”公務員は私たちの税金で飯を食べている”という言説と”スペンディング・ファースト”について

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     今日は「”公務員は私たちの税金で飯を食べている”という言説と”スペンディング・ファースト”について」と題して論説します。

     

     皆さんは公務員というと、どう思われるでしょうか?表題にある通り、「公務員は私たちの税金で飯を食べている」とか「公務員は税金泥棒だ!」とか、「国民の税金で養われている分際で・・・」などなど、公務員に対するバッシングは多いですが、私から一言言わせていただきますと、いずれも醜いルサンチマンの類であると主張したいのと同時に、デフレ放置の成れの果てで民度が下がった結果であると思っています。

     

     そもそも、公務員の給料は、政府支出に該当し、GDPが増えます。

     

     GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出(※)

     ※純輸出=輸出−輸入

     税収=名目GDP×税率×税収弾性値

     

     上記算出式にある政府支出には、公務員の給料が含まれます。そのため、公務員の給料を引き下げたり、公務員を削減するなどすれば、GDPは減少します。つまり経済成長とは逆に貧困化していくのです。

     

     多くの人は税金といえば、「日本政府は税金を集めて、公共サービスに支出する。道路を作るにしても、公務員の給料を払うにしても、集めた税金で支出する」と思っておられる方、多いかと思います。

     

     これは全く事実と異なります。

     

     それが”スペンディング・ファースト”と呼ばれるものです。

     

     スペンディングとは、英語の「spend」で日本語訳は「(費用や時間を)費やす」と訳します。そのため”スペンディング・ファースト”とは、”支出が先”であることを示すのですが、実は政府支出は、この”スペンディング・ファースト”なのです。

     

     例えば政府が予算が組み、国会で可決されたとします。その後、予算執行しますが、そのときのオペレーションはどうなるか?といえば、日本政府が「財務省証券」という政府短期証券の一種を日銀に差し入れ、日銀当座預金を調達することで財源を賄っているのです。

     

     財政法第7条

    国は、国庫金の出納上必要があるときは、財務省証券を発行し又は日本銀行から一時借入金をなすことができる。
    2.前項に規定する財務省証券及び一時借入金は、当該年度の歳入を以て、これを償還しなければならない。
    3.財務省証券の発行及び一時借入金の借入の最高額については、毎会計年度、国会の議決を経なければならない。

     

     上記財政法第7条に規定されている通り、日本政府は、手持ちの国庫金もしくは財務省証券で調達した(借り入れた)日銀当座預金をベースに予算執行を行います。

     

     それをイメージしたものが下図です。

     

    <図 日本政府が財務省証券を発行して銀行預金が生み出される一連のプロセスの図解>

     

      銑イ魏めて並べますと下記の通りです。

    ‘本政府が1兆円の財務省証券を発行して日本銀行に差し入れ、日銀当座預金を借り入れる

    日本政府が公共事業を発注して、受注した企業に1兆円代金を政府小切手で支払う

    4覿箸論府小切手1兆円を市中銀行に持ち込み、1兆円の銀行預金に振り替える

    ご覿箸錬叡円を従業員に支払う

    セ埣羔箙圓論府小切手1兆円を日本銀行に持ち込み、1兆円の日銀当座預金に振り替える

     

     

     

     下記は、以前国債発行の時に解説で用いた預金創出のプロセスのイメージ図です。

     

    <図◆Ю府が国債を発行して銀行預金が生み出される一連のプロセスの図解>

     

     政府からみれば、政府小切手を発行するための担保として日銀当座預金を調達するのに、財務省証券の発行も、国債の発行も、政府が普通に発行することができ、しかも徴税権の裏付けなど必要がないことがよくわかるのではないでしょうか?

     

     政府は徴税した税金を裏付けに予算を執行して支出しているのではないのです。

     

     改めて考えてみれば、私たちに日本国民も、年度の終わりに確定申告し、支払う税額が確定します。国家に限らず、日本国民というミクロ単位でみても、実は支出が先で、徴税は後になっている状態、まさに”スペンディング・ファースト”です。

     

     この現実を理解すると、政府支出のために税収が必要であるとか、公共サービスを維持する為に公務員の給料を払うために税収が必要、医療介護費用のために税率をUPさせて徴税すべき金額を増やす必要があるなどとする言説は、非常にナンセンスであることが理解できるのではないでしょうか?

     

     もちろん税金には、前回記事で3つの目的「景気の安定化装置(ビルトイン・スタビライザー)機能」「格差縮小を目的とした所得再分配」「財源(複数通貨を使用する不便さからの解放)」ということをお伝えしましたが、特に「財源」については、かなり根拠が薄いという話になります。

     

     何しろ、日本政府に徴税権がなかったとしても、予算執行することは可能だからです。

     

     さらにいえば、国債発行すら不要です。財務省証券の発行が財政法第7条で認められているため、徴税も国債発行なしでも、日本政府は財政法第7条による財務省証券の発行によって、普通に予算を支出することが可能なのです。

     

     これを言い換えれば、”公務員は私たちの税金で飯を食べている”のではなく、財政法第7条の財務省証券の発行によって財源を生み出し、その生み出された財源で公務員は飯を食べて公共サービスを提供しているのであって、私たちの税金で飯を食べているわけではありません。

     

     

     というわけで今日は「”公務員は私たちの税金で飯を食べている”という言説と”スペンディング・ファースト”について」と題して論説しました。

     ”スペンディング・ファースト”を理解しますと、見えてくることがいろいろと出てきます。例えば「政府は税収で負債を返済しなければならない」とか、「財政拡大は財政破綻につながる」などといった言説の根拠となるミクロ経済学の予算制約の考えが、いかに間違っているか?ということです。

     予算制約式において、経済の主体は一生涯稼ぐ所得以上の借入はできないという考え方がありますが、確かに個人の場合は当てはまるでしょう。

     ところが永続することが前提で、通貨発行権を持つ政府についてまで、予算制約式を適用するというのは、間違っています。なぜならば、それ以前の話として、たとえ日本政府は税収が「ゼロ」であったとしても、財務省証券、国債、日銀当座預金、政府小切手によって、予算執行することが可能だからです。

     

     

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