日産自動車の大幅減益は、消費増税8%で内需が伸び悩んだことも原因か?

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     今日は「日産自動車の大幅減益は、消費増税8%で内需が伸び悩んだことも原因か?」と題して論説します。

     

     下記は日本経済新聞の記事です。

    『日本経済新聞 2019/07/25 22:20日産、戦略迷走のツケ 4〜6月99%減益     

     日産自動車が25日発表した2019年4〜6月期連結決算は営業利益が16億円と前年同期に比べて99%減った。直接的には主力の「米国事業が減速した」(西川広人社長兼最高経営責任者)ためだが、根底には新興国での拡大路線から米国での安値販売へと戦略が揺れ動いたダメージがある。米市場では「販売奨励金への依存」から抜け出せておらず、業績の本格回復は容易ではない。

     4〜6月に日産の世界販売は123万台と6%減り、営業利益は米金融危機後の09年1〜3月期以来の水準に落ち込んだ。米国や欧州などで自動車販売が全般に落ち込むなか、日産特有の「2つのつまずき」の影響が表面化したからだ。

    ひとつめは新興国戦略の失敗。日産は00年代にインドやインドネシア、ブラジルなどで積極的に生産能力を増やした。だが、各地の景気はその後ピークアウトし、稼働率は低迷した。今回、生産能力の削減を余儀なくされたのはこのためだ。 

     新興国での苦戦を補おうと、日産は10年代半ば以降、米国での値引き販売に傾斜した。これが2つめの失敗だ。ライバルから短期間でシェアを奪うため、販売奨励金を積み増した。ピークの18年11月には1台あたり4574ドルとトヨタ自動車(2572ドル)を約8割上回る水準にのぼった。

     販売は伸ばせたものの、「安い車」というイメージが定着。モデルチェンジが遅れて車の「高齢化」が進んだことも重なってブランド力が低下した。奨励金を積み増さないと販売を維持できなくなり、採算も悪化した。

     この悪循環から抜け出そうと、日産は奨励金を絞っている。19年6月にはピーク比で15%減らしたところ販売は急速に冷え込み、「旧式車を売るには奨励金をつけるしかない」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の竹内克弥アナリスト)という厳しい現実があらわになった。

     ディーラーが抱える在庫が急拡大し、ミシシッピ工場は1月から減産に追い込まれた。この効果で月末の在庫台数を日々の販売台数で割った「在庫日数」は6月に56日と直近ピーク(4月の80日)から低下した。

     奨励金への依存は「リース事業での損失」という問題も誘発しかねない。リースは消費者が月々の料金を支払って車を「借り」、利用する仕組みだ。メーカーは契約が数年後に終了するとリース車を引き取り、中古車として売却する。

     奨励金を出し過ぎるとブランド力が低下し、中古車相場を押し下げる。リース車を引き取る際の想定価値を中古車相場が下回ると評価損が発生してしまう。かつて日産が経営危機に陥った1990年代や08年の金融危機時に、こうした損失が膨らんだ経緯がある。

     日産の米リース事業の規模は過去数年で拡大したとみられる。同事業の詳細は開示されていないが、リース資産から生じる減価償却費の規模は08年3月期より4割多い水準にある。

     日産は収益力の土台が弱っており、売上高営業利益率は18年度で2.7%と米金融危機前の5年間の平均(9%)より6.3ポイントも低下した。海外勢はこの間に収益力を高め、例えば独フォルクスワーゲンの営業利益率は7.4ポイント改善した。世界的にみても低迷した「稼ぐ力」を立て直すには時間がかかりそうだ。

     

     日産自動車の業績悪化に歯止めがかからないという記事です。2019年4月〜6月期の連結営業利益は、前年同期比で9割落ち込み、数十億円規模に留まりました。主力市場での米国での販売が振るわず、自動運転・電動化のための次世代技術のための研究開発費もかさみました。

     

     業績悪化を受け、日産自動車は人員削減、生産能力の削減に踏み切ります。特に人員の削減規模は、今年5月に示した4,800人から大幅に増やし、1万人を超える可能性があるとしています。

     

     なぜこうなったか?といえば、日本の国内需要が十分に拡大していないからともいえます。内需が十分に拡大していない原因は、消費増税5%→8%にしたことによる間接的影響ともいえるのではないでしょうか?

     

     外需依存で経済成長しようとしているショボい国では、こういうことは起こり得ます。米国市場で販売が振るわないということは、普通にあり得ます。内需が拡大していないから米国市場に活路を見出したというわけです。

     

     もし2014年4月の消費増税8%にせず、消費税5%のままであれば、内需は維持もしくは拡大し、日本経済が成長して1万人の雇用を失うということにならなかった可能性は極めて高いと私は思います。

     

     記事では、モデルチェンジから数年が経過して高齢者種が多く、米国で値引き依存から脱却しようと販売奨励金を減らしたところ、客足が予想外に落ち込んだと報じていますが、これはあくまで米国市場での話です。

     

     またカルロス・ゴーン元会長被告の指示で、米国の金融危機で業績回復を急いで新興国での生産能力を大幅に拡大した結果、新車開発にかける資金が少なくなり、環境や安全性能が高まる中で日産自動車の商品力の相対的な低下が進んだという指摘もあり、日産自動車独自の弱さを露呈しています。

     

     もともと日本の大企業、例えばソニーやトヨタ自動車など、どうやって大企業になったのか?といえば、十分に強力な内需があったからこそ、日本人にたくさんモノが売れました。

     

     そこでお金を稼いで、さらにいいものをどんどん作っていく。そうやって日本人向けにいいものをどんどん作り続けてきた結果、いつの間にかガラパゴス的に良い製品ができ、それを海外に売ったら、海外でもたくさん売れたのです。

     

     かつて日本の企業が強かったのは、日本の内需が強かったからといえます。内需がダメになれば、たとえ日産自動車といえども、こうなるのは当然の帰結です。

     

     技術の日産といわれて立派な会社だったにもかかわらず、その技術がトヨタ自動車やフォルクスワーゲンなどのライバルに負けている。その間接的な要因として消費増税8%というのも影響としてあげられるのでは?と私は思います。

     

     

     というわけで今日は「日産自動車の大幅減益は、消費増税8%で内需が伸び悩んだことも原因か?」と題して論説しました。

     

     

    〜関連記事〜

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