よくぞ言った!経団連の山内副会長”熊本豪雨災害は一種の人災”発言の真意について!

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     経団連の山内副会長が、九州豪雨2020で人吉市が水没した災害について、蒲島知事がダム建設をやめていたとし、豪雨災害は一種の人災の面があることを承知しておかなければならないと述べられました。今日はその発言を取り上げ、「よくぞ言った!経団連の山内副会長”熊本豪雨災害は一種の人災”発言の真意について!」と題し、ニュース記事をご紹介した後、下記の順で論説します。

     

    1.山内副会長とはどのような人物なのか?

    2.2008年に知事になって以来、何もしてこなかった蒲島知事

    3.ダム以外の治水対策とは一体蒲島知事は何をやりたいの?

     

     

     まず、テレ朝▶Newsの記事をご紹介します。

    『テレ朝▶News 2020/07/17 08:25 “熊本豪雨災害は一種の人災”経団連・山内副会長

     経団連の山内隆司副会長は熊本の豪雨災害について、知事がダムの建設を取りやめていたとして「一種の人災」という見方を示しました。

     経団連の副会長を務める大手ゼネコン「大成建設」の山内会長は「ダムをやめるならそれに代わる治水対策を立てるべきなのにやっていなかった」と指摘しました。豪雨被害のあった熊本県の蒲島知事は2008年に川辺川ダム計画の「白紙撤回」を表明していました。経団連は検査のため再入院した中西会長が不在のなか、大企業のトップが集まる会合を開催して「デジタル革新で日本経済社会を加速する」とする声明を取りまとめました。』

     

     

     

    1.山内副会長とはどのような人物なのか?

     

     このニュースは大きく報道されていませんが、建設業界に携わる人にとっては、非常に意味のあるニュースです。

     

     そもそも山内副会長という人は、大手ゼネコンの大成建設の代表取締役会長(2015年4月〜)に就いておられる方で、経団連の副会長をやっておられます。

     

     山内氏は、いわばゼネコンのトップであり そのトップが”ダムを造らなかったことは人災である”と批判した場合、日本国民の中には、「大成建設でダムを受注したいから、そう批判しているのでは?」と思われる人がいるかもしれません。

     

     しかしながらこれは全く違います。なぜならばゼネコンのトップが政府を批判するということは絶対にないからです。

     

     ゼネコンにとって、政府や都道府県庁・市区町村などの地方自治体は施主であって、発注者でもあり、お金を出す側です。

     

     たとえスーパーゼネコンの大成建設と言えども、一業者であって、感情的に”熊本県知事よ!ふざけるな!”という怒りの感情が湧いたとしても、お客様のことを悪く言うことはありません。

     

     ところがこの山内副会長の発言は、お客様である熊本県庁トップの蒲島知事に対して悪く言っています。ビジネス上のことだけを考えるならば、この発言は絶対に言わない方がいいに決まっています。

     

     他のゼネコンからみれば、「これはこれは!私たちゼネコンは一業者に過ぎないのに、よくそんな発言したなぁ!」という驚きか、もしくは「一業者に過ぎない私たちは言えないが、よくぞ言ってくれた!」という称賛する話であると私は思います。

     

     山内副会長のことを調べていますと、この方は東京大学の工学部建築学科を卒業されています。建設業界の建築学の最高府出身の技術者で、単なる経営者ではなく、技術者としてたたき上げで大成建設で社長になった人であります。

     

     したがって、「熊本豪雨災害は一種の人災」という発言の真意は、熊本県の財政運営、大成建設の経営の話ではなく、技術者として技術的に許せないという立場でのご発言と推測されます。

     

     経営者だったら絶対に言わない方がいいことであって、例えば熊本県は今後、公共事業発注の際、大成建設ではなく、清水建設や鹿島を使うとかなるかもしれません。

     

     

     

    2.2008年に知事になって以来、何もしてこなかった蒲島知事

     

     山内副会長は、熊本県の豪雨災害の被害について、ダム建設をやらないのであれば、それに代替する治水対策を実施すべきところ、何もやらなかったと指摘しました。

     

     2008年から熊本県知事に就任した蒲島知事は、就任してすぐ、川辺川ダムの建設の白紙撤回を表明しています。

     

     今年の九州豪雨の後の2020/07/05、球磨川の治水対策について問われ、ダムに寄らない治水を極限まで検討したいと発言し、自分が知事である限り、その方向でやっていくと強調していました。

     

     ところが翌日2020/07/06、今回の災害対応で、国や流域市町村と検証し、どういう治水対策をやるべきか?新しいダムの在り方についても考えると発言を変えました。

     

     私から見て、発言を変えたことは立派だと思いますが、当初発言した”ダムに寄らない治水”については痛烈に批判したく思います。

     

     なぜならば蒲島知事が2008年に熊本県知事選挙に当選して就任した際、既に川辺川ダム工事は7割程度進捗しており、完成まで10年で、費用は1000億円〜1200億円かかるという状況でした。

     

     読者の皆様の中には、高い費用で工期も長いと思うかもしれません。

     

     では、ダム以外の治水対策だったらどうなるでしょうか?

     

     京都大学の藤井聡教授によれば、一番有力な対策であるのが放水路で、これはいわば川パート2を作るという話であるとのこと。

     

     この放水路は工期が45年と、今から川辺川ダムを完成させるために再開した場合が10年であることと比べれば、4.5倍もの工期があります。

     

     必要な費用は8200億円ということで、これまた川辺川ダムの7〜8倍の費用が掛かります。というより、45年もかかるとなれば、それは治水対策をやらないと言っているに等しいといえます。

     

     また引提という川幅を広げるという治水対策の場合、工期は200年かかるとのこと。さらに遊水地といってダムの代わりに広い池を作るという方法もありますが、これは工期100年で、費用は川辺川ダムの約10倍で1兆2000億円とのことです。

     

     

     

    3.ダム以外の治水対策とは一体蒲島知事は何をやりたいの?

     

     ”ダムに頼らない治水対策”を極限まで検討するとの勇ましい発言はいいのですが、それはいつできるのでしょうか?

     

     100年とか早くて45年とか、どれだけお金をかけてもいいと言っても、費用は7・8倍〜10倍です。

     

     もし自然破壊ということをいうのであれば、遊水地は土地をものすごく水の底に落とすため、ダムよりも自然破壊が進む可能性があります。

     

     ”ダム以外の治水対策”が、カネはかかり、時間はかかり、自然破壊が加速する可能性すらあるとなれば、蒲島知事は一体何をやりたいの?と私は言いたい。

     

     もちろんダム以外のすべての対策にデメリットは存在しますので、ダムはデメリットがゼロであるというつもりはありません。

     

     ただ蒲島知事が、なんだかんだ言いながら、何もしなかったという事実は、事実であり、その結果、水没した人吉市を中心に76名が命を落とし、家屋が1万棟以上倒壊しました。

     

     県民・市民の生命や財産を守れなかったのは、蒲島知事の”ダムに寄らない治水対策”にこだわり、あるいは財政出動そのものを悪と考える緊縮財政の発想が頭にあって、要は治水よりもお金が大事という発想で県政をやってきたことの当然の帰結だと言えるのではないでしょうか?

     

     そういう意味では経団連副会長の山内氏の”これは一種の人災だ”という言説は、全くをもってその通りであると私は思うのです。

     

     

     

     というわけで今日は「よくぞ言った!経団連の山内副会長”熊本豪雨災害は一種の人災”発言の真意について!」と題して論説しました。

     蒲島知事のことばかり書きましたが、東京都知事選挙に出馬した小野氏は東京大学もゼミの恩師ということで、副知事をされてきましたが、小野氏も蒲島知事に仕えたという意味では同罪だと思います。

     そしてそのような治水対策について素人な小野氏が東京都知事に当選しなかったことは、東京都民にとって良かったかもしれません。決して小池都知事がいいとは思いませんが、小野氏もまた緊縮財政を是として公共事業を否定する輩であることを改めて多くの人々に知っていただきたいと私は思います。

     

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    コメント
    毎日、家人たちや、仲のいい会社の同僚と読ませていただいております。(大変勉強になります)
    小野氏ですが、今回の知事選の候補の中では一番まともに思えたんですが、副知事時代のことを考えると、投票しなくて良かったかなぁと…
    しかし、小池知事はムチャクチャですね。東京の経済が疲弊して大変なことになってます。飲食店に時短要請を出したり、毎日飽きもせず感染者数の発表を嬉々としてやってます。もう、この茶番劇を終わらせ、一刻も早く通常の社会に戻してほしいです。(ネットでは多くの人々がコロナで騒いでますが、東京に住む私の周りでは普通の生活送ってる人が多いのが救いです。皆、コロナが茶番だと言い放ってますし)
    • Ode
    • 2020/08/04 1:37 PM
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