税金がなくても政府を運営することは可能だが、税金が重要である理由について

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     今日は「税金がなくても政府を運営することは可能だが、税金が重要である理由について」と題して論説します。

     

     税金の話については、過去にその役割など記事を書いてきましたが、税金の話以外ではお金についても記事を書きました。

     

     まずお金はどうやって生まれてくるのか?

     

     ここを理解しないと、「皆さんが支払った税金で政府がお金を使う」という誤解が生じます。

     

     お金は誰かが借り入れを起こしたときに初めて誕生します。そしてそのお金は、誰かがそのお金を返済したときに、消えてしまうのです。

     

     政府は、国民から広く税金を集めて、そのお金を元に行政運営し、公務員の給料、公共事業の支払い、医療介護費、年金など、国民が支払った税金を元に運営するという説明がよくされます。

     

     ほとんどの皆さん、日本国民がそう思っているかもしれませんが、実は間違っていることで、いわゆる”スペンディング・ファースト”と呼ばれるものです。

     

     仮に税金を集めてその税金を元手に日本政府が行政運営しているとするならば、日本国民は何も便益を受けないうちに政府に税金を払わなければならないことになります。

     

     これは、仕事を始めるのに給料をもらっていないのに、まず先に税金を払ってもらわないと政府は支払いができないということと同じであり、おかしな話であることは理解できるのではないでしょうか?

     

     基本的に税金というのは後払いであるということ、これを理解している人は少ないかもしれませんが事実です。

     

     企業であれば決算後、2か月後に納税します。

     

     個人も給料から源泉徴収されるとしても、個人事業主ならば12/31で一度会計を締め、それで決算をして税金の計算を行い、3/15までに確定申告をして納税します。

     

     このように税金の支払いというのは、よくよく考えると後払いになっているということがよくわかると思います。

     

     では、一番最初に日本政府ができたとき、政府が1年間行政運営をしているとするならば、お金はどうしていたのでしょうか?

     

     政府が日本銀行からお金を借りて、そのお金を元手に支払いをしていました。

     

     国民が税金を払う前に政府は支出をしていたのです。政府が日銀からお金を借り入れ、公務員の給料を支払い、いろんなものを購入したり、公共事業の支払いをしていました。

     

     そうしたプロセスを通じて、日本国民にお金が行き渡り、その行き渡ったお金で日本国民は税金を計算して納税することができるようになります。

     

     順番が逆になっているということがご理解できるのではないでしょうか?

     

     税金を払ってもらって、その税金を元手に支出しているのではなく、そもそもの始まりは政府が借金をしてお金を作り出し、そのお金を国民に支払うことで通貨が行き渡り、国民の皆さんが納税できる環境が整うというのが真実です。

     

    <日本政府が財務省証券(政府短期証券)を発行して、日銀当座預金を借り入れてお金が生み出されるプロセス>

     

     上図の通り、4条公債(建設国債)や特例公債(赤字国債)を発行せずとも、財務省証券(政府短期証券)を日本政府が発行して日銀に担保として差し入れ、日銀当座預金というお金が生み出されます。

     

     日銀当座預金は、政府が何もしないで、そのまま抱えているのではなく、行政運営の費用として使われます。

     

     このときマクロ経済のGDP3面等価の原則でいえば、「政府支出の発生=財・サービスの生産=生産した人に所得の発生」となるのです。

     

     政府は集めた税金を使って予算執行しているわけでもないですし、メガバンクなどの商業銀行からお金を借りているわけで

    はありません。

     

     よく「公共事業は無駄だ!」という人がいますが、何が無駄なのでしょうか?

     

     無駄な公共事業というそれっぽいことをいう人は、たとえ無駄な公共事業であったとしても、政府が負債を増やして政府支出をすることで雇用と賃金が発生するという事実を理解していません。その言説そのものが白痴であると言わざるを得ません。

     

     実際は、公共事業をやることで預金が生み出されます。老後の一人当たり2000万円問題の解決策のヒントもそこにあります。

     

     なぜならば政府は国債や財務省証券、特例公債を発行して負債を増やすことで、預金が増えるからです。

    <政府支出によって預金が生み出されるプロセス>

     ‘本銀行が銀行に日銀当座預金100を貸し出す

     (市中の銀行は、銀行預金は負債勘定となるため、自行に銀行預金を持つことはできない)

     ∪府は国債100を発行し、銀行が持つ日銀当座預金100を借り入れる

     F銀当座預金100の所有者が銀行名義から政府名義に代わる

     (日銀当座預金100は、政府もしくは銀行しか保有できず、一般企業や一般人は保有できない)

     だ府は日銀当座預金100を担保に政府小切手100を発行して、企業に公共事業100の支払いをする

     (=政府に赤字が100発生=財政赤字が100発生=企業に黒字が100発生)

     ゴ覿箸論府小切手100を銀行に持ち込み、預金100と交換する

     Χ箙圓論府小切手100を日銀に持ち込み、日銀当座預金100と交換する

     日銀は政府小切手100を政府名義の日銀当座預金100で決済する

     

     

     上図 銑Г僚腓妊ペレーションされます。結果、政府が財政赤字100を作り出すことで、民間企業に黒字100がもたらされ、企業の預金が100増えます。そして、企業の預金100は給料などの名目で家計の預金100に振り替わります。

     

     上図を一覧にしたものが下記の図になります。

     

     このように国家の財政運営は、皆さんが払った税金で運営されるわけではないということが理解できたのではないでしょうか?

     

     コロナ対策で粗利益補償することも、国民に一律10万円給付することも、オペレーションは同じで、増税してからお金を給付しているわけではありませんし、コロナ対策で支出したお金を、コロナ税などの名目で後から集める必要もありません。徴税を担保として政府支出が行われているわけではないのです。

     

     理論上政府は税金がなくても行政運営をすることができるならば、税金を取らなくてもいいのでは?という声があります。

     

     その声に対していえば、税金は非常に大事なのですが、その理由は行政運営するための財源ということではありません。

     

     税金を徴収する目的は、下記の3つの目的があって、行政運営に必要な費用を賄うのではないのです。

    【目的1】景気の安定化装置(ビルトイン・スタビライザー)機能

    【目的2】格差縮小を目的とした所得再分配

    【目的3】財源(複数通貨を使用する不便さからの解放)

     

     【目的1】の「景気の安定化装置(ビルトイン・スタビライザー)」とは、好景気の時期に徴税を増やして可処分所得を減らすことで景気を鎮静化させたり、逆に不景気のときは徴税を減らし、可処分所得を増やすことで景気を回復させる機能のことをいいます。この機能によって例えば景気がいい場合は、所得税の累進課税を強化することによって、所得を稼ぐ人から多くの税金を取ることで、投資の過熱を防ぎ、バブルの発生を抑制することができます。

     

     【目的2】の「格差縮小を目的とした所得再分配」とは、所得をたくさん稼ぐ人から税金を徴収し、低所得者層もしくは国民向けの公共サービスに支出することで格差を是正し、社会を安定化させます。国内の所得格差が縮小し、国民生活が安定化すると、高所得の人も安心して暮らせるようになります。

     

     【目的3】の「財源」です。この「財源」という意味は、政府が日本国民に対して、日本円による税金の支払いを求め、公共サービスや公共投資の政府支出を日本円で行い、日本国内で日本円以外の通貨の流通を制限する意味で用いています。企業の売上高や家計の収入から徴税して支出するという意味ではないのです。

     

     先日、池上彰氏の言説を批判しましたが、国民への一律10万円給付にしても、後で税金で徴収しなければ・・・という言説を発している人は、たとえその人が東京大学を卒業していようが、経済学者・アナリスト・エコノミストという肩書を持っていようが、国会議員であろうが、大企業の社長であろうが、そうした人らは全て白痴の(何も知らない)人となります。

     

     一般国民でも多くの人は、国民に税収を払わせ、その税収で公務員の給料を払ったり、年金や医療や介護やインフラ投資などの支出に充当すると思っていると考えられますが、全て誤りであって、日本円を日本国内に流通せしめるために、「財源」というお題目で徴収しているにすぎません。

     

     以上、【目的1】〜【目的3】の通り、税金には「ビルトイン・スタビライザー」「所得再分配」「通貨の流通を強制して複数通貨を使用する不便さからの解放」という3つの役割があります。

     

     

     というわけで今日は「税金がなくても政府を運営することは可能だが、税金が重要である理由について」と題して論説しました。

     

     

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