八ッ場ダムや第一貯水池などの工夫によって回避できた河川の決壊

0

    JUGEMテーマ:公共事業の経済効果

     

     台風19号の被害は甚大でした。特に利根川は一部で決壊するといわれ、国交省の幹部もあきらめたのではないでしょうか?そこで今日は「八ッ場ダムや第一貯水池などの工夫によって回避できた利根川の決壊」と題して論説し、先人の人々が治水事業に投資をしてきたからこそ、利根川の決壊を回避できたことをお伝えしたいと思います。

     

     まず、今回の台風で一番恐れていたことは高潮です。多くの人が溺死する高潮にならなかったのは本当に幸いでした。理由は台風の速度が遅かったため、上陸するときの場所は伊豆半島でしたが、21:00頃だったことがその理由です。

     

     元内閣官房参与の藤井聡氏によれば、もしこれが、東京湾のあたりに直接上陸し、しかも上陸時間が17:00となれば、満潮時刻と合致しますし、東京湾に上陸するときにスピードが増していれば、風が勢いを増すこととなり、東京湾の潮位は数メートル高くなっていた可能性があるとのこと。そうなれば防潮堤の能力を超えることとなり、仮にも越水していたならば被害は100兆円ほどになっていた可能性があると指摘しています。

     

    <台風19号の進路結果>

    (出典:気象庁のホームページ)

     

     まさに今回の台風の規模で、大潮かつ満潮というのは最悪だったのですが、幸いにも伊豆半島への到着時刻が遅く、高潮にならなかったのは本当に幸いでした。

     

     また、台風19号では八ッ場ダムの功績が伝えられています。

     

     八ッ場ダムがあったことで、75000立米の水を貯めて洪水を防ぐことができました。利根川の支流では決壊した箇所があったものの、八ッ場ダムの下流の利根川流域では決壊しませんでした。

     

     さらに恐れていたこととしては、荒川の決壊です。ただ、この荒川についても埼玉県戸田市に第一調整池というのがあり、そこはわざと洪水を起こさせて池に水を貯めるという工夫したものがあります。貯水能力は八ッ場ダムのおよそ半分の35000立米です。荒川も利根川と同様に洪水が発生しないようにいろんな工夫がされていたのですが、それでも今回の台風19号では、ギリギリでした。

     

     どれかの堤防整備、あるいは放水路がなかった場合、利根川や荒川が決壊してしまうシナリオは普通に想像できます。

     

     またこの台風よりも前に大雨が来ていたり、別の台風でダメージを受けていたところに、台風19号が直撃していたら、荒川は普通に決壊していたかもしれません。荒川が決壊した場合は、被害がどこまで拡大するのか?私にはデータがありませんが、被害額は相当なものになっていたことでしょう。

     

     にもかかわらず、堤防をこれ以上作っても意味がないなどとする社説を書いた日本経済新聞の記者がいますが、この新聞記者は、今回の台風19号は、大惨事をもたらしかねないぎりぎりの状態であったことを何も理解していないと言わざるを得ません。

     

     荒川でいえば、127の支流が注ぎ込み、発生して欲しくないですけど、万一荒川が決壊、氾濫となれば、東京23区のうち5区の250万人が被害を受けると言われている一方、避難所のキャパシティは、たったの20万人しかないそうです。こうした目の前の現実の問題については、堤防を作るよりも避難所を多く作るべきであるとでもいうのでしょうか?

     

     はっきり言いますが、避難所の整備はそれはそれで置いておいて、そもそも堤防を決壊させないようにした方がいいに決まっていますし、堤防に投資した方が費用は安く済みます。「堤防を作るのが無駄だ!」と書いた日本経済新聞記者は、バカとしかいいようがありません。

     

     堤防を作った方が、その後の復旧・復興にかかるお金に比べれば、はるかに安いですし、変な言い方をすれば、復旧・復興のお金は災害が起こっていなければ不要なお金であり、災害発生後に使うお金は貴重なお金で重要ではあるものの、堤防決壊を防ぐことができることを考えれば、もぐらたたきのトラブルシューティングに過ぎません。

     

     であるならば、堤防を作っている方がずっと安いに決まっています。復興・復旧にお金を使ったとしても、同じ災害が発生すれば、また同じ大惨事が起きます。もし堤防さえ作っておけば、何回台風が来ても大丈夫であり、はるかに費用は安く済みます。

     

     今回クローズアップされた放水路は、13年かけて2,300億円もの費用を費やしましたが、免れる被害は1回で1000億かかったとするならば、2,300億円かけて放水路を作っておいてよかったということになります。

     

     

     というわけで今日は「八ッ場ダムや第一貯水池などの工夫によって回避できた河川の決壊」と題して論説しました。

     今回の台風19号は、どんな被害が発生したという検証も必要ですが、どんな被害を軽減できたか?についても検証していただき、防波堤・防潮堤に加えてダムや放水路や貯水池などの設備をさらに増設すべき箇所には、速やかに予算を付けていただいて、公共事業として政府支出で対応して欲しいものと思います。

     間違っても、自然災害税とか、アホなことだけは辞めていただきたい。復興でしっかりと予算を付ければ、経済効果も期待できるので、そうなるよう望んでいますし、ぜひとも可能な限り想像力を発揮して対策をお願いしたいものと私は思います。

     

     

    〜関連記事〜

    意外と知られていない高潮の恐怖、台風19号と1856年(安政3年)の江戸の大風災

    ”公共事業が無駄だ”と嫌うマスコミが報じない「大阪湾の防潮堤投資の功績」

    マスコミが報じない兵庫県の六甲砂防ダムの活躍(六甲山系グリーンベルト)

    公共工事B/C(ビーバイシー)基準と宮城県釜石市の「釜石・山田道路(通称:命の道)」

    堤防建設という公共工事の経済効果(物語「稲むらの火」の主人公、濱口梧陵の偉業)

    B/Cの在り方を問う!(港湾整備の経済効果)


    コメント
    コメントする








       

    calendar

    S M T W T F S
         12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
    << November 2019 >>

    スポンサーリンク

    ブログ村

    ブログランキング・にほんブログ村へ
    にほんブログ村

    recent comment

    profile

    search this site.

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM