イベント開催の自粛要請で日本国民に責任を押し付けてショボい財政出動で凌ごうとする日本政府
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今日は「イベント開催の自粛要請で日本国民に責任を押し付けてショボい財政出動で凌ごうとする日本政府」と題して論説します。
消費増税の影響が続く中、新型コロナウイルスの問題が起きたということで、世界中経済が大変なことになっていますが、日本は増税した消費税を停止し、消費税をゼロにするべきであると私は思います。
何しろ、消費増税して一気に消費、設備投資が激減しました。年率換算で2019年10月〜12月の実質GDPは▲7.1%と半端ないマイナス。ここに新型コロナウイルス騒動によって世界経済は混乱し、日本の2020年1月〜3月のGDPは二桁マイナスになることは必至でしょう。
となれば本来ならば20兆円とか30兆円とか景気対策をぶちあげるべきなのですが、日本政府はやりません。とにかく金を使わない。
そういう状況で支持率が急激に下がったため、景気対策をするふりをしなければならなくなって、今やろうとしているのが、国民に電子商品券を配るなどの検討がなされています。
下記は日本経済新聞の記事です。
『日本経済新聞 2020/03/19 21:51 雇用・資金繰り重点 政府、緊急経済対策へヒアリング
政府は19日、新型コロナウイルス感染症の経済への影響について企業や個人からの集中ヒアリングを始めた。現場の実態を把握し、新たな緊急経済対策に反映する。実体経済の底割れを防ぐため、雇用を守る施策や資金繰り対策の拡充などに焦点があたる。観光関連産業や中小・零細企業、フリーランスなど打撃の深刻な層を中心に支援策が求められそうだ。
安倍晋三首相はヒアリングの冒頭で「何としても雇用は守りぬかなければならない。個人、あるいは中小・小規模事業者が事業を継続できる状況をつくっていく」と語った。そのうえで「実際のニーズはどこにあるんだということを把握をしながら政策をただちにつくり上げていきたい」と強調した。
政府はこれまでに個人向けで税金や社会保険料、公共料金の支払い猶予、20万円以内の小口貸し付けなどの対策を打ち出している。金融機関からの融資額の80〜100%を信用保証協会が保証する制度も拡充した。ただ感染者の増加が続くなか、大規模イベントの自粛や政府による一斉休校の要請などで、企業活動の停滞は長引きつつある。
4月にもまとめる緊急経済対策では国内観光を促進するための旅行費の割引、キャッシュレス決済のポイント還元制度の拡充などが検討対象になっている。企業向けでは、資金繰り支援の大幅拡充や固定資産税の減税なども候補にあがる。
西村康稔経済財政・再生相は「前例にとらわれることなく、マクロ経済のインパクトに見合う思い切った対応を考えていきたい」と強調する。
政府内や与党からは2008年のリーマン危機後に実施したような家計への現金給付のほか、消費減税を求める声が出ている。麻生太郎財務相は19日の閣議後の記者会見で「財政出動は赤字公債の拡大につながりかねない。慎重にしなければならない」と述べ、野放図なバラマキは避ける考えを示した。緊急経済対策といえども、政策の効果や優先順位は経済の実態を見極めつつ丁寧に検討していく必要がある。
集中ヒアリングは麻生財務相ら関係閣僚のほか、自民・公明両党の幹部も参加し、来週にかけて延べ7日間で計60人前後を対象に実施する。初回の19日は主に個人事業主や就職活動中の学生ら10人の声を聞いた。収入の大幅な減少や情報不足による不安の訴えが相次いだ。タクシー運転手の男性は児童手当の上乗せや前倒し支給を求めた。』
上記の通り、支持率を気にしてか、安倍政権は口では雇用を守るなどと言っています。その一方で米国ではGDPの5%に相当する1兆ドル(110兆円)、この土日には10%に相当する2兆ドル(220兆円)という数字が出てきており、日本のGDPを500兆であれば、本来なら25兆円〜50兆円という数字が出てもいいはずです。
ところがお金を使いたくない。プライマリーバランス黒字化があるからとにかく支出はしたくない。だからイベント開催の主催者に対して、開催自粛を要請しているのです。
要請さえしておけば、自粛するか否か?は事業者の責任にすることができます。責任を日本国民に押し付けて、経世済民を放棄して日本政府は何もしません。
仮に要請を無視して新型コロナウイルスが蔓延した場合、「イベント主催者の自己責任です。私は要請しましたよね?」となります。
小中高の休校要請も同様で、金沢や京都では学校の授業を続けるという自治体も出ていますが、もしこれで休校しなかった場合、学校で新型コロナウイルスが蔓延したら、「だから言ったじゃないですか!私は要請しましたよね?」となります。
小中高を休校にした場合、両親が働けないケースが出て、その所得を補償するから休校にして欲しいという声は理解できますし、有給休暇も有給といわず、無給でも従業員が来なくても所得をちゃんと払い、その所得を政府が補償するといえばいいのですが、とにかく日本政府はお金を使うことを嫌がります。
すべての解決策は緊縮財政を辞めることであって、例えば消費税をゼロにし、さらに財政拡大で、イベント中止、休校で被害を受けた人には、全員所得を補償するなど、その保証する金額の算出が面倒であるというならば、香港と同じように1人当たり20万円配るというやり方もありますが、日本政府はやりません。
なぜならば緊縮財政が国是となっているからです。
自民党の安藤裕衆議院議員と西田昌司参議院議員や、国民民主党代表の玉木氏らが、20兆円〜30兆円規模の経済対策を打ち出していますが、財務省とガチンコで争う気がない安倍総理、麻生大臣では、残念ながら、消費税をゼロにすることなどできないでしょうし、10兆円程度のショボい財政出動で凌ごうとする可能性は十分に高いと思います。
というわけで今日は「イベント開催の自粛要請で日本国民に責任を押し付けてショボい財政出動で凌ごうとする日本政府」と題して論説しました。
この非常事態でプライマリーバランス黒字化とか言っている人は、バカアホ以外の何物でもありません。この状況で麻生大臣のコメントのような野放図なバラマキは・・・などと財政出動にブレーキをかける発言自体に、日本政府が国民を守ろうとする気がない意思表示をしているようなものです。
一刻も早く、この国難に対して、プライマリーバランス黒字化目標を破棄し、国債を増刷して積極的な財政出動で30兆円とか50兆円くらいの規模の経済対策が打たれることを私は望みます。
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- 2020.03.23 Monday
- 日本経済(経済政策)
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- by 杉っ子