粗利益補償をしない国と粗利益補償をした国で負け組と勝ち組に分かれるでしょう!

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     今、政府がやるべきこと。政府支出をどれだけ増やしても経済成長できない日本にならないためにも、国力・供給力維持を目的とした粗利益補償が必要であることだと私は思っています。

     そこで今日は米国の中小企業支援策を取り上げ、「粗利益補償をしない国と粗利益補償をした国で負け組と勝ち組に分かれるでしょう!」と題して論説します。

     

     私の予測では、コロナが収束する見込みは、正直年内は見込めないのでは?と思っています。医学的、ウイルスに関する見地から、そう言われていることに私も賛同しているからです。

     

     そうした状況下、世界各国はロックダウンで国内企業にロックダウンを要請する引き換えに、中小企業の資金繰りをサポートする政策を矢継ぎ早にスピーディーにやっています。

     

     下記はCNNの記事です。

    『CNN 2020/04/24 10:35 米下院、52兆円規模の追加対策可決 中小企業支援や検査拡充など

     ワシントン(CNN) 米下院は23日、中小企業と病院への支援や検査態勢の拡充を盛り込んだ4800億ドル(約52兆円)規模の新型コロナウイルス追加対策法案を可決した。

     採決の結果は賛成388人、反対5人だった。法案は今週すでに上院を通過しており、今後はトランプ米大統領に送付される。トランプ氏は法案への支持を表明していて、署名する意向。

     対策案の総額は約4840億ドル。経済停滞にあえぐ中小企業を支援するための枠組み「給与保障プログラム(PPP)」に追加で3100億ドルを承認する。同プログラムの資金は今月に入って枯渇し、経済界から批判の声が上がっていた。

     法案ではこのほか、病院や医療機関の費用や収入減をカバーする資金として750億ドル、検査態勢の拡充に充てる資金として250億ドルを計上した。米国では現在、複数の州が企業活動の再開や自宅待機命令の解除を検討しており、検査能力の拡大が必須との認識が広がっている。

     議会では今回の法案は「暫定措置」との位置づけだ。ただ、議会はすでに2兆ドル超規模の支援策や他の救済措置を可決しており、そこに新たに歴史的な規模の経済支援策が付け加わった形となる。

     野党・民主党が多数派を占める下院は同日、連邦政府による新型コロナ対応を監督するため、広範な権限を持つ新委員会の設置についても採決した。

     採決では民主党議員が賛成、共和党議員が反対に回り、212対182の賛成多数で可決した。』

     

     上記CNNの記事は、米国で220兆円の緊急経済対策で、非常に大きな割合を占めている給与保護プログラム(Paycheck Protection Program=略称PPP)というものがあるのですが、PPP政策について追加で財政支出額を増額するというニュースです。

     

     2020/03/27に、米国ワシントンの米国議会で、CARES法(CARES Act=Coronavirus Aid,Relief and Economic Security Act)という法律が可決され、同日トランプ大統領が署名して成立しました。

     

     CARES法は、2020/03/06に可決された医薬研究・開発、公共衛生機関支援などを目的とした補正予算で、2020/03/18に可決されたファミリー・ファースト新型コロナウイルス対策法(通称”The Families Fisrt Coronavirus Response Act”)に続く対策法です。

     

     日本では2020/04/08に非常事態宣言が出ましたが、米国では2020/03/13に非常事態宣言を出し、雇用者が従業員負担の特定支出をする際、非課税で補填することを認めています。結果、従業員の賃金を保護しているのです。

     

     今回CNNで報じているのは、PPP政策について追加で3,100億ドル(約33兆円)を追加支出するという内容です。

     

     PPPとは何か?といえば、企業が負担する給与や家賃や光熱費等について、企業が雇用を維持しながら休業した場合、米国政府が賃金・雇用の維持を支援するため、それらのコストを米国政府が全て融資するというものです。

     

     具体的には、社員の給与、家賃、光熱費は返済免除としているので、実質的に雇用を維持しながら休業した企業に対して融資をします。

     

     実際には、PPPによって融資を受けた会社が、社員の給料に使って社員の雇用を維持し、家賃・光熱費を払って社業を続けるならば、返済を免除するということなので結果的に給付するのと同じです。

     

     米国では、政府の都合でロックダウンという形で休業要請をしているため、雇用を守ってくれるならば、貸付であるものの返済を免除して実質的に給付するというプログラムがPPPの特徴といえます。

     

     当初、このPPPには、3,500億ドル(約37兆円)が計上され、社員の給与、家賃、光熱費等8週間分、約2カ月相当の運転資金を政府が肩代わりしまして、表面的には融資となっているものの返済免除で事実上の給付金ということで、米国内でも異例中の異例の政策であるといえるでしょう。

     

     今回のウイルス問題では、米国以外でも英国のボリスジョンソンが粗利益の80%補償を表明。EUを離脱したからこそ、英国は財政赤字を思う存分拡大できるようになったという意味では、いいタイミングでブレグジットをしたといえます。

     

     欧州のEU加盟国では、EU自体がマーストリヒト条約が定める政府の負債対GDP比率60%まで削減という義務を「一般免責条項」を適用して免除する方針を、2020/03/23にEU財務省が発表。借入額の上限の適用を停止する措置を取っています。

     

     これはイタリアのサッカーでの感染爆発を機に、新型コロナウイルスの感染が急拡大し、EU経済が今年深刻な景気後退に陥ることが見込まれるとして、経済再生に向けた取り組みが制限されるのは望ましくなく、EU市民の健康を守る制度や経済支援に必要な措置について柔軟に対応ができるようにしたとのこと。

     

     そのため、ケチケチのドイツも、緊縮財政がきついマーストリヒト条約に縛られるEUに加盟しているにもかかわらず、粗利益補償をやりました。具体的には従業員5人以下の事業者に対して、最大9000€(約108万円)を一括払い。特にフリーランス(個人事業主)の多いアーティストへの支援を手厚くし、グリュッタース文化相は「私たちは誰も失望させない」というメッセージを発信してドイツ国民を守ろうとしています。

     

     日本のフリーランス支援は、現金給付は全国一斉休校の影響で仕事を休んだ子供を持つ親のみが対象で、1日4,200円が支払われるだけであり、ライブやスポーツイベントなど、政府の要請でイベントが中止になっても経済的な補填はありません。

     

     宮田亮平文化庁長官は2020/04/27に「ウイルスに打ち勝つために、文化庁長官として私が先頭に立って、これまで以上に文化芸術への支援を行っていきたい、明けない夜はありません!」と勇ましいメッセージだけを残して、経済補償については何も記載がありません。

     

     このように安倍首相が4/7に緊急事態宣言を出した日本では、事業主に対して休業要請をしながら、先にお金を出さないという点が、欧米と決定的に異なります。

     

     では後でお金を出すのか?といえば、制度としては雇用調整助成金というのがあります。この雇用調整助成金は、2020/04/07から、中小企業が従業員に対して休業手当を出す場合、従前は2/3ををカバーしていたところ、4/5を雇用助成金でカバーすることになりました。

     

     ただ米国のPPPの給料の9割補償、英国の粗利益の8割補償ではなく、日本の場合はあくまでも休業手当であるという点で、休業手当は、労働基準法第26条に定める通り、平均賃金の6割となっていますので、人件費を100とした場合の事業者から見た補填割合は米英と比較して相対的に少なくなり、約50%相当になります。(60%×4/5=48%)

     

     それでもこの雇用調整金があるだけで会社を倒産させず、リストラせず、社員の雇用を続けられるという意味で、重要な政策だと考えますが、2020/04/17時点で実際の支給決定数は、残念ながらたったの60件でした。

     

     それに比べて米国ではPPPで3,500億ドル(約37兆円)の予算を付けたところ、申し込みが殺到してわずか2週間で枯渇しました。その後、ホワイトハウスは米国議会と協議して、CNNの記事の通り3,100億ドルを増額。合計70兆円規模を中小企業の資金繰り支援のために使うこととなったのです。

     

     なぜ米国がここまで中小企業支援に力を入れるのでしょうか?

     

     1929年の世界恐慌で、米国の経済はGDPで27%縮小し、米国の失業率は25%にまで増加しました。トランプ政権になってから失業率は低下を続け、3.8%という50年ぶりの低さにまで低下した失業率は、2020年3月では4.4%に増加しました。4月は失業保険の申請者が2,200万人と言われているため、15%程度まで上昇する可能性があるとの予測が出ています。

     

     このままだと世界恐慌に陥る可能性があり、何としても世界恐慌を食い止めるというのが米国議会の命題になっているのです。

     

     日本もほぼ同じ状況で、雇用を守ろうとして雇用調整助成金を拡充し、上限を4/5に引き上げましたが、申請があまりにも複雑であることに加え、仮に申請が通ったとしてもお金が入ってくるのが1カ月後とのこと。4月中旬に申請してもお金が入ってくるのは5月中旬です。

     

     中小企業では1カ月でもぎりぎりで間に合わないというケースもあるため、助成金を受け取るまでのつなぎ融資の支援などもやるべきだといえるでしょう。

     

     そうした日本と比べて米国では、PPPが2週間で160万件の申請があり、アッという間に財源が枯渇したという状況で、今回スピーディーに増額対応しているのですから、ホワイトハウスと米国議会による中小企業を倒産させないという決意が、はっきりと読み取れます。

     

     何としてでも中小企業の資金繰りが枯渇するのを回避し、財源は必要とあれば手当てしていきたいという思いの表れであるともいえるでしょう。

     

     中小企業は潤沢な当座資金があるわけではないため、どれだけ持つか?が極めて重要です。たとえ融資や給付金を申請したとしても、お金が入ってくるのが2カ月後、3カ月後では間に合いません。

     

     それを急ぐことが各国のテーマとなっていますが、少なくても米国、英国、ドイツは早く1週間程度でお金を出しています。

     

     日本では今日4/27、第2次補正予算が通過予定で、持続化給付金という制度が開始します。売上高が50%以下になった場合に補填するという政策で悪くないと思いますが、Web申請が可能でいいアイデアと思いますが、申請から給付まで2週間かかると経済産業省のホームページで公表されています。

     

     雇用調整助成金よりは、ましといえますが、それでも各国の1週間程度というスピード感と比べると2週間かかるというのが持続化給付金です。

     

     このような給付のペース、スピードでは、事業経営が成り立たないと経営者から声が出ており、業種によっては売上高が50%〜99%減少となっており、売上で非常時に運転資金を捻出するとすれば、2〜3カ月程度であって、それを過ぎると大量倒産、大量リストラという状況に陥ることになる可能性が極めて濃厚です。

     

     

     

     というわけで今日は「粗利益補償をしない国と粗利益補償をした国で負け組と勝ち組に分かれるでしょう!」と題して論説しました。

     業種を問わず、雇用を守る、賃金を守るという政府の姿勢は、供給力を守ろうとしていることと同じで、いわば国力を維持するための政策ともいえます。

     一方で財政規律を守ろうとして、「弱い企業は倒産すればいい!」「国民を甘やかしてはいけない!」という発想は、一見それっぽい感じがしますが、その発想は「供給力が毀損してもいい!」ということと同じであり、国力が弱体化してもよいと主張していることと同じです。

     そのことに気付かずして、財政破綻を煽り、財政規律を守ろうと、粗利益補償をする声に対して「金クレ虫」などと揶揄する人こそ、カネカネカネと固執し、国力を毀損していることに気付いていない愚者であると私は思います。

     欧米各国がこの非常時に、雇用と賃金を守ろうとするために資金繰り支援に必死なのは、いう間でもなく国力=供給力ということを理解しているからであり、EUですら財政規律を捨てたというのはそれを理解している証左です。

     このままだとコロナが収束した後、日本は負け組、欧米は勝ち組となります。コロナ終息後、日本が負け組となった場合、供給力がズタズタに毀損して第二次世界大戦の敗戦直後の焼け野原のようになっていることですらあり得ると私は思うのです。

     

     

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