日本の消費税と米国の売上税の違い

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     よく消費税の議論をするときに、海外の事例を出す人がいます。そんな中で、今日は米国の売上税というものが、日本の消費税とは全く異なるものであることをお伝えしたく、「日本の消費税と米国の売上税の違い」と題して論説します。

     

     端的にいいますと、米国には消費税はありませんが、州ごとに異なる税率で売上税というのが課税されます。

     

     日本の消費税は、欧米では付加価値税などといいまして、バリュー・チェーンのすべてのプロセスで消費税を課します。

     

     一方で、米国の売上税は、付加価値税でも消費税でもありません。消費者に販売する人が乗せて売るだけで、販売業者がそれを州政府に送金します。バリュー・チェーンのプロセスの段階では税金はかかりません。最後の消費者だけが税金を負担するという意味で、本当の意味での消費税ともいえます。

     

     日本の消費税や欧州などの付加価値税は、バリュー・チェーンのすべてのプロセスで消費税がかかるため、プロセスの過程で業者が消費税分を乗せられればいいですが、デフレ圧力や力関係で乗せられないというケースが普通にあり得ます。

     

     仮にも消費税分を乗せられなければどうなるか?その分値引きしたことと同じになります。

     

     付加価値の積み上げのイメージとして、畜産農家から消費者の手元にサーロインステーキが来るケーススタディで考えてみましょう。

     

    <付加価値の積み上げのイメージ図>

     

     上記は、畜産農家が黒毛和牛を育て、サーロインステーキとなって消費者の手元に渡るまでのバリュー・チェーンをイメージしたものです。

     畜産農家が100円で黒毛和牛を食肉加工業者に販売し、食肉加工業者は小売店に200円で販売し、消費者は小売店から300円で牛肉を買ったというシナリオです。

     

     付加価値税の付加価値は、会計上粗利益であり、GDPに相当します。そのため、以前、GDP3面等価の原則でも取り上げたことがありますが、整理すると下記の通りになります。

     

     生産面のGDP300円=畜産農家100円生産+食肉加工業者100円生産+小売業者100円生産

     支出面のGDP300円=個人消費300円

     分配面のGDP300円=畜産農家100円所得+食肉加工業者100円所得+小売業者100円所得

     

     さて、このシミュレーション図に対して、‐暖饑0%、⊂暖饑8%(景気が良くインフレのとき)、消費税8%(景気が悪くデフレで消費税が乗せられず丸々値引きしたとき)、で箴綫8%として表にしたものが下表です。

     

    <シミュレーション表>

     

     日本のようなデフレの状況で消費増税をすれば、のようにバリュー・チェーンの途中で税金を取れないケースがあります。この場合は、値引きするため、名目GDPは減少します。

     

     実質賃金も上昇して、可処分所得が増えている環境下では、△任睫簑蠅覆いもしれませんが、デフレ下では仮にとまではいかなくても、△両態で個数が減少、サービスを受ける回数が減少という形で、実質GDPが減少します。

     

     一方で、米国のような売上税の場合、STEP1〜STEP3のバリュー・チェーンでは消費税がかかりません。

     

     一般的に、法人税は赤字にすれば支払い義務は生じません。法人税は利益に対する罰則課税であるからです。そのため、利益が出ていなければ法人税は払う必要がないのです。

     

     ところが消費税は売上高にかかるため、赤字の企業でも支払い義務が生じます。さらに輸出に対しては還付金(輸出戻し税)があるのに、輸入には課税されます。

     

     そのため、米国では消費税・付加価値税よりも法人税の方が有効であるとし、消費税・付加価値税を導入していないのです。

     

     経済評論家の岩本沙弓氏によれば、1960年代の米国の財務省の報告書の中で、米国では、法人税がどれだけ高い税率であったとしても、赤字企業が法人税を支払わなくて済めば、その企業にとっても経済全体にとってもよいと考えているとのこと。たとえどんなに革新的な新規ビジネスであったとしても、収益構造が確立するまでの間、ある程度時間がかかるわけで、そういう状況下で赤字企業に対して消費税という名目で税金を課すことは有効ではないとの記述があると述べています。

     

     こうした記述をみて思うことは、米国はまさにフロンティア精神の国家であるといえるのでは?ということ。新しい挑戦の芽をつぶすことはしないという意思表示が、消費税・付加価値税導入を見送り、法人税を高くするということに現れているのでは?と思うのです。

     

     先進国でもベンチャービジネスが米国で隆盛するのは、このような税制の考え方も無視できないと思います。もし、安倍政権がベンチャー企業の育成を掲げるならば、法人税こそ引き上げて投資を促し、消費税は凍結もしくは引き下げるべきではないでしょうか?

     

     

     というわけで今日は「日本の消費税と米国の売上税の違い」と題して論説しました。


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