日本として対応が難しいイラン沖の民間船舶の護衛について

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     今日は「日本として対応が難しいイラン沖の民間船舶の護衛について」と題して論説します。

     

     まずは日本経済新聞の記事をご紹介します。

    『時事通信 2019/07/20 05:52 米、有志連合構想で協力呼びかけ ホルムズ海峡警護

    【ワシントン=中村亮】米政府は19日、国務省で日本を含む各国外交団を招いた会合を開き、中東のホルムズ海峡周辺を航行する民間船舶の安全確保に向けた有志連合構想について説明した。船舶の護衛を各国に委ねる方針を示し、各国に艦船派遣や資金拠出を求めたとみられる。25日にフロリダ州タンパで2回目の会合を開き、詳細を説明する予定だ。

     国務省と国防総省が説明会を主催し、日本を含む各国の外交団が参加した。会合は約1時間行われた。ワシントンの日本大使館の担当者は終了後に「東京にきちんと報告する」と述べた。

     会合には60カ国以上が招待された。米政府は会合に出席した国の数を明らかにしていない。

     米国は有志連合に関し、対イランの軍事連合ではなく、ホルムズ海峡周辺の監視体制を強化して航行の自由を守る目的だなどと説明したもようだ。5月以降、イランによるタンカーに対する攻撃が相次いでいるとの米政府の分析も示した可能性がある。

     フロリダ州タンパには中東地域を担当する米中央軍の司令部がある。25日の会合では米軍と各国の役割分担などオペレーションの詳細を米側が説明するとみられる。

     有志連合構想は安全保障で同盟国に応分の負担を求めるトランプ大統領の意向を踏まえたものだ。トランプ氏は19日、ホワイトハウスで記者団に「(ホルムズ海峡周辺に)米国のタンカーは少ない。自国のエネルギーを使っているからだ」と語った。シェール革命で国内の原油生産が急増しており、中東での米軍の関与を弱めても米国への悪影響が小さいと見込んでいる。

     

    <ホルムズ海峡の場所(ペルシャ湾とオマーン湾の間)>

     

     

    <オマーンのワディシャーブへ向かう高速道路とその向こうに広がるオマーン湾>

     

    (出典:2019年1月1日に杉っ子が撮影)

     

     

     ご紹介させていただいた時事通信の記事は、米国トランプ政権が、中東のイラン沖などを航行する民間船舶を護衛するため、同盟国の軍などと有志連合の結成を目指し、日本政府に協力を打診したというニュースの続報です。

     

     自衛隊をホルムズ海峡に派遣する場合、大きく4つの法的枠組みが想定されます。

     

    ^汰簡歉禊慙∨,亡陲鼎集団的自衛権の限定行使・後方支援

    ⊆衛隊法での海上警備行動

    3ぢ餌仆菲,砲茲觴衛隊の覇権

    ご限を切った特別措置法の制定

     

     トランプ大統領は、各国が自国の船舶は自国で守るべきと主張し、安全保障で応分の負担を求めています。

     

     日本とすれば、あまり知られておらず、自衛隊問題でマスコミに取り上げられることはめったにないのですが、△砲△訥未蝓△泙瑳衛隊法で海上警備行動というのがあります。△砲茲辰涜捷駑琉茲砲△詁本の船舶を守ることは可能といわれています。

     

     したがってホルムズ海峡で各国が自国船舶を守るべきだ!というトランプ政権の主張に対して応じることは今でも可能です。そのため、海上自衛隊の重要な任務として、日本列島の防衛に加えて、シーレーンの防衛も重要なミッションとして入っているため、それは法的にも問題ないので粛々とやればいいだけのことといえます。

     

     問題は、今回の有志連合というのが、日本の船舶のみならず、他国の船舶も守るという点です。仮に有志連合で構成された艦隊があったとして、艦隊のオペレーションで日本だけを守るというのではなく、有志連合参加国すべての国の船舶を守るとなると、安全保障関連法の制定が必要と思われます。

     

     仮に日本が有志連合に参加するとして、他国の船舶の護衛をやらないとなれば、日本の存立が危機になるという状況であれば、安全保障関連法で対応するしかないのですが、難易度は高いと考えられます。なぜならば「米国の船を守らないと日本の存立が難しい」ということを立証するのが困難と思われるからです。

     

     そのため、自衛隊法に基づく海上警備行動を軸に考えていくのが基本スタンスといえます。仮に他国と日本が一緒になって有志連合が形成され、艦隊ができて司令部ができたとしましょう。

     

     例えば、ある時は日本の船舶の護衛なので、司令部に日本が入るが、ある時は日本の船舶ではないので司令部に日本は入らないというオペレーションが可能か?という疑問があります。きっと他国から、「それでは困る!だったら日本は入らなくてよい!」と言われる可能性も十分に想定されます。司令部に入ることなく有志連合に参画する形として、資金提供や給油というのも考えられますが、そうした支援が認められるのか?現時点では不明です。

     

     もし航行中に海賊が出たとして、海賊に対して攻撃できるといっても、民間船舶を海賊から守って警備するとなると全く別の話になります。端的にいえば、自衛隊が海賊から攻撃されれば発砲できますが、民間船舶を警備するとなると話は別ということです。

     

     結局、特別措置法の制定が必要になると思うのですが、これは時間がかかります。仮に時間をかけて有志連合に参加できたとしても、イランとの関係がどうなるか?という問題もあるのです。

     

     

     というわけで今日は「日本として対応が難しいイラン沖の民間船舶の護衛について」と題して論説しました。

     シーレーンの防衛は、日本にとっては極めて重要なことなのですが、日本はイランと良好な関係にあるため、非常に対応が難しく、私としても何がベストソリューションなのか?難しい問題です。

     とはいえ、私は過去に憲法9条2項についての議論で、「陸海空軍その他の戦力を保持しない」の文言をそのまま何もせず、憲法9条第3項で「自衛隊を持つ」と加憲する案が自民党から出ていることに懸念している旨の記事を書きました。

     憲法9条で自衛隊を持つことを明確に明記したうえで、海上警備行動について有志連合に加盟しても何ら支障がないように安全保障関連法の制定をして欲しいと私は思います。

     

     

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