国家議員の給料2割カットを賞賛する人は”スペンディングファースト”の事実を知らない白痴者です!

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     新型コロナウイルスの自粛要請で、医療崩壊や飲食店の倒産などが叫ばれています。それはそれで大変な問題であると認識するものの、解決策として国会議員に給料の返納を求めたり、手当を返納すべきとした言説が蔓延し、拍手喝さいを送っている日本人が多くいます。

     

     断言しますが、こうした言説は間違っています。そうした言説を発する人、その言説に賛同する人らは、スペンディング・ファーストを知らない白痴としかいいようがありません。ただでさえ経済政策が間違い続けているところ、さらに間違いを重ねる危険性が強いと思っていまして、今日は「国家議員の給料2割カットを賞賛する人は”スペンディングファースト”の事実を知らない白痴者です!」と題して論説します。

     

     スペンディング・ファーストという言葉を聞いたことがない人がいるかもしれません。私は過去、スペンディング・ファーストについて記事を書いておりまして、内容が重複する点があります。

     

     スペンディング・ファーストとは、日本語で「お金を費やす」を英訳すると「spend money」となるわけですが、その”spend(費やす)"と”First(先)”からきていまして、”支出が先”ということからきています。

     

     そして多くの人々が知らないのですが、政府支出、具体的には公共事業や公務員の給料というものは、スペンディング・ファーストで行われています。

     

     ほとんどの人々は「私たちが納めた税金で公務員の給料が賄われている」と思っていると考えられるのですが、それは事実とは異なるのです。

     

     スペンディング・ファーストの法的根拠と実際のオペレーションとについておさらいしたいと思います。

     

     通常、政府が予算を組み、国会で予算が可決された場合、日本政府は「財務省証券(政府短期証券)」という証券を発行します。これは財政法第7条によって裏付けられています。

     

     財政法第7条

    国は、国庫金の出納上必要があるときは、財務省証券を発行し又は日本銀行から一時借入金をなすことができる。
    2.前項に規定する財務省証券及び一時借入金は、当該年度の歳入を以て、これを償還しなければならない。
    3.財務省証券の発行及び一時借入金の借入の最高額については、毎会計年度、国会の議決を経なければならない。

     

     財政法第7条初項では財務省証券を発行して日銀に担保として差し入れて日銀当座預金を借り入れます。例えば1兆円の財務省証券を発行した場合、実際のオペレーションは以下 銑イ猟未蠅任后

     

    ‘本政府が1兆円の財務省証券を発行して日本銀行に担保として差し入れ、日銀当座預金を借り入れる

    日本政府が予算案を元に事業を発注して、受注した企業に1兆円代金を政府小切手で支払う

    4覿箸論府小切手1兆円を市中銀行に持ち込み、1兆円の銀行預金に振り替える

    ご覿箸錬叡円を従業員に支払う

    セ埣羔箙圓論府小切手1兆円を日本銀行に持ち込み、1兆円の日銀当座預金に振り替える

     

     下図は 銑イ離ペレーションを図にしたものです。

     

     

     この後、受注した政府や給料をもらった従業員は、法人税を治め、所得税を納めます。

     

     法人は黒字であれば決算期に締めて、2か月以内に納税を行います。3月末決算の企業であれば納税期日は5月末となるわけです。

     

     個人の所得税は、政府の決算と同じように12月末で締めます。年末調整を行うのは、個人の所得税は源泉徴収されていますので、12月末の時点で所得控除の有無、税額控除の有無を申告して勤務先にて年末調整を行うか、翌年3月中旬までに確定申告をすることになります。

     

     何がいいたいか?といえば、私たちが納めた税金で政府支出が行われているのではないという事実を含め、次の事実がいえます。

    ❶政府支出は財政法第7条に基づき、日本政府が発行する財務省証券を財源に日銀に担保として差し入れ、日銀当座預金を決済資金として政府支出を行う

    ❷ゆえに政府支出は私たちが納めた税金(政府が国民から徴収した税金)で支出しているのではない

    ❸政府支出を1兆円増加させ、政府事業を通じて民間の預金が1兆円増加している

     

     先述の↓のオペレーションについて政府小切手を発行しているということで、❶❷の事実を導いていますが、実際は官庁会計システムのADAMS兇箸いΕ轡好謄爐鮖箸ぁ▲妊献織襪嚢圓錣譴泙后いわゆる銀行振込です。

     

     銀行振込というと、何かお金が存在することが前提となり、そのお金を振り込むというイメージで誤解を生むため、その誤解を生じないよう小切手を発行したものとして図解していますが、何が言いたいか?といえば、集めた税金で政府支出しているわけではないということと、政府支出のプロセスの結果、預金が生み出されているという事実です。

     

     即ち、政府支出が先で、納税が後になっているということ、これが事実です。

     

     もし仮に政府支出が1兆円だとして、1兆円の税収を徴収した場合、政府の財政はトントンとなり、財政赤字でもなければ財政黒字でもありません。

     

     仮に政府が1兆円支出したとして、5000億円の税収を徴収した場合、財政赤字5000億円となる一方で、民間即ち日本国民は5000億円預金が増えていることになります。

     

     逆に政府が1兆円支出したとして、1兆5000億円の税収を徴収した場合、財政黒字5000億円となって、民間即ち日本国民から財産を取り崩させて5000億円を余分に徴収したことになります。

     

     財政赤字になったところで、日本国民が困ることはあるのでしょうか?毎年、多額の財務省証券を発行して財政赤字を積み上げていったとして、困る日本国民は存在するのか?といえば、誰も困りません。政府というのは経世済民のためのNPO法人組織であり、利益追求組織ではないため、赤字になったからといって債務超過になるとか破綻するということはないのです。

     

     政府の債務超過という発想自体、ミクロ経済学でいう予算制約の考え方を当てはめていることの証左であり、そのこと自体が間違っています。

     

     予算制約があると思うからこそ、議員歳費をカットするとか、地方自治体の知事が報酬を返納するとか、1人10万円配布について高額所得者はもらうべきではないなどとする言説が生み出されるのです。

     

     通貨発行についていえば、金本位制でもなければ、1973年以降ニクソンショックで金ドル本位制も崩壊し、現在は管理通貨制度の下、政府と中央銀行が通貨をいくらでも発行できます。政府と中央銀行は、物価の上昇率を見ながら、例えばインフレ率が10%とかになったら、景気の過熱でバブルを生み出すかもしれないため、発行した通貨を回収することもできます。

     

     上述は財務省証券で説明しましたが、公共事業を実施する際の財政法第4条に基づく建設国債(別名「4条公債」)でも全く同じです。財務省証券と建設国債の違いは、財政法第7条、財政法第4条という根拠法令が異なるだけで、オペレーションは全く同じです。

     

     このようにスペンディング・ファーストを理解し、政府の負債が増えれば増えるほど、国民の預金が増えるという事実を理解すると、国民1人あたり2000万円問題の解決策もみえてきます。

     

     またコロナウイルス対策で自粛の要請を行って赤字国債の発行額をとにかく抑制しようとしていますが、そもそも抑制するという考え自体が無用な話で、コロナウイルス対策による自粛で感染率拡大を抑制することと合わせ、自粛によって倒産・失業が増加して自殺者が増加することを抑制するため、コロナ対策国債など何でもいいので国債を発行し、中小企業や個人事業主の粗利益を補償して供給力と雇用を守ることで恐慌に陥ることを防ぐべきではないでしょうか?

     

     100%円建て国債の負債しか保有しない日本政府が財政破綻することもなく、発行した国債なり財務省証券を、機関投資家らが空売りしようと実物の玉を現物売りを大量に浴びせようしてきても、値下がりした現物証券を買い取れば済む話であり、何ら制約はないのです。

     

     その事実を知らないからこそ、国家の財政運営についてまるで白痴であるからこそ、家計や企業経営になぞらえ、支出は貯めたお金、稼いだお金でなければ支出ができないという発想で物事を考え、「公務員は給料を返納すべき!」とか「国会議員は議員歳費をカットすべき!」などとする白痴な言説が生み出されるのです。

     

     そうした白痴の言説とは別に、真実、正しい解決策を知っている人もいます。

     

     埼玉県和光市の市長が「私は10万円申請して全部地域で消費する」というツイートをして話題になりました。

     

     和光市長の発言はぐうの音が出ないほど全くをもって正しいです。

     

     

     

     というわけで今日は「国家議員の給料2割カットを賞賛する人は”スペンディングファースト”の事実を知らない白痴者です!」と題して論説しました。

     因みに私こと杉っ子は、「10万円もらうべきではない」「公務員の給料カット」「国会議員の歳費カット」などの言説に対して当然反対の立場であって、ルサンチマンを煽った公務員バッシングに反対します。

     公務員には医療崩壊が叫ばれる中で懸命に働いている医療従事者も含まれます。また国民の人気取りをする”国会議員は議員報酬カットすべき”という言説も反対で、むしろ国会議員は2割とは言わず、多くの歳費を地元の商店街で、モノを買う、サービスを買うということをするべきです。なぜならば、そうした行動はマクロ経済的にGDP増加につながり、不況・恐慌に陥ることを防ぐ効果があるからです。

     一般の日本国民の人々も、「公務員や国会議員が10万円もらうのはけしからん!」という言説に惑わされず、むしろちゃんともらった10万円を地元の商店街に使ってください!と働きかけるべきですし、和光市長のような考えを持った人を賞賛すべきであると私は思います。

     

     

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