憲法21条の表現の自由は規制されるべきか?

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    JUGEMテーマ:憲法改正

     

     今日は愛知県で行われている国際芸術祭「あいちトリンナーレ2019」について論説します。

     

     今年8/1〜10/14の期間で「あいちトリエンナーレ2019」という芸術展が愛知県内の4つの会場で開催され、慰安婦を表現した少女像や、昭和天皇を含む肖像群が燃える映像作品が展示されていました。

     ところがテロ予告などを含む抗議が殺到し、「来場客が安心して鑑賞できない恐れがある」などとして、9/3に中止になりました。芸術祭の実行委員長を務める大村秀章愛知県知事は、脅迫などのリスク回避策を講じるなどとしたうえで、一定の条件が整えば企画展を再開する意向を表明しています。

     

     因みに会場は4つあるのですが、4つの会場は名古屋駅近くにある「愛知芸術文化センター」「四間道・円頓寺」「名古屋市美術館」と、豊田市の「豊田市美術館・豊田市駅周辺」です。

     

     下記は毎日新聞の記事ですが、実行委員長の会長代行を務める名古屋市長の河村たかし氏が、愛知県の対応について抗議しています。

    『毎日新聞 2019/09/30 18:16 河村名古屋市長「暴力的で大変なこと」 表現の不自由展再開で

     あいちトリエンナーレ実行委員会の会長代行を務める、名古屋市の河村たかし市長は30日の定例記者会見で、「表現の不自由展・その後」の再開について「暴力的で大変なこと。表現の自由を著しく侵す」と持論を展開した。

     河村市長は、昭和天皇の肖像を素材にした映像作品や少女像などについて「トリエンナーレは市や県が主催する公共事業なので、(再開されれば)名古屋の人が公的に出すという意味を持つ」と述べ、「天皇陛下に敬意を払おうと思っている多くの人たちの表現の自由はどうなるのか。僕の精神では考えられない」と反論した。

     また、不自由展の再開に関して県側から事前連絡が一切なかったことを明らかにし「会長(大村秀章・愛知県知事)の専決処分ばっかりやってもらうと困る」と苦言を呈した。これまで再三、県に実行委員会の開催を求めてきたが、返答はないという。【野村阿悠子】』

     

     河村たかし市長の主張は仰る通りで、愛知県知事の大村知事が専決処分で勝手にやってしまったことだとすれば、知事という立場にある大村氏の歴史観や感性については、いかがなものか?としかいいようがなく、主催者の趣旨を効果的に適切に伝える展示会とはいいがたいと私は思います。

     

     特に昭和天皇の顔写真にガスバーナーを突き付けて燃やすとか、普通にタブーなこと。ところが表現の自由があるから、これはこれでよいと主張しています。

     

     果たしてこんなものを本当に認めていいのでしょうか?

     

     慰安婦像についても、従軍慰安婦などウソの史実だから出してはいけないと言われているにもかかわらず、実行委員会は出すと主張しているのです。

     

     表現の自由や、世の中の息苦しさについて考えるという着眼点があったとしても、だからといって上述のような考えたくもないようなものを表現して公開するというのは、果たしてどちらが下品なのでしょうか?

     

     間違いなく、表現の自由を勘違いしている実行委員の人々であると私は思います。

     

     昔、女子高生コンクリート殺人事件という凄惨な殺人事件がありました。何の落ち度もない女子高生を拉致監禁して41日間に及ぶ暴行の末、女子高生を殺めてドラム缶にコンクリート詰めにして捨てるという何とも非道を通り越して何と表現すればいいのか?という事件でした。

     

     私は見たことがありませんが、それを題材にした映画「コンクリート」という映画があります。肉親の遺族は、事件を映画化することに対して反対してました。にもかかわらず、それを映画にしたアホがいるのです。

     

     表現の自由を保障する憲法21条は、表現の自由のほか、言論の自由、報道の自由を保障しています。映画「コンクリート」を映画化したアホな作者から見れば、表現の自由で保障されていると言いたいのかもしれません。

     

     私から見れば、そうしたアホな奴らは倫理的に不快に感じます。とはいえ、表現の自由があるから・・・と言われれば、止められません。

     

     その倫理に乗って暴力的に全体主義的に何かやってしまうという人間の卑しい気持ちこそ、気持ち悪く吐き捨てたくなると私は思います。

     

     慰安婦像の問題で言えば、歴史的真実として、「従軍慰安婦」は存在しません。そのため、史実を理解している人が「”いわゆる”従軍慰安婦」という言い方をして、”いわゆる”を前につけるのです。しかしながら慰安婦について喧伝されているその問題を主張する海外の人々らが言っている内容に、100%のウソ、それも純度100%のウソが含まれていることがあります。

     

     「あいちトリンナーレ2019」がそうした問題を指摘しているというのであれば、社会的な意義があると思いますが、表現の自由があるからと言って、昭和天皇の写真をガスバーナーで焼くとか、私にはまったく理解ができません。

     

     

     というわけで今日は「あいちトリンナーレ2019」について取り上げ、「憲法21条の表現の自由は規制されるべきか?」と題して論説しました。

     私がこのブログを通じて自由に発言できるのは、憲法21条の表現の自由・言論の自由・報道の自由があるからに他なりません。私は日本という国について、後世に正しく史実を伝え、経済についても正しい知見を持ってもらうことで、日本は覇権国にですらなることが可能であると思って情報発信をしています。

     しかしながら言論の自由があるからといって、日本を貶めるウソの史実や、経済理論が蔓延って、権威主義でそれらが通説化されて正しい経済政策がなされず、貧困化が止まらないというのは、なんとももどかしいと、常日頃思っています。

     そうしたもどかしさについて考えるという着眼点を訴えるような展示会があれば、ぜひとも行ってみたいと思いますが、「あいちトリンナーレ2019」は行く価値もない展示会であろうと私は思います。

     

     

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