熊本県を襲った豪雨を通じて国民の生命を守るインフラについて考える

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     先月7月、九州の熊本県では記録的な豪雨で甚大な被害が発生しました。死者は76人で、浸水した家屋は1万棟超ということで、多くの人が被害を受ける大惨事となりました。

     

     特に一級河川の球磨川の氾濫で、川沿い一体が飲み込まれた熊本県南部の人吉市と球磨村の被害が甚大です。

     

     私は東京都内に住みますが、球磨川という名前は今回の九州豪雨で知りました。しかしながら土木関係者らにとっては、ものすごく有名な川のようで、洪水が頻繁に発生するため、暴れ川とも言われているようです。

     

     日本には3大急流と呼ばれる川があり、球磨川はそのうちの一つでもあります。因みに球磨川の他の川は、富士川(長野県、山梨県、静岡県)と最上川(山形県)の2つです。

     

     急流というのは水量がものすごい多い川のことで、普段ですら水量が多いため、ちょっと雨が降れば、すぐ溢れ出す場所として有名であり、ゼネコンなどの土木関係者らは、この洪水を回避するためにはどうしたらいいか?常々考えていることでしょう。

     

     1997年の構造改革基本法以降、公共事業費は削減され、2003年には竹中平蔵氏がプライマリーバランス黒字化なるものを持ち込んできたため、財政に制約があるかの如く、政府も地方自治体もケチケチになりました。

     

     そのため球磨川の氾濫を回避する方法を検討するのに、最初は安く作ることを考えます。

     

     例えば「川の底を掘る」「弱い部分だけ堤防を作る」「川幅が細いところを広くする」など、一見もっともらしくコスパが良さそうに見えますが、コスパが良さそうに見えるこれらの手法では全然無理です。

     

     私はこの球磨川の氾濫を防ぐには、いろんなサイト・資料を見まして、結論から申し上げますと、川辺川ダムを作る以外に、一番いい方法はないというのが私の持論です。

     

     八ッ場ダムの「八ッ場あしたの会」では、ダムを作れば洪水から守られるというものではないなどと、毎日新聞の記者や市民運動に携わる人らが、ダムは不要であるとし、代替として新たな河川整備基本方針と河川整備計画を作って・・・と、川をもう一つ作る方法を述べて、八ッ場ダムが洪水から守ったという事実をとにかく認めず、川辺川ダムは不要という言説を展開しています。

     

     熊本県の蒲島郁夫知事は、2008年9月に川辺川ダムの計画を白紙とし、ダムに頼らない治水対策を追求すべきだとして、川辺川ダムの建築に反対し続けてきました。

     

     その後、政府と熊本県と流域市町村が治水代替策を検討し、2019年に代替策がまとまったものの、2800億円〜1兆2000億円と費用が巨額で工期が45年〜200年と長い計画でした。

      

     徳川家康が今の東京湾に流れる江戸川を東遷させて霞ケ浦に引っ張り、江戸の町に洪水が来なくなったという話は有名なのですが、徳川家康の江戸川の東選事業は60年かかったと言われています。

     

     費用が巨額なのは政府が建設国債(4条公債)を発行すればよく、デフレ脱却につながるため、問題ありませんが、期間が長いのは問題です。なぜならば、45年〜200年となれば、その間に球磨川で大洪水が起きないなどという保証はありません。一方で川辺川ダムは70%作ってきたところで2008年に工事が中止されました。今の熊本県知事の蒲島知事がダム工事を止めさせたのです。

     

     蒲島知事だけでなく市民運動家の人や一般人も含め、ダムについての理解が浸透せず、環境が破壊されるなどといって、民主党の「コンクリートから人へ」のスローガンのもと、脱ダム宣言で、建設を中止したのです。

     

     球磨川の氾濫を防ぐためには、技術的な話をすれば、川の水量を4/7にする、即ち水量を3/7カットする必要があります。

     

     このとき1番危険な場所は人吉市で、人吉市のエリアを流れる水量を4/7にしなければならないということになります。

     

     水量を4/7にするために3/7をカットするとなれば、コスパが良さそうな「川の底を掘る」「弱い部分だけ堤防を作る」「川幅が細いところを広くする」では全く歯が立ちません。

     

     球磨川水系の上流の川辺川の水を止めれば、4/7までカットできなくても、4/7カット作戦において超強力な作戦であったといえるでしょう。

     

     そこで川辺川ダムを作って70%完成させたのに、蒲島知事は建設を中止させました。これを人災と言わずして何と呼べばいいのでしょうか?私は無念でならないと思います。

     

     何しろ方法としてはダムを作るか?放水路として川をもう1つ作るしかありません。しかしながら放水路を作るのは極めて大変で環境にも負荷がかかります。

     

     「八ッ場あしたの会」が主張する”ダム以外の治水”とはいったい何なのでしょうか?

     

     2008年から何もせず、2019年にやっと放水路を作ることをまとめ上げたものの、工期は45年〜200年です。

     

     少し川を掘ったり、少し木を切ったりするぐらいでは、何もやらなかったのと同じであり、ダム工事を反対した人、ダムによる治水に頼らず放水路を作るべきだと言った人、そうした人々は全員間接的な殺人者と言えると私は思います。

     

     結局ダムを造らず、治水を2008年以降10年以上放置し、お金を出さない姿勢や環境を大事にするとか、住民の合意が必要など、ケチって財政出動をしなかったことが原因です。

     

     想定外という人らは恥を知れ!と言いたい。

     

     球磨川の洪水は想定されたものであり、降水量は確かにすごいが、決壊するということは水量がたくさん溢れて、溢れ倒して決壊するのであって、ダムが完成されていれば川が決壊しない可能性は極めて高いといえるでしょう。

     

     川の決壊さえなければ、死ぬ人の数は全然違うものになったはずです。

     

     2019年の台風19号では八ッ場ダムが間に合って6500万立米の水を貯め、埼玉県戸田市の貯水池が3900万立米の水を貯めて水を堰き止めたからこそ、台風19号で首都圏が大惨事とならずに済みました。

     

     川辺川ダムの工事を蒲島知事が止めた時、いつかは球磨川が決壊して大惨事になると警告していた人もいたはずです。

     

     自然を守ることは大事ですが、人の命を守ることの方がもっと大事なのではないでしょうか?

     

     そう考えますと球磨川の決壊で川辺川ダムが完成せず、76名もの人がお亡くなりになったことは、本当に悔しい残念な気持ちになります。

     

     

     

     というわけで今日は「熊本県を襲った豪雨を通じて国民の生命を守るインフラについて考える」と題して論説しました。

     私が小さかったころと比べて気象状況が全く変わってしまったため、緊縮財政や環境保護などという大義名分で、治水事業が止まり、自然災害で大惨事となってしまう光景が増えてきました。

     もはや想定外といったことはあり得ず、普通に治水事業に予算を付けて実行しなければ、気象の変化に治水能力が追い付かず、今後もこうした自然災害による大惨事は増えていくことになるでしょう。

     決して想定外ではなく、公共事業を否定した人災であるということを私たちは理解し、公共事業を拡大せよ!と政治家に声を上げていく必要があるものと私は思うのです。

     

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