財政赤字は悪ではなく、国の借金は5000兆円でも問題ありません!

0

    JUGEMテーマ:借金返済

    JUGEMテーマ:借金問題

    JUGEMテーマ:借金

    JUGEMテーマ:年金/財政

     

     参議院選挙は、明日がいよいよ投票日ですが、消費増税をわざと争点にしようとしないよう不作為を装った作為的なバイアスを感じている今日この頃です。そんな中、今週の火曜日2019/07/20にニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授が来日し、MMT(Modern Monetary Theory)理論について、東京都内の衆議院議員会館にて講演が行われました。

     

     そこで今日は「財政赤字は悪ではなく、国の借金は5000兆円でも問題ありません!」と題して下記の論説します。

     

    1.ケルトン教授が、消費増税が不要と主張していることを、ちゃんと報道している産経新聞と朝日新聞

    2.MMT理論批判論者の池田信夫氏の言説

    3.真の制約はお金ではなくモノ・サービスを供給する力

     

     

     

     

    1.ケルトン教授が、消費増税が不要と主張していることを、ちゃんと報道している産経新聞と朝日新聞

     

     新聞記事を2つ紹介します。まずは産経新聞です。

    『産経新聞 2019/07/16 19:26 「財政赤字は悪でない」MMT国際シンポ開催 S・ケルトン教授講演  

     現代貨幣理論(MMT=モダン・マネタリー・セオリー)の意義について議論する「MMT国際シンポジウム」(主催・京都大学レジリエンス実践ユニット)が16日、米ニューヨーク州立大のステファニー・ケルトン教授らを招き、国会内で開かれた。

     MMTは、自前の通貨を持つ国がいくら自国通貨建てで国債を発行しても債務不履行(デフォルト)には陥らないとする理論で米国で注目されている。

     MMTの主唱者の一人であるケルトン教授は講演で「政府の赤字は、非政府部門の黒字であり、財政赤字は悪ではなく、所得や雇用を上昇させるための政策手段だ」などとMMTの意義を強調した。

     この日は、前内閣官房参与の藤井聡・京大大学院教授らも講演。藤井教授は「政府に対する最後の貸し手である日銀が存在する以上、政府のデフォルトはありえない」と語った。

     

     

     次に朝日新聞です。

    『朝日新聞 2109/07/16 23:05 「財政赤字は悪でも脅威でもない」MMT提唱の米教授

     財政赤字の拡大を容認する「異端」の理論として議論を呼んでいる「MMT」(Modern Monetary Theory=現代金融理論、現代貨幣理論)の提唱者の一人、ニューヨーク州立大のステファニー・ケルトン教授が来日し、16日東京都内で講演した。自国通貨を発行している日本や米国は、税収による財政的な制約を課されることはないと主張。「財政赤字は悪でも脅威でもない」「債務の大きさにまどわされてはいけない」と訴えた。

     ケルトン氏は、税収が財政の制約ではなく、インフレ率が制約になるべきだと主張。たとえば日本は2%のインフレ目標に達していないので、さらなる財政支出の余地があるとし、「もっと積極的に財政政策を活用して、減税で成長を下支えした方がいい」と述べた。財政赤字に対する見方を変えることの重要性も強調。「政府の赤字は、非政府部門にお金が注入されることであり、所得や雇用を増やす」とも語った。

     MMTは、税は税収を得るために課されているのではなく、「所得を誰かから奪うもの。支払い能力を減らすために課す」との考え方をとるという。そのため、消費税については「消費増税の目的は消費支出を減らすことで、インフレを冷やすなら理にかなっている。だが、インフレ問題を抱えていない国にとっては意味がない」とし、政府が10月に予定する10%への消費増税に否定的な考えを示した。

     ケルトン氏を招いたのは、安倍政権で参与を務めた藤井聡・京大大学院教授(公共政策)ら。左派系で参院選では野党候補らを支援する松尾匡・立命館大教授(理論経済学)も加わり、「反緊縮」の学者が立場を超えてMMTの理論家を招く異例の形となった。』

     

     

     2つの記事を紹介しましたが、私こと、杉っ子もこのMMTシンポジウムの招聘プロジェクトに1万円を寄付した一人です。7/16(火)に私も出席する予定だったのですが、急遽、会社で決算分析の業務の対応をすることとなってしまい、出席できなかったのです。

     

     話を戻しますが、新聞記事でもご紹介の通り、MMT理論の提唱者のステファニー・ケルトン教授が、議員会館で行われました。そのMMT理論について、産経新聞、朝日新聞、いずれも今まで私が主張してきたことに近い論説です。

     

     一方で日本経済新聞は、事実としてステファニー・ケルトン教授の講演を報道しつつ、MMT理論批判記事を紹介し、「ステファニー・ケルトン教授の講演は大勢人が集まって注目されたが、現実は間違っていますよ!」と言わんばかりに、過去に報道したMMT理論批判のコメントを紹介しています。

     

     

     

    2.MMT理論批判論者の池田信夫氏の言説

     

     その中でも、MMT理論について、FTPL(物価水準の財政理論)を引き合いに出して「MMT理論は夢物語」という論説に対して反論いたします。FTPLとは、「Fiscal Theory of the Price Level」の略語で、「物価水準の財政理論」と訳されています。そしてこの理論は、クリストファー・シムズという2011年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者が提唱した理論です。

     

     MMT理論の批判者、池田信夫氏はMMT理論を夢物語と批判している一人です。特にクリストファー・シムズのFTPLを引き合いに出すのが特徴です。

     

     その批判論説について直近の主な言説を見てみましょう。

    ●政府の債務が5000兆円になっても、高インフレは起きないのか?

    ●物価水準についての超長期の理論としてFTPLがあり、「物価水準=名目政府債務/財政黒字の現在価値(PV)」というのがある

    ●名目政府債務が5000兆円になっても物価が今と変わらないもしくはマイルドなインフレで収まるのは、財政黒字の現在価値が5000兆円となっているときであって、それ以外は高インフレになる

    ●政府の計画通り2025年にプライマリーバランスが黒字化するとして、その後もゼロ金利が永遠に続くと仮定したとしても、毎年50兆円の黒字を100年間出し続けなければならず、これは不可能である

    ●日本で低インフレが続いているのは、国民が政府を過剰に信頼しているからで、政府債務が5000兆円になっても国民が政府を信頼していれば何も起こらないが、信頼を失うとハイパーインフレになる

    ●ハイパーインフレを日銀のインフレ目標で止めることはできない

    ●財政支出をコントロールするのは中央銀行(=日銀)ではなく、政府の仕事である

    ●MMT理論推進者の中には、政府はどうやって財政支出をコントロールし、財政赤字を止められるか?という問いに対して、「憲法83条に定める財政民主主義で国会が決める」と逃げる

    ●政治家が財政支出を決めたら選挙のたびに財政出動が行われ、社会保障支出は際限なく膨張する

    ●国債が暴落してインフレになったとき、国会で法改正を審議できるのか?

     

     

     めちゃくちゃ突っ込みどころが多く、反論になっていない批判言説であると思いますが、上述の批判言説の中で、「現在価値」という言葉が使われておりまして、少しだけ解説します。

     

     現在価値とは、いま目の前にある100万円と、10年後の100万円では価値が違うということを、数式で計算するもので、「Present Value:略称PV」と英訳されます。

     

     もし物価上昇率が10年間2%だったとした場合、

    割引率=(1+0.02)^10  ※^10=10乗

    10年先の100万円=100万円÷(1.02)^10

    となって、約82万円が10年後の100万円の現在価値となります。

     

     池田信夫氏によれば、財政出動すれば必ずインフレになるということで、インフレになってもゼロ金利が続くとすれば、50兆円の黒字を100年間出さなければならず、これは不可能であるとしています。とはいえ、この前提条件がおかしいです。

     

     金融政策で、高インフレになった場合、金融政策でインフレ率を抑制することは普通に可能な話です。マイナス金利を辞め、ゼロ金利を解除し、普通に利上げしたり、日銀当座預金の法定準備利率を引き上げて融資を抑制したり、マネーストックを減らすための国債の売りオペレーションを実施(市中に出回っている現金を回収することを目的に国債を供給する)したりするなど、日本は主権で金融政策を実施することができます。ギリシャやドイツなどは金融政策を独自に行えません。ユーロに参加しているため、主権にもとづいて金融政策を実施することができませんが、日本は主権にもとづいて金融政策を行うことが可能です。

     

     以下、インラインで反論させていただきます。

    ●政府の債務が5000兆円になっても、高インフレは起きないのか?

    →負債を増やすことは技術的に可能で、負債を増やしただけではインフレになりようがありません。

    →インフレは物価の上昇・下落という物価変動現象であって、貨幣量でインフレ・デフレになるという貨幣数量説は間違っています。

     

    ●物価水準についての超長期の理論としてFTPLがあり、「物価水準=名目政府債務/財政黒字の現在価値(PV)」というのがある

    →クリストファー・シムズのFTPLは知っているが、だから何でしょうか?FTPLが優れているのは、中央銀行と政府は一体としてみるべきという点は優れており、中央銀行と政府が独立すべきという考えは間違っていて、杉っ子は日銀法改正を主張したい立場です。

     

    ●名目政府債務が5000兆円になっても物価が今と変わらないもしくはマイルドなインフレで収まるのは、財政黒字の現在価値が5000兆円となっているときであって、それ以外は高インフレになる

    →現在価値が5000兆円というのは、割引率0%の場合、名目政府債務5000兆円/(財政黒字50兆円×100年)=物価水準1ですが、物価が上昇して国民生活に支障が出るようであれば、金融政策で金融引き締め策をやればいいだけのことです。

     

    ●政府の計画通り2025年にプライマリーバランスが黒字化するとして、その後もゼロ金利が永遠に続くと仮定したとしても、毎年50兆円の黒字を100年間出し続けなければならず、これは不可能である

    →プライマリーバランス黒字にしなければならないという考えが間違っています。政府の黒字は民間の赤字であり、政府の赤字は民間の黒字です。国民生活が暮らしやすくするためにプライマリーバランスという道具を使って黒字化するか?赤字化するか?が議論されるべきで、デフレでプライマリーバランス黒字化しても民間が赤字を続けることになるため、国民生活は苦しくなるだけです。

     

    ●日本で低インフレが続いているのは、国民が政府を過剰に信頼しているからで、政府債務が5000兆円になっても国民が政府を信頼していれば何も起こらないが、信頼を失うとハイパーインフレになる

    →”国民が政府を過剰に信用している”から低インフレ・・・????です。インフレ・デフレは物価の変動現象であって、国民が政府を過剰に信頼していなくても、モノ・サービスを値下げしなければ売れない状況であれば物価は下落し、値上げしても売れる状況であれば物価は上昇します。国民が政府を信頼するとかしないとか、意味不明です。ついでにいうと「信頼を失うとハイパーインフレ」は、プロセスが全く不明です。

     

    ●ハイパーインフレを日銀のインフレ目標で止めることはできない

    →日銀のインフレ目標で止めなくても、金融政策で止めることは可能です。ついでに言えば、財政支出についても、無駄削減をするとか、支出のペースをコントロールしてペースを遅くするなど、現実的に可能な方法はいくらでもあります。なぜならば、財政支出は、憲法83条に定める財政民主主義で、日本国は主権でいくらでもコントロールすることが可能だからです。

     

    ●財政支出をコントロールするのは中央銀行(=日銀)ではなく、政府の仕事である

    →これは、仰る通り。異論はありません。中央銀行はマネタリーベースを操作することは可能ですが、マネーストックを操作することはできません。

     

    ●MMT理論推進者の中には、政府はどうやって財政支出をコントロールし、財政赤字を止められるか?という問いに対して、「憲法83条に定める財政民主主義で国会が決める」と逃げる

    →先に回答した通りです。逃げてもいません。

     

    ●政治家が財政支出を決めたら選挙のたびに財政出動が行われ、社会保障支出は際限なく膨張する

    →社会保障支出が際限なく膨張すれば、支出増=生産増=所得増となって、国民の所得が増えて、しかも最先端の治療を受けることが金銭的にも供給的にも可能となって、日本国民の多くが豊かになれるでしょう。

     

    ●国債が暴落してインフレになったとき、国会で法改正を審議できるのか?

    →そもそも国債が暴落する、金利が上昇するというのは、デフレ脱却したときです。国債が暴落したとしても、中央銀行の日銀が買い取れば、暴落を防ぐこともできますし、安倍政権下で、実際に日銀が国債を買い取っています。国会でどのような法改正を審議するのでしょうか?意味不明です。

     

     言葉尻だけを取ったように受け止められるかもしれませんが、それは本意ではありません。しかしながら、池田信夫氏の主張について、FTPLを持ち出して現在価値だとかいっても、政府の負債を5000兆円にすることに対して財政的な制約はないことだけは、改めて主張しておきたいと思いました。

     

     

     

    3.真の制約はお金ではなくモノ・サービスを供給する力

     

     国家が存続するのに、真の制約とは何なのでしょうか?家計や企業と同じようにお金が制約になるのでしょうか?

     

     仮に1000兆円が今年4000兆円の公共事業をやるために、政府債務を5000兆円にすることは可能です。問題は、この場合の公共事業は何年がかりでやるのか?ということ。

     

     200年で4000兆円の公共事業をやると計画し、毎年均等に予算を執行するとなれば、毎年政府の負債は20兆円ずつ増えて公共事業も少しずつやることになりますが、1年間で4000兆円もの公共事業をやるとなった場合、財政的は可能であることは言うまでもありませんが、供給能力で制約が出てくる可能性があります。

     

     私はインフラ整備を推進する論説も数多く記事に書いていますが、インフラ整備をしたくても供給面で制約があるという意味で、財政出動したくてもできないということが出てくるのです。

     

     例えば1年間でリニア中央新幹線を完成させて関空までの延伸も1年間で完成させ、新幹線整備網にある整備新幹線を全て実用化させて1年間で完成させ、2万TEUのタンカーを直接着岸できるようにするために港湾の整備を1年間で完了させ、防衛のためにイージス艦を1000隻建造完成させ、10式戦車を10000台1年間で製造配備させ、防波堤防潮堤を1年間で全国で張り巡らせ、全国すべての公立小中高校や病院に酷暑対策でエアコンを1年間で設置完了させ、日本海側の高速道路を1年間で全線片側2車線の4車線化を完了させ、生産性向上のための科学技術投資で新素材を1年間で発見し、全国で通行不能となっている橋とトンネルの補強工事を1年間で全て補修完了させ、・・・・・・・・・

     

     これ、1年間で完成させるというのは、無理だと思いませんでしょうか?

     

     デフレでそもそも企業が倒産したり廃業したりしていて、地方のゼネコン業者は減少し、技術・ノウハウを持った人材が不足している今の日本は、20年前と比べて供給力が弱っています。その供給力が弱っている状況で、果たして上述のようなことが1年間でできるでしょうか?

     

     これが制約であり、ボトルネックです。

     

     お金など、いくらでも発行できます。その気になれば4000兆円の負債を増やすことなど、デジタルで、「4」を1回と「0」を15回押して、Enterボタンをポチっと押すだけで、1分もかからず増やすことはできます。

     

     問題は、お金の問題ではなく供給力であるということがご理解いただけるでしょうか?

     

     

     というわけで今日は「財政赤字は悪ではなく、国の借金は5000兆円でも問題ありません!」と題して論説しました。

     政府の負債が1000兆円から増えたとしても、何ら問題はありません。むしろデフレを放置することで、虎の子の供給力が毀損してしまうことこそ、危惧されることです。一度失った供給力は、簡単には復活できないからです。

     政府がカネカネカネとやって、政府の負債を返済して支出を抑制する緊縮財政を継続し、負債を増やさなければ経済成長できないことを知らず、デフレ化の環境で国民から消費増税を行うことが、いかに愚かか?改めてご理解いただければ幸いです。

     

     

    〜関連記事〜

    安倍総理の今後10年は消費税を上げないとする言説について

    消費税は消費に対する罰則課税です!

    金融庁の”一人当たり老後資金2000万円必要”との報告書について

    日本のプライマリーバランスが黒字だったときは?

    景気動向指数による”いざなぎ越え”の真相

    デフレの本質を理解していない安倍総理

    政府支出を拡大すればインフレ率が抑制できなくなるという言説に対する反論

    公共事業などの政府支出は銀行預金で借りているわけではありません!

    反論になっていない財務省の”増税不要論”への反論

    MMT理論の批判論に対する反論!

    税金の役割とは何なのか?

    ゼロからお金を生み出すことができるのが銀行です!

    借入金の否定=資本主義の否定(信用創造機能とは何か?)

    日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!

    国債は何兆円まで発行できるのか?(管理通貨制度について学ぼう!)

    ”政府は借金し放題”という”現代金融理論”について

    グリーン・ニューディール政策と現代金融理論

    親日家の投資家ジム・ロジャーズ氏が指摘する日本の財政破綻に反論する!

    憲法改正で財政規律条項を入れる動きに反対!

    日銀が保有する国債は、地球が崩壊して滅亡するまで放置でOK!


    コメント
    コメントする








       

    calendar

    S M T W T F S
        123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    25262728293031
    << August 2019 >>

    スポンサーリンク

    ブログ村

    ブログランキング・にほんブログ村へ
    にほんブログ村

    recent comment

    • 安定電源に全く役にも立たない再生可能エネルギーが買取から入札へ!
      正論太郎01 (07/01)
    • 大阪W選挙で維新圧勝の影響について
      島道譲 (04/16)
    • 英語教育について(トランプ大統領の演説を誤訳したNHK)
      永井津記夫 (12/07)
    • ハロウィーンは日本のお祭りとは違います!
      ユーロン (11/12)
    • オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省
      SSST. (10/13)
    • サムスン電子について
      故人凍死家 (09/26)
    • 財務省の役人は、なぜ緊縮財政なのか?
      吉住公洋 (09/26)
    • 生乳流通改革という欺瞞と、イギリスのミルク・マーケティング・ボード
      富山の大学生 (06/05)
    • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
      師子乃 (10/02)
    • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
      mikky (12/01)

    profile

    search this site.

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM