ビジネスの利益を優先して人権弾圧している中国と手を組むメルケル首相

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     中国が香港を弾圧するため、国家安全法を制定したことについて過去に取り上げさせていただきましたが、私は中国に対しては批判的な記事を書くことが多いです。なぜならば人権弾圧極まりないからです。

     ウイグル人、チベット人、そして今現在進行形で行われているのは香港に対する人権弾圧です。

     中国の人権弾圧は他国のみならず、同じ中国人でも法輪功学習者から臓器を収奪する行為を公然と行っており、そのために顔認証システムや監視カメラの技術を開発する為に欧米や日本から技術を不当に盗んでいます。

     そんな中国と、ドイツのメルケル首相が手を組むという大変残念な話がありまして、今日は「ビジネスの利益を優先して人権弾圧している中国と手を組むメルケル首相」と題して論説します。

     

     

     ドイツは、新型コロナウイルスのパンデミックに対する経済対策として、大型経済対策のパッケージの中に、VAT(付加価値税)減税を発表しました。

     

     具体的には、期間限定で2020/07/01〜2020/12/31で、19%→16%に減税します。VAT減税は、日本で言うところの消費税減税と同じですが、VAT減税以外にも子ども手当、中小企業向け融資なども盛り込まれています。

     

     財政規律がキツく、ケチケチのドイツが反緊縮財政で大きな経済対策を出してきました。そのドイツがVAT減税を出してきたため、他国でも同様の声が広まって、具体的には英国でもVAT減税を求める声が高まっています。

     

     反緊縮の大型経済対策がEU各国内で実施されようとする中で、中国の香港に対する国家安全法制定について、世界各国が中国批判をしている中、批判に加わらない国、それがドイツです。

     

     EUはドイツの中国政策を許さないということで、「Change.org」というサイトで、「Change through trade=貿易を通じて中国を変える」というドイツの対中国政策を変えさせなければならないとする署名を集める運動が起きています。

     

     ドイツは貿易を増やせば共産党国家の中国は変わると主張していますが、これはまさに経済発展すれば中国は民主化するという幻想そのもので、歴史を知らない白痴者の発想です。

     

     ドイツのメルケル首相は、歴史を知らないどころか、金に目がくらんだ典型的なグローバリストと言えるかもしれません。

     

     下記はロイター通信の記事です。

    『ロイター通信 2020/06/12 16:28 ドイツが選んだ対コロナ国際協調、米の内向き姿勢と一線

     [ベルリン 11日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は中国の李克強首相とテレビ会議方式で会談を行い、中国は市場開放に取り組み、外国企業を公平に扱う必要があると強調した。ザイベルト報道官が11日、明らかにした。 

     ザイベルト報道官によると、メルケル首相は「市場アクセスと外国企業の公平な扱いに関する一段の取り組み」が必要と強調し、「欧州連合(EU)と中国の間の野心的な投資協定の締結はこの過程における重要な要素となる」と伝えた。

     EUと中国は6年にわたり投資協定の協議を続けており、年内に合意が得られるとみられている。

     この他、新型コロナウイルス感染拡大への対応や香港情勢のほか、政府調達を含むさまざまな投資・通商問題や世界的な経済問題を巡る協力についても意見を交換した。』

     

     上記記事の通り、ドイツは中国と手を組むべく、中国の李克強首相とテレビ会議方式の会談を行いました。ドイツは明らかに中国と手を組もうとしています。

     

     その背景としてはドイツ銀行の経済分析のレポートがあります。

     

    <ドイツの自動車メーカーが各国で生産する自動車の生産台数>

    (出典:ドイツ銀行)

     

     上記のグラフは、上段が2019年、下段は2018年で、ドイツの自動車メーカーの生産台数について、ドイツ国内の生産台数を、中国国内の生産台数が上回ったとする分析レポートに載っているグラフです。

     

     2019年度の生産台数順に国別記号が並んでいますが、国別記号は下記の通りです。

     

     CN=中国

     DE=ドイツ

     ES=スペイン

     CZ=チェコ

     US=米国

     MX=メキシコ

     BR=ブラジル

     SK=スロバキア

     HU=ハンガリー

     ZA=南アフリカ共和国

     

     一番上のCNは、中国におけるドイツの自動車生産台数を示しているのですがグラフの通り、2019年度にDE即ちドイツ国内の生産台数を中国国内における生産台数が上回りました。

     

     ドイツ政府は過去も現在も中国貿易を優先し、ドイツの国益よりも貿易の利益を最優先してきました。いわば人権や民主主義よりも中国貿易を優先してきたといっても過言ではありませんが、欧州各国はこの姿勢を改めるべきであって、許してはいけないという論調になっています。

     

     グローバリズムは、国益よりもビジネスの利益、私益(私利私欲)を優先するというもので、それに対して反グローバリズムはビジネスの利益よりも国益を大事にし、そこにあるのは普遍的、倫理的な価値観であるべきでは?と考えるのが反グローバリズムです。

     

     今の中国はウイグル人の人権弾圧、香港の民主化デモ弾圧、武漢ウイルスパンデミックで、そこには普遍的・倫理的な価値観は存在しません。にもかかわらず、メルケル首相は中国の責任を追及しようとしないのです。

     

     かつて欧州ではドイツに対して称賛の声がありました。理由はナチスドイツの過去の罪に対して、ドイツは国家として向き合ってきたというもの。ドイツの倫理的な外交政策の原理があり、欧州内でも一定の尊敬を得ていました。

     

     しかしながら、今のドイツ、メルケル首相は中国に対してなぜ黙っているのか?なぜ中国を支援し続けるのか?という疑問が出ています。

     

     今のドイツの中国寄りの政策というのは、ナチスと向き合ってきた倫理的な外交政策とは真逆のモノで、ナチスと同じこと、いやむしろそれ以上の人権弾圧を公然と行っている中国を支援する理由について、メルケル首相は明確に答えたことはありません。

     

     "Change.org”のサイトでは、EUとしては全体の立場として、貿易利益は重要であるものの、欧州的価値観はより重要であると主張し、メルケル首相に対して現在の対中国政策の放棄を求めるとしています。

     

     これに対して中国は欧州の動きをどう見ているのか?というと、中国のマスメディアのグローバルタイムズの記事では、「中国は世界の安定のためにドイツとEU共に歩む」とする習近平の言葉を載せています。

     

     そして先述のロイター通信の電話会談についても報じ、習近平がメルケル首相に感謝の意を示したと報じています。

     

     なぜならば米国のトランプ政権、米国の共和党系議員らは、このウイルスが中国の生物・化学兵器研究所から漏れたものだと主張していますが、習近平はこれを言いがかりとして、非科学的な立場の主張であるとしています。

     

     それに対してメルケル首相は科学的な立場を取っているのでありがたいとし、メルケル首相が今後共にWHOを支えていきましょう!と述べたことも含めて、習近平がメルケル首相に感謝したとされています。

     

     メルケル首相のこうした対応について米国も黙ってはいません。

     

     下記は日本経済新聞の記事です。

    『日本経済新聞 2020/06/06 04:57 米軍、ドイツ駐留を縮小か トランプ氏が指示

     【ワシントン=中村亮】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は5日、トランプ大統領がドイツ駐留米軍の規模を縮小するよう指示したと報じた。現在の3万4500人を9月までに2万5000人に減らすという。米国が一方的に縮小を決めていれば米欧同盟の亀裂が広がり、北大西洋条約機構(NATO)の分断を図るロシアを利する恐れがある。

     米国家安全保障会議(NSC)の報道官は5日の声明で現時点で発表することはないとしつつも「最高司令官であるトランプ大統領は米軍の最適な体制や海外駐留について精査している」と指摘した。ロイター通信によると、米軍の一部はポーランドなどの隣国に移る計画だという。

     ドイツのメルケル首相は6月下旬に米国で一時予定していた対面での主要7カ国首脳会議(G7サミット)に欠席する方針を示してトランプ氏が激高したとされ、駐留縮小はその報復の可能性がある。

     ただウォール・ストリート・ジャーナルによると、米政権関係者は昨年9月から駐留縮小を検討しており、G7サミットを巡るやり取りは決定と無関係だと説明している。エスパー国防長官はこれまでに中国への対抗を目的にインド太平洋地域に戦力を集中するため各地域の司令官に対し、軍の体制に関して精査するよう要請していた。

     米軍は新たな方針によって、ドイツに展開できる米兵の規模を駐留部隊を含めて最大2万5000人程度に限るという。ドイツで行われる軍事演習などでは駐留部隊とは別に他国から米兵が一時的にドイツに派遣されるケースが多くあるが、こうした人員配置の柔軟性が著しく下がる。これまでは最大5万2000人をドイツに展開できた。

     仮に米国がG7サミットをめぐる対立などをきっかけとして一方的に駐留縮小を決めていれば、米欧同盟軽視との批判が噴出する公算が大きい。トランプ氏はNATO加盟国の軍事支出目標にドイツが達していないと繰り返し批判し、ドイツとロシアの天然ガスのパイプライン建設にも反対してきた。

     米国の駐留縮小が事実であれば日米同盟の要である在日米軍を抱える日本にも衝撃が広がりかねず、東アジアの安全保障にも影響が及ぶ可能性がある。』

     

     上記記事の通り、トランプ政権はドイツ駐留の米軍を削減することを示唆し、その削減規模は34,500人から9,500人を撤退させるとしています。

     

     日本の在日米軍も同じくらいの規模の米軍がいますが、日本で9,500人撤退となれば、非常に大きなニュースになるでしょうが、それがドイツで今、起きようとしています。

     

     もともとドイツに米軍を置く理由は、ロシアの脅威に対してドイツに駐留させています。在日米軍が、対中国、対北朝鮮ということでいえば、ドイツに駐留させるのは対ロシア政策です。

     

     そのロシアはメルケル首相と仲がいいですが、上述の日本経済新聞の記事にも報じられている通り、米軍一部撤退の理由としては、米国のキャンプデービッドで開催予定だったG7の参加をメルケル首相が断ったからでは?とする見方があります。

     

     また、メルケル首相はロシアの天然ガスをドイツに送るためのパイプラインの”ノルドストリーム2”の建設を支持していますが、この”ノルドストリーム2”の建設に、米国と欧州各国が反対しています。何のためのNATOか?ということで反対しているのに、メルケル首相は支持しているのです。

     

     さらにEU中国サミットもあります。もともと今年9月に予定されていましたが、コロナウイルスの問題で延期となっていて、メルケル首相は年内にドイツでの開催を強く希望しているといわれています。

     

     これと似た話、それは日本の習近平国家主席の国賓来日問題です。これもウイルスで延期になりました。

     

     産経新聞の記事では年内実施もなく白紙になったと報じられているものの、自民党系の議員からは実施する意向であることを報じているマスメディア報道もあります。

     

     はっきり言えること、それはドイツ銀行の分析レポートにある通り、ドイツの自動車産業が中国での生産台数が一番多くなったことであり、ドイツが中国に力を入れるのは、そうしたことが背景にあるといえるでしょう。

     

     ドイツは自動車産業が基幹産業として国家を支えていますが、それと同じように自動車産業が基幹産業となっているのが日本です。

     

     日本の自動車産業もトヨタ自動車を中心に、中国での大量生産に力を入れようとして、2019年度からそういうトレンドになろうとしています。

     

     EUが対中国政策に対して、明確に距離を置くべきであることを主張していますが、私は日本の対中国政策も、ビジネス利益を横に置き、むしろデフレ脱却で消費税をゼロにするなどして内需主導による需要を作ることで、中国の需要に頼らず、中国のサプライチェーンに頼らないことが、経済の強靭化(レジリエンス)に資すると思います。

     

     また習近平国家主席の国賓来日については、断固として反対であることは言うまでもありません。

     

     

     というわけで今日は「ビジネスの利益を優先して人権弾圧している中国と手を組むメルケル首相」と題して論説しました。

     

     

    〜関連記事(ドイツ経済)〜

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