電力サービスとは、需要に対して過不足なく供給するサービスである!

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    JUGEMテーマ:エネルギー

     

    2日間連続で、原子力発電所を中心とした問題を取り上げましたが、今日は改めて電力サービスについて述べさせていただきます。

     

     例えば、「中東の広大な土地に、太陽光パネルを広大に敷き詰めれば、世界の電力需要のほとんどを賄うことができる」というのは本当でしょうか?これは、自民党の国会議員の河野太郎氏(神奈川県選出)が言っていたことですが、これはデタラメです。

     

     そもそも電力サービスは、需要に対して過不足なく供給しなければ停電してしまうサービスです。

     「電力を多めに作る分には大丈夫じゃないの?」と思われる人が多いかと思います。

    電力は、需要以上に供給すると、送電網が不安定になり、ブラックアウト(停電)を引き起こすのです。

    送電量が少ない場合は停電するというのは、自転車のライトのペダル漕ぎなんかでイメージできると思いますが、多く電力を供給した場合も停電してしまうという事実を、多くの国民は知らないと思います。

     

     例えば、今あなたが手にしているスマートフォーンも、家で充電する場合、充電した瞬間即ちコンセントを差した瞬間からXワット需要が発生し、電力会社はXワット供給します。Xワットより多くの電力を供給すれば、ブラックアウトしてしまう可能性があるのです。

     また、充電が終わり、コンセントを抜けば、今度はコンセントを抜いた瞬間にXワット供給を停止しなければなりません。需要がゼロワットなのに電力を送れば、これまたブラックアウトしてしまうからです。

     

     あなたが会社から家に帰ってきたとします。電気をつけるでしょう。その場合、電気のスイッチをオンにした瞬間から、Yワットの需要が発生し、電力会社はYワット供給します。Yワットより多くの電力を供給することはできず、Yワット電力を供給するのです。

     また、就寝時間で電気を消した場合、電気を消した瞬間からYワットの電力供給を停止します。

     

     このように製造業のように多めに作って余った製品を倉庫に収納し、発注が出たら出庫するということができません。即ち在庫ができないサービスなのです。

     

     また、太陽光パネルの話で言えば、例えば10m×10m=100屬離宗璽蕁璽僖優襪あったとして、夏の昼間、暑くてクーラーが必要なのに、入道雲が発生して、ソーラーパネルの50%が影に隠れてしまいました。この場合、出力能力はどうなるでしょうか?

     

     影が掛かった場合、発電量が低下する度合いは、影の面積に比例するものではありません。たとえばパネルの半分に影がかかった場合、出力50%低下することではないのです。理由は、太陽光発電システムのパネルは、複数の系統が直列によって接続されています。それによって、パネル一枚に影がかかると電流全体の流れを妨げることになり、それがたとえ一部の影であっても、太陽光発電システムの全体に影響を及ぼし、大きく電力供給力を損なってしまうのです。

     

     電力会社の社員は、稼働している発電所を把握したうえで、電力の需要の増減の変化に、供給を合わせるという作業をします。この供給を合わせるというのは、どういうことか?と言いますと、例えば5キロワット必要だとなれば、5キロワット過不足なく供給する分のタービンを回します。この際、タービンを回すのを自由自在に行えるのは、火力発電所と原子力発電所です。5キロワットの電力が不要となれば、タービンを回すのを瞬時に停止する。こうしたことが自由自在に行えるのが火力発電所と原子力発電所です。

     

     一方で太陽光発電・風力発電は、そうはいきません。太陽光発電で言えば、部屋を暗くしていた家に昼間に帰ってきて部屋の電気を付けようとして5キロワットの電源が必要となった際に、ソーラーパネルの上に影が掛かっただけで、電気が付かないということになります。タービンを回したくても回せないのです。

     風力発電も同様です。風がなければ発電ができず、風が強すぎてもプロペラが損傷するリスクがあるために風力発電を止めます。

     結局、太陽光発電・風力発電は、需要に応じた供給ができないのです。当たり前ですね、考えてみれば天候に左右されるのですから。

     

     それでは水力発電はいかがでしょうか?例えば、真夏の暑い日で雨がものすごく降っているときでも、部屋でエアコン付けたりしていませんでしょうか?水力発電は大雨の時は水を放流できません。なぜならば下流が洪水になってしまうからです。

     この場合も、火力発電と原子力発電は、自由自在に稼働させることが可能です。

     というわけで、火力発電と原子力発電は、安定電源であるということがお分かりいただけましたでしょうか?

     

     お題の「中東の広大な土地に、太陽光パネルを広大に敷き詰めれば、世界の電力需要のほとんどを賄うことができる」は、中東で太陽光パネルを敷いたとして、かつ蓄電技術の向上により在庫として貯めることができるようになったとして、米国や日本など、海をまたぐ国に対しては、どうやって電力供給するのでしょうか?海底ケーブルを敷くのでしょうか?上述の主張をされる方には、その辺のことも聞いてみたいです。とはいえ、現時点では中東に太陽光パネルを敷いて日本に電力を送電させるというのは、相当無理があるお花畑なお話であることがご理解いただけると思います。

     

     というわけで、今日は電力サービスについて述べました。私は国会の前で反原発活動をしている団体がテレビで放映されているニュースを見たことがあります。この人たちは、地下鉄に乗らないのでしょうか?携帯電話やスマートフォーンは使わないのでしょうか?もし、彼らが電気を使わず、暗がりではろうそくを使い、移動手段は馬車や馬を使って国会に来て、スピーカーを使わず自分の肉声で活動しているならまだしも、地下鉄を使い、充電された携帯電話を使い、スピーカーを使って、反原発活動をしているのを見ていると、思わず笑いたくなってしまいます。「この人たち、電力サービスのこと何もわかっていないな!」と。 

     電力会社叩きをするマスコミ(TV新聞)の人たちも同じです。電力サービスを使って報道番組したりニュースしたりしているのに、電力が不安定になって海外のように停電が頻発するようになったらとか想像できないんだろうなと。なぜならば電力サービスのことを知らないから、真実を知らないから。

     その一方で、電力会社の社員の皆様には頭が下がります。電力会社の社員は立派だと思うのです。原発で稼ぐ電力会社なんてつぶれろとか給料もらい過ぎだとかいう批判に対しては、私は的外れで無知の極みであると厳しく反論したくなるのです。


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