円高になる可能性と日銀の金融政策について

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     明日明後日にかけて、日本国内では日銀施策決定会合がある一方、米国では7/30にFOMCがあり、日米両国で金融政策を決定する会議が予定されています。米国のFRBは今回必ず利下げをすることがほぼ決定的と言われていますが、果たして、日銀はどうなるでしょうか?

     

     そこで今日は「円高になる可能性と日銀の金融政策について」と題して、日銀が取り得る金融政策について4つ取り上げて論説します。

     

     マーケットでは今週、日銀が追加利下げや金融緩和をやるのか?注目されています。

     

     米国は金融緩和の余地がかなり残っているのに比べ、日本は緩和手段がほとんど限られているというのが現状です。そのため、米国FRBは利下げするとみられる一方で、日銀はほとんどできないとする予想が大方です。となれば、日米間の金利差が縮小するため、円高ドル安に向かうというのが一般的な見方となります。

     

     日米の金利差に着目した場合、日銀がほとんど何もできないという前提となれば、米国FRBの金利の下げ幅がどうなるか?ということが重要になります。

     

     市場の予想では0.25%の利下げですが、果たしてどうなるか?

     

     米国の4月〜6月のGDP速報値は2.1%で、1%台を予想していたところ、2%台を維持できたとなれば、例えば0.5%など0.25%以上の利下げをする大義名分が存在しません。

     

     したがって年率0.25%の利下げ幅に留まれば、日米の金利差の縮小幅が小さく、それほど円高にならないという見方もあるかもしれません。

     

     逆に日本国内の生命保険会社や銀行などの機関投資家が外債を買うため、円売りになるという見方も考えられます。

     

     このように日銀の緩和策はほとんどないのでは?という前提でみれば、それほど円高にならず、むしろ円安になるという見方がある一方、前提条件の日銀の緩和策について、本当に何もできないのか?と言われると、全くないわけではありません。

     

     

    (1)マイナス金利の追加利下げ

     

     まず一つ目として、マイナス金利の追加利下げという方法があります。

     

    <日銀当座預金とマイナス金利のイメージ>

     

     上図の通り、銀行が持つ日銀当座預金を3つのレイヤーに分け、政策金利残高と呼ばれるレイヤーにマイナス金利▲0.1%がかけられていますが、この政策金利残高に対して、例えば▲0.2%とすることがマイナス金利の追加利下げです。

     

     

    <マイナス金利の追加利下げのイメージ>

     

     上図は金利のイールドカーブをイメージにしたものですが、短期金利について現在▲0.1%となっているところ、追加で▲0.2%とする方法があります。

     

     

    (2)長期金利にもマイナス金利をかける

     

     二つ目は、長期金利の指標の10年物国債について、0%近辺で推移していますが、これをさらに引き下げるため、長期金利にもマイナス金利をかけます。

     

    <長期金利にマイナス金利をかけるイメージ>

     

     上図の通り、期間が長めの国債である長期金利に対してもマイナス金利をかけるというイメージ図です。

     

     

    (3)量的金融緩和の再開

     

     ご承知の通り、アベノミクス第一の矢の金融緩和では、年間80兆円の国債を買い取るということで、市中の国債(メガバンクや地銀・信金・信組が持つ国債)を買い取り続けてきました。しかしながら物価目標2%が達成されず、国債増刷もしなかったため、国債不足を懸念して、2016年9月より、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」というものを導入しました。

     

     この「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」では、物価目標2%になるまで金融緩和をすることは変わらないものの、年間80兆円を毎年買い続けた場合、国債の増刷がない限り国債が枯渇してしまうため、長短金利の操作を行う「イールドカーブコントロール」によって買い取る量を操作することとしました。

     

     その結果、当初は80兆円の規模で国債を買い取っていましたが、直近では20兆円程度しか買っていません。

     

     

    (4)日銀によるETF買いの増額

     

     日銀が上場投資信託ETFを買い、株価を支えているというのは聞いたことがあるかもしれません。よく日銀や郵貯マネーが日本株を買い支えるなどといわれて、逆に割高な株を買わされている側面があると、私は思っていまして、あまりいい政策ではないと感じています。

     

     しかしながら、このETF買いをさらに増額するという方法は、あり得るかもしれません。

     

     量的緩和で日銀が国債を購入する場合、政府と日銀は親子関係にあるため、実質的に返済しなければならない政府の負債が消滅します。親子関係にあれば連結貸借対照表作成時に、親子間取引は相殺されてしまうからです。ある意味で「”いわゆる”国の借金」問題は、既に日本の場合は1000兆円どころか、日銀保有の400兆円分は減っているといえるのです。

     

     1000兆円の国債の所有者は、銀行だけではなく、生命保険会社や損害保険会社といった長期で資産運用していかなければならない金融機関が保有しており、それらを日銀が買い取るわけにはいきません。保険会社のビジネスモデルが成り立たなくなるからです。

     

     かといってETFを増額した場合、ETFは株式であるため、株式をいずれ売却することになるでしょう。そうなった場合、ただでさえ薄商いで日銀しか買い手がいない日本の株式市場において、ETFを売却するとなれば、大きな売り圧力となって日経平均が暴落する可能性があります。

     

     ETFを売るときの影響が大きすぎるといえるでしょう。

     

     

     このように(1)〜(4)の方法を考察しましたが、どの案もマイナスの影響が大きすぎると私は考えます。そのため現実的には日銀は何もできないという見方は正しいといえるでしょう。

     

     

     というわけで今日は「円高になる可能性と日銀の金融政策について」と題して論説しました。今週はマーケットがどう動くのか?日銀の金融政策決定会合の動きと米国FRBのFOMCに注目したいと思います。

     

     

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