青森県の大平山元遺跡(おおだいやまもといせき)と司馬遼太郎の功罪

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     今日は、私が5/26〜5/27に往訪した青森県の大平山元遺跡(おおだいやまもといせき)を取り上げ、「青森県の大平山元遺跡(おおだいやまもといせき)と司馬遼太郎の功罪」と題して、

    1.大平山元遺跡が示す司馬遼太郎の功罪

    2.政治家小沢一郎氏の歪んだ歴史観

    3.成人T細胞白血病ウイルスキャリアについて

    上記の順で論説します。

     

     

     

    1.大平山元遺跡が示す司馬遼太郎の功罪

     

     皆さんは、「日本の領土の沖縄がかつて中国の領土だった!」とか「稲作は中国大陸の渡来人が日本人に伝えた!」などという言説について、どのように思われるでしょうか?

     

     歴史の話から少しそれますが、経済の分野では、多くの経済学者が、日本で財政破綻など起こり得ないのに財政破綻するというウソの言説をばら撒いています。最近でこそ、ニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトンという女性の教授が、MMT理論(現代貨幣理論)を発表したため、「財政破綻を回避するために消費増税すべき!緊縮財政で無駄な公共事業を削減すべき!」という言説をばら撒いてきた彼らは今さら「実は日本が財政破綻することはありません。今まで間違っていました。ゴメンナサイ!」とは、自分たちのメンツがつぶれるので言えず、混乱に陥っています。

     

     歴史の分野においても、本当は日本の伝統や歴史の方が2000年の皇統を継いで世界でも尊敬されているにもかかわらず、「中国の方が日本よりすごい!」という言説をばら撒く人がいます。そうした人らからみれば、放射性炭素年代測定法による16,500年前の土器や遺跡に加え、プラント・オパール法によって稲作が6000年前、灌漑施設を使った稲作が3000年前に、日本列島に住む人々がやっていたという科学的・学術的な証明があったからといって、「自分たちの認識が間違っていました。本当は日本の歴史の方が素晴らしいです。」と言えない状況にあります。

     

    <大平山元遺跡が旧石器時代と縄文時代の遺跡があることを示した年表>

    (出典:2019/05/26に杉っ子が青森県東津軽郡外ヶ浜町の大山ふるさと資料館で撮影)

     

     上記の通り、炭素C14を使った放射性炭素年代測定法とプラント・オパール法により、科学的・学術的に日本で見つかった石器は16500年前、稲作は6000年前、灌漑施設を使った高度な稲作は3000年前からやっていたことが証明されています。

     

     その中で大平山元遺跡は16500年前の石器が発掘されたという点で、ものすごい価値がある遺跡であるといえるでしょう。

     

     以下、私が資料館で撮影した写真をご紹介します。

     

    <大平山元遺跡の数々>

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    (出典:杉っ子が2019/05/26に撮影)

     

     

     上記資料館では、縄文時代の人々がどのように過ごしたか?解説の動画がありました。その中では、栗やクルミなどの木など、人々が共同生活で食を絶やさないようにしていたと思われる説を、遺跡と共に紹介していました。

     

     遥か昔の私たち日本の先祖がどうやって生活していたのか?大変なロマンを感じます。 

     

     にもかかわらず作家の司馬遼太郎は、

    「日本人の先祖は大陸から朝鮮半島経由でやってきた」

    「日本の稲作文明は渡来人がもたらした」

    とウソの歴史を日本国民に刷り込んでいたわけで、その罪は重いといえるのではないでしょうか?

     

     

     

    2.政治家小沢一郎氏の歪んだ歴史観

     

     さらに罪深きは、東京大学名誉教授の故江上波夫氏(96歳で没)という人物です。

     

     江上氏は、古事記、日本書紀に加え、副葬品などの発掘資料の2つのアプローチにより、騎馬民族が日本を征服したとして、日本の先祖は大陸から来たものであると唱えました。

     

     しかしながら日本には去勢の文化がありません。中国でもいる宦官は、朝鮮半島にも存在しましたが、日本には宦官は存在しませんでした。去勢の文化そのものは、遊牧民族の文化であり、農耕民族の文化では去勢という分化は発生し得ず、律令体制後も、日本では宦官というものは存在しなかったのです。

     

     にもかかわらず、例えば政治家の小沢一郎氏は、江上氏の騎馬民族制服説を支持し、2009年12月12日に、韓国のソウル市内の大学で、「古代、朝鮮から九州に渡来してきた人々が、拠点を築き、その人たちが北上し、奈良盆地に政権を建てて、天皇になった」と発言しました。

     

     日本人は渡来人と関係なく、私たち日本人の先祖の縄文人は、オーストロネシア人とツングース人の混血でした民族で、大陸とは無関係な海洋民族です。今の私たちが想像している以上に日本列島の周りをぐるぐると船で回っていたのです。このことは単に科学的に学術的に証明された事実です。

     

     また亀ヶ岡遺跡は、青森県津軽平野西南郡で発見された縄文時代の遺跡ですが、2003年には沖縄県の北谷村でも亀ヶ岡遺跡で発掘された土器と同じものが発掘されています。

     

     この沖縄県の北谷村で発掘された遺跡は、私たち日本の先祖の縄文人が、東日本と西日本との交流に沖縄を含めた壮大な活動範囲を覗けることとなり、意義のある遺跡であるといえるでしょう。

     

     にもかかわらず「日本の皇室の先祖は中国から朝鮮半島経由で来た騎馬民族だ!」などという言説を江上氏が広め、それを小沢一郎氏が韓国の大学でも紹介するという、科学的・学術的根拠が極めて薄い言説を広め、日本の歴史を貶めました。

     

     そもそも古事記や日本書紀の中に、天皇や皇室の人が乗馬している描写はありません。

     

     小沢一郎氏といえば”剛腕”などという批判をする人が多いですが、私はそれよりも歪んだ歴史観、国家観こそ、批判すべきではないかと思うのです。

     

     

     

    3.成人T細胞白血病ウイルスキャリアについて

     

     丸地三郎氏のDNAから導き出される日本人の起源という資料によれば、免疫グロブリンG(Gm)の標識遺伝子の分布において、琉球王国は人種的に北海道の日本人と近いと言われています。

     

     免疫グロブリンGの標識遺伝子の分布が、琉球王国と北海道の日本人と似ているからです。

     

    <免疫グロブリンG(Gm)の標識遺伝子の分布>

    (出典:丸地三郎氏の「DNAから導きだされる日本人の起源」の資料から抜粋)

     

     

     中国大陸の南方の人々は、標識遺伝子で「afb1b3(円グラフの赤い部分)」が多く、北方の人々は「axg(円グラフの黄緑色部分)」が多く、「ab3st(円ブラフの黄色い部分」が少ないです。その一方で日本列島の人々は、沖縄県与那国島にかけて「ab3st(円ブラフの黄色い部分」が多いのが特徴です。

     

     ウイルス学者の日沼頼夫氏によれば、成人T細胞白血病ウイルスのキャリアは、日本列島では沖縄県から九州にかけて約5%と、世界的にみても高い確率で感染する一方、中国大陸や朝鮮半島の人々からは、成人T細胞白血病ウイルスのキャリアは発見されないとのことです。もっといえば東南アジア諸国でも見つからないが、インドの南部とイランにはウイルスキャリアが存在するとのことです。

     

     ATL(Adult T-cell Leukemia)ウイルスとも呼ばれるこのウイルスは、日本では南日本のみならず、北海道までの全国で存在しています。

     

     このように放射性炭素年代測定法による土器の出土年代の特定、プラント・オパール法による稲作の年代の特定に加え、医学や遺伝子から見られる、免疫グロブリンG、ATLウイルスキャリアの分布図によって、日本人の先祖が中国大陸であるとする説はあり得ないということが証明されています。

     

     海洋民族のオーストロネシア人とツングース人の混血によって生まれたのが私たち日本人の先祖といえるでしょう。

     

     

     というわけで今日は「青森県の大平山元遺跡(おおだいやまもといせき)と司馬遼太郎の功罪」と題して論説しました。

     私は海外に足を運んで視察・取材に行くことを旅行記として記事に書くこともありますが、改めて日本人が日本人のルーツを知るためにも、青森県の大平山元遺跡に足を運んでいただきたいと感じます。

     何しろ日本の歴史を知るうえで、青森県は貴重な遺跡が多く存在する都道府県の一つだからです。逆に私たちは2003年に発掘された沖縄県北谷村の亀ヶ岡遺跡と同じ土器が出土された現場も見るべきです。そうすれば沖縄県は縄文時代のときから日本列島の一つであったということを実感することができるでしょう。

     日本人が日本各地に数多く旅行できれば、インバウンドの需要など不要になります。そうしたことを政府や地方自治体は真剣に考えていただきたいものと私は思います。

     

     

     

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