日本の企業が内部留保を積み上がることへの対策について

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     今日は「日本の企業が内部留保を積み上がることへの対策について」と題して論説します。

     

     企業の内部留保が積み上がる理由とは、デフレが長く続いているからに他なりません。デフレとは、貨幣現象ではなく、物価変動現象です。

     

     モノ・サービスが多く買われていれば、物価は上昇しますし、モノ・サービスが少なく買われている状況であれば物価は下落します。そうしたデフレ状況下では、企業は内部留保を積み上げるというのは、経済合理性があります。

     

     なぜならばモノ・サービスが少なく買われている状況下では、価格を下げないと売れないからです。

     

     価格を下げないと売れないということで、値下げをしてモノ・サービスを売ったとすれば、売上高の伸びが抑制されることは当然の帰結です。

     

     皆さんもご存知の元大阪市長の橋下徹氏は、BS-TBSの「報道1930」という番組の中で、法人税を引き下げる一方で、内部留保のストック部分について課税すべきであると主張されています。その理由は、法人税を引き下げなければ、もしくは法人税を引き上げたら、企業が海外に逃げていくからとしています。

     

     橋下徹氏は、内部留保が積み上がることに対して何とかしなければならないという声があるものの、グローバル社会では、法人税を引き上げることはできず、法人税を高くしてしまえば、企業が海外に逃げていくと主張しています。

     

     経済産業省が海外進出する企業に対して、なぜ海外に進出しているのか?アンケートを取っています。下記は2008年〜2017年度にかけての投資する理由に上げられた上位4項目における時系列比較のグラフです。

     

    <投資項目上位4項目の時系列比較>

    (出典:経済産業省のホームページ)

     

     なんと、税制の優遇が受けられるからというのは、上位4項目に入っていません。多くの理由は旺盛な需要が見込まれるからというのが大半なのです。

     

     20年以上も続くデフレ状況に対して、政府は、いつまで経っても財政出動せず、それどころか無駄削減と称して政府支出を削減してきたため、消費は冷え込んだままです。

     

     消費が冷え込む=需要が冷え込む なので、生産も冷え込まざるええず、投資に対するリターンが見込めない以上、投資したくても投資できません。

     

     私あ、多くの日本企業の経営者に、敢えて問いたい!

     

     日本企業が求めているのは、税制の優遇なのでしょうか?

     

     税制優遇よりも、この日本という国でちゃんと商売ができる環境こそ、本来求められるべきことではないでしょうか?

     

     ちゃんと商売が出る環境というのは、マイルドなインフレが持続的に続き、実質賃金が持続的に上昇を続けている環境であると私は考えます。

     

     マイルドなインフレであれば、銀行からお金を借り入れて商売しても儲かりますし、自己資本で商売しても同様に儲かります。自己資本を投資しても金額が足らず、まだ儲かるという状況であれば追加資金は銀行借り入れで行うという経営判断もあるでしょう。そうした方が、財務レバレッジが効いて、ROE(自己資本利益率)も上昇します。

     

     資本主義というのは、上述のように本来銀行借り入れをして投資することで経済成長するというモデルです。

     

     なので、そのような環境を作ることこそが政府の役割であるといえます。

     

     にもかかわらず政府はデフレを放置してきました。デフレを放置すれば、企業は内部留保を積み上げざるを得ません。なぜならば儲からないからです。

     

     そうやって合法的に貯め込んだ内部留保に対して課税をするというのは、私有財産の侵害に該当し、憲法違反ともいえます。橋下徹氏が主張する内部留保への課税に対して、私は反対の立場です。

     

     むしろ政府が成長戦略を打ち出して、政府自身が率先垂範して投資し、それをきっかけに民間企業に投資を誘発する形で内部留保を取り崩させるというのが、本来やるべきことではないでしょうか?

     

     投資の財源はどうすべきか?それは集めた税金でやるという必要がありません。MMT理論で主張されている通り、スペンディング・ファーストの考えで、支出先行で何ら問題がなく、躊躇なく国債を発行して財政出動すればいいだけの簡単な話です。

     

     財政赤字が拡大すれば、民間の貯蓄が増えます。例えば20兆円政府が国債を発行して、20兆円全額財政出動をすれば、政府にとっては借入金ですが、民間にとっては資産になります。

     

     だから国債を増刷して何ら問題がなく、デフレであるがゆえにふんだんに国債を増刷して財政出動をすればよいのです。

     

     確かに高インフレ率は、財政出動の制約とする考えもありますが、高インフレ率になったら、財政出動のペースを落としたり、事業計画を遅らせたり、直接税の累進課税を強化したり、場合によっては消費増税も選択肢の一つとしてあり得ます。

     

     とにかくデフレを脱却することが大事なのに、デフレ脱却していないまま消費増税をするというのですから、この国は終わっているとしかいいようがありません。ありもしない財政問題。カネカネカネというのは、個人でやってくれればいい。国家政府は破綻しないにもかかわらず、多くの国民が「日本は財政破綻する!」と騙され、不勉強な国会議員が生み出されて、いつまでもデフレ脱却できずにいるというのが、今の日本です。

     

     内部留保が積み上がる問題も、結局はデフレ脱却を果たせば、自然と内部留保を取り崩し、投資にお金が向かうことでしょう。

     

     そうやって投資にお金が向かえば、投資として支出したお金が、消費=生産=所得となって、経済成長して税収増にも貢献するのです。

     

     

     というわけで今日は「日本の企業が内部留保を積み上がることへの対策について」と題して論説しました。

     

     

    〜関連記事〜

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