ブレグジットのきっかけとなった英国の医療保険制度NHSについて

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     英国の議会選挙では、ボリス・ジョンソン首相が率いる与党保守党が圧勝しました。

     

     私は今年5月のGWに英国とフランスを往訪し、ロンドンとパリを訪れています。ロンドンは1694年に世界で初となる中央銀行のイングランド中央銀行が設立された場所であり、そのロンドンを都市に持つ英国の特徴の一つといえる国営の医療保険制度NHS(National Health Service)というのをご存知でしょうか?日本も国民皆保険が存在しますが、実は世界で初めて国民皆保険制度を発明したのが英国なのです。

     そこで今日は「ブレグジットのきっかけとなった英国の医療保険制度NHSについて」と題して論説します。

     

     英国人は自国の国民皆保険制度のNHSについて誇りを持ち、重要視していました。そのNHSの制度がある英国に、EUから外国人移民が大量に入ってきました。

     

     外国人移民が英国に住み着くとなれば、当然病気をすることもあるでしょう。病気をすれば、その外国人移民はNHSを使うことができ、タダで治療を受けることができます。

     

     では、その治療費は誰が払っているのでしょうか?

     

     それは英国人の税金です。

     

     英国人の税金が、昨日今日、海外から入ってきたばかりの外国人にどんどん使われているというのがEUに加盟している英国の現在の状況。と同時に、外国人移民を英国に送り込んできたのがEUという制度といえます。

     

     そのEU本部に対して、英国はEU負担金として多額のお金を払い続けなければなりません。

     

    <2014年度のEU予算への国別純拠出額>

    (出典:みずほ総合研究所)

     

     

     上記は2014年度のEU予算への国別純拠出額ですが、2014年度の数字で英国はドイツ、フランスに次いで3番目に多く拠出しています。

     

     EUのせいで外国人が入ってくることを、英国政府は止めることができず、EUに従わざるを得ず、外国人が入ってきて英国国民のために積み立てられてきたNHSの財源がどんどん蝕まれ、しかも多額のEU負担金を支払わなければならない。

     

     しかもそれが全部、英国国民の税金で負担しているということで、そんなバカなことがあるのか?ということ。これがブレグジットが始まった要因の一つで、グローバリズムの問題点を露わにしたものといえます。

     

     EUというグローバリズムによって自分たちの主権がなくなる象徴といえるでしょう。そもそも英国国内で、なぜブレグジットという話が出てきたのか?といえば、国民皆保険のNHSを守るためであったといえるでしょう。

     

     今回の英国議会選挙は、ブレグジットが決まるか否か?を問う選挙だったか?といえば、EU離脱を問う選挙になっていませんでした。

     

     その理由は、与党保守党はEU離脱賛成、野党第二党の自由民主党はEU離脱反対で、野党第一党の労働党がEU離脱賛成を明言しなかったからです。

     

     選挙の公約をマニフェストというのは英国が起源なのですが、マニフェストで労働党はEU離脱賛成を明確に言いませんでした。

     

     なぜならば本来は労働党はEU離脱に反対の立場です。ところが反対を明確にしすぎてしまうと、労働党支持者の中に、EU離脱賛成の人がたくさんいて、そうした人の票を失うことを恐れ、コービン党首はEU離脱反対を明確にしなかったのです。

     

     いずれにしても、与党保守党が勝ったことでEU離脱は明確に決まり、英国はついにEU離脱となります。

     

     今後英国政府は、EU本部と貿易協定の交渉に入ることになるでしょう。

     

     自由貿易協定を結ぶことになろうかと思われますが、最低1年はかかると言われています。しかもその交渉をしている間に他国とも自由貿易協定の交渉に入らなければなりません。

     

     これまではEUが代表して他国と貿易交渉をしていましたが、今度は英国が単独で他国と貿易協定を締結しなければならなくなります。

     

     その中でも特に重要なのが米国との貿易自由協定で、米国が狙っているのは、英国の医療保険制度であるNHSです。

     

     国民皆保険は英国政府が拠出する無料の医療保険制度で、関連するマーケットは、医薬品、医療機器、保険などありとあらゆる医療関係のマーケットが存在するため、米国は参入したがっているのです。

     

     今まではEUの中に入っていたことで、英国の国営医療制度としてEUの中でも聖域となっていました。

     

     EU離脱後は、自由貿易となるため、米国としては英国から自由貿易でいろんなものを買う代わりに、その見返りとしてNHSの市場を開放しろ!と要求されることが予想されます。

     

     これは英国にとって大きな問題で、おそらく英国議会でも、この問題が大きく取り上げられて紆余曲折するでしょう。

     

     そこで時間をかけて交渉し、最終的には米英でFTAが締結されると予想されますが、EU離脱後に起きる最大のテーマともいえます。

     

     

     

     というわけで今日は「ブレグジットのきっかけとなった英国の医療保険制度NHS」と題して論説しました。

     私がジョンソン首相の立場だとするならば、EU離脱は賛成しますが、NHS参入については、何としても死守します。なぜならば英国の雇用にも影響しますし、米国の参入を許せば、米国のビジネスとして制度が運営されることとなって、英国政府国営とは異なり、利益追求の運営によって英国国民に不利益がもたらされることになるからです。

     トランプ大統領のことをポジティブに思う私であっても、自国民ファーストの観点からは、是々非々で賛成・反対の意見を持っているわけで、ジョンソン首相には、ぜひとも米国の圧力に負けることなく、英国の聖域である国民皆保険を守って欲しいと私は思います。

     

     

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