軍事研究と民生技術

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    JUGEMテーマ:国防・軍事

     

    今日は、朝日新聞の記事「軍事研究禁止を継承 学術会議検討委、新声明案を了承」について意見します。

     

    記事の概要は以下の通りです。

    『(竹石涼子 2017年3月8日09時15分)日本学術会議の「安全保障と学術に関する検討委員会」(委員長・杉田敦法政大教授)は7日、大学などの研究機関の軍事研究に否定的な新声明案を了承した。科学者を代表する同会議にとって、軍事研究をめぐる半世紀ぶりの声明で、軍事研究を禁じた過去2回の声明を「継承」した。軍事と民生の研究の区別が難しくなる現実を認めつつ、大学や学術研究への政府の介入の度合いを強める懸念がある軍事研究に疑問を呈する内容だ。

     検討委の議論が始まったのは昨年6月。2015年に始まった防衛装備庁の委託研究制度をめぐる議論がきっかけだった。同制度の予算が16年度の6億円から17年度は110億円に急増し、政府が軍民両用技術研究推進の検討を始めるなど、軍事と研究の距離が近づいている状況がある。67年の声明では日本物理学会に米軍資金が提供されたことが問題になったが、大学への米軍からの助成は続き、ここ9年で8・8億円であることが報道された。』

     

    以前このテーマを取り上げたことがあります。(「防衛費GDP1%枠を撤廃せよ!(軍事技術を民生技術に応用して豊かな暮らしに! )

     

    学術会議では、1950年と1967年に戦争目的と軍事目的研究を拒否する声明を決議しています。しかしながら自衛目的に関する研究については容認されると考える研究者もいる等、解釈に幅がありました。

     

    防衛省が公募して防衛装備品に応用できる先端研究、これを大学などに委託する安全保障技術研究推進制度を始めたのをきっかけに、2016年6月から11回の議論を続けてきたそうです。

    政府の介入で学問の自由が妨げられる恐れから、軍事研究に懸念を表明して、利用のされ方を含めて研究の適切性を審査する制度として各大学に求める等の歯止めを狙ったといわれています。

     

    そもそも軍事技術と民生技術に境はなく、軍事と民生の技術はお互いにスピンイン・スピンアウトします。電子レンジも魚群探知機も赤外線センサー自動ドアやデジタルカメラ、すべて軍事技術から民生技術への転用です。

     

    例えば「明らかに軍事技術と思われるもの反対する!」としたとして、「明らかに」ってどう定義するのでしょうか?

     

    戦闘機のディスプレイパネルはどうするのでしょうか?明らかに戦闘目的です。

    また、電子レンジも使えなくなるのでしょうか?

    携帯電話だってスマートフォンだってGPS機能が搭載されていますが、GPSは明らかに軍事目的です。

     

    ”反戦・平和”をお題目のように唱えるのは残念です。軍事技術が民生品に転用される「スピンオフ」事例は多く、知らず知らずのうちに元軍事技術を利用している事実を、私たちは忘れてはいけないのです。

     

    <事例1:ミサイル技術がスーパーで使われている>

    滋賀県大津市に本社があるオプテックスグループ(証券コード:6914)は、1980年に、人の従業を感知してドアが開閉する「足踏みマット式」が主流だった自動ドア業界に、革新的な商品を投入。それは、ドア上に位置されている「遠赤外線センサを使った自動ドアセンサー」でした。

     当時赤外線センサーは、ミサイルが誘導するために使われている高価な軍事技術でした。創業者の小林氏はこれに目を付け、、赤外線センサーで人間を感知する自動ドアを開発しました。

     従来の足踏みマット式よりも誤作動や故障が少ない新商品により、創業3年目にして世界のトップシェアに躍り出たのです。

     

    今や赤外線センサーの自動ドアは、スーパーからオフィスに至る所に設置され、「業界の常識」となりました。

     

    <事例2:デジカメの元はスパイの衛星技術>

    日系企業で世界トップシェアを占める「デジタルカメラ」ですが、キャノンやニコン、ソニー、パナソニックなどが生産・販売している主力商品です。

     

    宇宙開発で米ソが競争していた冷戦時代、米国は人工衛星から磁気や放射能に影響されるに撮影できる技術を必要としていました。この研究に挑んだのが、ノーベル物理学賞を受賞するウィラード・ボイル氏です。ボイル氏は、宇宙で撮影した映像を電子化して地上に送信する「CCDカメラ」の開発に成功しました。

    この技術によりフィルムを必要としなくなったCCDカメラは、スパイ衛星に搭載され、米国の情報収集能力を格段に向上させたのでした。

     

    そして日本国内でこのCCDカメラに実用化の道筋をつけたのは、ソニーの岩間氏です。

     

     

    このように「軍事研究=絶対悪」ではないことがお分かりいただけるのではないでしょうか?

    上述以外にもインターネットや携帯電話や電子レンジなど、いずれも軍事技術がベースになっています。これらの技術の恩恵を受けていない日本人など、1人もいないでしょう。

     

    日本が経済大国に発展できたのは、優秀な技術者が多くいたこともそうですが、他国が発明した軍事技術を民生転用して商品化してきたことも大きな理由の一つです。軍事技術に恩恵を受けている人が、軍事技術を否定するなど、天に唾するようなものです。

     

    「軍事研究=絶対悪」とか思っている人がいたら、改めていただきたい。要は軍事研究こそ、国民を守る要となり、平時において国民を豊かにする技術にもなり得るのです。

    幸いにも我が国はデフレです。軍事費拡大は、政府支出増となり、GDP成長即ち経済成長いたします。多くの国民が「軍事費拡大=悪」という誤解を解き、デフレ脱却するためにも軍事費拡大の声を上げていただきたいと思います。


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