カナダ産丸太の日本への輸出のTPP違反

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     今日は「カナダ産丸太の日本への輸出のTPP違反」と題して論説します。

     

     日本経済新聞の記事を紹介します。

    『日本経済新聞 2020/07/16 カナダ産の丸太、輸入できず 初のTPP違反の恐れ 日本、問題提起へ

     環太平洋経済連携協定(TPP)で増やすはずだったカナダからの丸太輸入が逆に急減している。カナダ側は2国間の取り決めを記した交換公文(サイドレター)に「日本向け輸出を許可する」と明記したが、2020年4月の入荷はゼロ。現地企業のストライキなどの影響が出たもようだが、農林水産省や関係者は事態を重くみている。

     日本は木材の6割強を輸入に頼る。林野庁によると、合板などに使う丸太の輸入数量(19年)はカナダからが28%を占め、米国の50%に次いで多い。輸入丸太は国産材と組み合わせる合板づくりに欠かせず、強度を保つのに役立つ。輸入を増やせれば、国内製材業や林業の振興につながる。

     TPPは18年12月に発効した。農産品や工業品、資材などの関税率は参加11カ国で共通して適用するほか、個別の品目に関して2国間で取り決めたものがある。

     日本とカナダは輸入合板の関税引き下げを認めることにしたが、丸太を加工した合板の輸入が大幅に増えると、国産材の利用促進につながらない。このため、サイドレターでは丸太について「手続きに従った日本向けの丸太輸出について、申請を受けた場合は許可証を発給する」と明記した。

     カナダは国内に買い手がない場合に輸出を認める許可制を導入しており、TPPでは一歩踏み込み、日本側が安定調達できる仕組みを整えた。

     輸入減は統計に表れている。日本木材輸入協会(東京・江東)によると、カナダ産の丸太は今年1〜5月の累計で9万7380立方メートルと前年同期比77%減。4月はゼロで、5月も6493立方メートルと前年同月の5%にすぎない。木材大手のストライキなどで昨年から供給量は減少。カナダ国内の需要を賄えず、輸出に回せなかったとみられる。ただ、日本が求める輸出を認めなければ、初のTPP違反となる恐れがある。

     カナダの企業からすると、輸出向けのほうが価格が高く、輸出許可が出ないと採算が悪化する。カナダの木材輸出大手、モザイクフォレストマネジメント社は19年11月から操業を停止。現在は規模を縮小して営業する。

     大手合板メーカー、セイホク(東京・文京)の井上篤博社長は「カナダからの輸入が滞れば、国産材の利用も阻害されかねない」と懸念。農林水産省も実態調査に乗り出し、許可を出さない明確な理由がない場合、カナダ側に公式に問題提起することも視野に入れる。

     輸入縮小を受け、商社や国内メーカーは米国産丸太に切り替えるなどの手を打ちつつある。だが、カナダ産は米国産より質が高いとされ、代替の調達先を見つけるのは容易でないという。

     日本政府はTPPのほか、欧州連合(EU)や米国と相次ぎ貿易協定を結んだ。TPP交渉に関わった政府関係者は「今後、協定内容が適切に履行されないケースが出る可能性がある」とみる。取り決めた後の監視も政府の重要な任務だ。』

     

     上記記事は、TPPで増やすはずだったカナダ産の丸太の輸入が、逆に減少しているというニュースです。

     

     交換公文では、日本向け輸出を許可すると明記したものの、2020/04の入荷はゼロだったと報じられています。カナダ国内の現地企業のストライキの影響が出たとも報じられていますが、農林水産省ら関係者は事態を重く見ている模様です。

     

     記事には、カナダ産丸太は、米国産より質が高いとありますが、日本にも高品質な木材があります。

     

     例えば京都府では、北山丸太という有名な北山杉を作っています。

     

     北山杉は歴史が古く、室町時代の1400年前後から作り始めたといわれ、この北山杉の皮をむき、加工して作られる北山丸太は、千利休による「茶の湯」文化を支える茶屋や数寄屋の建築用材として使われ、今日まで600年近い歴史があります。

     

     桂離宮や修学院離宮といった文化財は、この北山杉の北山丸太で建築されたといわれています。

     

     このような有名な杉山丸太ですが、年々不況で売れなくなっており、必死になって北山杉を使ったテーブル、椅子や、家を建築しようとするものの、景気が悪くて売れないため、産業振興ができず、厳しい状況になっています。

     

     政府は北山丸太の産業振興や雇用・賃金を守り、資源を絶やさないための植林事業など公共事業としてやればいいと思うのですが、何をしているか?といえば、カナダ産の丸太を輸入しているのです。

     

     カナダ産の木など輸入しなくても、京都の北山杉だけではなく、北海道には道南杉という木材もありますし、東北にも青森や岩手や宮城など、木材を植林して伐採する業者はいくらでも存在します。

     

     にもかかわらず、国産の製造業者を大事にせず、カナダ産の木材を輸入するというのは、どういう発想なのか?疑問に思います。

     

     日本列島は脊梁山脈で、列島の真ん中を背骨のように山脈が存在し、中国などと比べれば、植林しやすい地形です。

     

     日本の国内産業の育成、振興を考えるならば、輸入に頼るのではなく、自国で供給できるように産業を育成していくことこそ、国力の強化につながるものと考えます。

     

     自由貿易で関税をかけられないとなれば、自国の産業を育成するのは難しく、改めてTPPというのは問題がある通商協定であると私は思います。

     

     

     というわけで今日は「カナダ産丸太の日本への輸出のTPP違反」と題して論説しました。

     

     

    〜関連記事〜

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