中国に対して資本規制に踏み切るトランプ政権

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     今日は「中国に対して資本規制に踏み切るトランプ政権」と題して論説します。

     

     まずはロイター通信の記事とブルームバーグの記事をご紹介します。

     一つ目は、連邦職員年金の中国株への投資を制限するとのニュースです。

    『ロイター通信 2020/05/13 00:38 トランプ政権、連邦職員年金の中国株投資に停止圧力

    [ワシントン 12日 ロイター] - トランプ米政権が連邦職員や軍人の退職金を運用する基金に対し、人権侵害の疑いや米国の安全保障を脅かす恐れがあると米政府が認識する中国企業への投資を停止するよう圧力をかけていることが、ロイターが入手した書簡で明らかになった。

     問題となっているのは、軍人や連邦職員の退職金である連邦公務員向け確定拠出型年金(TSP)を運用する政府機関、連邦退職貯蓄投資理事会(FRTIB)による400億ドル規模の国際ファンドの投資先。

     FRTIBは2017年、利益拡大を目指して2020年下期に投資先を変更することを決定。米政府が警戒する中国企業の株式を含む指数が採用される見通しとなっている。

     しかし、米政府内の対中強硬派は、中国軍に製品を供給する中国航空工業集団[SASADY.UL]や、人権侵害で米政府が制裁を科した監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)(002415.SZ)などの企業に連邦政府職員の年金基金を投資するべきではないと主張している。

     中国企業は米国の厳しい財務情報開示規則に従う必要がない、という点も投資家にとってリスクが高いと指摘している。

     

     二つ目は、米国証券市場から中国企業を締め出すとのニュースです。

    『ブルームバーグ 2020/05/21 06:48 米上院、中国企業の米国上場廃止につながり得る法案を可決

     米上院は20日、アリババ・グループ・ホールディングや百度(バイドゥ)などの中国企業による米証券取引所への株式上場を禁止することにつながり得る法案を全会一致で可決した。

     同法案はジョン・ケネディ議員(共和)とクリス・バンホーレン議員(民主)が提出したもので、外国政府の管理下にないことを企業に証明を求める内容。

     企業がそれを証明できないか、米公開会社会計監督委員会(PCAOB)が3年連続で会社を監査して外国政府の管理下にないと断定できない場合、当該企業の証券の上場は禁止される。

     ケネディ議員は上院の議場で「私は新しい冷戦に参加したくはない」と述べ、「中国が規則に従って行動する」ことを求めると付け加えた。

     ケネディ議員は19日、同法案がナスダックとニューヨーク証券取引所などの米株式市場に適用されるとFOXビジネスに話した。

     バンホーレン議員は発表文で、「上場企業は全て同じ基準を順守すべきだ。この法案は条件を公平にするとともに、投資家が詳細情報を得て決断を下す上で必要な透明性をもたらすために良識的な変更を行うものだ」と説明し、下院に速やかな行動を呼び掛けた。

    (中略)

     米国の監督が強化されれば、馬雲(ジャック・マー)氏の螞蟻金融服務集団(アント・ファイナンシャル)やソフトバンクグループが出資するバイトダンス(字節跳動)など中国主要企業の将来の上場計画にも影響する可能性がある。しかし、開示義務強化の議論が昨年始まって以来、他の中国企業の多くはすでに香港市場に上場したか、そうする計画だと、ハルクスでアナリスト兼ポートフォリオマネジャーを務めるジェームズ・ハル氏は指摘した。

     下院金融委員会のブラッド・シャーマン議員(民主)は上院の法案への幅広い支持を反映する形で同様の法案を下院に提出した。シャーマン氏は発表文で、会計不祥事の発覚でナスダックが中国の瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)の上場廃止に向けて動きだした点に言及。「私はこの重大な問題に取り組むために動いた上院議員を称賛する。この法案が既に成立していればラッキンコーヒーの米国株主は恐らく多額の損失を回避できていただろう」とコメントした。

     下院指導部は同法案と、別に上院で可決されたイスラム教徒の少数民族に対する人権侵害を巡り中国当局者に制裁を科す法案について、議員や関係する委員会と協議していると民主党スタッフは明らかにした。』

     

     2つの記事をご紹介しましたが、トランプ政権がいよいよ資本規制に踏み切るというニュースです。

     

     これまで米中戦争といえば、関税引き上げや輸出の禁止など、貿易分野における”つばぜり合い”が行われていましたが、ついに資本の移動を規制する動きに出ます。

     

     一つ目はロイター通信の記事の通り、米国の公務員年金基金が中国株への運用を無期延長すると発表。この記事は、米国が連邦退職貯蓄(FRTIB)という連邦職員・軍人の年金運用の基金が、2017年に運用益拡大のため、2020年半ばから中国株をより多く買う方針を決めていました。

     

     しかしながら直前になって、中国株を無期限で延長することになったというのが今回の方針改定です。

     

     例えば監視カメラ大手のハイクビジョンや、軍事関連企業など、公的年金の投資先としてふさわしくないのでは?という議論があり、昨年2019年からマルコ・ルビオ上院議員ら、対中強硬派議員が強くこうした主張を展開していました。

     

     当初の予定では、約500億ドル(約5兆3,000億円)を中国株を含めた金融商品で運用する予定になっていたのですが、そのまま運用を開始した場合、約50億ドル(約5,300億円)の資金が中国株に流入される予定でした。

     

     ロイター通信の記事は、それが流入されなくなったということになるのですが、約50億ドルというのは決して少なくない金額であり、これはものすごい大きなニュースといえます。

     

     またトランプ大統領は、5/14米国のFOXテレビのニュースに出演し、中国との関係を全て断ち切ることもあり得るとし、断交宣言か?と思えるほど、これまでで最も厳しい発言をしています。

     

     このとき中国企業が米国会計基準の採用を義務付ければ、上場先を米国以外のロンドンなどの株式市場に移す公算が高いと述べており、具体的に米国の上院は5/20、ブルームバーグの記事に記載の通り、中国企業が米国株式市場に上場することを禁止する法案を全会一致で可決しました。

     

     もともと中国企業は米国企業に比べて情報開示が甘いと指摘され、具体的には財務諸表の開示やガバナンスで中国共産党との結びつきが明らかになることを恐れて、米国会計基準に厳密に従ってこなかったという背景がありました。

     

     トランプ大統領の発言、そして全会一致で可決した上院による中国企業の米国株式市場への上場禁止が意味することは、「中国企業は米国会計基準に従わないならば、他国の市場に出ていけ!」ということを意味します。

     

     即ち、ウォール街から中国企業を締め出すのが、トランプ政権、米国議会の狙いといえるでしょう。

     

     昨年2019年、ムニューシン財務長官が中国企業を締め出す趣旨の発言をしたことがありましたが、トランプ大統領がこの発言をしたことは、極めて重大なことだと私は思います。

     

     対中報復方法の一つとして選択肢に入っているのは間違いないでしょう。

     

     2019年9月時点で、米国市場に上場している中国企業は172社で、時価総額は1兆ドル(約110兆円)もあり、これが株式市場から追い出すという話なので、これも非常に大きな話です。

     

     

     

     というわけで今日は「中国に対して資本規制に踏み切るトランプ政権」と題して論説しました。

     対中政策で強硬な姿勢なのは、トランプ大統領というよりも、米国議会であるということが、よく理解できるものと思います。ウイグル人弾圧や、香港デモ弾圧、台湾排除など、人権弾圧を公然と行う中国に鉄槌を下そうとしているのは、米国議会であり、与野党一致という点が素晴らしいです。

     日本の政治家はレベルが低すぎで、首取りしかやらず、勉強不足も甚だしい。国益を損ねる議員が大多数を占めるのが現状ですが、米国は米国民ファーストで、安全保障のためには中国をつぶすという姿勢がはっきりとわかりますし、香港や台湾を真剣に守ろうとしているのが、可決した法案を見ていると、誰もが理解できるのではないかと私は思うのです。

     

     

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