ケチケチのフランス、マクロン大統領が緊縮財政を転換して大減税へ!

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     10/1明日、日本では消費税がついに8%→10%となります。日本以外では、カネカネカネで緊縮財政をやっている国といえば、ドイツであり、フランスでした。

     ところがそのフランスが、緊縮財政を転換して大減税することになりました。これは非常に大きなニュースであると私は思っています。

     そこで、このニュースを取り上げ、今日は「ケチケチのフランス、マクロン大統領が緊縮財政を転換して大減税へ!」と題して、下記の順で論説します。

     

    1.マクロン大統領が大減税に踏み切った経緯

    2.ドイツ経済は製造業を中心にひどい落ち込みで景気後退か?

    3.マイナス金利の債券市場を利用すると主張するマクロン大統領

     

     

      まず新聞記事を2つご紹介します。一つ目は日本経済新聞の記事です。

    『日本経済新聞 2019/09/27 16:43 仏の20年予算、1兆円減税と財政ルール両立  

    【パリ=白石透冴】フランスのマクロン政権は27日、2020年度予算案を公表した。反政権デモに配慮し、93億ユーロ(約1兆950億円)の家計向け大型減税に踏み切る。超低金利による国債の負担減もあり、財政赤字は2年ぶりに欧州連合(EU)ルールである「国内総生産(GDP)比3%内」の水準に抑えた。ただ、公務員数削減などの目玉改革は後退した。

     「この予算で、人々が政治の恩恵、労働の恩恵を受けられるようになってきている」。ルメール経済・財務相は26日、記者会見で語った。20年度予算案は27日の閣議で承認を受け、議会に提出される。

    今回の予算案の一番の特徴は、93億ユーロの大減税だ。内訳は低所得者層を中心にした所得減税が50億ユーロ分。他に住民税の段階的な廃止などが柱だ。

     税収が減るなかでも減税措置に踏み切れた背景には、現在の超低金利がある。仏経済・財務省によると、国債の利息支払いが軽減されたことなどで、20年は50億ユーロの歳出抑制につながる。

     この結果、GDP比の財政赤字を2.2%に抑えた。19年は最低賃金増などの生活支援策をとった結果、赤字幅が3.1%となっていた。

     ただ、市民の反発を受けた歳出削減策は後退している。例えばマクロン氏は任期中に国家公務員ポスト5万人分を削減して政府の効率化を進めるとしてきたが、このほど目標を1万人に下げた。

     財政再建も遅れ気味だ。累積債務はGDPの99%に相当する額まで積み上がっている。欧州全体でも各国の累積債務は上昇傾向にあり、次の経済危機の際に財政出動がしにくくなっているとの指摘が出ている。

     

     二つ目はロイター通信の記事です。

    『ロイター通信 2019/09/27 12:59 仏、100億ユーロ超の減税を来年実施へ 独も景気刺激策を=財務相

    [パリ 26日 ロイター] - フランスのルメール財務相は26日、100億ユーロ(109億ドル)超の減税を含む来年度予算案を公表した。その上で、ドイツに対し、フランスと同様の財政刺激策を打ち出すよう求めた。

     ルメール氏は記者会見で、欧州中央銀行(ECB)が最近決定した金融緩和策に触れ、財政余力のある国が公的投資を増やす好機が生まれたと指摘。

     「低金利が欧州に再び繁栄をもたらすことはない。金融政策は必要だが、十分ではない」と強調。

     「ドイツは投資する必要があり、早期の投資が望ましい。状況が悪化するのを待つべきではない」と語った。仏政府はこのところ、独政府に財政出動を繰り返し要請している。

     ルメール氏によると、フランスでは来年、家計の税負担が93億ユーロ減る見通し。このうち50億ユーロは所得税減税によるもの。ダルマナン公会計相は全世帯の95%が所得減税の恩恵を受けると説明した。

     企業の税負担は10億ユーロ近く軽減される見通し。法人税率を33.3%から5年かけて段階的に引き下げ、25%とする計画の一環。

     予算案は来年の経済成長率が1.3%と、今年の推定1.4%から若干鈍化するとの見通しを前提にしている。これについて、独立監視機関の財政高等評議会は政府の見通しは妥当で、20年の公的部門財政赤字のGDP(国内総生産)比率が2.2%とする政府予想も「信ぴょう性がある」と評価したことが、ロイターが入手した草案で明らかになった。

     ダルマナン氏によると、政府は来年、低金利による国債利払いなど費用削減効果が60億ユーロに上ると見込んでいる。』

     

     

     

    1.マクロン大統領が大減税に踏み切った経緯

     

     日本のマスコミの記事、海外のマスコミの記事ということで2つの記事をご紹介しましたが、マクロン大統領が大減税に踏み切りました。

     

     今回のフランスの大減税について、事の発端は今年2019年8月に、フランスでG7サミットが行われました。このとき、主催国のマクロン大統領は、米中貿易戦争による世界景気の減速に対して、これまでECBの金融緩和政策だけに頼っていたと述べ、G7サミットで経済を再起動させるには、何か新しい手段しかないと主張し、それには減税であると明言していました。

     

     まさに日本やってきたアベノミクスと同じで、日本も2014年以降、財政出動を全くやらず、それどころか景気失速のきっかけとなった消費増税8%や、政府支出削減に加えて、明日から消費増税10%と、日本では緊縮財政が推進されており、金融緩和だけでデフレ脱却しようとして無駄な年月を費やしました。

     

     案の定、何年経過しても、物価上昇率は目標2%に到達せず、GDPデフレーターなどの指標も弱いまま続き、実質賃金も当たり前のように伸び悩んでいます。

     

     そんな中で2019/09/26、フランス政府は2020年の予算で新たな減税をします。規模は総額100億ユーロ≒110億ドルの所得税減税で、かつてない大減税を行うと同時に「イエローベスト運動※(デモ活動)に対する答えだ!(※フランスで発生しているデモ活動について)」としています。

     

     マクロン大統領は、2018年末からフランスの低所得者層によるイエローベスト運動によって追い込まれていました。理由は大企業中心の政策をやってきたことがその理由で、それに対する反発と大運動がイエローベスト運動です。

     

     既に2019年4月に、マクロン大統領は減税を一度発表し、50億ユーロ相当の所得税減税を発表していましたが、50億ユーロでは足りないのでは?という指摘がありました。

     

     そこで今回50億ユーロを追加減税し、合計で100億ユーロの大減税に踏み切ることにしたのです。

     

     

     

    2.ドイツ経済は製造業を中心にひどい落ち込みで景気後退か?

     

     これまでマクロン大統領は、その逆をやってきました。ドイツや日本と同じ、ケチケチでカネカネカネと緊縮財政にこだわってきたのがマクロン大統領です。

     

     2019/09/22、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁が、ドイツ政府に対して財政支出拡大をやって欲しいと述べ、低迷するEU経済の後押しをお願いしたいと依頼したのですが、ドイツ政府は反応しませんでした。

     

     ECBのドラギ総裁の財政出動要請に対して、全く聞く耳を持たなかったのです。

     

    <ドイツの四半期GDPの推移>

    (出典:ニッセイアセットマネジメメント)

     

    <ユーロ圏諸国の製造業PMI(年月)の推移>

    (出典:ニッセイアセットマネジメメント)

     

     

     しかしながら、上記グラフの通り、ドイツ経済は非常に悪いです。何しろ2019年4月〜6月期のGDPは速報値ですが、前期比▲0.1%と、3四半期ぶりのマイナス成長です。ドイツ経済で特徴的なのは、鉱工業生産が非常に悪く、特に基幹産業の自動車の落ち込みが激しいです。

     ドイツは日本とは比べ物にならない輸出依存国であるため、米中貿易戦争のあおりを受け、輸出・生産で、もろにあおりを受けた格好です。

     そのため、7月〜9月期のGDPもマイナス予想となっており、2四半期GDPがマイナスということですと、景気後退(リセッション)ということになります。

     

     このようにドイツ国内はほぼ確実にリセッションが確実であるにもかかわらず、ドイツ政府は緊縮財政を辞めません。緊縮財政をずっとやってきたことで、ドイツ政府は財政黒字であり、税金は高く、ドイツ政府はそれを誇っています。そして今もなお財政黒字に固執し、しがみついています。

     

     カネカネカネとやっているドイツ政府に対して、ECBのドラギ総裁は財政支出をやって欲しい、緊縮財政を辞めて欲しい、今こそドイツが財政出動してくれれば、欧州経済に効果があると述べているにもかかわらず、ドイツ政府は動きそうにありません。

     

     そのドイツと同じように緊縮財政をやってきたフランスのマクロン政権は、大減税に転換するということで、これは非常に大きな出来事であると私は思うのです。

     

     

     

    3.マイナス金利の債券市場を利用すると主張するマクロン大統領

     

     マクロン大統領は、財源についても興味深いことを主張しています。具体的にはマイナス金利の債券市場を利用すると述べています。

     

     マイナス金利は日本だけではなく、欧州もマイナス金利になっていて、欧州では個人口座に手数料を負担させることが検討されるなど、日本以上にひどい状況になっています。

     

     マイナス金利でなければ、フランス政府が国債を発行した場合、利息を払うのが普通です。国債の買い手は、機関投資家が多いのですが、マイナス金利ですとマイナス金利分フランス政府が儲かり、機関投資家は損をします。

     

     それでもなぜ機関投資家は国債を買うのでしょうか?

     

     理由はECBが機関投資家が買った国債を、さらに高い値段で買うからです。マクロン政権は、これを利用すると述べています。

     

     さらに大減税の財源として税金の抜け穴を防ぐべく、トランプ政権が大減税を実施した時と同じように、抜け穴を徹底的にふさぐとし、特に税制控除を失くすと主張しています。

     

     日本経済新聞の記事では、超低金利の恩恵で利払いが軽減されているとし、2019年度最低賃金増によってGDP対財政赤字比率が3.1%となってしまっていたのが、大減税によって景気を刺激して税収が増えることによって、GDP対財政赤字比率は2.2%になると予想。これはフランスにとっては2001年以来の最低水準になるそうです。

     

     このようにマイナス金利を利用して、低コストで政府が財政出動し、結果GDP対財政赤字比率を引き下げるというのは、全くをもって普通の経済政策です。

     

     カネカネカネにしがみつき、虎の子の供給力を毀損してまで、お金が優先ですという政策に固執する日本とドイツは異常であり、他国と比較して相対的にも絶対的にも国力弱体化に拍車がかかっていくことでしょう。

     

     

     というわけで今日は「ケチケチのフランス、マクロン大統領が緊縮財政を転換して大減税へ!」と題して論説しました。

     私は別にお金は大切ではないと言いたいわけではありません。私自身、お金が好きか嫌いか?でいえば、皆様と同様にお金は好きです。

     しかしながら、それは個人の資産形成でやってもらえればいいだけであって、国家の財政運営にまで当てはめることが私は間違いであると言いたいだけです。

     デフレ期に緊縮財政を推進する日本がダメダメなのは言うまでもありませんが、ドイツのダメダメさも際立っているといえます。何しろリセッション入りが確実視されているのに、緊縮財政を辞めない。ドイツがそうやってモタモタしている間に、フランスはドイツよりも先に減税に転換し、フランス経済はドイツ経済の上を行くことになるかもしれません。

     これは日本が緊縮財政を20年も続けてきた結果、中国に経済が抜かれたこと同じであり、カネカネカネにしがみつくドイツと日本は、全く愚かな国です。

     その一方、世界全体が米中貿易戦争で大きく揺らぐ中、大減税に踏み切ったマクロン大統領の経済政策の大転換は大変素晴らしいことだと、私は改めて思います。

     

     

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