財政規律を凍結したドイツの経済対策について

0

    JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

    JUGEMテーマ:年金/財政

    JUGEMテーマ:ドイツ

    JUGEMテーマ:ヨーロッパ

    JUGEMテーマ:ヨーロッパのニュース

     

     今日は「財政規律を一時停止した後のドイツの経済対策について」と題して論説します。

     

     AFP通信の記事をご紹介します。

    『AFP通信 2020/04/23 20:02 ドイツ、1兆円超のコロナ追加対策を発表 労働者や飲食業界への支援拡充

     【4月23日 AFP】ドイツ政府は23日、新型コロナウイルスの影響を受けている事業者や労働者への支援策として、100億ユーロ(約1兆1600億円)の追加経済対策を発表した。労働者向け給付金の拡充や、飲食業界向けの減税措置などを盛り込んでいる。

     欧州最大の経済大国ドイツは、新型コロナの感染拡大について「制御下にある」と宣言し、1か月ぶりに一部店舗が営業を再開するなど経済活動の平常化へ向けて動き出している。

     今回発表された追加対策では、ウイルスの感染拡大と政府の導入した拡散防止策のため自宅待機を余儀なくされた労働者に対し、4か月目から手取り給与額の70〜77%を補償する。これは、先に発表した補償額から10%引き上げとなる。

     また、7か月目からは手取り給与額の80〜87%を給付。既に失業中の人については、失業手当の受給期間を3か月延長する。

     さらに、感染対策の臨時休業で大きな損害を被っている飲食業界に対しては、7月1日から1年間、VAT(付加価値税)を19%から7%に引き下げる。

     現在閉鎖中の学校は段階的に再開される見通しだが、オンライン授業のためパソコンを購入した家庭には政府が最大150ユーロ(約1万7000円)の支援を行う。

     ドイツ政府は既に、事業者向けの資金繰り支援を中心とした約1兆1000億ユーロ(約130兆円)規模の緊急経済対策を発表しており、今回の追加支援はこれを拡充する内容となっている。』

     

     上記記事の通り、ドイツ政府は新型コロナウイルスの影響を受けている事業者・労働者への支援として、日本円で1兆1,600億円の追加経済対策を発表しました。

     

     労働者向けの給付金の拡充、飲食業界向けの減税措置を盛り込むとし、7/1から1年間VATを19%→7%に下げるという政策も打ち出しています。

     

     VATは付加価値税という名称になっていますが、日本の消費税と同じです。米国では国家として消費税というものはなく、州で消費税が課税される仕組みになっていますが、最終的に消費者にモノ・サービスが渡った時に払うという意味では、真に消費税といえますが、日本の場合は、最終的に消費者に渡る前から、BtoBで企業間の取引にも消費税がかかるため、欧州のVATである付加価値税に発想が近いです。

     

     何はともあれ、ドイツはVATを飲食業界に限定して19%→7%に減税することになりました。

     

     ドイツは憲法に財政均衡が条文として入っている緊縮財政国家で、プライマリーバランス黒字化をやってきた国です。そのドイツも、3/21にプライマリーバランス黒字化を辞めて財政規律を一時停止し、国民にとって必要なものを支出する財政拡大に方針転換しました。

     

     記事では、4か月目から給与額の70%を補償、7カ月目からは給与額の80%を給付するなど、労働者へ手厚い支援をしています。

     

     日本は10万円配って終わり。財政規律を守ろうとする人からすれば、「国民がガタガタ言うから、公明党が言うから、二階が言うから・・・」ということでとりあえず10万払って手打ちにしようということなのでしょうか?

     

     自民党の安藤裕衆議院議員は、10万円配布を追加で複数回行い、中小企業に対する「持続化給付金」の大幅な拡充や消費税ゼロとすることも検討するよう求めていますが、こうした政策を提言している国会議員は、本当にわずかな人であることが現状です。

     

     もっとも財務省は1回10万円を給付して財政支出拡大の幕引きを図ろうとするでしょう。

     

     下手すると2020年度の第2次補正予算で検討するとなれば、秋ぐらいから議論がされ、お金が給付されるのは2020年の年度末というスケジュールになります。

     

     10万を5月に払い、「あとは自己責任で頑張ってね!」というのが財務省であり、日本政府の方針です。

     

     あのケチケチのドイツですら、毎月お金を補填するとなれば、日本は対ドイツとの比較で、失業率・倒産率は圧倒的に高くなる可能性があります。

     

     ドイツやイタリアなど欧州各国は財政規律を凍結して財政政策を転換したから、そうした政策が可能なのですが、麻生大臣は日本においては財政規律を維持すると述べています。

     

     またフランスのマクロン大統領もまた典型的な新自由主義者のグローバリストでしたが、新型コロナウイルスの感染拡大をみてヤバイと思ったのでしょう。フランス国内の国民経済を回さないと全部輸入に頼っては生きていけず、保護主義に転換すべきと考え、モノの移動という輸出入を止め、国民の移動・出入国を停止するという方針に転換しました。

     

     いわばマクロン大統領からすれば「ゴメンナサイ!自由主義は非常時では国が滅びます。保護主義は必要でした。行き過ぎたグローバリズムは変えようと思います。」と主張しているのであって、日本のグローバリスト政治家らも、見習っていただきたいものと私は思います。

     

     とにかく欧州は反緊縮・反グローバリズムですが、その一方で日本は緊縮財政を礼賛し、平時になったらインバウンドで稼ぐという周回遅れのグローバリズムを礼賛する言説が蔓延しています。

     

     このままではコロナ終息後には、供給力がズタズタに毀損し、発展途上国化してしまうことを私は改めて危惧いたします。

     

     

     というわけで今日は「財政規律を凍結したドイツの経済対策について」と題して論説しました。

     各国が財政出動に政策転換をする中、日本は自粛要請を継続しています。自粛強要となれば財産権の侵害となって政府が補償する必要がありますが、自粛要請であれば補償する必要がなくなり、過大な財政支出を免れることになります。

     非常時でも「カネカネカネ」とやって、倒産する企業があってもやむを得ない、ウイルス感染拡大防止のため、絆の力で皆さんで自粛に協力して乗り切りましょう!などという態度は、国民よりも財政規律が大事であるという価値観であって、その価値観ではコロナ感染拡大のようなパンデミックの非常時に限らず、平時であっても国民を幸せにすることはできません。

     財政規律を守るといった思想は間違っており、100%円建ての国債しか保有せず、通貨発行権を持つ日本は財政破綻しないということを、改めて広めていかない限り、日本が再び発展することはできないと私は思います。

     

     

    〜関連記事〜

    EUの緊縮財政で新型コロナウイルスの感染が拡大してしまったイタリアについて

    ナチスドイツと高橋是清の経済政策

    ドイツ銀行の経営危機で、メルケル首相に強烈なブーメランが炸裂!

    憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!


    コメント
    コメントする








       

    calendar

    S M T W T F S
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    282930    
    << June 2020 >>

    スポンサーリンク

    ブログ村

    ブログランキング・にほんブログ村へ
    にほんブログ村

    recent comment

    profile

    search this site.

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM