租税貨幣論を参考にユーロ加盟国がユーロから離脱する方法を考える

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     今日は「租税貨幣論を参考にユーロ加盟国がユーロから離脱する方法を考える」と題して論説します。

     

     租税貨幣論とは何か?といえば、端的に言えば、通貨を通貨たらしめるための理論であり、具体的には、税金という債務を弁済するために日本国内では日本円を使わざるを得ない、日本円が流通せざるを得ないとされています。

     

     何しろ、政府は日本円以外での納税を認めてくれません。世界の基軸通貨ドルをたくさん持っていたとしても、日本国民である限り、税金は日本円で支払わなければならないのです。

     

     ではドイツのようなユーロ加盟国というのは、どう考えるべきなのでしょうか?

     

     ドイツのような共通通貨ユーロは、あくまでも利用者ということになります。自国の意思で金融政策はできないため、通貨発行も公定歩合の上げ下げも何もできません。その代わりドイツ以外のユーロ加盟国で個人間や企業間の取引で決済することができます。

     

     ところが最大のデメリットは自国の意思で金融政策ができないということ。

     

     国際金融のトリレンマというのがあるのですが、「為替の安定」「資本移動の自由」「自由な金融政策」の3つは同時に手に入れることはできないとされるものなのですが、ユーロ加盟国は「自由な金融政策」を放棄して、ユーロに加盟していることになります。

     

     即ち、ドイツは米中貿易戦争で外需が伸び悩むからといって、内需拡大の政策をやることができません。ユーロに加盟しているがゆえに金融政策で国債の発行ができず、財政政策はEUのマーストリヒト条約で政府支出の拡大すらできないのです。

     

     ユーロ加盟国のドイツが助かるためには、ユーロ離脱か、ユーロそのものが解体する以外にありません。

     

     例えば財政危機になったギリシャが、財政出動したいと思っても、ユーロから離脱するしかありません。景気後退に陥ったドイツがユーロに加盟していると、MMTができないので離脱したいと思っても、やはりユーロから離脱するしかありません。

     

     では、具体的にユーロから離脱する方法というのはあるのでしょうか?

     

     例えばドイツの場合、マルク紙幣をドイツ政府が発行し、ドイツ政府が「税金はマルク以外では受取らない。ユーロは受け取らない。」と宣言すればいいだけです。

     

     そうすればドイツ国内で流通する通貨は、ユーロではなく、あっという間にマルクに変わることでしょう。

     

     これはMMTでいう租税貨幣論と呼ばれるもので、実際にそうなるはずです。

     

     なぜならば我々がなぜ日本円を使っているのか?といえば、日本政府が税金を日本円でしか受け取ってくれないからです。

     

     Tポイントやナナコポイントやビットコインでの支払いは受け付けてくれませんし、日本円の税金を払わない場合は逮捕されます。

     

     ギリシャも同じで、ドラクマを発行して公務員などの年金支払いに充当すれば解決します。

     

     そもそもそんなドラクマなどという通貨に信用があるのかと思われるかもしれませんが、ギリシャ政府が税金をドラクマ以外では受取らないと宣言すればいいだけの話です。

     

     ユーロ加盟国は、上述の方法でなければ、ユーロが解体する以外に助かる道がありません。

     

    <世界主要国のGDPの伸び率>

    (出典:世界経済のネタ帳)

     

     

     上記は1996年〜2016年にかけてGDPの伸び率を高い順に並べたものです。

     

     日本は過去10年間、GDPの伸び率が1.0%となっていて、全く伸びていません。

     ドイツもイタリアと同じでブービー賞を競っていて1.4%となっています。

     

     こうした国々はユーロに加盟しているため、金融政策も財政政策も自国の意思で自由にできないのですが、日本は違います。共通通貨ではなく自国通貨であり、財政政策についても縛りはありません。

     

     自民党の議員の中には、憲法草案に財政規律条項を入れようとしている連中がいますが、私はこれには猛烈に反対です。間違いなく後世にツケを残すことになるからです。何しろデフレで財政出動したい、あるいはスロートレードで貿易も悪いので内需拡大で財政出動したいという局面になった際に、憲法に財政規律条項があるから、財政出動ができないということになってしまうからです。

     

     日本はデフレや不況から助かる道があるのですが、ドイツにはデフレや不況から助かる道がない、これが現実です。

     

     ドイツが助かるには、ユーロから離脱するしかないでしょう。

     

     その意味で、最近躍進が続くAfD(ドイツのための選択肢)は、ユーロからの離脱を掲げていまして、ドイツ国民ファースト真剣に考えている政党であると私は思っています。

     

     

     というわけで今日は「租税貨幣論を参考にユーロ加盟国がユーロから離脱する方法を考える」と題して論説しました。

     

     

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