好調だった米国経済も景気後退に突入か?

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     今日は、米国の経済指標の一つ、ISMという指数で相当悪い数値が出たことを取り上げ、「好調だった米国経済も景気後退に突入か?」と題し、下記の順で論説します。

     

    1.米製造業景況感指数が2カ月連続で50割れ

    2.かつてソ連の冷戦と米国経済の現況

    3.中国を潰すまで続ける米中貿易戦争

     

     

     まずは日本経済新聞の記事です。

    『日本経済新聞 2019/10/02 米製造業、2カ月連続「不況」 9月景況感

    【ワシントン=河浪武史、ニューヨーク=中山修志】米製造業の景況感が一段と後退している。9月の景況感指数は10年ぶりの低水準に悪化し、2カ月連続で好不況の境目となる「50」を下回った。中国との貿易戦争で輸出向けの受注が下振れし、生産活動に陰りが出ている。製造業の雇用の拡大ペースも鈍ってきた。世界で「一人勝ち」だった米経済。この先は個人消費の耐久力が1つの焦点となる。

     米サプライマネジメント協会(ISM)が1日発表した9月の米製造業景況感指数は47.8となり、金融危機の直後だった2009年6月以来、10年3カ月ぶりの低い水準に落ち込んだ。市場予測は50.1だったが、前月から1.3ポイント下落した。好不況の境目である50を2カ月連続で下回り、製造業の景況感に限っていえば「不況」を示唆する水準が続いた。

     ISM製造業指数は米景気の先行指標として知られ、米連邦準備理事会(FRB)も政策判断で重視する。項目別で落ち込みが目立つのは、外需の先行きを占う「新規輸出受注」だ。指数は前月より2.3ポイント低下して41.0となった。6月時点では50.5と「好況」の水準をギリギリで保っていたが、3カ月で10ポイント近く下落した。

     輸出の低迷は貿易戦争の影響が大きい。関税合戦が中国や欧州の景気減速を引き起こし、米国の輸出は4月以降、4カ月連続で前年実績を割り込んでいる。建機大手キャタピラーは4〜6月期にアジア市場での建機の売上高が前年同期から2割減少した。中国メーカーとの低価格競争にも見舞われ、6四半期ぶりの最終減益となった。

     米中両国は10月10日に2カ月半ぶりに閣僚級協議を開き、貿易戦争の打開策を探る。現時点でトランプ米政権は15日に2500億ドル(約27兆円)分の中国製品への追加関税をさらに5%上乗せして30%に引き上げる予定だ。貿易戦争が終結するメドは立っていない。

     ルイジアナ州の鉄鋼メーカー、バイユースチールは9月末に連邦破産法11条の適用を申請した。製鉄所を閉鎖して400人を解雇する。地元紙によると、鉄鋼需要の冷え込みに加え、トランプ政権の鉄鋼関税で鉄スクラップの輸入相場が上昇し、採算が悪化していた。

     化学大手のケマーズは中国の報復関税の影響で化学原料の輸出が減少している。9月にウェストバージニア州の工場で25%に当たる60人を一時解雇した。

     米製造業は国内総生産(GDP)全体の1割を占めるにすぎず、非製造業は底堅さを保つ。失業率は3.7%と半世紀ぶりの低い水準で、8月の小売売上高は前年同月比4%増えるなど、個人消費も全体でみれば底堅く推移している。

     その頼みの内需にも陰りがみえる。17年末に成立したトランプ政権の大型減税は効果が早くも一巡しつつあり、米新車販売は前年割れが避けられない見通しだ。(後略)』

     

     

     

    1.米製造業景況感指数が2カ月連続で50割れ

     

     米国経済がついに景気後退に突入するのでは?というニュースです。

     

     絶好調と思われていた米国経済で、ひどい数字が出てきました。日本経済新聞の記事に出ている米製造業景況感指数と呼ばれている通称ISMという指数です。

     

     このISMの数値は、50超であれば景気拡大とされ、50を切ると景気縮小とされています。

     

    <2018年7月〜2019年9月におけるISMの推移>

    (出典:米国サプライマネジメント協会)

     

     上記グラフの通り、2019年7月まで、ISMは50超で推移していたのですが、2019年8月が49.1、2019年9月が47.8と2カ月連続で50を下回りました。

     

     2019年8月に49.1という数値が出たとき、8月は一時的なもので、9月には反動でプラスになるだろうというのが事前予測だったのですが、2019年9月は、2019年8月の49.1をさらに割り込み、47.8と悪化していることから、これは大変なことになっているのでは?私は思いました。

     

     この9月の数字の47.8という数値は、10年前のリーマンショックで景気が後退したときの水準とほぼ同じ水準であり、そんなに低い数字が出るとは予想外だったこともあって、米国の株式市場は大幅に下落し、日本株も連れ安になりました。

     

     このISMという指数は、製造業の実態を表している数字です。米国では製造業は米国経済全体では比率が低いです。例えば雇用者数でいえば、サービス業が圧倒的に多く、製造業は8.5%程度です。GDPに占める業種割合でみても、製造業の比率は11%程度とこちらもそれほどではありません。

     

     しかしながら米国のマスメディア、ウォールストリートジャーナルが、今回の結果について、見かけ以上に深刻なのでは?と報じていました。

     

     どういうことかといいますと、今の米国の製造業は、例えば工場で製品を生産して、その製品がトラックや鉄道や船で倉庫に運ばれて、倉庫で管理され、その後小売市場に出荷されます。この一連のプロセスは長く、プロセス全体で一つのビジネスと考えた場合、米国のGDPに占める比率は3割もあるというのです。

     

     となれば、たとえ製造業が単体で不況になったとしても、米国全体のGDPで3割の影響が出てくるともいえるのです。3割も影響が出るならば、米国経済はリセッション(景気後退)目前にまでいってしまうのでは?というのがウォールストリートジャーナルの見立てです。

     

     

     

    2.かつてソ連の冷戦と米国経済の現況

     

     米国の経済は、実際のところ、国内需要は悪くなく、今でもよいです。トランプ大統領が圧力をかけてFRBが利下げをしたため、米国経済の金利は低くなっています。そのおかげで住宅ローンやモーゲージローンの金利が低く、住宅投資は好調です。

     

     とはいえ、8月に悪かった製造業が9月には持ち越すのでは?という予想が多かったことから、8月よりもさらに落ち込んだISMの9月の数字の47.8という数値が何を意味するのか?非常に不気味であると思います。

     

     製造業に悪影響が出ている理由は、わかりきったことですが、米中貿易戦争が要因です。

     

     米中貿易戦争は米国経済のみならず、欧州や日本にも影響を与え、欧州も日本も製造業不況に陥っています。この米中貿易戦争は、いつまで続くのか?といえば、中国を潰すまで続くだろうと私は思っています。

     

     10/10(木)には、米中の閣僚級会議が行われ、中国は米国から農産物を大量に買うと約束したものの、中国は約束を普通に破る国であるため、どこまで本当に農産物を買うのか?不透明です。一応、15%の関税が30%になることは回避されましたが、中国の出方によっては、中国が農産物を買うという約束を履行しなければ、直ちにトランプ政権は容赦なく30%に引き上げるでしょう。

     

     さらにAPECが11月に行われます。このAPECではトランプ大統領も習近平国家主席も参加します。ここで米中の貿易交渉の進展がない場合、12/15には第4弾の関税が発動される可能性が十分にあります。

     

     第4弾の関税引き上げの対象は、スマートフォン、パソコン、おもちゃなどで、米国の製造業が中国で製造しているものが対象です。

     

     この第4弾の関税引き上げがあるために、ISMが50を割り込んでいるのかもしれません。

     

     ここまでくると、中国に進出している米国企業は、サプライチェーンを変更せざるを得ず、景気悪化は必然で、トランプ大統領自身もここまでやるのは本意ではないかもしれません。しかしながら経済レベルで見た場合は間違った政策かもしれませんが、安全保障上の問題で関税引き上げをやっているとするならば、中国の覇権主義を抑制することが目的であれば、むしろ経済レベルで間違っていたとしても、トランプ大統領は対中国に対して強硬政策で突き進むかもしれません。

     

     かつて米国は、米ソ間で冷戦を争いました。そのときはソ連の覇権主義を阻止すべく、レーガン大統領は軍拡競争を続けました。軍拡競争によって米国経済に悪影響をもたらした部分があったかもしれませんが、それでもソ連の覇権主義を阻止するため、手を止めませんでした。その結果、米国はソ連との冷戦に勝つことができました。

     

     今回の米中では、軍拡競争をしているわけではなく、関税によって中国の覇権主義を阻止しようとしています。

     

     その観点でみれば、仮に米国経済がどれだけ悪影響があろうとも、手を止めるべきではない、妥協するべきではないとする考え方もあります。

     

     例えばトランプ政権を支える一人、大統領補佐官のピーター・ナヴァロ氏は、絶対に妥協してはいけないという姿勢であり、中国の息の根を止めるまで続けるべきであると考えています。

     

     

     

    3.中国を潰すまで続ける米中貿易戦争

     

     特に今、香港市民の戦いが続いています。香港市民の戦いは、逃亡犯防止条例改正という一条令改正の問題にとどまらず、今や中国共産党政府との戦いになっています。強大な中国共産党政府と丸腰の香港市民が戦っているのです。

     

     香港問題について米国議会は今、香港人権・民主主義法という法律を通そうとしており、その法案が通れば側面支援としての効果があることは確かであると思われますが、丸腰の香港市民を国際社会が助けるとする一番効果的なのは、トランプ大統領の対中国制裁関税こそが香港市民を助ける一番いい方法なのかもしれません。

     

     仮にそれが原因で米国の製造業が不況に入ったとしても、対中国に対して手を緩めるべきではないという考え方も十分にあり得ます。

     

     米国経済全体が景気後退に目前までいく、もしくは景気後退に突入する、それでも内需拡大で財政出動して米国経済のダメージを少なくしたうえで、中国がつぶれるまで手を緩めずに続けていく可能性は十分に考えられるのではないでしょうか?

     

     何しろかつてソ連との冷戦では、ソ連に勝つまで軍拡競争を続けてきたのですから、中国を潰すまで米中貿易戦争を続けるということは普通に考えられることであると私は思っています。

     

     

     というわけで今日は「好調だった米国経済も景気後退に突入か?」と題して論説しました。

     日本経済は、借金問題があるからといって「国債増刷」と「財政出動」をやらず、輸出を伸ばそうとすればするほど、世界経済の影響を受けやすくなります。内需拡大をメインの経済政策にするならば、貿易量が減るスロートレードの影響を受けずとも、景気悪化を防ぎ、経済成長に転ずることも、そしてそれを維持することが可能です。

     ところが安倍政権は緊縮財政を続けて国民を貧困化させ、インフラはボロボロになって日本を発展途上国化させて、しかも外需依存度を高めて世界経済の影響を受けやすくするという愚策をやっています。

     いつか日本企業の業績悪化が鮮明となれば、株価も下落する可能性が十二分にあるわけで、一刻も早く内需拡大の政策に転換していただきたいものと私は思うのです。

     

     

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