医療崩壊を防ぐ最も基本的な対策は医療供給力の増強である

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     今日は「医療崩壊を防ぐ最も基本的な対策は医療供給力の増強である」と題して論説します。

     

     緊急事態宣言が5月一杯まで延長となりましたが、そもそもこの緊急事態宣言は何が目的で出しているのでしょうか?

     

     言うまでもなく、感染の急激な拡大を回避することであり、「医療崩壊」を回避することです。「医療崩壊」というのは、感染症の医療需要が供給量を大幅に超過してしまい、適切な医療を施せず、助かる命が失われてしまう状況をいいます。

     

     そして安倍政権は、この医療崩壊を回避するという大義名分のもの、自粛を要請しています。

     

     その結果、DV、虐待の弊害も出ています。

    『河北新報 2020/05/02 コロナ禍とDV、虐待/ステイホームの弊害に目を

     ストレスをうまく解消できず、コントロールできなくなった感情が理不尽な暴力となって大切な人を傷つける。
      新型コロナウイルスの感染拡大で家庭内暴力(DV)や児童虐待の増加が懸念されている。集団感染を防ぐための休校、在宅勤務、外出の手控えがずるずると長期化し、家族が顔を合わせる時間が増えていることが影響している。

     内閣府は緊急経済対策の一環として1億5000万円のDV対策費を計上した。相談体制の拡充を図り、手遅れにならないよう実態把握と救済に努めてほしい。
     東日本大震災の際も家族の絆の大切さが強調された。ところが配偶者や交際相手への暴力、子どもへの虐待が被災地で頻発していたことが後の調査で明らかになっている。
     被災者は窮屈な仮設住宅暮らしや見知らぬ土地での避難生活を強いられた。日常生活が突如奪われ、将来展望を見いだせないことで不安を深め、やり場のない怒りが身内に向けられた。
     コロナ禍は「第2次世界大戦以来の厄難」と言われるだけに、より広範囲で深刻化しかねない。危機感を共有したい。
    個別事情を直接聞き取ることが難しくなっている。DV相談窓口を設けても感染防止のため面談を控えざるを得ない自治体が出ているのだ。
     内閣府は民間団体に委託し、メールや会員制交流サイト(SNS)、24時間対応の電話でも受け付ける相談窓口を新たに設置した。オンラインでの面談も導入し、被害者の窮状を受け止める仕組みを早期に広げたい。
     緊急経済対策として国民に一律10万円の給付が決まり、世帯主の口座に家族分が一括振り込まれる。DVから逃れるため、居場所を隠して暮らしている被害者に細心の注意を払うべきだ。
     避難先の市区町村に申し出れば給付を受け取れる手続きが始まったが、加害者に住所が知られることがないよう徹底してほしい。
     子も親にとっても「ステイホーム」が長引いていることがやっかいだ。
     本紙がSNSで長期休校を巡り実施したアンケートに対し、切実な声が寄せられた。
     「虐待や貧困の中にある子どもたちに目が行き届かないこと、社会がイライラしていて他者に攻撃的になっていること…。影響は甚大でウイルスと同じレベルで危険だ」
     「自宅に引きこもりの日々は子(高校2年の娘)も親もストレス」
     学校側の目配りが行き届かず、子どもの心と表情の変化、体の傷など虐待の兆候を見逃す恐れがある。
     休校は緊急事態宣言が延長になれば、さらに長期化する可能性がある。SOSのサインを見落とさないよう定期的な電話連絡や家庭訪問、分散登校日を設けるなど、きめの細かい見守りを継続したい。』

     

     また経済活動の停止で恐慌となり、自殺者が累計で27万人増という試算結果も出ています。

     

    『日刊ゲンダイ 2020/05/02 14:00 コロナ不況で自殺者が累計27万人増 京大研究グループの衝撃試算

     コロナ不況によって、自殺者が累計14万〜27万人増加する――。
     京大の研究グループ「レジリエンス研究ユニット」(ユニット長・藤井聡教授)が4月30日、衝撃的な試算を発表した。試算によると、過去のデータから、実質GDP成長率が下落すると、失業者が増え、自殺者が増えるという相関関係が実証されている。そこで、コロナが1年後に終息する「楽観シナリオ」と2年後に終息する「悲観シナリオ」を検討した。
     民間の試算を参考に、コロナ禍による経済不況で、2020年度の実質GDPがマイナス14.2%になると想定。失業率が6.0〜8.4%に達するピーク時には、年間自殺者は3万4449〜3万9870人(2019年度比1万4280〜1万9701人増)に上る。
     ピーク後は、景気が回復し、失業率も低下していくが、年間自殺者数が19年度の水準に戻るまで、19〜27年間かかり、自殺者の増加数は累計14万〜27万人になるというのだ。
     もっと大胆な支援策をしなければ、えらいことになる。』

     

     こうした記事を見ていると、今の日本の状況は「コロナの感染拡大による医療崩壊を防ぐためには、社会が崩壊することについては目をつぶりましょう」という状況になっていると私は思います。

     

     医療崩壊を回避する努力を国民一丸となって実施している状況で、「社会崩壊を防ぐための話など、するべきではない!」といっていることに等しい。

     

     これは理不尽極まりない全体主義の社会的圧力です。

     

     政府が自粛を強制して、財産権の侵害を防ぐ意味で補償をしっかりと行うというならまだしも、多大な財政支出から免れるために自粛を強制せず、要請するということによって、社会的圧力を使って財政支出を極力少ない方法で切り抜けようとしているのが、今の安倍政権のやり方です。

     

     社会的圧力で自粛要請し、満足に補償をしないとなれば、DVや虐待が増え、倒産・失業が増え、揚げ句に犯罪や自殺が増加することは十分に予想できますが、これらを防ぐ努力について、「こういう状況でするべき話ではない!」とはならないはずです。

     

     しかも医療崩壊のリスクを極小化させ、社会崩壊を回避する方法も存在します。

     

     医療崩壊を回避するもっとも基本的な対策は、医療供給力を強化することであり、具体的にはコロナ対応病床数を増やすことではないでしょうか?

     

     4/17付の東京新聞の報道によれば、政府が対応できる病床数2万8000床という発表に対して、実際は1万607床であり、乖離している理由として都道府県が国へ報告したのは空きベッドであって、コロナ対応病床とは限らないとのことでした。

     

     4/28NHKの報道によれば、北海道、東京都、石川県の3都道県がコロナ対応病床の8割を超えて稼働しているとのこと。

     

     医師&医療経済ジャーナリストの森田氏は4/22、”【日本のコロナ対策病床は全病床の僅か0.7%】 世界一病院が多いのにオーバーシュートでホテル入院に頼らざるを得ない『日本医療の不都合な真実』”と題して、次のように述べています。

    『(前略)

     前回の記事では、毎年インフルエンザで1万人、自殺で2〜3万人が亡くなっている中、そのレベルの被害に到底到達しそうにないコロナの死亡のみに注目し、恐怖感からリスクゼロを目指して日本全体の経済を止めてしまうのは「圧倒的にバランスが悪い」と言った。

     この記事は非常に多くの方に読んでいただき、また共感も頂いた。Facebookの「いいね」は2万以上になった。もちろんご批判も数多く頂いたのではあるが、袋叩き並みの批判を覚悟して投稿した身としてはこの総じて好意的な反応に感謝の一言である。

     しかし、今回は一旦「コロナパニック自体の正当性」は置いておく。
    仮に「コロナウイルスに真っ向から立ち向かう」と言う前提で話を進めたととしても、「圧倒的にバランスが悪い」おかしな話が日本の医療にはたくさんあるからである。

     特に表題の「コロナ対策病床は全病床の0.7%」と言う話は本当におかしな話である。マスコミ等ではあまり議論されない話題ではあるが、個人的にはこれは相当の問題なのではないかと思っている。なぜなら今マスコミでもネット上でも、

    ・医療機関がパンク(オーバーシュート)したら命を救えない!
     ・医療機関の許容範囲内に感染を抑えるため学校は休校!外出は自粛!全国に緊急事態宣言!

    と声高に叫ばれすべての国民の多大な負担となっている…それなのに患者を受ける側の当の医療機関の側で十分な準備が出来ていないのだとしたらそれは本当に大きな問題だからである。

     コロナ対策病床は全病床の0.7%

     日本には165万床の病床がある。ちなみにこれは人口あたりで世界最大である。

    (中略)

     世間ではあまり知られていないが、実は日本は世界一病院・病床が多い国なのだ。この医療体制は我々日本人にとって非常に心強いものである。しかし、その一方で実は2020年4月21日現在、国内全病床の0.7%しかコロナ感染対策に回せていないという現実もある。

     このサイトは、全国都道府県のコロナ感染対策病床数と、患者数を一覧で見ることが出来る非常に便利なサイトだ。これを見ると日本のコロナ感染対策病床は全国で1万2千床しかない。日本の全病床数165万のうちの1万2千床だから、僅か0.7%ということになる。

    (中略)

     驚くべきドイツの急ピッチ医療整備

     日本は世界一の病床数を持っているわけだからホテルを確保するより病床を確保するほうが簡単なのではないか? とは思われないだろうか。

    (中略)

     なぜ日本では病床がこんなに使われないのだろうか。

     日本の病院・病床の多くが民間で経営されていることにその解答へのヒントがあるだろう。

     日本ではあまり知られていないが、ドイツはもちろんヨーロッパの国々では医療といえば、警察や消防と同じ様な「公的」な存在なのが一般的である。ドイツの病院は公立・公的病院が8割で民間病院はわずか2割である。

     簡単に言えば、医療の多くの部分を民間に移譲していないのである。これは同時に、国や公的機関が医療機関に対する指揮命令系統を保持しているということでもある。

     一方、日本の医療機関は約8割が民営である。もちろん、コスト意識やマネジメント力の高い民間が医療機関を経営することのメリットは多大にある。しかしその一方で、医療という国家の安全保障の指揮命令権を民間に分割・移譲してしまうことのデメリットは計り知れない。民間に開放するということは、国からの指揮命令系統がうしなわれるということなのだから。

     今回のコロナ感染パニックの様なこの危機的状況で、世界最大の病床を抱える日本がその0.7%しか病床を機能させられていないという事実は、そのデメリットを顕著に露呈していると言わざるを得ないだろう。

    (後略)』

     

     上記の森田氏の論説で注目すべきは、国内の全病床の0.7%しかコロナ対応病床がないということで、残りの99.3%の病床は稼働していない状況であるということです。

     

     しかもドイツとの比較で、ドイツは公的病院が80%であるのに対し、日本は民間経営病院が80%となっていて、政府の命令指揮系統で病床をコロナ対応にするということができないと指摘しています。

     

     ただ民間であっても、政府支出で資金を補助してあげれば、ドイツと同じように病床を変更することは可能だと私は思います。

     

     日本政府は、コロナ対応以外の病院に対して、民間経営だからといって民間に自力で対応することを委ねるのではなく、準公共事業として政府支出で支援すればいいだけの話です。

     

     ところが安倍政権は、こうした取り組みを何一つといっていいほど、取り組みを進めていないのが現状で、その結果コロナ対応の病床数は増えず、コロナ対応の医療従事者も補強されず、必要な医療物資さえも増えていません。

     

     なぜこのような状況に陥っているのか?といえば、答えは「緊縮財政」です。

     

     公的病院、民間病院の割合の差はあるとはいえ、米国やドイツはコロナ対応では財政規律を無視し、おカネに糸目をつけず躊躇することなく政府支出で対応しています。

     

     日本では「3月一杯までは2019年度に計上した予備費しかないとし、4月以降は補正予算が決まるまでコロナ関係費が計上されていない当初予算しかなく、予備費しか使えない」ということで2020/04/27に可決成立した補正予算の執行が可能な2020/05/08から政府支出で対応できるという状況でした。

     

     安倍政権のこの対応スピードたるや、何という遅さでしょうか?

     

     財務省が決めたスケジュールと予算に従うことを優先し、それまでは医療供給力の引き上げをせず、当然の帰結として医療崩壊の危機が迫ってきているというのが日本の現状ではないでしょうか?

     

     この構図に気付かず、自粛要請の全体主義で政府の医療崩壊・緊縮財政に加担し、社会崩壊を引き起こすとするならば、そこに加担した日本国民にも重大な責任があるものと私は思います。

     

     

     

     というわけで今日は「医療崩壊を防ぐ最も基本的な対策は医療供給力の増強である」と題して論説しました。

     安倍政権は緊縮財政政権であることが改めてよく認識できるかと思います。そもそも自粛を国家として強制すれば、補償が必要となる一方で、飲食店もイベント業者も安心して休業することが可能ですが、自粛要請となれば補償の必要がありません。

     「みんなが自粛しているのに、あなたは休業しないのですか?」と国民を分断して、社会的圧力によって自粛が浸透すれば、多大な財政支出を免れることができます。

     こうしたやり方に対して、私は全く賛同できませんし、コロナで死ぬよりも自殺者で多く死ぬことがあってはならず、緊縮財政は速やかに改めていただきたいものと、私は思います。


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