注目される英国のEU離脱の行方について

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     今日は「注目される英国のEU離脱の行方について」と題して論説します。

     

     下記はAFP通信の記事です。

    『AFP通信 2019/10/23 05:20 英議会、首相の日程案を否決 EU離脱の延期濃厚に

    【10月23日 AFP】英下院は22日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)に関する採決を行い、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相がまとめた離脱協定案を実行するための法案を大筋で承認したものの、同法案の早期議会通過を目指した首相の日程案を否決した。これにより、離脱日がまたしても延期される可能性が高まった。

     下院は、ジョンソン首相の離脱協定案を実施する法案を賛成329、反対299で大筋で承認。首相にとって大きな勝利となった。

     だが下院はその直後、10月31日のEU離脱期限を守るための措置として同法案を3日以内に議会を通過させることを求めた首相の動議を賛成308、反対322で否決した。

     ジョンソン氏はこれを受け、自身の離脱協定案承認に向けた取り組みを中断すると表明。離脱のさらなる延期についてEU指導部と協議するとしたが、一方で離脱はそれでも予定通り今月末に実施すべきだとも主張した。(c)AFP』

     

     上記はブレグジット関連の記事ですが、記事にある通り10/22(火)英国でジョンソン首相の合意案の大筋が承認されました。一方で、合意案に関連して英国の国内法の整備が必要なのでは?ということで、関連法の整備に関して議会の合意を取れたものの、スケジュールについては否決されました。

     

     ジョンソン首相としては、合意案を3日以内でスピード審議しようとしたのですが、反対多数で否決された形です。日本のマスメディアですと、何か英国は合意を求めて離脱しようとしているとか、改めて国民投票をするとか、相変わらず英国のEU離脱について懐疑的であるように報じていますが、海外のメディアを見る限りにおいていえることとして、スピード離脱することについて反対だったというだけのことであるように思えます。

     

     なぜならばAFP通信の記事を見る限り、合意案大筋の承認を得るのには、賛成329対反対299で賛成多数。ただ3日間でスピード審議するには、賛成308対反対322で否決ということで、肉薄していました。

     

     この投票結果を見る限りにおいていえるのは、法案の趣旨そのものには賛同しているものの、審議にはもう少し時間が欲しいという微妙な判断が議会で下されたということでしょう。

     

     ということで合意案は議会の合意が取れたものの、後はスケジュールの問題です。

     

     何しろ合意案の吟味するのに、百何十ページもある法案であるため、吟味して修正すべき箇所を修正するには、それなりの時間がかかることでしょう。

     

     一方ジョンソン首相は、10月31日離脱を公約していたため、スピード審議しようとしたのかもしれません。

     

     それに対してEU側は、大半の国がやむなしとする一方で、フランスは延期に対して疑問を呈するとしています。一応、EUのトゥスク大統領は、加盟国に延期を受け入れるよう働きかけをしています。

     

     とはいえ27か国が一致して延期を受け入れなければ、EUとして延期を認めることはできないということになります。具体的にはフランスが強烈に反対するとなれば、EU側が延期離脱を拒否するということになります。そうなれば合意なき離脱となる可能性は十分に残っています。

     

     EUが延期をOKした場合、ジョンソン首相は2020年1月末まで延期したいと主張しているようなので、そこまで延長するかもしれません。いずれにしても、ジョンソン首相は公約で10月末離脱を掲げていたため、フランスが反対してEUとして延期を認めなかったとしても、「別に!いいですよ!」ということかもしれません。

     

     なぜならば合意なき離脱をされると困るのはEU側です。下記はジェトロのサイトから引用したもので、英国の2017年と2018年の輸出入額を一覧にし、2018年については輸出額・輸入額・純輸出額をグラフにしてみたものです。

    (出典:ジェトロ)

     

     上表・グラフの通り、英国とEUで貿易量をみた場合、EU側が英国に対して貿易黒字の状況です。

     

     英国がEUに対して輸出するよりも、英国がEUから輸入するものが多くなっています。2017年と2018年の資料を掲載していますが、トレンドは変わっていません。

     

     となれば、合意なき離脱となって、関税が発生して困るのはEU側、特にドイツが困ることになるでしょう。

     

     ドイツにとって英国は超お得意様であり、ただですら経済が悪いドイツにとって、ここで合意なき離脱をされると間違いなく困ることになります。

     

     なのでドイツはEU離脱の延期を認めることになるのでは?と考えられます。

     

     いずれにしましても、今週以降、どのようになるのか?状況を見守りたいと思います。

     

     

     というわけで今日は「注目される英国のEU離脱の行方について」と題して論説しました。

     ジョンソン首相は10月末離脱を公約しているため、強行突破で合意なき離脱もあり得るでしょう。貿易量をみると輸出が多いドイツは弱みを握られているということになっています。

     日本では、内需を拡大せず、外需で経済成長をしなければならない的な論説が多いですが、輸出を増やせば増やすほど、外交や通商政策では弱くなるということがよくわかるのではないでしょうか?

     ドイツの事例をみれば、国力を強化するならば、内需を拡大して輸入超過にした方が、経済は力強くなり、外交も通商政策も強気でいけるということを改めて実感できるものと、私は思うのです。

     

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