経済対策のニュースで注目すべきは事業規模の金額ではなく財政赤字の発行額です!

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     今日は「経済対策のニュースで注目すべきは事業規模の金額ではなく財政赤字の発行額です!」と題して論説します。

     

     私は以前、コロナウイルスが感染する中、2020/03/09に米国の経済が絶好調であるとする記事を書きました。その後、米国でもコロナウイルスの感染が拡大し、失業者数が20万人前後だったのが、一気に135万人にまで増加しました。失業率は2月の3.5%から、3月は4.4%と上昇し、50年ぶりとまで言われていた低い失業率が一気に上昇し、好調だった米国経済も一気に崩壊しつつあります。

     

     そんな中、トランプ政権が220兆円の経済対策を打つという報道があり、日本でも108兆円の経済対策ということが報じられています。

     

     下記はブルームバーグの記事です。

    『ブルームバーグ 2020/03/26 13:02 米上院、220兆円規模の景気刺激法案可決−新型コロナ対策

     米上院は25日、新型コロナウイルスが引き起こした経済・衛生上の危機に対処する2兆ドル(約220兆円)規模の歴史的な景気刺激法案を可決した。民主党が過半数議席を握る下院には、早急な成立に向け、同法案を速やかに可決するよう圧力がかかっている。

     上院採決は賛成96 、反対0。マコネル共和党上院院内総務が先週提出して以来、共和党と同法案の修正を求める民主党は緊密な協議を続けていた。

     同法案には、米経済が突然の活動停止を乗り切るのを助けるため大企業などに融資や減税、市民に直接給付を行う前例のない措置が盛り込まれた。米国内の新型コロナ感染者は6万8000人を超え、一部のエコノミストは失業率が30%に達する可能性があると警告している。

     下院は景気刺激法案の採決を27日に行う予定。トランプ大統領は議会に対して速やかに同法案を通過させるよう求め、下院が可決したら直ちに署名する意向を示した。

     同法案は、航空機メーカーなど大企業や州・地方自治体向けの融資・支援約5000億ドルに加え、中小企業向けの約3500億ドルを用意。また、低中所得層の成人1人当たり1200ドル、子どもは500ドルずつの直接給付も行う。失業給付も大幅に拡充される。

     ホワイトハウスのクドロー国家経済会議(NEC)委員長によると、同法案と連邦準備制度の措置と合わせると、景気刺激の規模は米国内総生産(GDP)の約30%に相当する6兆ドルに達する。

     しかし、米経済への短期的な大打撃や失業率の急激な悪化を回避するのにはこれでも不十分な可能性がある。エコノミストや議員は追加刺激策が必要になるとの見通しを示しており、議会は既に次の対策を議論している。

     2008年のリセッション(景気後退)時にオバマ前政権の経済チームのメンバーだったジェーソン・ファーマン氏は、「大きな問題で議会がこれほど迅速に動くの見るのは初めてだ。しかし残念ながら、この問題は一段と規模が大きく展開も早いかもしれない」と指摘した。

     ホイヤー民主党下院院内総務は25日遅く、下院は発声投票での法案可決を目指すと述べた。発声投票にした場合、下院議員全員がワシントンに戻る必要はない。下院共和党指導部も同戦略を支持するとした。

     しかし記録・点呼投票を議員が求める可能性もある。この場合、プロセスが長引くことも考えられる。』

     

     

     上記ブルームバーグの記事に出ている220兆円という数字について、皆さんはどう思われるでしょうか?

     

     米国のGDPは日本の約4倍で約2200兆円ぐらいの規模なのですが、220兆円経済対策となればGDPの10%に相当します。

     

     記事にもある通り、クドロー国家経済会議委員長によれば、連邦準備制度の措置と合わせて6兆ドル(日本円で約660兆円)に達すると述べています。

     

     こうしたニュースを見るにつれ、金額だけに目が行きがちですが、私はこの金額で米国経済の下支えとなるか?と言われれば、不足するだろうと思っています。

     

     理由は、220兆円という数字は事業規模の数字であって、米国政府が財政赤字をいくら拡大するか?が報じられていない点です。

     

     実際に中身を見ると、民間の貸出枠とか、民間が借金を増やすというのが事業規模に含まれています。

     

     米国のこうした経済政策の記事のみならず、日本の108兆円の経済対策もそうなのですが、重要なのは政府の負債がどれだけ増えるのか?財政赤字額がどれだけ増えるのか?ということ、この1点に尽きます。

     

     今必要なのは急減している需要を丸ごと政府が需要創出することであり、ジョン・メイナード・ケインズ的にいえば、それは有効需要のことを意味します。

     

     日本では真水(まみず)といういい方もしますが、この有効需要を創出する為に、政府がどれだけ財政赤字を増やすのか?が重要なポイントです。

     

     政府が財政赤字を増やせば増やすほど、反対側で国民の預金が増えて黒字になるからです。

     

     逆に財政赤字を増やさない場合は、国民の黒字が増えない、即ち国民の所得は増えることはなく、コロナ騒動で民間経済に自由に委ねているだけですと、普通に給料が減ります。

     

     財政赤字を増やして、そのお金を使って給付金を配るでもよいですし、政府は国民が供給する財・サービスを買い上げるでも構いません。それらをやっただけGDPは絶対に増えます。

     

     仮にも、道路を掘って埋めるを10回、全国でやりましょう!という一見無駄と思える公共事業があっても、所得を生み出します。無駄と思える公共事業に従事する人らがお金を手にするからです。

     

     ところが今回の米国の経済政策のように、220兆円という事業規模の数字があったとしても、財政赤字額が不明で、大企業や地方自治体向けの融資5,000億ドル(約55兆円)、中小企業向け融資3,500億ドル(約39兆円)というように、220兆円の4割程度は融資の金額が入っているため、財政赤字額が220兆円増えるという話ではないのです。

     

     となれば、期待した経済効果、即ちコロナによって経済の停滞を余儀なくされたことによる需給ギャップの拡大幅を、埋めきることができる金額が220兆円だったとした場合、100兆円弱は融資であるため埋めきれず、経済の下支えとしては不十分であるとおいうことになるのです。

     

     かつて世界恐慌の時に、フーバー大統領がレッセフェール(放任主義)を貫き、米国国民をどん底に陥れました。失業率が40%を超え、都市部では餓死して倒れる人が続出したといわれています。

     

     その後、1933年にフランクリン・ルーズベルトがニューディール政策で積極的な財政出動に転じて、米国経済を立ち直らせました。

     

     不景気・不況、デフレを克服するためには、政府が赤字を増やすこと、即ち政府が借金を増やす以外に方法はありません。他国からお金を借りれば、返済義務があります。将来世代にツケを残すと言えます。

     

     しかしながら、自国通貨の場合は返済義務もありません。米国の財政赤字がどれだけ増えようとも、むしろ増やした分だけ経済成長し、不況に陥ろうとする米国経済を下支えします。

     

     日本の場合も同様で、政府の負債が1000兆円から1500兆円になれば、500兆円分経済成長しますし、乗数効果を加味すれば500兆円の増額分以上に経済成長することが普通に可能です。

     

     ジョン・メイナード・ケインズが説いていますが、たとえ道路を掘って埋めるという壮大な無駄な事業を500兆円で政府が発注したとしても、500兆円分の所得の発生、即ちGDPが成長します。所得を得た人々500兆円分は、全額貯金になるわけではなく、消費活動に使われます。その消費活動に使われる部分が乗数効果です。

     

     好景気の場合に、大きく政府の負債を増やしてそのような事業を発注すれば景気が過熱してバブルを生みかねませんが、不景気の場合は、道路を掘って埋めるという事業であったとしても、経済成長するので、むしろ所得を生むということでやるべきです。

     

     もちろんそのような支出よりも優先すべき支出は山ほどあるでしょう。日本で考えれば、医療崩壊を防ぎ、将来の医療体制構築のために医療報酬を引き上げ、医師、看護師らの給料を引き上げ、病院数、病床数を増やすことなど、人口の減少に関係なく需要が存在します。

     

     たとえ無駄に病院数、病床数、医師看護師らスタッフを増加させたとしても、平時のときは無駄に見えたとして、いざコロナウイルスのようなパンデミックが発生した場合は、その無駄な施設が受入キャパシティとなって医療崩壊を防ぐことができます。

     

     そうやって政府の負債を増やして医療に使えば、日本の財政の信認が崩れるのでは?というエコノミスト、国会議員ら、「財政の信認」とは何でしょうか?

     

     私は「財政の信認」という言葉を具体的に説明している人を見たことがありません。

     

     多くの人々が経済無知と思って、財政の信認というそれっぽい抽象的な言葉を使うエコノミスト、国会議員こそ、厚顔無恥、まるで白痴といえるでしょう。

     

     仮にも財政の信認とやらが崩壊して、日本国債を売ってくる輩、あるいはヘッジファンドなどが大量に日本国債を売ってくるとするならば、日本銀行が買い取ればいいだけの話。ヘッジファンドらが大損するだけの話です。

     

     政府の負債が増えること、政府の借金が増えること、財政赤字が拡大すること、何ら問題がなく、むしろ政府が借金を増やさなければ国民の預金が増えない、即ち財政赤字を拡大しなければ資本主義は経済成長できないという事実を改めて知っていただきたいと思います。

     

     

     というわけで今日は「経済対策のニュースで注目すべきは事業規模の金額ではなく財政赤字の発行額です!」と題して論説しました。

     

     

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