能です。

                       

                       以下、インラインで反論させていただきます。

                      ●政府の債務が5000兆円になっても、高インフレは起きないのか?

                      →負債を増やすことは技術的に可能で、負債を増やしただけではインフレになりようがありません。

                      →インフレは物価の上昇・下落という物価変動現象であって、貨幣量でインフレ・デフレになるという貨幣数量説は間違っています。

                       

                      ●物価水準についての超長期の理論としてFTPLがあり、「物価水準=名目政府債務/財政黒字の現在価値(PV)」というのがある

                      →クリストファー・シムズのFTPLは知っているが、だから何でしょうか?FTPLが優れているのは、中央銀行と政府は一体としてみるべきという点は優れており、中央銀行と政府が独立すべきという考えは間違っていて、杉っ子は日銀法改正を主張したい立場です。

                       

                      ●名目政府債務が5000兆円になっても物価が今と変わらないもしくはマイルドなインフレで収まるのは、財政黒字の現在価値が5000兆円となっているときであって、それ以外は高インフレになる

                      →現在価値が5000兆円というのは、割引率0%の場合、名目政府債務5000兆円/(財政黒字50兆円×100年)=物価水準1ですが、物価が上昇して国民生活に支障が出るようであれば、金融政策で金融引き締め策をやればいいだけのことです。

                       

                      ●政府の計画通り2025年にプライマリーバランスが黒字化するとして、その後もゼロ金利が永遠に続くと仮定したとしても、毎年50兆円の黒字を100年間出し続けなければならず、これは不可能である

                      →プライマリーバランス黒字にしなければならないという考えが間違っています。政府の黒字は民間の赤字であり、政府の赤字は民間の黒字です。国民生活が暮らしやすくするためにプライマリーバランスという道具を使って黒字化するか?赤字化するか?が議論されるべきで、デフレでプライマリーバランス黒字化しても民間が赤字を続けることになるため、国民生活は苦しくなるだけです。

                       

                      ●日本で低インフレが続いているのは、国民が政府を過剰に信頼しているからで、政府債務が5000兆円になっても国民が政府を信頼していれば何も起こらないが、信頼を失うとハイパーインフレになる

                      →”国民が政府を過剰に信用している”から低インフレ・・・????です。インフレ・デフレは物価の変動現象であって、国民が政府を過剰に信頼していなくても、モノ・サービスを値下げしなければ売れない状況であれば物価は下落し、値上げしても売れる状況であれば物価は上昇します。国民が政府を信頼するとかしないとか、意味不明です。ついでにいうと「信頼を失うとハイパーインフレ」は、プロセスが全く不明です。

                       

                      ●ハイパーインフレを日銀のインフレ目標で止めることはできない

                      →日銀のインフレ目標で止めなくても、金融政策で止めることは可能です。ついでに言えば、財政支出についても、無駄削減をするとか、支出のペースをコントロールしてペースを遅くするなど、現実的に可能な方法はいくらでもあります。なぜならば、財政支出は、憲法83条に定める財政民主主義で、日本国は主権でいくらでもコントロールすることが可能だからです。

                       

                      ●財政支出をコントロールするのは中央銀行(=日銀)ではなく、政府の仕事である

                      →これは、仰る通り。異論はありません。中央銀行はマネタリーベースを操作することは可能ですが、マネーストックを操作することはできません。

                       

                      ●MMT理論推進者の中には、政府はどうやって財政支出をコントロールし、財政赤字を止められるか?という問いに対して、「憲法83条に定める財政民主主義で国会が決める」と逃げる

                      →先に回答した通りです。逃げてもいません。

                       

                      ●政治家が財政支出を決めたら選挙のたびに財政出動が行われ、社会保障支出は際限なく膨張する

                      →社会保障支出が際限なく膨張すれば、支出増=生産増=所得増となって、国民の所得が増えて、しかも最先端の治療を受けることが金銭的にも供給的にも可能となって、日本国民の多くが豊かになれるでしょう。

                       

                      ●国債が暴落してインフレになったとき、国会で法改正を審議できるのか?

                      →そもそも国債が暴落する、金利が上昇するというのは、デフレ脱却したときです。国債が暴落したとしても、中央銀行の日銀が買い取れば、暴落を防ぐこともできますし、安倍政権下で、実際に日銀が国債を買い取っています。国会でどのような法改正を審議するのでしょうか?意味不明です。

                       

                       言葉尻だけを取ったように受け止められるかもしれませんが、それは本意ではありません。しかしながら、池田信夫氏の主張について、FTPLを持ち出して現在価値だとかいっても、政府の負債を5000兆円にすることに対して財政的な制約はないことだけは、改めて主張しておきたいと思いました。

                       

                       

                       

                      3.真の制約はお金ではなくモノ・サービスを供給する力

                       

                       国家が存続するのに、真の制約とは何なのでしょうか?家計や企業と同じようにお金が制約になるのでしょうか?

                       

                       仮に1000兆円が今年4000兆円の公共事業をやるために、政府債務を5000兆円にすることは可能です。問題は、この場合の公共事業は何年がかりでやるのか?ということ。

                       

                       200年で4000兆円の公共事業をやると計画し、毎年均等に予算を執行するとなれば、毎年政府の負債は20兆円ずつ増えて公共事業も少しずつやることになりますが、1年間で4000兆円もの公共事業をやるとなった場合、財政的は可能であることは言うまでもありませんが、供給能力で制約が出てくる可能性があります。

                       

                       私はインフラ整備を推進する論説も数多く記事に書いていますが、インフラ整備をしたくても供給面で制約があるという意味で、財政出動したくてもできないということが出てくるのです。

                       

                       例えば1年間でリニア中央新幹線を完成させて関空までの延伸も1年間で完成させ、新幹線整備網にある整備新幹線を全て実用化させて1年間で完成させ、2万TEUのタンカーを直接着岸できるようにするために港湾の整備を1年間で完了させ、防衛のためにイージス艦を1000隻建造完成させ、10式戦車を10000台1年間で製造配備させ、防波堤防潮堤を1年間で全国で張り巡らせ、全国すべての公立小中高校や病院に酷暑対策でエアコンを1年間で設置完了させ、日本海側の高速道路を1年間で全線片側2車線の4車線化を完了させ、生産性向上のための科学技術投資で新素材を1年間で発見し、全国で通行不能となっている橋とトンネルの補強工事を1年間で全て補修完了させ、・・・・・・・・・

                       

                       これ、1年間で完成させるというのは、無理だと思いませんでしょうか?

                       

                       デフレでそもそも企業が倒産したり廃業したりしていて、地方のゼネコン業者は減少し、技術・ノウハウを持った人材が不足している今の日本は、20年前と比べて供給力が弱っています。その供給力が弱っている状況で、果たして上述のようなことが1年間でできるでしょうか?

                       

                       これが制約であり、ボトルネックです。

                       

                       お金など、いくらでも発行できます。その気になれば4000兆円の負債を増やすことなど、デジタルで、「4」を1回と「0」を15回押して、Enterボタンをポチっと押すだけで、1分もかからず増やすことはできます。

                       

                       問題は、お金の問題ではなく供給力であるということがご理解いただけるでしょうか?

                       

                       

                       というわけで今日は「財政赤字は悪ではなく、国の借金は5000兆円でも問題ありません!」と題して論説しました。

                       政府の負債が1000兆円から増えたとしても、何ら問題はありません。むしろデフレを放置することで、虎の子の供給力が毀損してしまうことこそ、危惧されることです。一度失った供給力は、簡単には復活できないからです。

                       政府がカネカネカネとやって、政府の負債を返済して支出を抑制する緊縮財政を継続し、負債を増やさなければ経済成長できないことを知らず、デフレ化の環境で国民から消費増税を行うことが、いかに愚かか?改めてご理解いただければ幸いです。

                       

                       

                      〜関連記事〜

                      安倍総理の今後10年は消費税を上げないとする言説について

                      消費税は消費に対する罰則課税です!

                      金融庁の”一人当たり老後資金2000万円必要”との報告書について

                      日本のプライマリーバランスが黒字だったときは?

                      景気動向指数による”いざなぎ越え”の真相

                      デフレの本質を理解していない安倍総理

                      政府支出を拡大すればインフレ率が抑制できなくなるという言説に対する反論

                      公共事業などの政府支出は銀行預金で借りているわけではありません!

                      反論になっていない財務省の”増税不要論”への反論

                      MMT理論の批判論に対する反論!

                      税金の役割とは何なのか?

                      ゼロからお金を生み出すことができるのが銀行です!

                      借入金の否定=資本主義の否定(信用創造機能とは何か?)

                      日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!

                      国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

                      ”政府は借金し放題”という”現代金融理論”について

                      グリーン・ニューディール政策と現代金融理論

                      親日家の投資家ジム・ロジャーズ氏が指摘する日本の財政破綻に反論する!

                      憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!

                      日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!


                      消費増税は、リーマンショック何回分のダメージか?

                      0
                        JUGEMテーマ:経済成長

                        JUGEMテーマ:年金/財政

                        JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                         

                         今日は「消費増税は、リーマンショック何回分のダメージか?」と題して論説します。

                         

                         安倍政権は、リーマンショッククラスの事件が起きない限り、10月からの消費増税は予定通り実施するとしており、消費増税の是非は参議院選挙の争点の一つになっています。

                         

                         消費増税をすると、消費が鈍化するのは明白で、何しろ消費に対する罰則課税であるため、V字回復どころかL字で回復せず、物価下落を通じて、実質賃金も下落していくことになります。

                         

                         例えばたばこ税を引き上げた場合も、喫煙者が「これからタバコをガンガン吸うぞ!」とはなりませんし、炭素税を引き上げる場合も、企業経営者が「これから二酸化炭素をガンガン排出するぞ!」とはなりません。

                         

                         それと同様に消費増税した後、「消費をガンガン増やすぞ!」という人はいません。消費税が消費に対する罰則課税なので、いうまでもありません。

                         

                         そして経済成長というGDPでみますと、日本のGDP500兆円のうち、6割の300兆円が個人消費です。そのため、消費増税による経済成長の鈍化・抑制の影響が極めて大きいのです。

                         

                         特に日本の場合、バブル崩壊後に緊縮財政をやってしまったため、1997年の消費増税5%UPをやって以降、経済成長しなくなりました。下記はGDPの伸び率について世界各国と比較したグラフです。

                         

                        <世界主要国のGDPの伸び率>

                        (出典:世界経済のネタ帳)

                         

                         上記の通り、日本が失われた20年といわれるのが、よく理解できるかと思います。1997年と2016年の比で、中国は13倍、韓国が2.4倍、米国2.3倍、英国1.9倍で、日本が1.0倍です。

                         

                         1997年の消費増税では、増税前バブル期がGDPで3%〜4%と伸びていて、バブル崩壊後でも2%以上伸びていました。2%台というのは、OECD加盟国97か国中95番目でものすごい低い数値であり、その状況で橋本政権のときに消費増税5%をやりました。その直後のGDPは0.16%にまで下がり、97か国中最下位になったのです。

                         

                         したがって1997年の消費増税5%をやっていなければ、バブル崩壊後も2%台で経済成長していたこととなり、もしそうだとするならばGDPの伸び率がどのくらい抑制されてしまったのか?計算することができます。

                         

                        <ケーススタディ>

                        ●1997年のGDP500兆円

                        ●1997年の消費増税5%がなかったとして消費税率3%のまま1997年〜2018年まで22年間GDPが2.0%ずつ伸びていたと想定

                         

                         500兆円×1.020^12(1.020の12乗)=約4,350兆円

                         

                         消費増税というよりも、1997年の構造改革基本法の制定がなければ、公共事業の削減もしなかったでしょうし、伸びる医療・介護費も抑制することはなかったでしょう。

                         

                         その結果、政府支出や個人消費が伸びたものとして2%ずつ成長していれば、実にGDPは8倍以上にもなっていたのです。逆に消費増税と公共事業削減と医療・介護費の抑制によって、約4,800兆円GDPが下がったともいえます。

                         

                         リーマンショックのとき、消費が落ち込みましたが、その時の被害が約90兆円で、90兆円÷1億3000万人≒692.307円で、一人当たり70万円の損失です。

                         

                         消費増税で約4,800兆円下がったということと、リーマンショックで約90兆円の被害があったとするならば、実にリーマンショックが50回で4,500兆円となるため、リーマンショック50回以上のダメージを受けると、今の日本経済になるということがいえます。

                         

                         そのため、リーマンショック級という概念自体が成立せず、経済成長率は何年も経過すると、すさまじい被害を被るということがわかります。

                         

                         

                         

                         というわけで今日は「消費増税は、リーマンショック何回分のダメージか?」と題して論説しました。

                         2014年の消費増税8%から既に5年が経過しました。リーマンショック何個分か?といえば、2014年の8%増税前は、1.数%消費が伸びていましたが、それ以降は0.4%程度に落ち込みました。またバブル崩壊後2.数%経済成長していたとき、1997年の5%増税で1.数%に経済成長率が抑制されています。もし10%増税をすれば、ほとんど0.0%で全く経済成長しなくなります。

                         安倍首相の判断で、既にリーマンショック級の何個分になるのか?我が国は、その被害を受けようとしているのです。

                         

                         

                        〜関連記事〜

                        消費税は消費に対する罰則課税です!

                        金融庁の”一人当たり老後資金2000万円必要”との報告書について

                        日本のプライマリーバランスが黒字だったときは?

                        景気動向指数による”いざなぎ越え”の真相

                        デフレの本質を理解していない安倍総理


                        安倍総理の今後10年は消費税を上げないとする言説について

                        0
                          JUGEMテーマ:経済成長

                          JUGEMテーマ:年金/財政

                          JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                           

                           今日は「安倍総理の今後10年は消費税を上げないとする言説について」と題して論説します。

                           

                           いよいよ投開票が近くなった参議院選挙ですが、自民党は消費増を10%に引き上げるとして選挙を戦っています。その中で、安倍総理は「10月に消費税を10%に引き上げた後、10年間は消費増税の必要はない」との考えを示しました。一方で、立憲民主党の枝野氏は、消費増税10%への引上げに反対の考えを明らかにし、選挙戦を戦っています。

                           

                           安倍首相は、将来の社会保障費の財源として、消費増税に加えて高齢者の雇用拡大による税収増で確保できるとしています。

                           

                           私はかねてから消費増税に反対の立場で論説していますが、日本経済の崩壊が現実味を帯びてきたと考えます。日本の発展途上国化が現実味を帯びてきたともいえます。おそらく消費税を上げた時点で、経済はガタガタになるでしょう。

                           

                           今後10年間上げないからとか関係なく、デフレ下での消費増税UPで、さらにデフレが促進し、値下げ圧力で儲かりにくくなって銀行の経営はより苦しくなり、小さい個人商店の小売業は廃業が増え、大手の流通業も値下げしないと売れないということで、賃金は伸び悩みます。

                           

                           これが物価上昇率で5%とか6%とか7%とかなら、まだ理解しますが、そうではない以上、上述のシナリオが見えているにもかかわらず、安倍首相は3党合意で決めたことだからとして、消費税を引き上げるといっています。

                           

                           しかしながら3党合意の中で、民主党の流れをくむ立憲民主党の枝野代表は、3党合意について、結果的にあの判断は間違っていたといっているため、3党合意など存在していないのです。

                           

                           したがって、安倍首相は消費増税をする大義名分はなく、法律で決まっていたとしても、法律で消費増税を凍結したり減税したりすることもできるわけであって、それをやらず消費税を上げるというのは、もはや安倍首相自身が勝手に消費税を引き上げるという話になってしまっているのです。

                           

                           第2次安倍政権が誕生する前の2012年の総選挙のとき、デフレ脱却するまで消費税を引き上げないと言っていたにもかかわらず、安倍首相自身が勝手に消費税を引き上げるとなれば、そのとき主張していた「デフレ脱却するまで消費税を引き上げない」というのはウソだったということになります。

                           

                           今回の消費増税によって、幼児教育の無償化、高等教育の無償化に充当するといっていますが、もちろんお金に色はついていないので、確かに充当するでしょう。

                           

                           しかしながら増税分を充当したとして、その恩恵を受けた人らが、幼児教育費、高等教育費の無償化された分の金額を消費に使ってもらわなければ、消費に使ってもらわなかった分が経済効果がなかったということになります。デフレで先行きの見通しが悪い状況では、幼児教育費や高等教育費を無償化にしたとしても、その分月給から貯金する金額が増えるだけにならないでしょうか?

                           

                           ましてや老後2000万円が必要などという金融庁のレポートが出ているくらいですので、現金配布やそれに類似する無償化政策をやったとしても、毎月もらっている給料から貯金や株式投資・投資信託への投資をする金額が増えるだけです。というより金融庁の報告書は、麻生大臣が受け取らなくても、給料から消費を抑制して株式投資・投資信託への投資を増やすことを奨励しているのではなかったのでしょうか?

                           

                           株式や投信への投資に限らず、普通に貯金や住宅ローンの返済、自動車ローンなどの各種ローンの返済に回ることもあります。この場合、貯金も借金返済も、GDPにはカウントされません。GDP3面等価の原則でいう、誰かの生産にもなっておらず、誰かが費消したことにもなっておらず、誰かの所得も生み出しません。株式投資や投資信託への投資でいえば、投資額が丸々GDPにカウントされるわけではなく、株式売買手数料や投信販売手数料・信託報酬という投資額から微々たるものだけが証券会社や銀行などの金融機関の所得としてGDPにカウントされるだけです。

                           

                           また消費税で増税したお金は、一般会計に入るため、何に使っているかは不明で、その上、政府の負債を返済する原資にも充当するでしょう。

                           

                           デフレの状態で政府の負債を減らすとなれば、反対側で誰かの預貯金も減ります。借金だけが残ることはあり得ませんので、借金をすれば反対側で課している誰か?預金者がいるので、例外なく必ずそうなります。普通の貨幣理論でいえば、現金を償却・滅却するという話であり、デフレ圧力がますますかかることでしょう。

                           

                           消費増税をした後、GDPの成長率は大きく低迷し、実質賃金も落ち込むことが既に実証されていまして、下記は実質賃金指数の推移です。

                           

                          <2015年を100として、1990年〜2018年の期間における実質賃金指数の推移>

                          (出典:厚労省のホームページの毎月勤労統計の資料の数値を引用)

                           

                           

                           このように消費増税をすることで、景気が悪くなって給料が減り、雇用規制が緩和されているがゆえに非正規雇用が増えて結婚できない若者が増え、さらに少子化に拍車がかかることは明白です。

                           そして、デフレ圧力が強まることで、虎の子の供給力が毀損され、日本が発展途上国化の道を突き進むことになると思うと、大変つらいです。

                           

                           

                           というわけで今日は「安倍総理の今後10年は消費税を上げないとする言説について」と題して論説しました。

                           

                           

                          〜関連記事〜

                          消費税は消費に対する罰則課税です!

                          金融庁の”一人当たり老後資金2000万円必要”との報告書について

                          日本のプライマリーバランスが黒字だったときは?

                          景気動向指数による”いざなぎ越え”の真相

                          デフレの本質を理解していない安倍総理

                          政府支出を拡大すればインフレ率が抑制できなくなるという言説に対する反論

                          公共事業などの政府支出は銀行預金で借りているわけではありません!

                          反論になっていない財務省の”増税不要論”への反論

                          MMT理論の批判論に対する反論!

                          税金の役割とは何なのか?

                          ゼロからお金を生み出すことができるのが銀行です!

                          借入金の否定=資本主義の否定(信用創造機能とは何か?)

                          日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!

                          国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

                          ”政府は借金し放題”という”現代金融理論”について

                          グリーン・ニューディール政策と現代金融理論

                          親日家の投資家ジム・ロジャーズ氏が指摘する日本の財政破綻に反論する!

                          憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!

                          日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!


                          ”ダメな自民党”と”もっとダメな野党”の議論といえる対韓国輸出管理強化問題について

                          0

                            JUGEMテーマ:通商政策

                            JUGEMテーマ:安全保障

                            JUGEMテーマ:グローバル化

                            JUGEMテーマ:韓国ニュース

                             

                             私は、かつてNHKの番組の「日曜討論」という番組が好きで、欠かさず見ていたのですが、今はほとんど見なくなりました。理由は、与野党ともに”わかっていない人”と”もっとわかっていない人”が討論しているというのがその理由です。

                             

                             昨日も韓国への半導体材料の特別措置を辞めたことについて取り上げましたが、7/14のNHK番組の「日曜討論」でも、この問題が取り上げられたと報じた新聞記事を見つけたため、今回も昨日に続き、韓国向けの半導体材料の輸出規制に関する問題を取り上げ、「日本の国会議員が全く仕事をしていないこと」と「米国のトランプ政権だったらどうするであろうか?」について私見を述べたく、「”ダメな自民党”と”もっとダメな野党”の議論といえる対韓国輸出管理強化問題について」と題して、昨日とは別の角度から下記の順で論説します。

                             

                            1.日本政府の対応は禁輸でもなければ規制強化にも該当せず!

                            2.韓国との間に問題が山積しているのに何もしない日本政府と、関税を使って問題を解決する米国政府と米国議会

                            3.立憲民主党、共産党、社民党の反論は論外

                             

                             まずは、産経新聞の記事をご紹介します。

                            『産経新聞 2019/07/14 11:45 立民や共産、対韓輸出管理強化を批判 自民「正しい措置」と反論

                             与野党の幹部は14日のNHK番組で、政府が半導体材料の韓国向け輸出管理を強化したことをめぐり論戦を交わした。立憲民主党の福山哲郎幹事長は「(いわゆる徴用工問題など)政治的問題に通商的な対抗措置を取ったと国際社会から見られるのは国益上マイナスだ」と政府の対応を批判した。自民党の萩生田光一幹事長代行は「直接の報復措置ではなく安全保障の問題で、政府の措置は正しい」と応戦した。

                             共産党の小池晃書記局長も「政治的紛争の解決に貿易問題を使うのは禁じ手だ」と政府を批判し、社民党の吉川元(はじめ)幹事長は「ナショナリズムをあおることはやめるべきだ」と福山氏に同調した。

                             一方、日本維新の会の馬場伸幸幹事長は政府の対応を評価した上で「韓国大統領の国内での立ち位置が日韓関係に影響を与えている。大統領が代わらないと改善の見込みはない」と主張。公明党の斉藤鉄夫幹事長は「安全保障上の必要な措置」と指摘しつつ「大切な隣人とはしっかりと意見交換していく」と強調した。

                             萩生田氏は福山氏らの批判に対し「日韓の信頼関係が崩れているのは徴用工問題だけではなく、(元慰安婦を支援する)財団の解散を含め、日韓間で積み上げてきた約束事ができていないからだ」と反論した。

                             国民民主党の平野博文幹事長は「わが国の措置は必要な措置だが、報復措置的に捉えることだけは避けるべきだ」と述べた。

                             

                             

                            1.日本政府の対応は禁輸でもなければ規制強化にも該当せず!

                             

                             昨日も取り上げておりますが、この記事は、日本政府が7/1、韓国向けの半導体材料の輸出規制を強化すると発表し、日本政府は元徴用工の訴訟に関する対抗措置ではないと説明する一方、韓国政府がWTOのルールに反するとして、在韓国日本大使を呼び出して抗議するなど、強く反発している問題です。

                             

                             この問題に対して、韓国に対する輸出規制と日本のマスコミは、「事実上の禁輸」であるかの如く、輸出規制と勇ましく報道しています。これに対して、日経ビジネスに元経済産業省で貿易管理の責任者で、現在は中部大学特任教授の細川昌彦氏が、7/3面白い解説をしていました。

                             

                             その解説を要約すると下記のとおりです。

                            ●この問題は、そもそも韓国に対して新たに輸出規制を発動するものではない

                            ●韓国向けの半導体材料の輸出について2004年から特別な優遇措置が取られていた

                            ●日本から韓国などの海外に輸出する際は、政府の許可が必要だが、その許可を取る手続きを簡素化する手続きがある

                            ●韓国はその簡素化する手続きが取れる優遇措置の対象になっていた

                            ●今回、韓国をその対象から外し、普通の手続きが必要という形に戻すだけのこと

                             

                             細川昌彦氏によれば、この簡素化した手続きは3年間有効な「包括許可」と呼ばれるものでして、包括的な許可を韓国が一回とれさえすれば、3年間は簡単に輸出がスムーズにできるようになります。

                             

                             本来ならば輸出の許可は、「個別許可」が必要なのですが、契約ごとに個別に許可を取るのが普通であり、今回韓国はその普通の手続きが必要になっただけの話です。

                             

                             包括許可の簡略化は、特別に信頼できる相手国のみ認められているものであり、そうした対象国のことをホワイト国と呼びます。

                             

                             韓国は2004年からホワイト国だったのですが、今回外れました。だからこれは禁輸でもなければ規制強化にも該当しません。

                             

                             「特別扱いをしない」は規制強化とは言いません。これは明らかに安倍政権を”ヨイショ”したいマスコミのミスリードではないでしょうか?

                             

                             

                             

                            2.韓国との間に問題が山積しているのに何もしない日本政府と、関税を使って問題を解決する米国政府と米国議会

                             

                             そんな中、日経ビジネスの細川義彦氏の解説は、韓国の問題になると嫌韓感情に反応するマスコミが多いのと比べて、極めて冷静な解説であるといえます。

                             

                             しかしそれ以上に問題なのは、韓国との間に問題が山積しているにもかかわらず、日本政府が何もしていないという不作為があることです。

                             

                             韓国人の元徴用工の訴訟問題では、実際に大変な問題が起きており、韓国への強硬措置を求める声も上がっています。

                             

                             具体的には、今回のような貿易に関して韓国に対して輸出を許可しないという方針にして事実上の禁輸措置を取るという厳しい手段もあるはずという声があります。

                             

                             ところが日本政府の考え方としては、日本は法治国家であるため、政治的な道具として恣意的に法律を利用するのはいかがなものか?という意見になっています。

                             

                             だとすれば、トランプ政権の報復関税はどう考えるべきなのでしょうか?

                             

                             恣意的な政治道具として法律を使っているとしか言いようがありません。ですが、トランプ政権は関税を政治的な道具として使うことによって実際に問題を解決しています。

                             

                             その一方で、日本は韓国との問題を解決しようと何もしておらず、もし米国だったらどうなるのか?ここに真の問題があると私は考えます。

                             

                             米国の議会であれば、この状況に遭遇した場合、おそらく韓国のような相手国に対して、輸出不許可にする新たな法律を作るでしょう。何しろ、中国から台湾を守るために、2018年3月16日に台湾旅行法(Taiwan Travel Act)を制定しました。それだけではなく、ウイグル問題で中国の人権侵害を阻止するため、ウイグルで顔認証システムを製造している企業を割り出し、経済制裁をかけようと、議会が法律を制定する動きもあります。議会は法律を作るのが仕事であり、米国の場合は対中国に対して、与野党の共和党・民主党を問わず、超党派で作ります。

                             

                             ところが日本の国会議員は法律を作るのが自分たちの仕事と思っていないのか?日本政府が動くのをただ待っているだけで、議員立法で通商政策について韓国へ厳しい措置を取るなどの法律を作ろうとする動きはありません。

                             

                             また米国政府は、2019/07/01に米国通商代表部のUSTRがEUに対して、エアバス社に対し、フランス政府が補助金をたくさん出していると指摘し、これがWTO違反であるとして約40億円相当の貿易について追加関税を課す可能性を発表しています。

                             

                             これがまさに今のトランプ政権のやり方です。フランス政府の輸出補助金を問題にしているのですが、そういう意味でWTOのルールの範囲内で、トランプ政権はEUに対して戦いを挑んでいます。

                             

                             政府の補助金というならば、サムスン電子に対して巨額の補助金を出している点で、韓国政府も同じです。韓国は国家を上げて国家の保護のもとで、巨大企業を作り上げてきました。

                             

                             その結果、日本の民間企業は多大な損害をずっと被ってきたにもかかわらず、政府は何もしません。

                             

                             もし米国政府だったら、すぐにWTOへ提訴していたであろうし、米国議会だったら輸出不許可の法律を作っていたことでしょうし、米国政府が補助金で韓国政府を追い詰めることもあり得たでしょう。

                             

                             日本も同じようなことを検討すべきではないでしょうか? 

                             

                             

                             

                            3.立憲民主党、共産党、社民党の反論は論外

                             

                             米国議会は与野党問わず、仕事をします。それに比べて日本の議会は全くダメだと思います。ご紹介した産経新聞の記事では色を付けさせていただきましたが、野党の反論についてみていきたいと思います。

                             

                            ●立憲民主党の福山哲郎幹事長

                            (徴用工問題など)政治的問題に通商的な対抗措置を取ったと国際社会から見られるのは国益上マイナスだ!

                            杉っ子の解説⇒国益が何なのか?理解をしていないのではないでしょうか?

                             

                            ●共産党の小池晃書記局長

                             政治的紛争の解決に貿易問題を使うのは禁じ手だ!

                            杉っ子の解説⇒「禁じ手」という語彙を使って何か日本政府が悪いことをやっているかの如く印象操作をする言説です。普通に米国は貿易問題を紛争解決手段として使って、実際に問題を解決しています。

                             

                            ●社民党の吉川元幹事長

                             ナショナリズムを煽ることはやめるべきだ!

                            杉っ子の解説⇒優遇措置を辞めただけの話が、なぜナショナリズムを煽ることになるのか?意味不明です。

                             

                             

                             このようにNHKの日曜討論の内容は、本当にレベルが低い。ダメな奴とダメダメな奴とダメダメダメな奴らが集まって話し合っているようなもので、はっきりいって時間の無駄です。貴重な公の電波を使って、このようなレベルの低すぎる議論を報じているNHKもはっきりいってダメダメだと私は思います。

                             

                             

                             というわけで今日は「”ダメな自民党”と”もっとダメな野党”の議論といえる対韓国輸出管理強化問題について」と題して論説しました。

                             3連休のとき、JR新宿駅近辺で、参議院選挙の候補者の宣伝カーが「○○候補です。私に仕事をさせてください!」と北海道出身の維新の会から出馬している旧自民党の超ベテランの議員と遭遇しましたが、その議員が仕事をさせてあげられるくらい真剣に国益を考えているか?といわれると、超ベテラン議員といえども、私は甚だ疑問に思います。

                             当選回数に関係なく、真の国益を理解し、そのために行動できる人を私たちは選ばなければ、日本は亡国に突き進むものと改めて思うのです。

                             

                             

                            〜関連記事〜

                            韓国の文在寅大統領のWTO提訴の警告について

                            中国ウイグル自治区の再教育キャンプで行われているウイグル人への拷問

                            トランプ大統領の国連の武器規制条約からの撤退の意味とは?

                            中国共産党によって人権と民主主義が脅かされている香港を支援する米国と何もしない日本


                            日本政府は韓国に対して、半導体材料の輸出を規制したのではなく、特別扱いを辞めただけです!

                            0

                              JUGEMテーマ:通商政策

                              JUGEMテーマ:安全保障

                              JUGEMテーマ:グローバル化

                              JUGEMテーマ:韓国ニュース

                               

                               今日は「日本政府は韓国に対して、半導体材料の輸出を規制したのではなく、特別扱いを辞めただけです!」と題して論説します。

                               

                               下記はブルームバーグの記事です。

                              『2019/07/12 10:13 半導体材料の輸出規制で日韓会合、「予防的な措置」と経産省幹部

                               日韓両政府は12日午後、軍事転用も可能な半導体材料を対象とした日本の韓国への輸出規制を巡り、初の事務レベル会合を都内で開いた。経済産業省幹部によると、日本側は韓国の貿易管理体制がぜい弱だと指摘し、「予防的な措置」として実施したなどと説明。韓国側から撤回を求めるとの発言はなかったという。

                               経産省と韓国産業通商資源省の課長らが出席した。4時間半に及んだ会合で、日本側は半導体の製造に使用されるフッ化水素など3品目について日韓間の貿易管理上、不適切な事案があったため、輸出管理を強化したと説明。徴用工問題などを念頭に置いた対抗措置ではないとの考えも伝えた。経産省幹部は記者団に対し、韓国側には理解してもらったとの認識を示した。
                               韓国側はこれまで措置撤回を求めてきたが、日本側は拒否。経産省は、今回の会合について措置の内容を事務的に説明するためであり、「輸出管理当局間の協議の場ではない」と位置付けていた。
                               日本政府は韓国の輸出管理を巡り、不適切な事案があったとして4日、半導体の製造に使用されるフッ化水素など3品目について、輸出許可取得の手続きが簡素な「包括輸出許可制度」の対象から韓国を外し、個別の許可制とする措置を発動。貿易上の優遇措置が適用される「ホワイト国」から除外するための政令改正について意見募集も開始した。韓国とは輸出管理を巡り、3年以上、十分な意思疎通、意見交換が行われていないとも説明している。

                               元経産省貿易管理部長の細川昌彦中部大特任教授は日本側の措置について、「当然やるべきことをやった」と指摘する。韓国に輸出管理を教え、国際的な枠組みに韓国が参加できるよう国際社会に働き掛けたのは日本であり、こうした事態は「恩をあだで返されている」と話す。日本が韓国をホワイト国としたのは「緊密に意見交換をすることを前提」としたもので、今回その前提が「裏切られた」と指摘した。細川氏は1990年代から輸出管理分野を担当し、韓国側とも協議を行ってきた。

                               

                              個別許可制

                               

                               韓国側は日本の措置は不当な輸出制限措置であると批判。文在寅大統領は10日に開いた財閥トップらとの懇談会で、日本が政治的な目的で韓国経済に打撃を与える措置を取っているとの見解を示した。

                               細川氏は日本の対応は禁輸措置ではなく、「許可のスタンダードを変えたわけではない」ことから、資料提出などを円滑に行えば、韓国企業側に大きな打撃はないとの見方を示す。個別許可制は原則として審査には90日以内の時間を要するとしているが、実際には「平均で4−5週間」であり、「問題のない場合はもっと早い」とした。
                               日本側は措置発動の理由とする不適切事案の具体的内容については明らかにしていない。韓国の産業通商資源省は10日、15−19年に戦略物資の違法輸出を156件摘発したが、日本から輸入されたフッ化水素が他国に不正輸出された例はないと発表した。

                               細川氏は、輸出管理分野での不適切事案について「日本から韓国に輸出したものが韓国側で軍事用途に使われたか、韓国から第三国に流失したかのいずれか」であると指摘。韓国が発表した摘発数について「相場観からすると非常に多い」として、「その中に日本から輸出されたものが含まれていてもおかしくない」との認識を示した。

                               

                               

                               上記の産経新聞の記事は、日本政府が韓国に対して、半導体材料の輸出を「包括許可」という優遇措置が受けられるホワイト国から外したとされるニュースです。

                               半導体材料の3品目(フッ化水素、フッ化ポリイミド、レジスト)の輸出に際して、今まで韓国はホワイト国と日本に認定され、一定期間を定めて包括的に輸出許可をもらっていました。しかしながら、今後は出荷ごとに日本政府への申請が必要となり、個別に審査をすることとなります。

                               

                               一般的には、個別許可となると、審査に90日以上かかるといわれており、在庫が1カ月程度しかないとされる韓国の半導体メーカーの生産が滞る可能性があるという指摘があります。

                               

                               とはいえ、私はこの日本のマスコミの報道には違和感を持ちます。日本のマスコミもそうですが、このブルームバーグでも「輸出規制」という言葉が使われています。ひょっとすると多くの日本国民が輸出規制を発動したと思いかねないのですが、実際は輸出規制を発動したのではなく、これまでの優遇措置を取りやめたというだけのことであって、規制を発動したわけではなく優遇を取りやめたという話です。

                               

                               「優遇を取りやめた」ということについて、普通は規制を発動したとは言いません。日本語がおかしいのですが、おそらくマスコミが安倍政権を「ヨイショ!」して、規制を発動したと報じているのでしょう。

                               

                               なぜならば「規制をした!」と報じれば、「韓国に対して厳しい対応をした!安倍政権は、すごいな!」となるわけです。

                               

                               ところが実際は何もすごいことはしていません。普通の国と同じ扱いにしたというだけなので、規制しているわけではないのです。

                               

                               確かに韓国にとって厳しい措置であることに違いありませんが、日本にとっては単に優遇措置を辞めただけに過ぎません。

                               

                               韓国からは、日本政府の措置についてWTOの協定違反で訴えるとしていますが、安全保障上の重大な利益を保護するために各国は必要な措置がとれると定められており、安倍総理はWTOに反している措置ではないと主張しています。

                               

                               仮にWTOに反している措置とするならば、優遇措置をしていない他国のすべての国から訴えられることとなり、韓国にとっては今までの優遇措置とは何なの?ということにならないでしょうか。

                               

                               普通の状態がWTO違反という状況を主張すればするほど、今までの優遇措置を認めたことになるわけで、なんでこんな言い方をするのか?私には理解ができません。

                               

                               にもかかわらず、康京和外相は、「徴用工問題に対する不合理で常識に反する報復措置だ!」と主張しており、なぜ優遇措置を辞めたというだけでそのような言われ方をされなければならないのか?腹立たしく思います。

                               

                               その一方で、日本の経済界の中には貿易で影響を受ける可能性があると指摘する声があるのですが、こうした声は何が基本なのか?勘違いしているとしか言わざるを得ません。

                               

                               安全に貿易できるのが当たり前というのは、普通に間違っています。輸出にしても輸入にしても、国家間では何が起きるかわからないのが常であり、戦争になったり契約上でもめることなど、普通に起こり得る話です。

                               

                               「輸出入が普通にできるのが当たり前」という言説は、「何を甘えたこと言っているんだ!」という話であって、「普通に貿易ができる状況の方が、ありがたいと思っておけ!」ということです。

                               

                               

                               というわけで今日は「日本政府は韓国に対して、半導体材料の輸出を規制したのではなく、特別扱いを辞めただけです!」と題して論説しました。

                               例えば家族の場合、他人はどうなるのかわかりませんが、家族は仲良くしておこうとなります。何しろ何年も一緒に暮らしているわけですから、当然そうなります。そしてこれを経済で当てはめれば、外需に依存するのではなく、内需を大切にすることに他なりません。

                               韓国のこの問題に対して、マスコミの報道の仕方に問題があるとは思うものの、その一方で経済界の人々らに対しても「国家間の付き合い方の認識が甘い!」と指摘したいと、私は思うのです。

                               

                               

                              〜関連記事〜

                              韓国の文在寅大統領のWTO提訴の警告について

                              息を吐くように嘘を吐く韓国への制裁の検討は、やむを得ない

                              日韓請求権協定は国際法であり、国際法を守ることは国家の基本的な存立条件です!

                              日韓請求権協定は国際協定なので憲法・主権の上に立つ!

                              サムスン電子について


                              世界中が同時不況に向かおうとする中、減税によって経済成長へ転じる親日国ウズベキスタン

                              0

                                JUGEMテーマ:海外旅行 総合

                                JUGEMテーマ:経済成長

                                JUGEMテーマ:国債

                                 

                                 今日は親日国ウズベキスタンについて取り上げたく、「世界中が同時不況に向かおうとする中、減税によって経済成長へ転じる親日国ウズベキスタン」と題して論説します。

                                 

                                1.自国通貨を完全変動相場制に移行したウズベキスタンが、大減税をやって経済成長へ!

                                2.日本とウズベキスタンの国交樹立25周年記念プロジェクト映画の公開

                                3.マグニチュード5.2という大規模地震でも倒壊しなかったナヴォイ劇場

                                 

                                上記の順で論説します。

                                 

                                 

                                 

                                1.自国通貨を完全変動相場制に移行したウズベキスタンが、大減税をやって経済成長へ!

                                 

                                 ウズベキスタンは1992年にソ連から独立した国ですが、人口は3,200万人と中央アジアで最も多い国です。

                                 

                                 独裁政権のカリモフ大統領が2年間に亡くなり、ミルジオエフ大統領になってから、自由市場の方向へと舵を切りました。特に通貨政策について、自国通貨のスムを完全変動相場制に移行しました。あの中国ですら、人民元は完全変動相場制になっていないのですが、ミルジオエフ大統領は勇気をもって完全変動相場制へ移行し、さらに大減税を行いました。

                                 

                                 そのウズベキスタンが経済成長しつつあるということで、7/9のブルームバーグの記事をご紹介します。(日本語訳がないため、原文のまま掲載します。)

                                『2019/07/09 15:25 Uzbekistan May Issue More Eurobonds This Year, Central Bank Says

                                 Uzbekistan may tap global debt markets with a second dollar-denominated Eurobond this year after investors lapped up a debut sale in February.

                                 “International investors need to be able to see a country’s credit history,” Mamarizo Nurmuratov, the nation’s central bank chief, said in an interview in St. Petersburg, Russia. “Our first one doesn’t give us a history just yet, it just created a benchmark.”

                                 Policy makers in Central Asia’s most populous nation view the success of the first sale as confirmation that an economic overhaul is working. After emerging from more than two decades of isolation two years ago, Uzbekistan has drawn praise from the International Monetary Fund in the past year for liberalizing its currency market and reforming taxes.

                                 Uzbekistan is rated three levels below investment grade at BB- at S&P Global Ratings and Fitch Ratings, the same as Brazil, North Macedonia and Georgia. The natural gas, gold and cotton exporter sold $1 billion of 10-year and five-year notes in February and would issue a similar amount in a second sale, Nurmuratov said. Commercial banks may also sell dollar bonds this year, he said.

                                 “We don’t need money for state spending, but we need to be present on the international market,” Nurmuratov said. “For now, it makes sense to issue bonds in dollars, because our external trade is mainly in dollars.”

                                 Investors bid more than $5.5 billion for Uzbekistan’s first Eurobond sale. The notes have returned 8.4% since their sale on Feb. 14, compared to 6.2% on average for emerging market dollar debt, according to Bloomberg Barclay’s indexes. 

                                 Uzbekistan has “successfully implemented” a first wave of reforms, and now needs to set priorities for a bigger structural overhaul, the IMF said in a March report. Economic growth in the nation of 30 million will reach 5.5% this year and 6% next, according to IMF estimates.

                                 “We are giving a signal to foreign investors so that they bring direct investment as well as entering our sovereign debt market,” Nurmuratov said. “Debt placements give us an evaluation of progress in our reforms.”』

                                 

                                 

                                 上記の記事は和訳が見当たらず、英語原文のまま掲載しました。見出しは「ウズベキスタン中央銀行は、今年さらにユーロ債を発行するかもしれない」ということで、ウズベキスタン政府が、今年2月に初めて、ドル建てのユーロ債を発行し、金融市場にデビューして、10億ドルの調達に成功したのですが、そのウズベキスタンがユーロ債を追加発行するかもしれないという趣旨の記事です。

                                 

                                 そして、IMFによれば、ウズベキスタンの経済成長率は、今年が5.5%成長で、来年度は6%台の成長になると予測。ウズベキスタンの経済成長が軌道に乗りつつあると報じています。

                                 

                                 そのユーロ債の金利は8.4%と、新興国市場の平均が6.2%よりも2.2%高く、かなり魅力的です。格付けはBB−(ダブルBマイナス)で、これは、南米のブラジルや、東欧の北マケドニア(旧ユーゴスラビア)、ジョージア(旧グルジア共和国)と同じ格付けであると報じられています。

                                 

                                 ミルジオエフ大統領は、昨年2018年5月16日にホワイトハウスで、トランプ大統領と会っているのですが、ウズベキスタンにとっては歴史的な出来事といえます。

                                 

                                 このときトランプ大統領は、ウズベキスタンの経済成長を米国として支援すると約束し、ウズベキスタンはWTOに加盟しました。

                                 

                                 またウズベキスタンは1992年のソ連から独立後、カリモフ政権による独裁が続き、宗教的自由がなく、米国は宗教的自由の迫害国家の認定をしていたのですが、ポンペオ国務長官がウズベキスタンを宗教的自由の迫害国リストから外すことにしたのです。

                                 

                                 

                                 

                                2.日本とウズベキスタンの国交樹立25周年記念プロジェクト映画とナヴォイ劇場

                                 

                                 そして今、ウズベキスタンを舞台にしている日本映画が公開しています。

                                 

                                 「旅のおわり、世界のはじまり」という黒沢清監督の作品で、主役は元AKBの前田敦子さんが主演。さらにウズベキスタンの国民的人気俳優でアディス・ラジャボフさんという男性の方も出演しています。

                                 

                                 この映画は2017年に日本とウズベキスタンの国交樹立25周年を迎えたということと、日本人が建設に携わったウズベキスタンのナヴォイ劇場の完成70周年が重なる記念プロジェクトとして作られた映画です。

                                 

                                 以前、「ウズベキスタン共和国のナヴォイ劇場」という記事で、ナヴォイ劇場を取り上げたことがあります。私こと杉っ子は、2013年12月30日〜2014年01月04日にウズベキスタンを往訪したのです。

                                 

                                <ナヴォイ劇場と日本人墓地>

                                (出典:2013年12月31日に杉っ子が撮影)

                                 

                                 

                                 上記写真のナヴォイ劇場については、知っておられる読者の方がいるかもしれません。

                                 

                                 第二次世界大戦後、日本人がシベリアに抑留され、日本人捕虜がたくさん連れ去られたのですが、この中にウズベキスタンに移送された日本人がたくさんいました。そして、ウズベキスタンの首都のタシケントに連行され、劇場の工事に駆り出されたのです。

                                 

                                 日本人捕虜の人々は、どのような思いで劇場の建設に携わったのか?

                                 

                                 ソ連に評価されて早く日本に帰るために必死に工事をやったというわけではなく、世界一の劇場を完成させることで取り戻したいものがあるという"思い"、その"思い"とは「戦争で失ってしまった我々日本人の誇りである」という"思い"だったのです。

                                 

                                 この時の日本人はソ連の捕虜であり、冬は極寒の状況下、粗末な食事をお互いに分け合いながら厳しい工事をやっていました。その捕虜の日本人の疲労がピークに達していたころ、地元のウズベキスタンの人らが食事を分け与えてくれるようになりました。腐ったジャガイモやら、ほとんど骨ばかりの肉といった粗末な食事しか与えられない日本人捕虜に、地元の人々や子供らが差し入れをするのです。

                                 

                                 日本人捕虜は、差し入れをしてくれた子どもに対して、木で作ったおもちゃをお返しするなど、地元の人々へお礼もしていました。そしてウズベキスタン人は、必死に働いている日本人の姿を見て、「日本はナチスと同じ鬼畜と思っていたが、それは間違いだった!」と気付き、日本人を助けるようになったのです。

                                 

                                 ミルジオエフ大統領の前の2年前に亡くなったカリモフ大統領は、かつて日本人の外交関係者らを目の前にして、次のように語ったと、麻生太郎氏(現財務大臣)がいっていました。

                                 

                                『私は小さいころ、週末になると母親に日本人捕虜が住む収容所に連れていかれ、そこで母親に毎回いわれたことがある。「せがれごらん!あの日本兵を!ソ連兵が見ていなくても働く。お前が大きくなったら、人が見ていなくても働く、そういう人間になりなさい!」と母親にいわれた。私は母親にいわれたことを守り続け、おかげで今日大統領になることができた!』

                                 

                                 こうして、2年かけてこの劇場は完成しますが、完成当時、世界最高峰のオペラハウスという風に呼ばれていました。

                                 

                                 


                                3.マグニチュード5.2という大規模地震でも倒壊しなかったナヴォイ劇場

                                 

                                 捕虜だった日本人が「世界一の劇場を作る」と日本人の誇りにかけて建設したこのナヴォイ劇場。1966年にタシケントで大地震が発生したのですが、その際も無傷だったといわれています。マグニチュードは5.2ということで、1960年代までに世界で発生した地震の規模では5本の指に入る規模というくらい、大きな地震でした。

                                 

                                 そのタシケント大地震では、日干し煉瓦の住宅のほとんどが倒壊したのですが、ナヴォイ劇場は何事もなかったかのように、何一つ壊れずに残りました。

                                 

                                 これだけの大地震でも倒壊しなかったナヴォイ劇場の話は、瞬く間にウズベキスタン国内に広まり、それだけでなく隣国のキルギス、カザフスタン、トルクメニスタン、タジキスタンといった中央アジア諸国に伝わり、「このナヴォイ劇場は、日本人によって作られた」という話が伝わったのです。

                                 

                                 その後、1991年にソ連が崩壊し、ソ連から独立して自分たちで国づくりをすることになるわけですが、このとき日本をモデルとした国づくりをしようという動きにつながりました。

                                 

                                 そして、首都タシケントでは市民の要望によって日本から1000本あまりの桜が輸入され、ナヴォイ劇場や日本人墓地に植樹されました。

                                 

                                 またカリモフ大統領は、ナヴォイ劇場でプレートの作成を命じます。その際、「間違っても捕虜と書いてはいけない。日本人は友人であり恩人だ!」と命じました。

                                 

                                 そのプレートは下記のとおりです。

                                 

                                <ナヴォイ劇場のプレート>

                                 

                                 プレートに書いてある内容は下記の通りです。

                                『1945年から1946年にかけて極東から強制移送された数百名の日本国民が、このアリシェル・ナヴォイー名称劇場の建設に参加し、その完成に貢献した。』

                                 

                                 ソ連によって強制連行されてウズベキスタンのタシケントでの劇場づくりに駆り出された日本人ら、戦争によって失った日本人の誇りを取り戻すために世界一の劇場を作ろうという思い、その思いがこのような形でのちに広がったというのは、大変な感動を覚えます。

                                 

                                 

                                 

                                 というわけで今日は「世界中が同時不況に向かおうとする中、減税によって経済成長へ転じる親日国ウズベキスタン」と題して論説しました。

                                 今、カリモフ政権を経て、為替相場完全変動制移行と大減税によって新たな経済成長を迎えようとしているウズベキスタンですが、2年前は北朝鮮と同じ独裁政治だったのです。

                                 北朝鮮もまたこのように変わることを期待したいと思います。と同時に、タシケントの劇場づくりに駆り出された先人の誇りを、後世に伝えていかなくては!と改めて私は思います。

                                 

                                 

                                〜関連記事〜

                                ウズベキスタン共和国のナヴォイ劇場


                                国際競争力を高めるために法人税を下げなければならないという言説の欺瞞

                                0

                                  JUGEMテーマ:経済全般

                                  JUGEMテーマ:消費税

                                  JUGEMテーマ:年金/財政

                                  JUGEMテーマ:消費税増税

                                   

                                   今日は、「国際競争力を高めるために法人税を下げなければならないという言説の欺瞞」と題して論説します。

                                   

                                   法人税引き下げるということは、どのような発想が背景にあるのでしょうか?

                                   

                                   例えば、法人税を引き下げれば、手元に残るお金が増えるので、「従業員への還元ができるようになって給料が増えるであろう!その結果、消費が増えるだろう!」とか、「設備投資をするだろう!」などとする言説を耳にする機会もあるでしょう。

                                   

                                   しかしながら、デフレが放置されている状態では、法人税がどれだけ下がろうとも、従業員に還元することは難しく、設備投資が増えるということもありません。たとえ、金利がどれだけ下がっても、デフレ環境では設備投資を増やせるはずがないのと同じです。

                                   

                                   なぜならば、デフレ環境では、モノ・サービスの値段を下げなければ、自社製品・サービスを買ってくれないため、値段を下げて売ることになります。値段を下げて売るということになれば、銀行から借り入れて設備投資をしていたとして、その借入金の返済がしにくくなるということは容易に想像できるでしょう。

                                   

                                   よくある言説で「日本の法人税は世界的に見ても高く、税率を引き下げなければ企業が海外に逃げていく」といった指摘がされることもありますが、この指摘は果たして真実なのでしょうか?

                                   

                                   私は全くウソ・デタラメだと思っています。だいたい日本企業すら「儲からない」という理由で投資を控える国で、法人税を引き下げたところで外国企業の投資が増えるはずがありません。

                                   

                                   米国ではトランプ政権になって経済が絶好調であるため、工場を移していた米国の企業が、工場を米国に戻そうとする動きが出てきています。その米国企業も、米国本土から逃げていったわけではなく、工場を他国に移転したというだけのものであって、米国の法人税が高いから取って、米国本土から逃げて行った企業はありません。

                                   

                                   何がいいたいかと言えば、経営者が考えることは、法人税率や金利よりも、まず第一に需要があるか否か?です。需要があって初めて儲かる環境ならば投資してみようか!ということになり、金利計算や税金の計算をして、手元残るお金を計算します。金利がどれだけ低かろうと、法人税がどれだけ下がろうとも、儲からない環境では投資しません。投資していたらその社長は、経営者失格といえるでしょう。

                                   

                                   もう一つ、儲かる儲からないという話とは別に、そもそも企業は法人税をちゃんと納めているのか?という議論があります。日本には租税特別措置法というのがあり、業界の事業に合わせて減税できるルールになっています。

                                   

                                   大企業には法務部など、法律に詳しい人がたくさんいる一方、中小企業にはそのような人材がいません。その結果、法律に詳しい人を抱える大企業は、租税特別措置法を活用して陳情し、どんどん減税しています。

                                   

                                   かつてトヨタ自動車が2008年〜2012年の5期で、5年間連続で税金を払っていないという実績がありました。また、その頃、主要大企業で法人税の実行税負担率が低い順に、上位4企業を並べると下記の通りです。

                                   

                                   みずほ銀行

                                   税引前利益(百万円) 469,327百万

                                   法人税等(百万円) 2,431百万円

                                   実行税負担率 0.5%

                                   

                                   三井物産

                                   税引前利益(百万円) 697,493百万

                                   法人税等(百万円) 38,735百万円

                                   実行税負担率 5.5%

                                   

                                   三菱商事

                                   税引前利益(百万円) 1,284,671百万

                                   法人税等(百万円) 75,460百万円

                                   実行税負担率 5.8%

                                   

                                   三井住友銀行

                                   税引前利益(百万円) 2,270,821百万

                                   法人税等(百万円) 171,865百万円

                                   実行税負担率 7.5%

                                   

                                   

                                   商社の実行税負担率が低い理由は、外国税額控除に加え、麻生政権の2009年度の税制改正で導入された外国子会社からの配当金の非課税制度の影響ではないかと思っています。当時、麻生政権の時、日本国内の投資を促すためという理由で、外国子会社の内部留保を取り崩させ、配当で日本へ還流させようとして、その際の配当金に課税されないようにするという税制改正が行われました。

                                   

                                   そこで低税率国に子会社を作り、負担率を下げる企業も増えました。その影響で、実効税率とは別に実質法人税負担率は、どんどん低下していき、さらに租税特別措置法といった制度を使って優遇され放題になっているというのが、現在の日本の現状です。

                                   

                                   その一方で、一般庶民からは2014年に消費増税8%とし、2019年10月からは消費増税10%になろうとしています。一人当たりの消費額300万円として、消費税額は30万円にもなりますが、大企業を中心に法人税をどんどん払わなくなっていって、逆に普通の国民から消費税で幅広く税金を徴収するというのは、本来の税金の意味である所得再分配機能というものを忘れてしまっているのではないか?と思うのです。

                                   

                                   例えば首都直下型地震のリスクを鑑みて、首都に人口が集中することを回避するため、地方で雇用を増やすために、本社を地方に移したら法人税を引き下げるというのは、安全保障の強化になるので、ありかもしれません。

                                   

                                   しかしながら他国との競争のために法人税率を引き下げ、他国の投資を促すといった言説は、まるで発展途上国の発想に等しいということに気付いていない愚者の言説です。

                                   

                                   発展途上国は自国の通貨が弱く、インフラ整備を自国でできません。そのため外貨で他国から技術を取り入れるということをしなければならず、他国のサービスや技術を買うには、決済通貨はドルで外貨となります。そのため外貨を貯め込むという行動に出るのは、わからないでもありません。

                                   

                                   日本は先進国であり、対外純資産が300兆円を超える世界一の金持ち大国であり、その日本が法人税を引き下げて外国の投資を促すという言説は、全くをもって正当性がないと私は思うのです。

                                   

                                   

                                   というわけで今日は「国際競争力を高めるために法人税を下げなければならないという言説の欺瞞」と題して論説しました。

                                   

                                   

                                  〜関連記事〜

                                  税金の役割とは何なのか?

                                  「法人税が高いと企業が海外に流出してしまう!」というウソ

                                  「所得税を減税しないと富裕層が逃げていく!」は本当か?

                                  金利が下がれば設備投資が増えるは本当か?(魚の仲買人さんのビジネスモデル)


                                  MMT理論の批判言説を評価する!

                                  0

                                    JUGEMテーマ:年金/財政

                                    JUGEMテーマ:経済成長

                                    JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                                     

                                     財務省のMMT理論のプロパガンダもさることながら、一般人の中にもMMT理論を批判する人がいます。そうした人々らに対して、改めて鉄槌を喰らわせたいという思いから、今日は「MMT理論の批判言説を評価する!」と題して論説します。

                                     

                                     MMT理論のポイントの一つに、インフレを恐れてはいけないとする考え方があり、私もこれには賛同の立場です。何しろ資本主義は、デフレでは経済成長することができず、インフレでなければならないからです。その時考えるべきは、適切なインフレ率、即ち国民が生活しやすいインフレ率は、何%なのか?ということです。

                                     

                                     例えば2%〜3%のインフレ率ならば恐れる必要は全くなく、むしろ健全といえます。私はその状態をマイルドなインフレという表現をするのですが、マイルドなインフレであれば、物価上昇よりも名目賃金の方が増えていく可能性が高くなり、実質賃金が高くなることにつながりやすくなります。雇用も増え、実質賃金が増えるとなれば、直接税が増えて、やがて財政赤字は縮小されていくことでしょう。

                                     

                                     むしろ財政黒字にすらなることもあり得ます。バブル期がそうでした。

                                     

                                    <プライマリーバランスの推移(1980年〜2017年)>

                                    (出典:政府財政統計より数値を引用)

                                     

                                     

                                     こうした統計事実があるにもかかわらず、MMT理論をネガティブに批判し、しかもその批判内容が全く批判になっていないということに気付かない有識者も多い。

                                     

                                     そのため、批判言説を例にとって徹底的に反論したいと思います。

                                     

                                     

                                    〜批判言説 嶌眄赤字の拡大は、インフレを招く」〜

                                     MMTは財政赤字を拡大すれば、インフレを招くことを認めており、全く問題のない話で、この批判言説には同意します。デフレ脱却するためにはインフレにする必要があるわけで、結果財政赤字にする必要があるという帰結になります。

                                     したがって「インフレを招くのはいいの?」という批判的な問いに対して、「今の日本がデフレだから問題ない」という回答になります。デフレ脱却するということは、インフレにするということなので、財政赤字の拡大が、その答えだと言っているようなもんです。

                                     

                                     

                                    〜批判言説◆嶌眄赤字の拡大を認めたらインフレが止まらなくなる」〜

                                     MMT理論の是非とは全く関係がありません。単なる事実誤認で、インフレを止める現実的な政策は、いくらでもありますし、マイルドなインフレは、むしろ健全な経済状況です。

                                     また、憲法83条に財政民主主義というのがあります。これは国家が財政出動する場合は、国民の代表から構成される議会の議決が必要であるとする考え方で、憲法83条がその考え方の根拠とされています。そのため財政出動そのものを否定する言説は、憲法第83条の財政民主主義を否定していることと同じです。

                                     

                                     

                                    〜批判言説「財政赤字の拡大は民間貯蓄の不足による金利高騰を招く」〜

                                     「民間の貯蓄が不足すると金利が高騰する」というのは、全くあり得ません。MMT理論は、民間の貯蓄の増減で金利が上昇・下落するというプロセスに一切関わりがありません。これもまた単なる事実誤認といえます。

                                     

                                     

                                    〜批判言説ぁ孱唯唯圓虜蚤腓侶念材料であるインフレをどう防ぐのか?」〜

                                     日本が減税や歳出増で財政を拡張しても、現時点で供給不足によるインフレに近づいている状況にありません。そもそもインフレは問題なのか?ということと、マイルドなインフレは許容すべきなのでは?と思うわけです。

                                     仮に3〜4%のインフレ率が続く状況があったとしても、財政支出して長期停滞から脱却した方がいいのではないでしょうか?

                                     日本は「失われた20年」と言われていますが、それは財政出動を一切増やさなかったことに加え、インフレを極端に恐れたことも一因です。

                                     

                                    <OECD33か国の財政支出伸び率とGDP成長率の分布(1997年〜2015年の伸び率を年換算>

                                    (出典:衆議院議員安藤裕と語る会で配布された資料の一部で、島倉原氏が作成したものをそのまま抜粋)

                                     

                                     上記グラフの通り、財政支出の伸び率とGDP成長率は相関関係があることがよくわかります。OECD加盟国33か国中、GDP成長率0%となっているのは、我が国だけです。

                                     

                                     

                                     

                                     というわけで今日は「MMT理論の批判言説を評価する!」と題して論説しました。

                                     安倍政権は残念ながら政府の中にお金を貯め込むことが日本国民の幸せになると勘違いしている最悪の緊縮財政政権です。政府の中にお金をどれだけため込んでも、GDP3面等価の原則でいう生産=支出=所得のどれにも該当しません。

                                     家計簿の発想で国家を考える一般人もまた、家計のようにお金を貯めることが善だという発想で、国家の財政運営を考えています。

                                     そうした人々らが正しい事実を理解すること、これ以外に解決策はないものと思い、MMT批判論に反論させていただきました。

                                     

                                     

                                    〜関連記事〜

                                    政府支出を拡大すればインフレ率が抑制できなくなるという言説に対する反論

                                    公共事業などの政府支出は銀行預金で借りているわけではありません!

                                    反論になっていない財務省の”増税不要論”への反論

                                    MMT理論の批判論に対する反論!

                                    税金の役割とは何なのか?

                                    ゼロからお金を生み出すことができるのが銀行です!

                                    借入金の否定=資本主義の否定(信用創造機能とは何か?)

                                    日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!

                                    国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

                                    ”政府は借金し放題”という”現代金融理論”について

                                    グリーン・ニューディール政策と現代金融理論

                                    親日家の投資家ジム・ロジャーズ氏が指摘する日本の財政破綻に反論する!

                                    憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!

                                    日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!


                                    ”MMT理論よ!お願いだから、引っ込んでくれ!”と恐れる構造改革論者と緊縮財政論者

                                    0

                                      JUGEMテーマ:年金/財政

                                      JUGEMテーマ:経済成長

                                      JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

                                      JUGEMテーマ:政界批判

                                       

                                       

                                       今日は「”MMT理論よ!お願いだから、引っ込んでくれ!”と恐れる構造改革論者と緊縮財政論者」と題して、MMT理論を改めて取り上げます。

                                       

                                       本ブログの読者の皆様であればご存知のMMT理論ですが、MMTは自国通貨建ての国債のデフォルトはあり得ないことを証明した経済学説です。

                                       

                                       財務省は、MMTに対してものすごい反論をし、プロパガンダ活動をやっていますが、MMT理論についてはほとんど触れておらず、権威のある経済学者の発言をずらーと並び立て、MMT理論への批判するという手法をとっています。

                                       

                                       例えば、2008年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンやジェローム・パウエルFRB議長やローレンス・サマーズ元財務相長官といった経済学で権威がある人らが発するMMTへの批判論を並べ立てているのです。

                                       

                                       以前にも紹介したことがあるかと思いますが、具体的に財務省の反論手法を知っていただきたく、一部を抜粋して原文を皆様にご紹介します。

                                       

                                      ■2019年3月15日 黒田日銀総裁会見

                                      MMTというのは、最近米国でいろいろ議論されているということは承知していますが、必ずしも整合的に体系化された理論ではなくて、いろいろな学者がそれに類した主張をされているということだと思います。そのうえで、それらの方が言っておられる基本的な考え方というのは、自国通貨建て政府債務はデフォルトしないため、財政政策は、財政赤字や債務残高などを考慮せずに、景気安定化に専念すべきだ、ということのようです。

                                       

                                      ■ポール・クルーグマン ニューヨーク州立大学、経済学者 2019年2月12日 ニューヨークタイムスへの寄稿

                                      債務については、経済の持続可能な成長率が利子率より高いか低いかに多くを左右されるだろう。もし、これまでや現在のように成長率が利子率より高いのであれば大きな問題にならないが、金利が成長率より高くなれば債務が雪だるま式に増える可能性がある債務は富全体を超えて無限に大きくなることはできず、残高が増えるほど、人々は高い利子を要求するだろう。つまり、ある時点において、債務の増加を食い止めるために十分大きなプライマリー黒字の達成を強いられるのである。

                                       

                                      ■ジェローム・パウエル FRB議長 2019年2月26日 議会証言

                                      自国通貨で借りられる国にとっては、赤字は問題にならないという考えは全く間違っている(just wrong)と思う。米国の債務は国内総生産(GDP)比でかなり高い水準にある。もっと需要なのは、債務がGDPよりも速いペースで増加している点だ。本当にかなり速いペースだ。歳出削減と歳入拡大が必要となるだろう。

                                       

                                      ■ローレンス・サマーズ 元財務相長官 2019年3月4日 ワシントンポストへの寄稿

                                      MMTには重層的な誤りがある(fallacious at multiple levels)。まず、政府は通貨発行により赤字をゼロコストで調達できるとしているが、実際は政府は利子を払っている。全体の貨幣流通量は多いが、政府によってコントロールできるものではない。第2に、償還期限が来た債務を全て貨幣創造し、デフォルトを免れることができるというのは間違っている。幾つもの途上国が経験してきたようにそうした手法はハイパーインフレを引き起こす。インフレ税を通じた歳入増には限界があり、それを超えるとハイパーインフレが発生する。第3に、MMT論者は閉鎖経済を元に論じることが典型的だが、MMTは為替レートの崩壊を招くだろう。これはインフレ率の上昇、長期金利の上昇、リスクプレミアム、資本逃避、実質賃金の低下を招くだろう。・・・保守にとってもリベラルにとっても、そんなフリーランチは存在しない。

                                       

                                      ■ウォーレン・バフェット バークシャー・ハサウェイCEO 2019年3月15日 ブルームバーグインタビュー

                                      MMTを支持する気にはまったくなれない(I'm not a fan of MMT − not at all)。赤字支出はインフレ急上昇につながりかねず、危険な領域に踏み込む必要もなく、そうした領域がどこにあるのか正確にはわからない。(We don't need to get into danger zones, and we don't know precisely where they are.)

                                       

                                      ■ジャネット・イエレン(前FRB議長) 2019年3月25日 クレディ・スイス主催アジア投資家会議

                                      現代金融理論(MMT)は支持しない(not a fan of MMT)。この提唱者は何がインフレを引き起こすのか混乱している(confused)それ(MMT)は超インフレを招くものであり、非常に誤った理論(very wrong-minded theory)だ

                                       

                                      ■クリスティーヌ・ラガルド(IMF専務理事) 2019年4月11日 記者会見

                                      MMTが本物の万能薬だとわれわれは思っていない。MMTが機能するようなケースは極めて限定的である。現時点でMMTが持続的にプラスの価値をもたらす状況の国があるとは想定されない。(理論の)数式は魅惑的だが、重大な注意事項がある。金利が上がり始めれば(借金が膨張して)罠にはまる。

                                       

                                       財務省連中の執念はすごい。というより自分たちのメンツがつぶれるため、彼らも必死なのです。

                                       

                                       冒頭に日銀の黒田総裁の発言をご紹介していますが、黒田日銀総裁はMMT理論については、自国通貨建ての国債はデフォルトしないという考え方に基づき、財政赤字や国債発行残高云々といっていますが、基本的には「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」と発言されています。

                                       

                                       本来、財務省がMMTを否定するならば、黒田日銀総裁の発言の「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」を否定しなければなりません。

                                       

                                       ところが「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」を否定することはできません。

                                       

                                       なぜならば、2002年に財務省は外国の格付け会社に向けて、「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」と意見書を出しています。因みに、その意見書を出したのは、現在の黒田日銀総裁が、財務官だった時に出したものです。

                                       

                                       黒田日銀総裁がどう考えているか?は別にしても、財務省がMMTを反論する資料に記載の黒田日銀総裁の発言の「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」を否定しなければなりません。

                                       

                                       しかしながら否定できないわけで、なぜならば「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」ということは、事実だからです。

                                       

                                       財務省がどれだけ批判しようとも「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」が間違っているという証明はできません。そのため、権威者の発言を持ち出し、MMTについていろんな人に批判させたり、全然関係ない資料や言説を持ち出して、「日本の財政は悪化しているよ!」と主張しているのです。

                                       

                                       問題はもっとずっと簡単な話で、権威者によるMMT理論の批判など、正直なところどうでもいい話であって、「自国通貨建ての国債はデフォルトしないの?するの?」という話です。

                                       

                                       杉っ子こと、私は”デフォルトしない”という立場で論説していますが、財務省は”デフォルトする”といっており、それを証明しなければならないのですが、証明することができず権威者のネガティブ発言を並び立ているにすぎないのです。

                                       

                                       これはある意味で財務省が追い詰められているともいえます。

                                       

                                        突如として現れたMMT理論ですが、自国通貨建ての国債のデフォルトはあり得ないという単なる事実であって、新しい経済学説でも何でもありません。

                                       

                                       ところが、デフレを放置し、今もなお日本国民の多くが苦しむ中、歳出抑制や増税を唱え、「国民に不人気な政策でも消費増税はしなければならない!」などと演説してきた国会議員らが、「今さら財政危機はありませんでした。ゴメンナサイ!」とは言えません。

                                       

                                       また財政出動で簡単に経済成長して、米国のように経済成長して、人々の賃金がUPして暮らしが豊かになったら、構造改革の口実がなくなってしまいます。

                                       

                                       MMT理論でいう「預金は負債が生み出しているという事実」が信用創造の真実で基本なのですが、そんな基本を知らなかったなど、権威者(経済学者、経済評論家、国会議員、財務省職員)や、構造改革を訴えてきた人、財政危機を煽ってきた人らからみれば、「今さら言えるかよ!そんなこと。頼むからMMT理論は、お願いだから引っ込んで欲しい!」と思っているに違いありません。

                                       

                                       

                                       というわけで今日は「”MMT理論よ!お願いだから、引っ込んでくれ!”と恐れる構造改革論者と緊縮財政論者」と題して論説しました。

                                       

                                       

                                      〜関連記事〜

                                      政府支出を拡大すればインフレ率が抑制できなくなるという言説に対する反論

                                      公共事業などの政府支出は銀行預金で借りているわけではありません!

                                      反論になっていない財務省の”増税不要論”への反論

                                      MMT理論の批判論に対する反論!

                                      税金の役割とは何なのか?

                                      ゼロからお金を生み出すことができるのが銀行です!

                                      借入金の否定=資本主義の否定(信用創造機能とは何か?)

                                      日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!

                                      国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

                                      ”政府は借金し放題”という”現代金融理論”について

                                      グリーン・ニューディール政策と現代金融理論

                                      親日家の投資家ジム・ロジャーズ氏が指摘する日本の財政破綻に反論する!

                                      憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!

                                      日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!


                                      麻生財務大臣と財務省の言説の矛盾

                                      0

                                        JUGEMテーマ:経済成長

                                         

                                         

                                         今日は「麻生財務大臣と財務省の言説の矛盾」と題して論説します。

                                         

                                         今、世界経済が減速に向かっているわけですが、その理由として、米中貿易戦争と英国のブレグジットの2つをあげられることができるかと思います。

                                         

                                         トランプ大統領による米中貿易戦争は、安全保障でアメリカファーストを貫くため、保護主義に傾注しようとしている一方、英国のブレグジットは英国議会がEUとの合意案をまとめきれず、問題が長引いており、合意なき離脱になるのか否か?やきもきしているというのがこのブレグジット問題です。

                                         

                                         そして、上述の2つ以外に、もう一つ隠れたテーマがあるのでは?と私は思っておりまして、それが日本の消費増税です。

                                         

                                         消費増税は私たちの生活に関わるだけではなく、世界経済に関わる問題だと思うのですが、今のところ目立って何か起きているわけではありません。

                                         

                                         日本が議長国だった大阪開催のG20は終わりました。当初、財務省あるいは安倍政権の意向で「反保護主義」の文言を明記しようとしましたが、これは見送られました。

                                         

                                         トランプ政権は対中国の貿易赤字を減らしたい、対日の貿易赤字を減らしたいということに加え、安全保障上の脅威となるので輸出には関税をかけるという意向がある一方、日本の財務省は、対米で貿易黒字が続く方が都合がよいため、反グローバリズムの発想で「反保護主義」を明記しようとしたのだと考えられます。

                                         

                                         一方で日本のマスコミの論調は、米国のトランプ大統領が来年の大統領選挙の再選のためにFRBに利下げのプレッシャーをかけていると報道しています。何しろ来年の選挙の時に景気が悪いと困るからというのが日本のマスコミの見立てです。

                                         

                                         特に朝日新聞の論調は、ひどすぎます。トランプ大統領の行為が国際協調に逆行し、中央銀行の独立性を脅かして、世界経済の足を引っ張ろうとしているという論調だからです。その朝日新聞の記事をご紹介します。

                                         

                                        『朝日新聞 2019/06/16 10:21 FRB議長がトランプ氏に公然と反論「政治から独立」

                                         米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は25日の講演で、「FRBは短期的な政治圧力から遮断されている」などと語り、中央銀行の独立性を説いた。FRBに対して連日、公然と大幅利下げを迫る米トランプ大統領に公の場で反論した形だ。

                                         パウエル氏はニューヨーク市内での講演の冒頭、「議会がFRBに独立性を与えたのは、短期の政治的利益のために政策がねじ曲げられたときに、危害が生じてきたからだ」と指摘。世界の主な民主主義国家は、いずれも同様の独立性を得ていると述べた。

                                         米中通商摩擦で世界経済に不透明感が強まっていることを受け、FRBは金融緩和の方向に転じている。パウエル氏は「成長を維持するために適切に行動する」と利下げの用意があることを引き続き示唆する一方、「いかなる個別指標や短期的な市場心理の揺れにも過剰反応すべきでない」とも指摘。7月の利下げを当然視している市場にもクギを刺した。

                                         昨夏から露骨なFRB批判を繰り返してきたトランプ氏だが、最近はパウエル氏の解任までちらつかせるなど発言をエスカレートさせており、中央銀行の独立が危ぶまれている。(ニューヨーク=江渕崇)

                                         

                                         

                                         このようにFRBのパウエル議長が、中央銀行の独立性を説いたとして、トランプ大統領の行為をネガティブに報じています。

                                         

                                         しかしながら、こうした論調には私は違和感を感じます。なぜならば、朝日新聞の論調で言えば、トランプ大統領がFRBに利下げを要求することが世界経済のリスクということになるからです。

                                         

                                         もし、今までの大統領のようにトランプ大統領がFRBに対して何も言わなかったら、FRBはどうしていたでしょうか?

                                         

                                         私は、間違いなくFRBは利上げをしていたと思います。ところがトランプ大統領はFRBに対して利下げを要求しています。これは異例中の異例で、それをやるのがトランプ大統領です。

                                         

                                         仮にもFRBが利上げしていたら、間違いなく米国経済は減速します。ただでさえ、日本中国欧州と世界中の先進国の経済が悪くなっている中で、最後に残っている好調な米国経済ですら減速するようなことになれば、世界経済全体が困ることになります。

                                         

                                         だからFRBが利下げを要求することが世界経済のリスクと考えている朝日新聞の論説は間違っています。

                                         

                                         そして麻生財務大臣は、消費増税を表明しました。麻生大臣は貿易問題について発言し、二国間交渉は間違っていて、多国間の枠組みで取り組むべきとし、TPPの内容以上の譲歩はしない旨を主張しました。

                                         

                                         これは誰に対して主張しているか?といえば、明らかにトランプ大統領に対する主張です。

                                         

                                         麻生大臣は、米国のトランプ大統領はモノの輸出の貿易収支に拘りすぎているので、貿易を経常収支で見るべきであると提案もしました。具体的には、モノだけでなく、サービスのやり取り、金融取引のやり取り、すべてを赤字か黒字か?で見るべきであると主張しています。

                                         

                                         例えば、モノの貿易だけで見ると、米国の対日赤字は8000億円あるのですが、金融取引で儲けているので、経常収支では4000億円の赤字にまで圧縮されます。約2000兆円の米国のGDPから見れば、4000億円は大したことがないだろうというのが、麻生大臣の主張で、だから米国は日本や中国に対して貿易収支だけをみて、赤字額を減らせ!=輸出額を減らせ!と言わないで欲しいということでもあります。

                                         

                                         しかしながら、この麻生大臣の考え方、貿易収支ではなく、経常収支で見るという考え方だと、経常収支が赤字の国は消費を控えて貯蓄をしてください!ということになります。

                                         

                                         そして経常収支の黒字国である中国、ドイツ、日本は「黒字がたっぷりあるから国内の消費を伸ばしてください!」ということになります。

                                         

                                         この考え方で問題がないか?といえば、大いに問題があります。今の米国が経常収支赤字国であるため、「消費が旺盛すぎるので消費を控えて貯蓄せよ!」となれば、米国の消費が止まってしまいます。そうなれば米国の旺盛な消費のおかげで米国経済が絶好調となり、何とか世界経済全体が保たれているのに、その米国の消費を止めてしまって困るのは、世界経済全体が困ることになります。

                                         

                                         と同時に、世界経済のリスクの中で、隠されたリスクは日本の消費増税です。日本は経常黒字国なので、経常黒字国がやるべきことは貯蓄ではなく消費です。トランプ大統領に対して「消費が旺盛すぎるので貯蓄せよ!」とはデフレを助長するだけですのでそのように主張することができるはずがありません。むしろ世界経済が復調となるまで、対米で貿易黒字を続ける方良いとする財務省にとっては「トランプさん!米国では旺盛な消費を継続もしくは、さらに拡大して欲しい!」ということになるのです。

                                         

                                         ところが日本は消費を減らす消費増税をやるというわけですから、こうした言説は明らかに矛盾しているのです。

                                         

                                         

                                         というわけで今日は「麻生財務大臣と財務省の言説の矛盾」と題して論説しました。

                                         麻生大臣が日本における10月の消費増税を明言しておきながら、米国に消費をするな!と主張することの矛盾に気付いているのか?私には不明です。グローバリズムで輸出を伸ばせば、人々に幸福が来るか?といえば、幸福はありません。

                                         そのグローバリズムに対する怒りで、米国ではトランプ大統領が現れ、英国ではブレグジットとなりました。それだけではなくドイツやフランスでも反グローバリズム政党が台頭し、世界は反グローバリズムという流れが加速されようとしています。

                                         かつて経済学者のジョンメイナードケインズは、輸出を伸ばせば戦争になるが、各国が自国で需要を創出することに注力すれば、やがて戦争はなくなると言っていました。

                                         グローバリズムで輸出で稼ぐのではなく、内需拡大こそが自国民を幸せにして世界での戦争ですら無くなっていくことにつながることを、多くの人々に気付いていただきたいものと私は思うのです。

                                         

                                        〜関連記事〜

                                        グローバル輸出で稼ぐというのは、自国の繁栄を他国の犠牲の上に作るエゴむき出し政策です!

                                        いよいよ円高を傍観するしかなくなる日本銀行

                                        経済よりも安全保障を重視するトランプのメキシコへの関税戦略

                                        反論になっていない財務省の”増税不要論”への反論

                                        MMT理論の批判論に対する反論!

                                        次期米国大統領選挙でのトランプ大統領の再選を恐れているマスコミ

                                        絶好調の米国経済も、マイルドなデフレに突入か?

                                        元FRB議長のイエレンよ!経済が分かっていないのはトランプ大統領ではなく、お前だ!

                                        ナチスドイツと高橋是清の経済政策


                                        移民を増やす一方で難民申請は減少

                                        0

                                          JUGEMテーマ:難民受け入れ

                                           

                                           今年4月から外国人労働者受入拡大を促す移民法改正を受け、移民は着実に増える一方ですが、難民申請については2018年度に半減しました。少し古い記事ですが、今日は朝日新聞の記事を取り上げ、「移民を増やす一方で難民申請は減少」と題して論説します。

                                           

                                           下記は朝日新聞の記事です。

                                          『朝日新聞 2019/03/27 18:25 日本への難民申請が半減 「偽装申請」の抑制策に効果?

                                           2018年に難民認定を申請した外国人は1万493人で、17年に比べて半減した。法務省が27日、発表した。申請者の減少は10年以来8年ぶり。法務省は、就労目的の「偽装申請」に厳しく対応する運用を18年1月から始めた効果が出たとみている。

                                           18年の難民認定者は42人。17年の20人より増えたが、主要7カ国(G7)の他国が十数万から数千の単位で受け入れていることと比べると依然少ない。このほか、人道的な配慮を理由に40人の在留を認めた。

                                           難民認定制度は10年の運用変更によって、申請から半年で一律に就労が可能になった。審査が長期化した申請者に対する経済的な配慮だったが、変更後に申請が急増。10年に1202人だった申請者は年々増え、17年は1万9629人に達した。大量の申請への対応が追いつかず、審査が長期化。真に救うべき人の迅速な救済に支障をきたす恐れが出ていたとされる。

                                           法務省は18年1月から運用を改め、申請後2カ月以内に書面審査を実施。申請理由が「母国での借金」など明らかに難民に該当しない申請者や、「正当な理由」がない再申請者は就労を認めないことにした。

                                           一方、全国難民弁護団連絡会議代表の渡辺彰悟弁護士は申請者の減少について、「法務省は申請濫用(らんよう)防止の成果と言うが、切迫性が高い空港や港での申請も大きく減っている」と指摘。「申請自体を受け付けてくれないという相談も寄せられており、受け付けを厳しくしているとすれば問題だ」と述べた。』

                                           

                                           

                                           上記朝日新聞の記事の通り、2018年度に難民申請した外国人が10,493人で前年比47%減と大幅な減少となりました。法務省は2018年1月から就業目的の偽装難民申請を抑制し、申請者の就労を厳格化する新たな運用を始めて、その効果が表れたとしています。

                                           

                                           下記は法務省が発表した難民認定申請者数の推移のグラフですが、記事で指摘の通り、平成30年は、大幅に減少しているのがよくわかります。

                                           

                                          <難民認定申請者数の推移>

                                          (出典:法務省の「平成30年における難民認定者数等について」から引用)

                                           

                                           

                                           しかしながら、この4月から既に、出入国管理法緩和で外国人労働者の受入れが拡大されています。法務省は「ちゃんと対応し、ちゃんとチェックする!」という回答をしていますが、出入国管理法で入国してくる移民と、難民申請で入国してくる難民とでは、チェックする内容と質が違うため、楽観はできません。

                                           

                                           ただ難民申請については、不法滞在などの入管難民法違反で強制送還の手続きを取った外国人が前年比2,583人増の16,269人に上ったと発表し、このうち不法就労者は10,086人で全体の62%にも上ります。

                                           

                                           4年連続増加で、手口としては偽装在留カードを使うなどの方法で不法就労しているとみられています。

                                           

                                           出入国に対して、与野党問わず「しっかり管理せよ!」という声があるのですが、ここで一番重要なこと、それは職員の数が不足しているということです。

                                           

                                           消費増税や支出削減を始めとする緊縮財政の影響・弊害が、ここでも出ているのです。

                                           

                                           仮にも出入国管理法緩和で入国してくる外国人について、事後チェックをしっかりやるという方向へ舵を切るならば、職員の数は2〜3倍とかまで増やすべきです。

                                           

                                           それで一人一人の職員がチェックをしっかりやりまくって、追い出すべき人は追い出し、入国すべきではない人はちゃんとブロックするということを、ちゃんとやらなければなりません。

                                           

                                           口で「チェックします!」とか「しっかりやります!」と回答するのもいいですが、そのためには「公務員を増やせ!」「政府支出を増やせ!」ということになるでしょう。

                                           

                                           

                                           

                                           というわけで今日は「移民を増やす一方で難民申請は減少」と題して論説しました。

                                           終盤に記載した通り「公務員を増やせ!」「政府支出を増やせ!」は、需要になるのですが、プライマリーバランス黒字化目標がある以上、そうした支出は仕方なく抑制しながら支出し、場合によっては消費税の税率をさらに引き上げてそれらを原資に公務員を増やすとかチェック体制を強化するとか、そういう話になるに決まっています。何しろ家計簿の発想で考えるプライマリーバランス黒字化目標がある以上、必ずそうなります。

                                           とにかく安倍政権の緊縮財政を辞めさせなければ、移民国家へと変貌してしまうことになるものと私は思います。

                                           

                                           

                                           

                                          〜関連記事〜

                                          日本における難民申請制度の瑕疵

                                          外国人労働者受入拡大の発想は、今後自分たちは低所得で生きていくことを宣言しているのと同じです!


                                          国際社会は香港問題について、英国と約束した一国二制度を、中国に守らせるべき!

                                          0

                                            JUGEMテーマ:香港に関するニュース

                                            JUGEMテーマ:中国

                                            JUGEMテーマ:中国ニュース

                                             

                                             今日は「国際社会は香港問題について、英国と約束した一国二制度を、中国に守らせるべき!」と題して論説します。

                                             

                                             昨日も香港のデモをテーマとして論説しました。中国共産党政府は、あらゆる手を使い、国際社会との約束を少しずつ変えて反故にしていこうと画策していることがわかります。

                                             

                                             5年前、2014年に発生した20万人規模で発生した雨傘運動のデモでは、デモを鎮圧して、選挙制度を変えることができました。

                                             

                                             しかしながら今回は、香港市民側が改めて反撃に出てきていて、キャリー・ラム氏の辞任に加え、行政長官の選挙制度を普通選挙にすることを要求しています。

                                             

                                             香港の市民たちは、自分たちで投票して自分たちの大統領にあたる行政長官を選出したいと思っているわけですが、日本人からみれば、既に中国の一部になっている香港で、そんなことができるわけがないと思っている人が多いのではないでしょうか?

                                             

                                             実は、香港の憲法にあたる香港基本法という法律があります。正式名称は「香港特別行政区基本法」で、前文と第1章〜第9章と3つの付属文書で構成されています。

                                             

                                             そして行政長官を選出する選挙について、付属文書一に香港特別行政区行政長官の選出方法についての記載があり、それによれば、香港の行政長官は選挙委員会によって選出されます。

                                             

                                             立候補するためには100名以上の選挙委員からの推薦を得て、有効投票数の過半数を得たものが当選というルールです。しかしながら立候補するためには、中国共産党政府の同意が必要となってしまっているため、投票権は親中派の団体にのみ、与えられる構造になっています。そのため、香港人が不満に思うのは至極当然であり、デモが何回も発生しているのは当然のことと言えるでしょう。

                                             

                                             また行政長官だけでなく、日本の国会議員にあたる立法会議員というのがあるのですが、これは普通選挙と各種団体を通じた間接選挙で選ばれる2種類の議員がいます。英国から香港が返還された1997年、香港基本法では、2007年以降(実際には2008年実施予定の第4回立法会議員の選挙から)に普通選挙に移行できる可能性を示していたのですが、中国の全国人民代表大会が「2007年以降」というのを必ずしも2007年に普通選挙に移行する必要はないと解釈し、それ以降もずっと普通選挙に移行してきませんでした。

                                             

                                             このように香港行政長官の選挙、立法会議員の選挙、いずれも普通選挙に移行することを示しておきながら、中国共産党政府が一向に移行しないことについても、香港市民のデモが起きている大きな理由の一つです。

                                             

                                             そして中国共産党政府は、この香港基本法の明記されている「2007年以降は普通選挙にする」というのを守らなければならず、抵抗することはできません。中国共産党政府は、普通選挙にすることを最も恐れ、解釈で2007年からずっと先送りにしてきました。

                                             

                                             そのため、普通選挙に移行する前に、行政長官を選ぶ選挙で、自分たちの都合のいいように変えたのが2014年の雨傘運動が起きたきっかけです。

                                             

                                             中国共産党政府と香港市民との戦いで何が起きているか?といえば、香港基本法で明記されている香港行政長官選挙、立法会議員選挙を普通選挙に実現することができるか?という戦いを争っているのです。

                                             

                                             香港市民がそれを実現するためには、香港市民単独の力では困難であり、米国や欧州などの国際社会の力が必要であると、香港市民らは認識していて、実際にそうしようとしています。

                                             

                                             香港市民は国際社会の力を欲しており、日本の力も欲しいと思っていることでしょう。

                                             

                                             日本がアジアの責任を持つ立場として、日本が何らかの形で共に香港を守る姿勢を強く打ちだしたら、香港の人たちにとってはとても心強いと思うでしょう。そういう姿勢を日本が香港に対して示せば、台湾の人々らも心強く思うはずです。

                                              

                                             なぜならば台湾も香港と同じような状況だからです。

                                             

                                             ところが日本政府は香港問題に積極的ではありません。

                                             

                                             前回、香港市民のデモの真の目的は、香港行政長官選挙と立法会議員選挙を普通選挙にすることと申し上げましたが、これが実現することこそ、香港が真の意味で一国二制度の完成といえるでしょう。

                                             

                                             英国から香港が中国に返還されたとき、一国二制度は約束されていたものであり、香港基本法に明記されています。ところが中国共産党政府は、その約束を履行していません。一国二制度が完成するのは、香港行政長官選挙の普通選挙と、立法会議員選挙の完全普通選挙への移行であり、中国は約束していることになっています。

                                             

                                             今こそ、国際社会は中国に約束を履行するよう香港市民の側に立つべきではないか?と私は思うのです。

                                             

                                             

                                             というわけで今日は「国際社会は香港問題について、英国と約束した一国二制度を、中国に守らせるべき!」と題して論説しました。

                                             

                                             

                                            〜関連記事〜

                                            香港で起きているデモの本当の狙いとは?

                                            中国ウイグル自治区の再教育キャンプで行われているウイグル人への拷問

                                            中国共産党によって人権と民主主義が脅かされている香港を支援する米国と何もしない日本

                                            ”逃亡犯条例改正案”に反対している香港のデモ活動は日本人にとって他人事ではない!

                                            トランプ大統領の国連の武器規制条約からの撤退の意味とは?

                                            血税3,500億円を突っ込んだジャパンディスプレイ社を800億円で中国企業に売ろうとしている日本の官民ファンド

                                             

                                             

                                            〜お知らせ(賛同できる方は、ぜひクリックください!)〜

                                            平成政治からの決別を!令和の政策ピボット

                                            反緊縮財政、反グローバリズム、反構造改革


                                            香港で起きているデモの本当の狙いとは?

                                            0

                                              JUGEMテーマ:香港に関するニュース

                                              JUGEMテーマ:中国

                                              JUGEMテーマ:中国ニュース

                                               

                                               今日は「香港で起きているデモの本当の狙いとは?」と題して論説します。

                                               

                                               まずはAFP通信とブルームバーグの記事をご紹介します。

                                               

                                               最初はAFP通信の記事です。

                                              『AFP通信 2017/07/02 13:09 香港行政長官、デモ隊の「暴力行使」批判 議会突入で

                                              【7月2日 AFP】中国・香港行政トップで親中派の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官は2日、立法会(議会)に突入した覆面のデモ隊による「過度な暴力行使」を厳しく非難した。

                                               香港では、中国本土への容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」に反対する大規模なデモが、過去3週間にわたって続けられてきた。

                                               そうした中、英国による中国への香港返還から22年を迎えた1日には、民主派による大規模なデモが実施され、参加者らが林鄭長官の辞任を平和的に要求した。しかし同日夜になり、デモ隊の中でも若者が多い強硬派が怒りを爆発させ、立法会議事堂に突入。市章にスプレーで落書きをしたり、英統治時代の香港旗を掲げて「香港は中国ではない」と殴り書きしたりしたが、2日未明、警察当局によって強制排除された。

                                               デモ隊による議会突入は、一連の抗議デモの対処を林鄭長官に任せてきた中国の習近平(Xi Jinping)国家主席に対し、前代未聞の挑戦を突きつける格好となった。

                                               林鄭長官は2日未明、香港警察トップの盧偉聡(Stephen Lo)警務処処長と共に行った記者会見で、破壊された現場について「悲しく、がくぜんとするような」光景だったと話し、「われわれは真剣にこの行為を非難しなければならない。なぜなら香港で何よりも順守すべきは法の支配だからだ」と続けた。また盧処長は「デモ参加者の暴力行為は、平和的な要求表現の一線をはるかに越えている」と述べた。

                                               2日、立法会は閉鎖され、警察が内部の損傷を検証した。建物の外では、片付けのために集まった作業員が捜査が終わるのを待っていた。

                                               一方、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は1日、香港のデモの参加者らは「民主主義を求めている」と発言。新条例反対派を支持する姿勢を示し、「残念なことに、民主主義を望んでいない政府もある」と、中国を皮肉った。

                                               また英国のジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)外相は、英政府は香港とその「揺るぎない自由」を支持すると表明。同時にデモの参加者らに自制を求めた。

                                               

                                               

                                               次にブルームバーグの記事です。

                                              『ブルームバーグ 2017/07/06 00:16 香港の学生、行政長官との会合拒否−混乱収拾めど立たず

                                               香港の学生らは林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官と会合を持つことを拒否した。大規模な抗議デモの再発を避けたい香港当局が、またもつまずいた形だ。

                                               香港科技大学の学生リーダーらは、林鄭行政長官との非公開会合への参加を要請されたが拒否したことを明らかにした。非公開での会合に関心はなく、同長官が自分たちの要求に応じるまで話し合いの席には着かないとしている。この学生らは最近のデモに関わった他の複数のグループと同様に、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の完全撤回、および行政長官を直接選挙で選べるよう制度改革を要求している。
                                               林鄭行政長官側は「多様なバックグラウンドを持った若者たち」との会合を模索していたことを認め、学生らに決定の再考を促した。同長官側はブルームバーグに対し、こうした会合は「小規模かつ非公開で行われる」だろうと電子メールで回答した。』
                                               上記の2つの記事、AFP通信とブルームバーグの記事をご紹介しました。
                                               香港のデモについては、テレビやインターネットを通じ、大変なことが起きていると思われている日本人の方も多いと存じます。しかしながら香港の人々の本当の想いと、日本人の私たちが理解できるレベルでは、大きな温度差があると思ったため、この話題をテーマに取り上げました。
                                               この香港のデモについて、Jimmy Lai(以下「ジミー・ライ」)氏という香港の有名な企業家でかつ民主運動の中心的支援者がいるのですが、ニューヨークタイムズの論説で次のように論説しています。
                                               その論説によれば、中国共産党政府は、香港のデモを単なる市民デモでなく、中国共産党政府に対する市民の一斉射撃であるとみているとのこと。一斉射撃で使っている武器とは何か?といえば、Moralforceといっておりまして、和訳すれば「精神の力」「道徳の力」などとなるかと。そして中国共産党政府は、「精神の力」を最も恐れているとのこと。
                                               中国共産党政府はローマ法王やダライ・ラマを正式に招待することがないのが、その証左であるとし、そのような宗教的指導者が中国共産党の隣に立つと、自分たちが比較されてモラルがないことがばれてしまうからだと述べています。そして「精神の力」がないことが中国共産党の最大の弱点であるとも、ジミー・ライ氏は述べています。
                                               香港で発生している激しいデモは、いったい何が目的で起きているのでしょうか?
                                               表面的には「逃亡犯条例改正案の関税撤回」というのが目立っていますが、本当の目的は、香港の行政長官のキャリー・ラム氏を変えるです。
                                               キャリー・ラム氏の前は、Leung Chun-ying(以下「リョウ・シンエイ」)という方なのですが、現在の行政長官と比較した場合、キャリー・ラム氏の邪悪さが際立つとしています。
                                               なぜならば、キャリー・ラムが香港の行政長官になった選挙は、中国共産党政府によって新しく変えられた選挙制度で選ばれた初の行政長官であり、キャリー・ラムが選ばれた選挙から、選挙制度が変わったのです。
                                               キャリー・ラムはブルームバーグの記事に記載の通り、デモ活動の中心的な大学生らに対して、対話をしようと声をかけ続けてきましたが、大学生グループはキャリー・ラム氏との非公開協議を拒否しました。
                                               大学生グループが要求しているのは、逃亡犯防止条例の完全なる撤回とキャリー・ラム氏の辞任です。彼らもジミー・ライ氏と同様にキャリー・ラム氏が邪悪な人物に見えているのです。
                                               なぜなのか?一体香港の何が問題なのでしょうか?
                                               それは行政長官を選ぶ選挙制度が問題なのです。
                                               5年前にも20万人規模のデモ運動の雨傘運動で香港の学生たちが立ち上がりました。それは香港の行政長官を選ぶ選挙制度が北京政府に捻じ曲げられるような改正案が出てきたからです。
                                               それまでは曲がりなりにも、香港市民の意向が入る形での選挙が行われましたが、ちょうど5年前に、中国共産党政府によって香港政府が出してきた行政長官選挙制度改正案というのが出てきて、行政長官に立候補できるのは、北京政府に許可を得た人しか立候補ができないという形になってしまったのです。
                                               そのため、候補者の段階で、香港のためを考えている人は立候補できず、中国共産党政府の意向を受けた人しか立候補ができなくなってしまいました。
                                               それに反対して抵抗したのが、香港の当時の学生たちが行った20万人規模のデモ運動である雨傘運動。ところが雨傘運動は敗れ去り、香港の選挙制度が変えられてしまい、その選挙制度で選ばれたのが、初の女性行政長官のキャリー・ラム氏です。
                                               いわば中国共産党政府によって作られた傀儡政権であるといえるのです。
                                               そこで逃亡犯条例改正をきっかけとして、今回、香港市民が要求しているのは、キャリー・ラム氏の辞任であり、行政長官を選ぶ選挙を普通の選挙制度にするということ、即ち普通選挙の実現を目指してデモをやっているのです。
                                               というわけで今日は「香港で起きているデモの本当の狙いとは?」と題して論説しました。

                                               

                                               

                                              〜関連記事〜

                                              中国ウイグル自治区の再教育キャンプで行われているウイグル人への拷問

                                              中国共産党によって人権と民主主義が脅かされている香港を支援する米国と何もしない日本

                                              ”逃亡犯条例改正案”に反対している香港のデモ活動は日本人にとって他人事ではない!

                                               

                                               

                                              〜お知らせ(賛同できる方は、ぜひクリックください!)〜

                                              平成政治からの決別を!令和の政策ピボット

                                              反緊縮財政、反グローバリズム、反構造改革


                                              米国にとってトヨタ自動車は中国・北朝鮮・ロシア・アルカイダと同じ扱い

                                              0

                                                JUGEMテーマ:ドナルド・トランプ

                                                JUGEMテーマ:安全保障

                                                JUGEMテーマ:自動車産業

                                                JUGEMテーマ:トヨタ全般

                                                JUGEMテーマ:アメリカ

                                                 

                                                 皆さんの中には、株式投資をされておられる方もおられると思います。そんな中、自動車株が割安になっておりまして、なぜ割安なのか?私見を述べたく、今日は「米国にとってトヨタ自動車は中国・北朝鮮・ロシア・アルカイダと同じ扱い」と題して、

                                                 

                                                1.トヨタ株について

                                                2.日本の自動車業界が安全保障上の脅威に位置付け

                                                3.日本欧州の自動車メーカーよりも米国の自動車メーカーを守る方針を明確に打ち出すトランプ大統領

                                                 

                                                の順で論説します。

                                                 

                                                 

                                                 

                                                1.トヨタ株について

                                                 

                                                 トヨタ自動車の7/5(金)の終値は、下記の通り6,889円となっております。

                                                 

                                                <トヨタ自動車の株価とチャート>

                                                (出典:ヤフーファイナンス)

                                                 

                                                 

                                                 直近の国際情勢を考えますと、G20が終わり、日米貿易交渉が本番になるものと推察いたします。その争点として自動車が大きな争点の一つとなることは必須です。トランプ大統領が日本の自動車に関税をかけるのか否か?私は注目しています。

                                                 

                                                 7/2(火)、トヨタ自動車は北米の2019年1月〜6月の上期の販売実績を発表しています。その発表によれば、前年の2018年1月〜6月に比べて3.5%減となり、上期として10年ぶりに前年同期比でマイナスとなりました。

                                                 

                                                 とはいえ、2019年3月決算では日本の上場企業として初めて売上高が30兆円を超え、営業利益は2兆4,675億円(前期比2.8%増益)と、ライバル会社の欧米の自動車メーカーが軒並み大幅減益になっている中で、素晴らしい業績を出しています。

                                                 

                                                 にもかかわらず、トヨタ自動車株は割安なのです。

                                                 

                                                 下表は、自動車大手各社の指標で、トヨタ自動車とホンダと日産自動車について、注視していただきたい指標をピックアップして並べたものです。

                                                銘柄

                                                証券

                                                コード

                                                株価

                                                7/5終値

                                                売上高 営業利益

                                                予想

                                                PER

                                                PBR

                                                1株

                                                当たり

                                                配当

                                                配当

                                                利回り

                                                トヨタ自動車 7203 6,889円 30兆円 2.5兆円 8.67倍 1.01倍 220 3.19%
                                                ホンダ 7267 2,836.5円 15.9兆円 0.8兆円 7.51倍 0.60倍 112 3.95%
                                                日産自動車 7201 773.4円 11.3兆円 0.2兆円 17.80倍 0.57倍 40 5.17%
                                                三菱自動車 7211 523円 3.7兆円 0.1兆円 11.98倍 0.89倍 20 3.82%

                                                (出典:ヤフーファイナンス、日興コーディアル証券)

                                                 

                                                 

                                                 株価の割高割安を示すPER(株価収益率)は、8.67倍と10倍を割れており、PBR(株価純資産倍率)は1.01倍と1倍をかろうじて超えているという状況で、トヨタ自動車の株価は、素晴らしい業績に対してとんでもなく安く、配当利回りは220円配当として3.19%です。

                                                 

                                                 同じくホンダはPERが7.51倍、PBRは0.60倍で、配当利回りは、なんと3.95%です。日産自動車や三菱自動車は、ゴーン逮捕の影響で営業利益が大きく落ち込むため、PERは10倍超となっていますが、それでもPBRは日産自動車で0.57倍、三菱自動車で0.89倍と1倍を大きく下回ります。

                                                 

                                                 この割安さは、リーマンショックの時にトヨタ自動車もホンダも赤字になり、その時はPBRは1倍を割り込みました。PBRが1倍を割り込むとはどういうことかというと、会社を解散したら、その株価以上に財産分配を受けられるということを意味し、会社を解散すれば、その差額が儲かるという状況です。実際は会社の資産に含み損益がそれぞれあったり、雇用を生んでいるということもあって、PBRが1倍割れたからといって「ハイ!会社を解散しましょう!」とはなりません。

                                                 

                                                 しかしながらトヨタ自動車でいえば、売上高が史上初の30兆円を達しているのに、リーマンショックで転落したときに近い評価しかされていないといえます。

                                                 

                                                 なぜトヨタ自動車やホンダの株式の買い手がいないのか?それは、日本の自動車メーカーの将来が暗いと思っているからに他なりません。

                                                 

                                                 

                                                 

                                                2.日本の自動車業界が安全保障上の脅威に位置付け

                                                 

                                                 下記は、5月に報じられた時事通信の記事です。

                                                『時事通信 2019/05/18 11:48 日欧に「半年合意」迫る=車輸入制限、判断は延期−トランプ米大統領

                                                【ワシントン時事】トランプ米大統領は17日、安全保障を理由とした自動車・同部品の輸入制限措置について、追加関税の是非を判断する今月18日の期限を最長6カ月延長すると発表した。期間内に日本や欧州連合(EU)などと具体的な対応策で合意できなければ「追加の行動」を検討する。日米首脳会談を27日に控え、貿易交渉の期限を区切って歩み寄りを迫る姿勢を示した。
                                                 トランプ大統領は声明で、自動車の輸入増加が「米国の安全保障上の脅威」と訴えた。具体的な要求には言及していないが、関税・非関税障壁への対処、貿易量に上限を設ける「数量規制」が取り沙汰されている。日米両国は21日にワシントンで事務レベル協議、27日に東京で首脳会談を行う予定で、議題に上るとみられる。
                                                 米ブルームバーグ通信は、日欧への「数量規制」を視野に入れた大統領令が検討されていると報じていた。日本政府は米通商代表部(USTR)に「自由で公正な貿易をゆがめる措置だ」として反対の意向を改めて伝え、理解が得られたと説明している。
                                                 輸入車への追加関税は最大25%とも言われているが、米産業界や議会は追加関税自体に反発している。トランプ大統領は声明で、昨年改定した北米自由貿易協定(NAFTA)と米韓自由貿易協定(FTA)は「脅威に対処するのに役立つ」と指摘した。米国はNAFTA新協定で「数量規制」をのませた実績があり、カナダ、メキシコに対しては関税の適用を条件付きで免除する見通し。
                                                 自動車の輸入制限をめぐっては、商務省が通商拡大法232条(国防条項)に基づく影響調査書を2月17日に提出。大統領は原則90日以内に措置を決める規定だが、最長6カ月延ばせる。』

                                                 

                                                 上記時事通信の記事の通り、トランプ大統領の貿易戦争のターゲットになると思われているため、自動車株全体が割安になっているといえます。もし、貿易戦争のターゲットになれば、自動車関税の引上げと円高が待ち受けていることでしょう。そうなれば外需に頼る自動車業界の業績は将来悪化する可能性があります。

                                                 

                                                 日本の株式市場全体では、銀行株と自動車株が安く、買い手がいない状況となっています。

                                                 

                                                 銀行業界はマイナス金利が続いて、デフレが放置されていることもあってお金を借りてまでビジネスをしようとする人は極めて少なく、業績が悪いのでやむを得ませんが、自動車業界は業績が悪いわけではないのに株価は割安になっているのは、上述の貿易戦争のターゲットになるのでは?という思惑がその理由であると思われます。

                                                 

                                                 そして、ここに今、目の前にある日米貿易交渉の難しさが浮き彫りになっているといえます。

                                                 

                                                 米国のウォールストリートジャーナルの記事に、次のような記事が掲載されていました。

                                                『ウォールストリートジャーナル 2019/05/21 16:47

                                                中国、キューバ、ロシア、アルカイダ、イスラム国(IS)、トヨタ自動車、北朝鮮、ヒズボラ、イスラム革命防衛隊。この中で、米国の国家安全保障上の脅威と位置づけられていないのはどれか。 「トヨタ」と答えた人は、トランプ政権で働いてはいけない。同政権は先週、「米国資本」の自動車や自動車部品以外は国家安全保障の脅威になると宣言した。ホワイトハウスが声明の中で、日欧との貿易交渉中は自動車への追加関税を180日間猶予すると発表したことを受け、金融市場は安堵(あんど)感に包まれた。』

                                                 

                                                 

                                                 上記の記事の通り、トランプ政権にとってトヨタ自動車は、中国・北朝鮮・ロシア・アルカイダと同じ扱いで国家安全保障上の脅威と位置付けられています。トランプ政権は、米国資本の自動車会社以外は、国家安全保障上の脅威になると宣言しているのです。

                                                 

                                                 しかしながらなぜトヨタ自動車が中国・北朝鮮・ロシア・アルカイダと同じ扱いになるのでしょうか?

                                                 

                                                 その理由は、米国の基幹産業である自動車メーカーが日本や欧州の自動車メーカーとの競争に負けた場合、技術開発が弱くなって、米国全体の技術のイノベーションが弱体化します。その結果、国家安全保障が損なわれます。だから日本や欧州からの輸入車を減らすというのがトランプ政権の方針です。

                                                 

                                                 この理論でいけば、トヨタ自動車のみならず、ホンダもフォルクスワーゲンもメルセデスベンツも米国にとっては脅威と位置付けられることになるでしょう。

                                                 

                                                 

                                                 

                                                3.日本欧州の自動車メーカーよりも米国の自動車メーカーを守る方針を明確に打ち出すトランプ大統領

                                                 

                                                 一方、日本欧州の大手自動車メーカーは、米国国内に工場をたくさん作り、多くの米国人を雇用しています。

                                                 

                                                 トランプ大統領は米国人の雇用や賃金を大事にしようとします。そのため、日本欧州の大手自動車メーカーに対して、メキシコに工場を作って米国に逆輸入することは許さないということで、米国国内に工場を作ることは容認しているものと思いがちですが、そうではありませんでした。

                                                 

                                                 トランプ大統領は、たとえ日本欧州の大手自動車メーカーが米国国内に工場をたくさん作って、多くの米国人を雇用したとしても、米国の自動車メーカーのフォード、GM、テスラを守るということで、アメリカファーストを貫き、米国の会社を守るという方針をはっきりと打ち出しているのです。

                                                 

                                                 こうしたことから、トヨタ株を含め、日本の自動車業界の株価が割安水準に放置していると考えられます。

                                                 

                                                 

                                                 というわけで今日は「米国にとってトヨタ自動車は中国・北朝鮮・ロシア・アルカイダと同じ扱い」と題して論説しました。

                                                 トランプ大統領は自国の安全保障のためなら、なんだってやります。米国国民を守るという意思が強く見えます。それに比べて我が国はどうでしょうか?自由競争で関税を引き下げ、負けたら自己責任ということで、政府が関与せず、自由競争こそ日本国民が幸せになれるという勘違いも甚だしい政策が打たれ続けています。特に安倍政権は日本のインフラや日本人のために蓄積された技術・ノウハウや資本を、外国に売ることを推奨し、国家として日本国民が幸せになるためにお金を使うこともせず、競争に晒させて負けたら「自己責任で死ぬなりなんなりしてください!」と言わんばかりであって、日本国民が貧乏になっていくのを加速化させる政策が多く打たれているのが現状です。

                                                 米国のように自国民ファーストを考えられない政治家は、日本国民の迷惑になるので、与野党を問わず国会議員の職を辞していただきたいと私は思います。

                                                 

                                                 

                                                〜関連記事〜

                                                グローバル輸出で稼ぐというのは、自国の繁栄を他国の犠牲の上に作るエゴむき出し政策です!


                                                参議院選挙の争点に”改憲議論を進めることの是非”

                                                0

                                                  JUGEMテーマ:国防・軍事

                                                  JUGEMテーマ:自衛隊について

                                                  JUGEMテーマ:憲法改正

                                                   

                                                   今日は「参議院選挙の争点に”改憲議論を進めることの是非”」と題して論説します。

                                                   

                                                   7/4公示、7/21投開票の参議院選挙の争点に、”改憲議論を進めることの是非”が挙げられています。しかしながら、私の目から見れば、多くの国民が消費増税を本当にやるの?ということで、”消費増税の是非”も、本来ならば争点になるべきです。何しろ与党は増税する方針で今回の参議院選挙を戦います。しかしながら野党も多くが消費増税反対ではないため、正直なところ、投票したい党がないというのが私の感想です。

                                                   

                                                   表題の”改憲議論を進めることの是非”でいえば、自民党は「緊急事態」「参院選”合区”解消」「教育の充実」「自衛隊の根拠規定の明記」という4つの論点を掲げています。

                                                   

                                                   憲法第9条3項の追記については、加憲する(憲法を加える)方針としていまして、これに対しては私は大反対です。

                                                   

                                                   その憲法第9条第1項、第2項は下記のとおりです。

                                                  第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】
                                                  1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、 国権の発動たる戦争と、
                                                  武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
                                                  2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
                                                  国の交戦権は、これを認めない。

                                                   

                                                   憲法9条第2項には、「陸海空軍その他の戦力を保持しない」とあるため、憲法9条第3項で「自衛隊を持つ」と明記された場合、自衛隊は戦力ではないとなってしまいます。となれば、「彼ら自衛隊は一体何なの?」と混迷を深めるだけではないでしょうか?

                                                   

                                                   英語では明らかに「Force」と訳され、軍隊と呼ばれていますし、護衛艦「いずも」「かが」にしても英語でも「aircraft carrier」で空母と呼ばれています。

                                                   

                                                   結局、最も大事な国防の問題に対して、ダブルスタンダードの2枚舌を使い続けることを確定させるという意味で、この加憲には大反対というのが私の立場です。

                                                   

                                                   同じような2枚舌は、移民も同じです。国連の人口部による「移民の定義」は、「出生あるいは市民権のある国の外に12か月以上いる人」です。「高度な能力や資質を有する外国人を受け入れる」などとして、外国人技能実習生を受け入れるのは、国連の人口部の定義に照らせば、移民以外の何者でもありません。

                                                   

                                                   経済についても同様です。2019年1月〜3月の実質GDP△2.1%(名目GDP△3.3%)だからとか、ヒストリカルDI9つの指標のうち7つがマイナスなのに8つがマイナスになっていないからという理由で”いざなぎ越え”で好景気とか、本当はデフレなのに経済についても2枚舌を使っています。

                                                   

                                                   移民やデフレでの2枚舌は、とんでもない話ですが、自衛隊に対してそのようなダブルスタンダードにすることは言語道断といえます。

                                                   

                                                   例えば、憲法9条第2項を削除するとか、憲法9条第2項の文言を調整するとか、やり方はあるはずですし、自民党は第1項の外交を解決するための軍隊は持たないが、自衛のための軍隊は保持するという趣旨になるように憲法9条第2項を変えるべきであることを、言い続けてきました。にもかかわらず自民党の国会議員が黙って口を噤むのは、まことに許せない話であると私は思うのです。

                                                   

                                                   

                                                   というわけで今日は「参議院選挙の争点に”改憲議論を進めることの是非”」と題して論説しました。

                                                   今、イランとの緊張があって、ホルムズ海峡の問題があります。日本にとってシーレーンの8割、9割の原油がここを通過します。自衛隊はシーレーンの防衛も国土の防衛と同じくらいに重要な任務です。

                                                   憲法9条第2項の問題は、憲法9条の加憲ではなく、自民党が主張を続けてきた第2項を調整する方向でやっていただきたいと改めて思います。

                                                   

                                                   

                                                  〜関連記事〜

                                                  「ホイッ!」と作られた日本国憲法とハーグ陸戦条約第43条

                                                  憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!

                                                  景気動向指数による”いざなぎ越え”の真相

                                                  実質GDP△2.1%と名目GDP△3.3%を読むリテラシー


                                                  韓国の文在寅大統領のWTO提訴の警告について

                                                  0

                                                    JUGEMテーマ:通商政策

                                                    JUGEMテーマ:安全保障

                                                    JUGEMテーマ:グローバル化

                                                    JUGEMテーマ:韓国ニュース

                                                     

                                                     今日は「韓国の文在寅大統領のWTO提訴の警告について」と題して論説します。

                                                     

                                                     下記は時事通信の記事です。

                                                    『時事通信 2019/07/01 18:48 半導体輸出規制、撤回を=韓国「WTO提訴」と警告

                                                     【ソウル時事】韓国の趙世暎・外務第1次官は1日、長嶺安政駐韓大使を呼び、日本政府が発表した半導体材料輸出管理強化措置の撤回を求めた。また、成允模・産業通商資源相は声明を出し、「今後、世界貿易機関(WTO)提訴を含め、必要な措置を取る」と警告した。

                                                     成氏は声明で、日本企業に元徴用工らへの賠償を命じた韓国最高裁判決を理由とした「経済的報復措置だ」と断定。「三権分立の民主主義原則に照らし、常識に反する」と批判し、「深い遺憾」を表明した。
                                                     その上で、輸出規制はWTO協定で原則的に禁止されていると指摘。日本が議長国を務めた20カ国・地域首脳会議(Gト)の首脳宣言が「自由で公正かつ無差別な貿易・投資環境の実現と、開かれた市場の維持に努める」とうたっている点を挙げ、「(サミットで合意した)精神とも相いれない」と主張した。』

                                                     

                                                     

                                                     上記記事は、日本政府が半導体材料の韓国への輸出の管理を強化するという措置を打ち出したことに対して、韓国の通商資源相が日本企業に元徴用工らへの賠償を命じた韓国最高裁判決を理由とした「経済的報復措置」に該当するとして、WTOへの提訴を含めた対抗措置を取る旨を警告したとするニュースです。

                                                     

                                                     日本が輸出規制を強化するのはフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の3品目で、特に韓国が輸入する日本製のレジスト、フッ化水素への依存度は全て90%に上ります。そのため、韓国としては日本製の代替品を探すのが難しく、規制が長期化すれば、韓国の半導体産業と韓国経済に悪影響を及ぼすことになるでしょう。

                                                     

                                                     この記事から言いたいことは2つあります。

                                                     

                                                     一つ目はWTOでも何でもいいですが、そもそも韓国は我が国の領土である竹島を不当に占拠し、現在進行形で安全保障を脅かしています。安全保障を理由に貿易を制限することはWTOルールでも認められています。

                                                     

                                                     何がいいたいかと言えば、竹島を不当に占拠しておいて、その上1965年に日韓請求権協定締結という国際法で解決した元徴用工問題を持ち出して、日本企業の韓国国内にある財産を不当に没収したり、追加で賠償金を要求するのを韓国政府が放置しておきながら、日本の輸出規制をWTO違反で提訴とは、「お前が言うな!」というレベルでムカつく話だということ。

                                                     

                                                     私はWTOルールに基づいて、日本政府が取った措置は正当性があると考えます。竹島を不当に占拠する韓国に、WTO違反と言われる筋合いはありません。

                                                     

                                                     二つ目は、半導体のDRAM(記憶保持動作が必要な随時読出し書込みメモリー)とNAND(電気的一括消去が可能なメモリー)で、サムスン電子が世界的に高シェアなのですが、韓国が工業燃料を日本からの輸入に頼っているという実態を改めて認識できたということです。

                                                     

                                                     どういうことか?といいますと、DRAMやNANDを作る工程で、スマホやタブレットの画面に使う「フッ化ポリイミド」、半導体の製造に使う「フォトレジスト」、半導体の洗浄に使う「フッ化水素(エッチングガス)」が必要となるのですが、これら工業燃料・材料は、韓国国内で製造する技術がない、即ち韓国の需要を韓国国内の供給だけで対応することができないということ。日本と比べて国力が低いということです。

                                                     

                                                     国力の強弱とは、国民の需要を自国でどれだけ賄うことができるか?ということなのですが、日本は資源こそ、自国の供給のみで満たすことができないものの、資源以外のほとんどが日本国内で供給することができます。

                                                     

                                                     例えば、イージス艦を製造するとなれば、日本は造船技術のみならず、鉄鋼や半導体や電子部品、それら製造に必要な工業燃料など、すべて日本国内で製造することができる一方、韓国がイージス艦を製造するとなれば、自国で工業燃料や電子部品などの資本財を製造できず日本からの輸入がなければ製造ができないのです。

                                                     

                                                     したがって「イージス艦を製造する」という事業をやる場合、日本の方が韓国より多くの雇用を生み、より多くの所得を得ることができます。日本の方が国力があるというのは、そういうことです。

                                                     

                                                     GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出

                                                     ※純輸出=輸出−輸入

                                                     税収=名目GDP×税率×税収弾性値

                                                     

                                                     上記はGDPと税収の算出式ですが、数式をご覧いただければ一目瞭然ですが、輸入はマイナスです。他国の所得になるから当たり前です。

                                                     

                                                     韓国はイージス艦を組み立てることはできても、組み立てる部品・部材を製造するのに、自国の供給力だけでは賄えず、例えばイージス艦を大量製造するとなれば、工業燃料・半導体材料などの資本財を大量に日本から輸入する必要があり、その場合は日本の所得が増えることになります。

                                                     

                                                     一方で日本がイージス艦を作るとなれば、石油や天然ガスやレアアース、レアメタルといった資源は輸入しなければなりませんが、資本財はほとんど日本国内で供給することが可能であるということで国力が強い=先進国といえるのです。

                                                     

                                                     

                                                     というわけで今日は「韓国の文在寅大統領のWTO提訴の警告について」と題して論説しました。

                                                     半導体業界は、CPUの場合は米国のインテル社、アドバンスマイクロデバイス社(AMD社)の2社でほとんどのシェアを占める一方、DRAMとNANDは、サムスン電子の世界トップシェアというイメージを持たれる方もおられるかと思います。

                                                     今回のニュースでDRAMやNANDの製造に、日本企業が支えていたという事実を多くの日本人が知り、このような国力の差が外交のカードとして日本に有利な状態であることを知らずして不当に竹島を占拠する韓国の愚かさを、韓国に知らしめることができるということを日本人が知ることができたという意味で、外交とは何なのか?国力は何なのか?など、通商政策や安全保障について日本人の理解が深まる良いきっかけになればと私は思います。

                                                     

                                                     

                                                    〜関連記事〜

                                                    サムスン電子について


                                                    全線開通から50年を経過した東名高速道路の経済効果

                                                    0

                                                      JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

                                                      JUGEMテーマ:レントシーキング

                                                      JUGEMテーマ:高速道路

                                                       

                                                       先々月の5月、東名高速が全面開通から50周年を迎えました。そこで今日は「全線開通から50年を経過した東名高速道路の経済効果」と題して論説します。

                                                       

                                                       神奈川県の大井松田インターチェンジと静岡県の御殿場インターチェンジの間が開通し、東京都と愛知県の全長347舛魴襪崚賁捷眤道路が全線開通したのは、1969年の出来事です。

                                                       

                                                       名神高速道路とともに、東京、名古屋、大阪の3大都市圏を結ぶ日本の大動脈として、経済を支えた東名高速の経済効果を見ると、全国60兆円にも上るという試算結果があると言われているほど、経済効果は大きい。荷物を迅速に決められた時間に届けられるようになる高速道路は、消費の在り方を変えたインターネット通販の成長にも大きく貢献しているといえます。

                                                       

                                                       

                                                      <東名高速道路と第二東名高速道路>

                                                      (出典:中日本高速道路のホームページ)

                                                       

                                                       日本経済における東名高速道路の貢献は極めて大きく、60兆円という数字は、計算できる範囲で計算しているだけで、もっと綿密に計算すれば、その程度の水準とは全く違う水準です。

                                                       

                                                       日本が高度経済成長した理由の大きな一つとして、東名高速道路をはじめとする高速道路整備が挙げられると、いつも私は思っているわけですが、東名高速道路がなければ、経済成長の形が全然違う形になっていたというより、高度経済成長していなかったとすらいえるかもしれないのです。

                                                       

                                                       なぜならば、大動脈の物流で、高速道路の土地利用は圧倒的に変わり、周辺の商業や小売業の売上高は、何倍にもなったことでしょうし、土地利用も抜本的に変わっています。

                                                       

                                                       東名高速道路がなければ、あるいは東名高速道路が高度成長を支える道路ネットワークでなかったとするならば、60兆円程度では済まないくらいの貢献をしていたといえるのではないでしょうか。

                                                       

                                                       もともと名古屋と東京の間が9時間程度かかっていたのが、4時間で行けるようになり、半分で行けるようになりました。

                                                       

                                                       もし9時間かかっていたとして、今の倍の時間がかかっていたとするならば、物流コストは倍の費用がかかっていたということになります。

                                                       

                                                       モノの値段のすべてに物流コストは、かかります。GDP3面等価の原則で、物流コストは商業・小売業のGDPからは控除され、運送会社のGDPとしてカウントされるものです。

                                                       

                                                       そのため、多くの国民が「公共事業は無駄だ!」とか「道路は無駄だ!」と誤解しているのですが、交通を便利にするというのは、消費減税と同じくらいの効果があるといえます。なぜならば物流コストがすべての物品に乗っかるからであり、「物流コストが下がる=物品コストが下がる」ともいえるのです。

                                                       

                                                       そういう意味で、もし高速道路整備をやっていなければ増税していたことと同じとみることもできます。そのため、交通というのは経済成長に極めて重大な意味を持つので軽視できず、ましてや「道路は不要!」などという言説は、自らもその恩恵を受けていることに気付かない白痴で無責任な言説といえるでしょう。

                                                       

                                                       並行する新東名高速道路は、8割以上が開通していて、2020年度の全線開通が予定されています。

                                                       

                                                       この新東名高速道路の開通によって、東名高速道路で慢性的に発生していた渋滞が大幅に減少し、災害時の迂回路や自動運転技術の活用にも役割を期待されています。

                                                       

                                                       したがって、東名高速道路と新東名国側道路のWネットワークは、いいことだらけといえるでしょう。

                                                       

                                                       例えば、京都と大阪間では名神高速道路がありますが、この高速道路の天王山という場所は、第二京阪高速道路ができる20年以上前は、いつもすごい渋滞が発生していたといわれています。Wネットワークにすることによって、交通量の一部が第二京阪高速道路にいくこととなり、渋滞が緩和されました。

                                                       

                                                       このように高速道路のWネットワークは、すさまじい経済効果があるといえ、新東名高速道路が全線開通すれば、全区間でその効果が発生することになって、渋滞が抜本的に解消されるのです。

                                                       

                                                       さらに防災面でのメリットも大きく、大きな事故が発生して高速道路が使えなくなってしまえば、その動脈は止まってしまいます。事故だけでなく自然災害で、例えば地震で崩れるとか大雪で片方が使えなくなるとか、由比ガ浜付近が津波被害で使えないとか、いろんなパターンが無限に想定されますが、Wネットワークであれば、動脈が止まることもありません。

                                                       

                                                       そうした事象も経済効果として定量数字に組み込めば、たかだか高速道路が一本できるだけで、60兆円程度の経済効果ではなく、何百兆円もの効果があるものと、私たちは認識する必要があるものと思います。

                                                       

                                                       一方で東名高速道路が全線開通してから50年余りが経過し、道路・トンネルの老朽化も一つの課題です。全線で補修が3兆円必要といわれています。

                                                       

                                                       この補修費用は、費用なのでコストといえばコストですが、支出=生産=分配で、経済成長することができる需要でもあります。3兆円という費用は決して高いものはなく、仮にもカネカネカネとやってケチって補修しなければ、やがてその道路は使えなくなってしまいます。道路が全く使えなくなるとなれば、何百兆円もの経済効果がなくなって、何百兆円の損害を受けるともいえるのです。

                                                       

                                                       

                                                       というわけで今日は「全線開通から50年を経過した東名高速道路の経済効果」と題して論説しました。

                                                       今の日本政府はカネカネカネとやって、公共事業を増やしていません。しかもプライマリーバランス黒字化というバカバカしい縛りがあるため、家計簿や企業経営の発想で財政運営しているので、高速道路補修費を増やすならば、その分教育費を削減するとか、消費増税するなどとやって、経済成長が抑制され、発展途上国に逆戻りしているのが今の日本です。

                                                       超重要インフラの老朽化対策をしっかりやっていくことこそ、日本経済を支え、私たち日本国民の所得を守り、賃金UPの原資を生み出すものであると私たちは認識し、デフレ脱却のためにも財政出動を声を大にしてあげるべきであると私は思います。


                                                      中国ウイグル自治区の再教育キャンプで行われているウイグル人への拷問

                                                      0

                                                        JUGEMテーマ:中国ニュース

                                                        JUGEMテーマ:凶悪犯罪

                                                         

                                                         皆さんはウイグルという地名をご存知でしょうか?

                                                         

                                                         かつては東トルキスタンといわれていましたが、中国共産党によって新疆ウイグル自治区と勝手に属国化されて、民族洗浄(エスニック・クレンジング)が行われています。

                                                         もともとは豊かな文化を持つ国・土地だったのですが、漢民族が大量に流入し、ウイグル人は強制収容所に送られています。

                                                         

                                                         そこで今日は中国政府によるウイグル人のジェノサイド問題を取り上げ、「中国ウイグル自治区の再教育キャンプで行われているウイグル人への拷問」と題して論説します。

                                                         

                                                         まずはRFA(RadioFreeAsia)というサイトの記事をご紹介し、中国の再教育キャンプの実態について以下の順でご説明します。

                                                         

                                                        1.記事の概要について

                                                        2.中国政府の苦しい説明

                                                        3.ウイグルで顔認証システムを製造している企業の割り出そうとしている米国議会

                                                         

                                                         

                                                         以下、英語で書かれている原文をそのまま紹介します。

                                                         

                                                        『RadioFreeAsia 2019/06/24 Young Uyghur Tour Director Dies Under Questioning by Xinjiang Authorities: Mother

                                                         

                                                         A young Uyghur woman who worked as the deputy director of a tourist agency in northwest China’s Xinjiang Uyghur Autonomous Region (XUAR) has died while being questioned in official custody, according to a recording of her mother that was secreted out of the country by members of the Uyghur exile community.

                                                         Aytursun Eli, 35, had studied tourism and Japanese before accepting a position at the Hua An Tourism Company in the XUAR’s Kashgar (in Chinese, Kashi) city and being promoted to deputy director, her mother, Patigul Yasin, said in a purported recording of an interview with the official Autonomous Regional Women’s Federation that was obtained by Washington-based International Uyghur Human Rights & Democracy Foundation (IUHRDF).

                                                         Authorities in the region had targeted the young woman after she returned from a work trip to Dubai, a country blacklisted by authorities for travel by Uyghurs due to the perceived threat of religious extremism, her mother said.

                                                         “It was on June 4, 2018, when she was called … to go to the police station,” Yasin explains in the recording, which was only recently smuggled out of the XUAR by a “Uyghur exile through various channels” before being passed to the Washington-based World Uyghur Congress, and published on IUHRDF’s website.

                                                         “We didn’t really pay much attention to it at the time … But on June 9, at around 11:00 a.m., two men came to our home.”

                                                         Yasin said the men asked her and her husband, Eli Ghopur, about what Eli did for a living and whether she ever showed signs of being medically unfit.

                                                         “If my daughter was unwell, how could she manage to help carry elderly tourists’ luggage, and assist them in climbing mountains and visiting various places,” Yasin said she told the men.

                                                         When she inquired whether Eli had fallen ill, the men told her, “Yes, a little bit,” and asked whether she would like to see her daughter.

                                                         “We were taken to the Yuandong Hospital [in Kashgar], but when they saw my husband’s face and the state that he was in, they told him to sit down and not to go in, and took me inside on my own,” she said.

                                                         Yasin said that on arriving at the hospital, several people who she believed were plainclothes officers surrounded her and told her “not to shout out or cry.”

                                                         “Two men grabbed me by my arms and dragged me into the hospital … where I was made to sit at [a desk] with people standing on either side of me,” she said.

                                                         “A man arrived to sit opposite me and said, ‘We are going open up your daughter’s body … to carry out an autopsy. Should we proceed?’”

                                                         “I said, ‘Why would you do that? Did you kill her [in custody] and now you want to open her up here at the hospital?’”

                                                         According to Yasin, the two men grabbed her again and informed her that if she refrained from crying, they would allow her to receive Eli’s body at her home before they buried her.

                                                         “They dragged me into a room where my daughter’s body was—she was lying there like a beautiful statue and I began to caress her while screaming, ‘My child,’” she said.

                                                         “At that point, they pulled my hands very roughly away from her face, dragging me out of the room. I only had a chance to touch my daughter’s face, and was unable to see any other parts of her body.”

                                                         Yasin said the authorities claimed her daughter had a medical condition, and because she was so weak, she was “unable to cope with being questioned.”

                                                         But she rejected their explanation, saying that Eli would have been unable to perform her duties and receive promotions with the tourist agency if she was unwell.

                                                         “They forcibly took my hand and made me sign some documents,” she said, adding that she was also made to provide fingerprints before receiving a death certificate from the hospital.

                                                         Despite Eli’s achievements in her studies, the certificate said that she was a “farmer” who “had never been to school,” and claimed she suffered from four different heart conditions, including arrhythmia and cardiomyopathy, Yasin said.

                                                         

                                                        Burial

                                                         Eli’s body was brought to her home, but her parents were not allowed to see her, Yasin said, and she was taken away for burial about an hour later.

                                                         “During that time, I asked to see her, but they fiercely refused my pleas,” she said.

                                                         “They washed her and took her away for burial while we were locked up in a room and prevented from entering the courtyard. The cadres and police controlled everything. I learned later that they didn’t allow people to enter the house ... They only allowed three or four people to attend the burial, while the rest were officials.”

                                                         Yasin said Eli’s colleagues at the tourist agency asked authorities why she had been arrested, but were told to “mind their own business,” lest they end up in an internment camp, where up to 1.5 million Uyghurs and other Muslim ethnic minorities accused of harboring “strong religious views” and “politically incorrect” ideas have been held since April 2017.

                                                         While Eli had been told she would have to enter an internment camp, authorities never confirmed whether she had died while being questioned in a camp or in custody at a local police station.

                                                         Police handed Yasin 49,000 yuan (U.S. $7,125) following the burial, which she said included Eli’s pension contributions and a “death payment.”

                                                         After obtaining a copy of Yasin’s recording, RFA’s Uyghur Service contacted the Autonomous Regional Women’s Federation to confirm Eli’s death, but was told by staff members that they had no knowledge of the case.

                                                         The staff members told RFA that they had not conducted any interviews related to the death of a young woman who worked with a tourist agency, despite being told of the purported recording.

                                                         When asked whether Eli had worked for Hua An Tourist Company, a representative of the firm confirmed that she had and told RFA that she died “around this time last year.”

                                                         A second staff member at the tourist agency said they knew Eli had passed away, but were unable to speak to the state of her health or the circumstances under which she died.(後略)』

                                                         

                                                        <ウイグル自治区にある再教育キャンプという名の強制収容所の写真>

                                                        (出典:RadioFreeAsiaから引用)

                                                         

                                                         

                                                        1.記事の概要について

                                                         

                                                         内容的には、ウイグル人の35歳の女性でアイトルサン・エリー(Aytursun Eli)さんという方(以下「エリーさん」)が、ウイグル自治区にある再教育キャンプで、ひどい拷問を受けて死亡したのでは?という疑義があると母親が証言しているというものです。

                                                         

                                                         エリーさんは、ご主人も子供もいる女性で、職業はツアーコンダクターであり、新疆ウイグル自治区にある旅行代理店に勤めていました。彼女は観光業を勉強し、なんと日本語も勉強していたということで、日本人向けのツアーガイドもできる人だったと言われています。

                                                         

                                                         彼女は今からちょうど1年ほど前に、中東のドバイにツアーコンダクターとして行ったのですが、ドバイから帰ってきたときに警察に呼ばれ、再教育キャンプに収容されました。

                                                         

                                                         その後、数日後にエリーさんの母親に、警察から連絡があり、「娘さんがどんな仕事をやっているのか?」と聞かれて母親は説明したのですが、警察から「病気とか体が悪いところがなかったか?」とも聞かれました。

                                                         

                                                         母親は当然、「病気などあるわけがなく、病気だったら海外のドバイに行ったりできるわけがない!」と説明。しかしながら警察は「どこか体が悪いところがあったはずだ!再教育キャンプで病気で亡くなった!」と言われ、「病院に死体があるから病院に行きましょう!」と言われました。

                                                         

                                                         そして警察は母親に対して、その病院で娘の死体の解剖の許可を求めたのです。

                                                         

                                                         ご両親は病院に駆け付け、エリーさんの遺体がある部屋に入り、エリーさんの遺体を確認して「我が娘よ!」と泣き叫んで、頬を撫でていました。

                                                         

                                                         そしたら警察官が娘の方を撫でている手を引っ張り、遺体がある部屋から外に出されました。その後、遺体を見ることが許されず、遺体の解剖に持っていかれて火葬されました。

                                                         

                                                         エリーさんの葬式は、新疆ウイグル自治区の当局が勝手に行ったため、ご両親は葬式に出ることすらできませんでした。

                                                         

                                                         上述の内容について、エリーさんの母親が新疆ウイグル自治区にある教会で、この証言を行い、それがテープに録音され、その証言テープが何人かの人にわたって、海外の反中国政府運動をやっている亡命ウイグル人の組織に渡り、最終的に米国の連邦議会の予算で運営されているFreeRadioAmericaというラジオ番組をやっている組織の手に渡りました。

                                                         

                                                         エリーさんは35歳という若い女性ですが、日本語も英語もできるツアーコンダクターということでインテリでした。そしてツアーコンダクターとしてドバイに行ったのです。

                                                         

                                                         ドバイといえば中東です。私はドバイこそ行ったことありませんが、ヨルダンとオマーンをカタール経由で往訪しています。中東といえばアラビア語となりますが、イスラム教の過激派・テロリストというリスクがある地域でもあります。

                                                         

                                                         エリーさんは中東のドバイに行ったというだけで、そうした中東のイスラム教の過激派・テロリストと接触したかもしれないという疑いがかけられ、再教育キャンプ施設に収容されてしまったのです。

                                                         

                                                         警察からは病気で死んだと言われていますが、実際は再教育キャンプで大変な拷問にかけられて亡くなっていると思われます。にもかかわらず、拷問で亡くなったのではなく、もともと病気で、その病気が原因で亡くなったとされているのです。

                                                         

                                                         葬儀の後、ご両親にはエリーさんの年金のお金が返され、死亡証明書が一緒に送られています。

                                                         

                                                         これが今、中国の新疆ウイグル自治区の再教育キャンプで行われている実態です。

                                                         

                                                         

                                                         

                                                        2.中国政府の苦しい説明

                                                         

                                                         この再教育キャンプは、2017年4月から稼働し、既に2年以上が経過しています。先週の2019/06/25には、国連のジュネーブ本部の人権理事会で、中国政府のウイグル自治区再教育キャンプの問題の審議が行われました。

                                                         

                                                         昨年から国連のジュネーブ本部では、何回もウイグル自治区の再教育キャンプのことが取り上げられ、2018年8月には難民高等弁務官事務所での委員会でも、この問題が取り上げられました。

                                                         

                                                         今回、人権理事会の場で、新疆ウイグル自治区の副知事が証言しています。

                                                         

                                                         その証言の内容ですが、世界で悪く言われている再教育キャンプの実態は異なるとし、あくまでも職業訓練所であると証言しています。

                                                         

                                                         さらに副知事は、反政府の思想を持った人は、放っておけばテロリストになる人間になる可能性があるため、再教育キャンプに収容して職業を教え、職業の技能を身につけさせて社会に返すということをやっていると証言しています。

                                                         

                                                         

                                                         

                                                        3.ウイグルで顔認証システムを製造している企業の割り出そうとしている米国議会

                                                         

                                                         先週G20で習近平が来日する中、日本でも反中国のデモ運動が大阪で行われました。

                                                         

                                                         米国では米国議会の上院議員のマルコ・ルビオ氏が中心となり、中国に対して厳しい態度をとって、このウイグル問題について取り組んでいます。

                                                         

                                                         今特に力を入れて取り組んでいるのは、ウイグルで顔認証システムを作っている企業への制裁です。

                                                         

                                                         AIやIoTの技術を使うなどして顔認証システムを使うことで、中国共産党政府が反中国政府組織の人々や反政府の思想を持った人を捕らえ、再教育キャンプに収容して拷問したり、臓器狩り目的で殺すことを、米国議会は知っているのです。

                                                         

                                                         そのため、マルコ・ルビオ氏は、顔認証システムを製造する中国企業を何とか割り出し、その企業に対して経済制裁を科すという法案を何とか通そうと努力しています。

                                                         

                                                         それに比べて日本の国会議員は与野党とも何もしていません。国会会期中に議論すらされませんでした。

                                                         

                                                         

                                                         というわけで今日は「中国ウイグル自治区の再教育キャンプで行われているウイグル人への拷問」と題して論説しました。

                                                         米国議会は中国の人権弾圧の事実を知っており、厳しい態度で臨んでいます。にもかかわらず、相変わらず日本のマスコミは、「トランプ大統領が過激で・・・」という報道ばかり目につくのですが、少なくてもファーウェイの疑惑は10年以上前から問題視されており、議論を尽くしたうえで始まっていることです。そのため米国の対中国政策は、トランプ大統領よりも米国議会の方が教鞭で、親中イメージが強い民主党ですら「トランプ大統領は甘い」と責め立てているのが現状です。

                                                         日本のテレビ・新聞は、どんなにウソを報道しても、あるいは真実を捻じ曲げて報道したとしても、憲法21条の言論の自由、表現の自由、報道の自由で、処罰されることはないのですが、中国共産党政府に遠慮して、中国の実態を報道しないという態度は、許されるべきことではありません。

                                                         今回ご紹介した中国によるウイグルの弾圧を米国は許さないという態度で臨んでいる一方、日本の国会議員らはメディアリテラシーが低すぎて、こうした問題について認識がないということが大変残念なことと私は思います。

                                                         

                                                        〜関連記事(エスニッククレンジング関連)〜

                                                        武力行使でなく民族洗浄による中国の日本に対する侵攻を助長する移民政策推進

                                                        「高度な能力や資質を有する外国人を受け入れる」の欺瞞と「中国による洗国(せんこく)」の恐怖

                                                        外国人労働者を送り込み、国際法違反行為の民族洗国(エスニッククレンジング)によって「日本の抹殺」を企てる中国!

                                                        発展途上国化する日本!その日本の軍事予算の20倍を使う中国共産党に対して、我が国は如何にして立ち向かえるか?

                                                         

                                                        〜関連記事(その他、中国の人権弾圧、米国のファーウェイ排除など)〜

                                                        中国共産党によって人権と民主主義が脅かされている香港を支援する米国と何もしない日本

                                                        ”逃亡犯条例改正案”に反対している香港のデモ活動は日本人にとって他人事ではない!

                                                        日中通貨スワップは誰のため?

                                                        米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について

                                                        中国の一帯一路の被害国を増やすことに手を貸す日本企業と、中国とのプロジェクトを決別宣言したマレーシア

                                                        中国の公平でないグローバリズムに強硬な姿勢をとる米国と、製造2025をビジネスチャンスと考えるアホな国

                                                        中国のAIIBと一帯一路に手を貸す銀行・企業は、中国の侵略に手を貸すのと同じです!

                                                         

                                                        ファーウェイつぶしの目的は5G技術の覇権を取らせないためか?

                                                        「日本人が中国人を安い賃金で雇う」ではなく「中国人が日本人を安い賃金で雇う」時代へ!

                                                        日本はトランプ大統領の関税カードの使い方を学ぶべきです!

                                                        トランプ大統領の中国製品の関税25%引き上げの真の狙いは何か?

                                                        米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について

                                                        米中貿易戦争で中国は勝てません!

                                                        中国Huawei・ZTE問題と、国家安全保障にかかわる次世代通信システム5Gサービスについて

                                                        覇権挑戦国に伸し上がろうとする中国をつぶそうとしている米国


                                                        年金への根強い不信を露呈した老後2000万円不足問題

                                                        0

                                                          JUGEMテーマ:資産運用

                                                          JUGEMテーマ:年金/財政

                                                          JUGEMテーマ:年金

                                                           

                                                           今日は、老後2000万円不足問題について取り上げ、「年金への根強い不信を露呈した老後2000万円不足問題」と題して論説します。

                                                           

                                                           この問題は、夫婦の老後年金とし年金以外に2000万円の蓄えが必要とした金融庁の報告書について、麻生太郎大臣が正式な報告書として受取を拒否したという問題で、夏の参議院選挙のダメージを回避するため、麻生大臣が報告書を事実上撤回することで、沈静化を図ったのでは?と報じられている問題です。野党側は、消えた報告書などとして安倍政権への批判を強めています。

                                                           

                                                           金融庁が金融審議会でまとめた報告書によれば、夫が65歳以上、妻が60歳以上の無職世帯が年金に頼って暮らす場合、毎年5万円の赤字が出ると試算し、その後30年生きるには2000万円が不足すると試算しました。

                                                           

                                                           あくまでも2000万円は平均値としていますが、普通の人が「2000万円貯金をしていなければ老後は生きていけないということなの?」と思っても仕方がない話です。

                                                           

                                                           男性95歳、女性は90歳という試算ですが、国家が100年安心年金制度といっておきながら、実は制度が不十分で日本政府は2000万円支払えません!という話でもあります。

                                                           

                                                           100歳生きても大丈夫という話が、60歳以上は生きることはできませんと言いたいのでしょうか?

                                                           

                                                           この報告書を麻生大臣が受け取らなかったとしても、多くの国民は、「本当は60歳以上は生きていけないんでしょ?」と誰もが思うでしょう。

                                                           

                                                           なぜこんな試算が出たのか?私の推測ですが、財務省が増税したいための論理として、この報告書を作成したのではないでしょうか?なぜならば金融庁は財務省の傘下の組織です。

                                                           

                                                           毎月5万円不足する状況だから、消費増税で国民から広く安定的に集めて補填すれば、社会保障が充実して国民が生きていけるというシナリオがあり、それを財務省の職員が情宣したいためだったのでは?と私は疑っています。

                                                           

                                                           要は、消費増税をやらなければ2000万円を自分で貯めなければならないが、消費増税をすれば2000万円自分で貯める必要はなくなるということでしょう。

                                                           

                                                           この事件で多くの日本人が、「もっと貯金しなくては!」とか「もっと投資するために毎月の給料から投資信託を買うお金を捻出するために節約しなくては!」となって、貯金や節約をした分、消費減少=生産減少=所得減少となって、経済成長を抑制します。即ちデフレが促進されることになるでしょう。

                                                           

                                                           もちろん金融庁は「貯金から証券へ!」と株式や投資信託の購入を促すため、資産運用を早めにした方がよいというメッセージでもあるという声もあります。

                                                           

                                                           私こと、杉っ子は株式投資を長年やっていますが、国民が株式投資をしなければならないというのは、全くおかしな話です。普通に働き、働いたお金をちゃんと稼いで老後も安心して暮らせるというのが普通の社会です。何が言いたいかといえば、「年金が不足するから自助努力で資産運用してください!」というのは、全くをもって無責任なこと。

                                                           

                                                           しかも消費増税をやるとなれば、GDPの伸びは抑制され、株式市場にも悪影響が出る可能性は大きいのです。既にトランプ政権が積極財政をやって米国の経済は絶好調であり、地に足が付いて株価が上昇する一方、日本の株式市場は残念ながら日経平均で23000円を超えることができずにいます。

                                                           

                                                           GDPは会計学的には粗利益に相当するものであり、GDPが成長しない以上、株価が上昇したとしても、それは別の要因で一時的な要因での上昇といえます。

                                                           

                                                           実際に東京の株式市場の売買の主体は、日銀が買い支えているにすぎず、買い手は不在の状況です。

                                                           

                                                           この状況で日本株や投資信託に投資をしたとしても、運用はうまくいかないことが多いでしょう。仮に米国株などの外国株を買うにしても、消費増税と緊縮財政によって、超円高になるシナリオがあります。円高となれば外貨建て資産は価値が目減りします。

                                                           

                                                           既に円高基調になっているにもかかわらず、負債を増やす国債増刷をやらないため、日銀が金融緩和をできなくなるXデーも近づいているのです。

                                                           

                                                           負債を増やす国債増刷さえやれば、金融緩和が継続できるので、円高を回避できます。しかしながら負債を増やせば「将来世代にツケを残すのか?」と多くの国民が反対するでしょう。

                                                           

                                                           結局国債増刷ができるのに国債増刷をせず、金融緩和ができなくなって円高になっているのを日銀がただ見守っている状況となる可能性が高く、消費増税で消費が減り、米中貿易戦争でスロートレードが加速する以上、株価が下落・暴落するシナリオこそあれど、上昇するシナリオは全くないというのが私の見解です。

                                                           

                                                           

                                                           というわけで今日は「年金への根強い不信を露呈した老後2000万円不足問題」と題して論説しました。

                                                           

                                                           

                                                          〜関連記事〜

                                                          いよいよ円高を傍観するしかなくなる日本銀行


                                                          安定電源に全く役にも立たない再生可能エネルギーが買取から入札へ!

                                                          0

                                                            JUGEMテーマ:脱原発

                                                            JUGEMテーマ:太陽光発電

                                                            JUGEMテーマ:原子力発電

                                                            JUGEMテーマ:ソーラー発電

                                                            JUGEMテーマ:発電

                                                            JUGEMテーマ:メガソーラービジネス

                                                             

                                                             今日は「安定電源に全く役にも立たない再生可能エネルギーが買取から入札へ!」と題して論説します。

                                                             

                                                             日本経済新聞の記事を紹介します。

                                                            『日本経済新聞 2019/06/13 太陽光や風力発電、買い取りから入札へ   事業者に競争促す 弱い送電網、普及に壁

                                                             経済産業省は太陽光や風力発電の事業者がつくった電気を大手電力があらかじめ決めた価格で買い取る制度を終了する。買い取り費用の増加で消費者の負担が高まっており、新たな競争入札制度を導入してコスト低減を進める。2020年にも関連法を改正する。政府は再生可能エネルギーを今後の主力電源として拡大する方針だが、遅れが目立つ送電網の整備などまだ課題も多い。

                                                             経産省は12年に固定価格買い取り制度を導入した。再生エネの電気を国が決めた固定価格ですべて買い取る仕組みだ。費用は電気料金に上乗せされる。

                                                             買い取り費用は19年度で約3.6兆円にのぼる。うち家庭や企業に転嫁する分は約2.4兆円まで膨らみ、見直しの必要性が指摘されていた。経産省は対策として、ドイツなど欧州各国がFITの替わりに導入を進めている方式を取り入れる。

                                                             50〜100キロワット超の中・大規模の太陽光や風力の事業者には、自ら販売先を見つけたり、電力卸市場で売ったりすることを求める。価格は取引先との交渉や市場の状況で変わることになる。

                                                             固定買い取りのメリットをなくす替わりに、卸市場で電力価格が急落し基準価格を下回った場合は国がその分を補填する。この措置を受けられる事業者は基準価格に関する競争入札で選ぶ。

                                                             入札に参加する事業者は自社の発電コストを考慮しながら基準価格の候補を出し、経産省はその価格が低い順に一定数の事業者を認定する。基準価格は落札した事業者ごとに違う価格になる見通しだ。入札は数カ月ごとなど定期的に実施する。

                                                             落札した事業者は市場価格の急落時でも損失が膨らむリスクを回避でき、中長期的に投資を進めやすくなる。一方、高く売れる取引先を見つけるといった経営努力が必要なため、事業者間の競争が進んで電気料金が下がる効果が見込める。

                                                             小規模の事業用太陽光や家庭用の太陽光では買い取り制度自体は残すが、買い取りは全量でなく自家消費で余った分だけにする。買い取りにかかっていたコストは大幅に削減できる見込みだ。

                                                             月内に経産省の有識者会議で案を示し早ければ20年の通常国会に関連法の改正案を提出する。

                                                            政府は再生エネの構成比を17年度の16%から30年度に22〜24%に高める目標を掲げる。ただ普及拡大には買い取り制度以外にも課題は多い。

                                                             特に大きな障害は送電線の能力不足だ。九州地方では送電網や本州との連系線が足りず、発電の抑制を求められる事態が頻発する。東北地方では稼働していない原子力発電所用に送電線が確保され再生エネ事業者が使えない問題もある。電力を確実に届けるインフラの整備を急ぐ必要がある。』

                                                             

                                                             上記記事の通り、経産省は太陽光や風力発電事業者が作った電気を、大手電力があらかじめ決めた価格で買い取る制度を終了し、入札制度に移行すると報じています。理由は買取費用の増加で、消費者の負担が高まっているためで、新たな競争入札制度を導入してコストの低減を進めるとしています。

                                                             

                                                             この再生可能エネルギー固定価格買取制度の抜本的な見直しに至った背景は、国民負担を抑制しながら再生可能エネルギーを主力電力・電源に育てるためとしています。一方で記事にもありますが、地域を超えて電力を届ける送電網等の整備が欠かせないという課題も指摘されています。

                                                             

                                                             私は、この再生可能エネルギー固定価格買取制度は、もともと不条理な制度であると認識しています。誰でもいいから再生可能エネルギーを始めたら電力会社が買い取る義務があるという制度で、電力会社としては買取るが、そのコスト上昇分は利用者に補填させるという点が、極めて不条理です。政府が介在していないので税金ではないものの、一般消費者や企業にとっては電力税のようなものになっていたため、デフレ圧力にもなっていたといえます。

                                                             その上、電力サービスの付加価値は安定電源であるため、天気や気候で安定的に電源を供給できず、しかも電気を作りすぎるとブラックアウト(停電)さえ引き起こすということで、安定電源に全く役に立たないエネルギー安全保障の弱体化に拍車をかける制度であると私は思っています。

                                                             

                                                             今回、入札になるとなれば、電力会社が買わなくなる可能性があります。関西電力や東京電力などが高いという理由で買わなかったとしても、それは仕方がない話です。そこに乗っかって甘い汁を吸っていた業者を切り捨てるという話でもあります。

                                                             

                                                             ただ財務省が認めたのか?真意が不明ですが、関西電力や東京電力が安く買い取ったとして、基準価格を下回った場合、その差額を政府が税金で補填をするということになっています。

                                                             

                                                             例えば100円で買っていた電力が、入札制度で80円で買うことになったとして、基準価格が90円だったら、その差額10円を政府が持ち出して補填する仕組みです。なので、利用者負担ではなく税金を使って再生可能エネルギーを普及するようにしたとみることもできます。

                                                             

                                                             とはいえ、プライマリーバランス黒字化目標があるので、そこに税金を使うとなれば、他の予算を削減することになるでしょう。

                                                             

                                                             再生可能エネルギーの普及のために税金を使うということ自体がバカバカしい話で、大容量の蓄電技術の開発を続ける日本ガイシ(証券コード:5333)などの投資を後押しするとか、科学技術支援に税金を使った方がいいのでは?と私は思います。

                                                             

                                                             何しろ大容量蓄電技術が確立されていない今、再生可能エネルギーを推進すればするほど、電力サービスが不安定になるということでエネルギー安全保障の弱体化が進むからです。

                                                             

                                                             

                                                             というわけで今日は「安定電源に全く役にも立たない再生可能エネルギーが買取から入札へ!」と題して論説しました。

                                                             

                                                             

                                                            〜関連記事〜

                                                            ドイツのFIT廃止と日本のFITの現状と発電税

                                                            「再生可能エネルギー固定価格買取制度」の終了! 


                                                            トランプ大統領による米韓FTAとNAFTAの見直し

                                                            0

                                                              JUGEMテーマ:通商政策

                                                               

                                                               今日は「トランプ大統領による米韓FTAとNAFTAの見直し」と題して論説します。

                                                               

                                                               日米FTAとは、日本と米国の二国間自由貿易協定なのですが、現時点で日本は日米FTAを締結していません。しかしながら、韓国は一足先に早くから、米国と二国間自由貿易協定、通商「米韓FTA」を締結しています。時期は今からちょうど12年前の2007年6月30日に署名し、2012年3月15日に発効となっています。

                                                               

                                                               しかしながらトランプ大統領になってから米韓FTAは見直され、新米韓FTAとして既に発効され直しています。

                                                               

                                                               古い記事ですが、ブルームバーグの記事をご紹介します。

                                                              『ブルームバーグ 2018/09/25 07:44 米韓首脳がFTA見直し案に調印−国連総会に合わせ

                                                               トランプ米大統領と韓国の文在寅大統領は24日、見直し交渉後に合意していた米韓自由貿易協定(FTA)に調印した。国連総会に合わせ、トランプ大統領にとって就任後初の大型貿易協定の調印がニューヨークで行われた。

                                                               貿易アナリストらによれば、米韓FTAの改定は化粧品分野が中心だった。議会承認が必要になる米通商法の発動をトランプ大統領が拒否し、再交渉分野を制限したためだ。3月にホワイトハウスが公表した新協定内容では、関税と自動車輸出枠が修正されていた。

                                                               トランプ大統領は24日、米韓FTAは内容を若干修正したものというより「全く新しい協定」だと述べた。一方、文大統領は通訳を介して、米韓両国はFTAを「改定」したと語った。

                                                               トランプ大統領は、「われわれは韓国への製品輸出を開始する」とした上で、「最も素晴らしい米国製自動車や革新的医薬品、農作物の韓国市場へのアクセスは大幅に拡大する」と指摘した。

                                                               改定FTAにより、米自動車メーカー各社は従来の2倍の5万台まで、韓国国内の安全基準を満たさなくても輸出が可能になる。しかし現在、韓国国内での販売台数が年間1万台を大幅に上回る米メーカーはない。

                                                               韓国はまた、韓国製トラックへの25%の米関税について失効期限を従来予定の2021年から41年に先延ばしすることに同意。また韓国製鉄鋼の輸出枠設定も受け入れた。

                                                               韓国はFTA見直し案の来年1月1日発効を見込む。文大統領は、「米韓両国企業は、より安定的な環境の下でビジネスを行えるようになるだろう」と述べた。

                                                               ただ韓国の議員らは、米国が韓国製自動車に追加関税を発動させた場合はFTA見直し案を承認しないと述べている。米韓FTA見直し案の批准には韓国議会の承認が必要。』

                                                               

                                                               トランプ大統領は、この新米韓FTAが素晴らしい貿易協定になったとして、満足の意を表しています。

                                                               

                                                               もともと韓国の貿易は、厳しい状況となっていました。下記グラフの通り、米韓FTA発効後、2015年をピークに貿易黒字は減少傾向となっています。

                                                               

                                                              <韓国の対米輸出入・貿易収支の推移>

                                                              (出典:ジェトロのホームページから)

                                                               

                                                               

                                                               2018年1月発効の新米韓FTAのポイントは、自動車とISDS条項です。

                                                               

                                                               まず自動車については、米国が輸入する韓国製のピックアップトラックの関税25%の撤廃時期を20年延期して2041年からとした他、米国車を韓国が輸入するのに関して、米国の自動車メーカー別に年間5万台(現行は25,000台)まで、米国の安全基準を満たした車両を韓国の安全基準を満たしたものとみなすなど、米国が韓国に自動車を輸出するのに有利な改定になっています。

                                                               

                                                               米国の自動車メーカーのフォードやクライスラーといった企業にとっては、ありがたい話だといえるでしょうし、韓国のピックアップトラックを製造するメーカーにとっても、ありがたい話といえます。

                                                               

                                                               自動車の輸出入について、新米韓FTAは米韓が共にWIN−WINとなるような内容になっています。

                                                               

                                                               2つ目はISDS条項の乱訴に歯止めをかけるというもの。このISDS条項というのは、日本でもTPPへの加盟の是非の議論でよく取り上げられました。

                                                               

                                                               当時のTPPの議論では、TPPに加盟するとグローバル企業が海外に投資をするようになり、その投資先の国家が規制をしたことで企業が損失を被ったならば、その国家を訴えることができ、しかもグローバル企業に有利な判決が出るため、国家の主権が侵されるということで問題だという議論がありました。

                                                               

                                                               まさに、グローバル企業と国家間で発生した紛争を処理するルールを定めているのがISDS条項なのです。

                                                               

                                                               そしてそのISDS条項があるがゆえに、グローバル企業は安心して投資ができるのです。

                                                               

                                                               しかしながら、このISDS条項は、先述の通り企業に有利な判決が出やすいのです。企業の立場が国家よりも強いということで、グローバル企業による国家に対する訴訟が乱発され、国家主権がどんどん制限されていくという問題がありました。

                                                               

                                                               ISDS条項が問題だと思うのは、そもそも裁判所がどこの裁判所なのか?ということに尽きます。米国国内では、世界銀行のグループの一つ、国際投資紛争解決センターというグローバル組織です。そのため、グローバル裁判所であることから、グローバリズム有利で反国家の判例が出やすく、国家に対して厳しめの判決が出やすいのです。

                                                               

                                                               このようなISDS訴訟が乱発されると、国家主権が危うくなるというわけで、反グローバリズムからみれば、ISDS条項は大きな問題です。

                                                               

                                                               米国は、もともとISDS条項が入っていることを推進し、日本も推進していたため、日米共にTPPでISDS条項は、入っていた方がよいという論調でした。

                                                               

                                                               ところがトランプ大統領が登場してから米国は変わりました。トランプ大統領は、もともと反グローバリストであるため、ISDS条項を問題視していたのです。

                                                               

                                                               その証拠にトランプ氏は大統領になってからすぐにTPP加盟交渉から離脱。理由はISDS条項を問題視していたからで、すでに加盟していた旧米韓FTAやNAFTAでもISDS条項が入っていました。

                                                               

                                                               どちらかといえば、米国のグローバル企業にとっては、ISDS条項が入っていた方が有利だと考えられるのですが、トランプ大統領はISDS条項を問題視し、NAFTAからもISDS条項を外しています。

                                                               

                                                               こうした新米韓FTAを2018年1月から発効させた韓国ですが、先述のグラフの通り、韓国からみれば2017年と比べて2018年度は貿易黒字は減少しているものの、輸出も輸入も伸びているのです。

                                                               

                                                               

                                                               というわけで今日は「トランプ大統領による米韓FTAとNAFTAの見直し」について取り上げました。

                                                               G20が終わり、今後トランプ大統領はTPPではなく、日米FTAの締結を迫ろうとするでしょう。その際、日本の政治家が安易に農産品の関税を引き下げるといったことがないようにしていただきたいと私は思います。

                                                               そもそもトランプ大統領が、米国民ファーストのためにふっかけてくることは明らかです。日本もグローバル企業の保護ではなく、食料安全保障の強化の意味からも、農産品の関税引き下げについては断固として阻止することを意思表示し、かわりに消費減税をすることで米国製品が輸入しやすくなるような環境を作るというのが、一番ベターな話ではないかとも私は思っています。

                                                               しかしながら与党自民党は消費増税をする方向で参議院選挙を戦うということなので、今後米国との通商協議は大変厳しいものになっていくだろうと私は思います。

                                                               

                                                               

                                                              〜関連記事〜

                                                              米韓FTAの悲惨な実態を報道しない日本経済新聞


                                                              << | 2/26PAGES | >>

                                                              calendar

                                                              S M T W T F S
                                                              1234567
                                                              891011121314
                                                              15161718192021
                                                              22232425262728
                                                              2930     
                                                              << September 2019 >>

                                                              スポンサーリンク

                                                              ブログ村

                                                              ブログランキング・にほんブログ村へ
                                                              にほんブログ村

                                                              selected entries

                                                              recent comment

                                                              • 安定電源に全く役にも立たない再生可能エネルギーが買取から入札へ!
                                                                正論太郎01 (07/01)
                                                              • 大阪W選挙で維新圧勝の影響について
                                                                島道譲 (04/16)
                                                              • 英語教育について(トランプ大統領の演説を誤訳したNHK)
                                                                永井津記夫 (12/07)
                                                              • ハロウィーンは日本のお祭りとは違います!
                                                                ユーロン (11/12)
                                                              • オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省
                                                                SSST. (10/13)
                                                              • サムスン電子について
                                                                故人凍死家 (09/26)
                                                              • 財務省の役人は、なぜ緊縮財政なのか?
                                                                吉住公洋 (09/26)
                                                              • 生乳流通改革という欺瞞と、イギリスのミルク・マーケティング・ボード
                                                                富山の大学生 (06/05)
                                                              • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
                                                                師子乃 (10/02)
                                                              • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
                                                                mikky (12/01)

                                                              profile

                                                              search this site.

                                                              mobile

                                                              qrcode

                                                              powered

                                                              無料ブログ作成サービス JUGEM