ゴールドマンサックス証券の伝説のアナリストのアトキンソン氏

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     今日は「ゴールドマンサックス証券の伝説のアナリストのアトキンソン氏」と題して論説します。

     

     アトキンソン氏は、デービット・アトキンソン(以下「アトキンソン」)という人物で、英国出身の元ゴールドマン・サックスのアナリストでもあります。彼はその後、日本経済の伝説のアナリストとされ、日本経済について研究して数々の提言を行ってきました。

     

     そんな彼が中小企業基本法が諸悪の根源であるとし、中小企業の合併を進めています。

     

     下記は東洋経済ONLINEの記事です。

    『2019/10/03 05:30 アトキンソン「中小企業基本法が諸悪の根源」

    (前略)

     前回の記事(「中小企業の改革」を進めないと国が滅びるワケ)に対するコメントの中に、よくある誤解に基づいたものがありました。極めて重要なポイントですので、ご紹介したいと思います。

    「町のラーメン屋が多すぎるといって10軒を1軒にまとめたところで中国には勝てません」

     私の主張はまったく違います。今は10軒のラーメン店の裏に10社の企業があるので、10軒のラーメン店をそのままにして、それを所有している企業を2、3社にまとめようということです。

    日本の生産性が低いのは「働き方」の問題ではない

     さて、日本の生産性が一向に上がらず、デフレからも脱却できないという厳しい現実に対して、これは日本人に働き方に問題があるからだと主張する方たちが多くいらっしゃいます。 

     日本人はすばらしい能力をもっているのに、働き方が悪いのでその実力が引き出されていない。だから働き方を変えれば景気もよくなっていく、というのが彼らの主張です。

     しかし、経済分析の世界では、これは「願望」というか、まったくの見当外れな分析だと言わざるをえません。これだけ大きな国の経済が「働き方」程度の問題によって、20年も停滞することなどありえないからです。

     では、何が日本の生産性を低くさせているのでしょうか。これまで30年にわたって、日本経済を分析してきた私がたどり着いた結論は、「非効率な産業構造」です。高度経済成長期から引きずっている時代錯誤な産業政策、非効率なシステム、科学的ではない考え方などが日本の生産性を著しく低下させているのです。

     ただ、日本国内ではこのような意見を掲げる人はほとんどいらっしゃいません。政治家、エコノミスト、財界のリーダーたちの大多数は経済低迷の要因を、「産業構造」に結びつけず、ひたすら「労働者」へと押し付けています。

    このあまりに”残念な勘違い”を象徴しているのが、「働き方改革」です。

     残業を減らし、有給休暇を増やす。女性にも高齢者にも、働きやすい環境を作る。そうすれば、労働者のモチベーションが上がって、これまで以上によく働く。その結果、会社の業績も上がるので景気がよくなる。

     驚くほど楽観的というか、ご都合主義な考え方です。繰り返しますが、この程度の施策で巨大国家の経済が上向くのなら、日本はとうの昔にデフレから脱却しています。20年も経済成長が滞っているという事実こそが、労働者個人の頑張りでどうにかなる問題ではないことを雄弁に物語っているのです。(中略)

    日本の低迷の主因は伸びない中小企業

     さて、このように日本の専門家があまりしてこなかった「要因分析」というものを、日本経済を低迷させている諸問題に対して行っていくと、驚くべきことがわかります。

     実は日本経済の低迷も、女性活躍や有給取得率でもそうだったように、最後は必ず「小さな企業が多すぎる」という問題に突き当たるのです。低賃金、少子化、財政破綻、年金不足、最先端技術の普及の低さ、輸出小国、格差問題、貧困問題……さまざまな問題の諸悪の根源を容赦なくたどっていくと、「非効率な産業構造」という結論にいたるのです。

     それはつまり、日本が他の先進国と比べて、経済効率の低い小さな企業で働く人の比率が圧倒的に多く、そのような小さな企業が国からも優遇されるということです。実は日本は、生産性の低い「中小企業天国」と呼べるような産業構造になっているのです。

     このような話をすると、「小さな企業が多いのは日本の伝統で、普遍的な文化だ」とこれまた漠然とした主張をする人たちが多くいらっしゃいますが、実はこれも表面的な分析に基づく”残念な勘違い”なのです。(後略)』

     

     

     東洋経済オンラインの記事を抜粋させていただきましたが、アトキンソン氏は、1964年から続く中小企業保護政策が日本を亡ぼしてきたと主張。経済合理性を無視した感覚的な経営が当たり前になっている点が改善されるべきであると主張しています。

     

     このアトキンソン氏は、大手金融機関ゴールドマン・サックスのアナリストでありながら、私が思うところ、全く経済も経営も理解していないと言わざるを得ません。

     

     「生産性の向上が必要」ということであれば、生産性の向上が何で決まるか?ということを理解しなければなりません。

     

     ところがアトキンソン氏は、中小企業の生産性の向上は、合併統合や企業努力で生産性向上が果たされると思っています。そのこと自体、根本的に何も理解できていないことの証左です。

     

     生産性向上という場合、企業努力も確かに大切ですが、生産性とはユニットレイバーコストが一番典型的な指標で、これは1時間働いてどのくらい稼げるか?ということを見る指標です。

     

     ビジネスの世界では、賢くなくても客がいれば儲かりますし、賢くても客がいなければ儲かりません。

     

     だから生産性というのは、賢いか?賢くないか?ということにも依存しますが、客がいるか否か?で決まります。

     

     まずアトキンソン氏は、合併統合と企業努力で生産性が向上されると思っている点で、理解できていないといえます。

     

     今の日本はデフレであるため、生産性を上げるためには、企業努力という話も必要かもしれませんが、需要を拡大していくという大局的なマクロ的な問題認識が必要です。

     

     大前提として買うお客がいて初めてモノが売れます。

     

     生産性向上の議論をする人が、見失いがちなのは半分が需要の話であるということです。

     

     デフレなのでほとんどはデフレが脱却できれば生産性は向上します。日本の企業の生産性が諸外国と比べて低いというのは、ひとえに日本がデフレだからというだけです。

     

     最低賃金の引上げも悪くありませんが、デフレを放置して最低賃金引き上げとなれば、賃金引き上げに耐えられない企業は倒産してしまうことでしょう。

     

     デフレ下の状況下でもMMT理論の特殊な方法のジョブギャランティープログラムを使えば、強制的に賃金引き上げはできるでしょうが、そうした手法を使わない限り、デフレ脱却しなければ最低賃金は上がりません。

     

     アトキンソン氏の主張は、分析は合っている部分もあると思いますが、解決策が間違っているといえます。

     

     日本には大局的な視点が欠けているとアトキンソン氏はいいますが、それはブーメランでアトキンソン氏こそ、大局的な視点が欠けているといえるでしょう。

     

     

     というわけで今日は「ゴールドマンサックス証券の伝説のアナリストのアトキンソン氏」と題して論説しました。 

     

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