世界中が同時不況に向かおうとする中、減税によって経済成長へ転じる親日国ウズベキスタン

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     今日は親日国ウズベキスタンについて取り上げたく、「世界中が同時不況に向かおうとする中、減税によって経済成長へ転じる親日国ウズベキスタン」と題して論説します。

     

    1.自国通貨を完全変動相場制に移行したウズベキスタンが、大減税をやって経済成長へ!

    2.日本とウズベキスタンの国交樹立25周年記念プロジェクト映画の公開

    3.マグニチュード5.2という大規模地震でも倒壊しなかったナヴォイ劇場

     

    上記の順で論説します。

     

     

     

    1.自国通貨を完全変動相場制に移行したウズベキスタンが、大減税をやって経済成長へ!

     

     ウズベキスタンは1992年にソ連から独立した国ですが、人口は3,200万人と中央アジアで最も多い国です。

     

     独裁政権のカリモフ大統領が2年間に亡くなり、ミルジオエフ大統領になってから、自由市場の方向へと舵を切りました。特に通貨政策について、自国通貨のスムを完全変動相場制に移行しました。あの中国ですら、人民元は完全変動相場制になっていないのですが、ミルジオエフ大統領は勇気をもって完全変動相場制へ移行し、さらに大減税を行いました。

     

     そのウズベキスタンが経済成長しつつあるということで、7/9のブルームバーグの記事をご紹介します。(日本語訳がないため、原文のまま掲載します。)

    『2019/07/09 15:25 Uzbekistan May Issue More Eurobonds This Year, Central Bank Says

     Uzbekistan may tap global debt markets with a second dollar-denominated Eurobond this year after investors lapped up a debut sale in February.

     “International investors need to be able to see a country’s credit history,” Mamarizo Nurmuratov, the nation’s central bank chief, said in an interview in St. Petersburg, Russia. “Our first one doesn’t give us a history just yet, it just created a benchmark.”

     Policy makers in Central Asia’s most populous nation view the success of the first sale as confirmation that an economic overhaul is working. After emerging from more than two decades of isolation two years ago, Uzbekistan has drawn praise from the International Monetary Fund in the past year for liberalizing its currency market and reforming taxes.

     Uzbekistan is rated three levels below investment grade at BB- at S&P Global Ratings and Fitch Ratings, the same as Brazil, North Macedonia and Georgia. The natural gas, gold and cotton exporter sold $1 billion of 10-year and five-year notes in February and would issue a similar amount in a second sale, Nurmuratov said. Commercial banks may also sell dollar bonds this year, he said.

     “We don’t need money for state spending, but we need to be present on the international market,” Nurmuratov said. “For now, it makes sense to issue bonds in dollars, because our external trade is mainly in dollars.”

     Investors bid more than $5.5 billion for Uzbekistan’s first Eurobond sale. The notes have returned 8.4% since their sale on Feb. 14, compared to 6.2% on average for emerging market dollar debt, according to Bloomberg Barclay’s indexes. 

     Uzbekistan has “successfully implemented” a first wave of reforms, and now needs to set priorities for a bigger structural overhaul, the IMF said in a March report. Economic growth in the nation of 30 million will reach 5.5% this year and 6% next, according to IMF estimates.

     “We are giving a signal to foreign investors so that they bring direct investment as well as entering our sovereign debt market,” Nurmuratov said. “Debt placements give us an evaluation of progress in our reforms.”』

     

     

     上記の記事は和訳が見当たらず、英語原文のまま掲載しました。見出しは「ウズベキスタン中央銀行は、今年さらにユーロ債を発行するかもしれない」ということで、ウズベキスタン政府が、今年2月に初めて、ドル建てのユーロ債を発行し、金融市場にデビューして、10億ドルの調達に成功したのですが、そのウズベキスタンがユーロ債を追加発行するかもしれないという趣旨の記事です。

     

     そして、IMFによれば、ウズベキスタンの経済成長率は、今年が5.5%成長で、来年度は6%台の成長になると予測。ウズベキスタンの経済成長が軌道に乗りつつあると報じています。

     

     そのユーロ債の金利は8.4%と、新興国市場の平均が6.2%よりも2.2%高く、かなり魅力的です。格付けはBB−(ダブルBマイナス)で、これは、南米のブラジルや、東欧の北マケドニア(旧ユーゴスラビア)、ジョージア(旧グルジア共和国)と同じ格付けであると報じられています。

     

     ミルジオエフ大統領は、昨年2018年5月16日にホワイトハウスで、トランプ大統領と会っているのですが、ウズベキスタンにとっては歴史的な出来事といえます。

     

     このときトランプ大統領は、ウズベキスタンの経済成長を米国として支援すると約束し、ウズベキスタンはWTOに加盟しました。

     

     またウズベキスタンは1992年のソ連から独立後、カリモフ政権による独裁が続き、宗教的自由がなく、米国は宗教的自由の迫害国家の認定をしていたのですが、ポンペオ国務長官がウズベキスタンを宗教的自由の迫害国リストから外すことにしたのです。

     

     

     

    2.日本とウズベキスタンの国交樹立25周年記念プロジェクト映画とナヴォイ劇場

     

     そして今、ウズベキスタンを舞台にしている日本映画が公開しています。

     

     「旅のおわり、世界のはじまり」という黒沢清監督の作品で、主役は元AKBの前田敦子さんが主演。さらにウズベキスタンの国民的人気俳優でアディス・ラジャボフさんという男性の方も出演しています。

     

     この映画は2017年に日本とウズベキスタンの国交樹立25周年を迎えたということと、日本人が建設に携わったウズベキスタンのナヴォイ劇場の完成70周年が重なる記念プロジェクトとして作られた映画です。

     

     以前、「ウズベキスタン共和国のナヴォイ劇場」という記事で、ナヴォイ劇場を取り上げたことがあります。私こと杉っ子は、2013年12月30日〜2014年01月04日にウズベキスタンを往訪したのです。

     

    <ナヴォイ劇場と日本人墓地>

    (出典:2013年12月31日に杉っ子が撮影)

     

     

     上記写真のナヴォイ劇場については、知っておられる読者の方がいるかもしれません。

     

     第二次世界大戦後、日本人がシベリアに抑留され、日本人捕虜がたくさん連れ去られたのですが、この中にウズベキスタンに移送された日本人がたくさんいました。そして、ウズベキスタンの首都のタシケントに連行され、劇場の工事に駆り出されたのです。

     

     日本人捕虜の人々は、どのような思いで劇場の建設に携わったのか?

     

     ソ連に評価されて早く日本に帰るために必死に工事をやったというわけではなく、世界一の劇場を完成させることで取り戻したいものがあるという"思い"、その"思い"とは「戦争で失ってしまった我々日本人の誇りである」という"思い"だったのです。

     

     この時の日本人はソ連の捕虜であり、冬は極寒の状況下、粗末な食事をお互いに分け合いながら厳しい工事をやっていました。その捕虜の日本人の疲労がピークに達していたころ、地元のウズベキスタンの人らが食事を分け与えてくれるようになりました。腐ったジャガイモやら、ほとんど骨ばかりの肉といった粗末な食事しか与えられない日本人捕虜に、地元の人々や子供らが差し入れをするのです。

     

     日本人捕虜は、差し入れをしてくれた子どもに対して、木で作ったおもちゃをお返しするなど、地元の人々へお礼もしていました。そしてウズベキスタン人は、必死に働いている日本人の姿を見て、「日本はナチスと同じ鬼畜と思っていたが、それは間違いだった!」と気付き、日本人を助けるようになったのです。

     

     ミルジオエフ大統領の前の2年前に亡くなったカリモフ大統領は、かつて日本人の外交関係者らを目の前にして、次のように語ったと、麻生太郎氏(現財務大臣)がいっていました。

     

    『私は小さいころ、週末になると母親に日本人捕虜が住む収容所に連れていかれ、そこで母親に毎回いわれたことがある。「せがれごらん!あの日本兵を!ソ連兵が見ていなくても働く。お前が大きくなったら、人が見ていなくても働く、そういう人間になりなさい!」と母親にいわれた。私は母親にいわれたことを守り続け、おかげで今日大統領になることができた!』

     

     こうして、2年かけてこの劇場は完成しますが、完成当時、世界最高峰のオペラハウスという風に呼ばれていました。

     

     


    3.マグニチュード5.2という大規模地震でも倒壊しなかったナヴォイ劇場

     

     捕虜だった日本人が「世界一の劇場を作る」と日本人の誇りにかけて建設したこのナヴォイ劇場。1966年にタシケントで大地震が発生したのですが、その際も無傷だったといわれています。マグニチュードは5.2ということで、1960年代までに世界で発生した地震の規模では5本の指に入る規模というくらい、大きな地震でした。

     

     そのタシケント大地震では、日干し煉瓦の住宅のほとんどが倒壊したのですが、ナヴォイ劇場は何事もなかったかのように、何一つ壊れずに残りました。

     

     これだけの大地震でも倒壊しなかったナヴォイ劇場の話は、瞬く間にウズベキスタン国内に広まり、それだけでなく隣国のキルギス、カザフスタン、トルクメニスタン、タジキスタンといった中央アジア諸国に伝わり、「このナヴォイ劇場は、日本人によって作られた」という話が伝わったのです。

     

     その後、1991年にソ連が崩壊し、ソ連から独立して自分たちで国づくりをすることになるわけですが、このとき日本をモデルとした国づくりをしようという動きにつながりました。

     

     そして、首都タシケントでは市民の要望によって日本から1000本あまりの桜が輸入され、ナヴォイ劇場や日本人墓地に植樹されました。

     

     またカリモフ大統領は、ナヴォイ劇場でプレートの作成を命じます。その際、「間違っても捕虜と書いてはいけない。日本人は友人であり恩人だ!」と命じました。

     

     そのプレートは下記のとおりです。

     

    <ナヴォイ劇場のプレート>

     

     プレートに書いてある内容は下記の通りです。

    『1945年から1946年にかけて極東から強制移送された数百名の日本国民が、このアリシェル・ナヴォイー名称劇場の建設に参加し、その完成に貢献した。』

     

     ソ連によって強制連行されてウズベキスタンのタシケントでの劇場づくりに駆り出された日本人ら、戦争によって失った日本人の誇りを取り戻すために世界一の劇場を作ろうという思い、その思いがこのような形でのちに広がったというのは、大変な感動を覚えます。

     

     

     

     というわけで今日は「世界中が同時不況に向かおうとする中、減税によって経済成長へ転じる親日国ウズベキスタン」と題して論説しました。

     今、カリモフ政権を経て、為替相場完全変動制移行と大減税によって新たな経済成長を迎えようとしているウズベキスタンですが、2年前は北朝鮮と同じ独裁政治だったのです。

     北朝鮮もまたこのように変わることを期待したいと思います。と同時に、タシケントの劇場づくりに駆り出された先人の誇りを、後世に伝えていかなくては!と改めて私は思います。

     

     

    〜関連記事〜

    ウズベキスタン共和国のナヴォイ劇場


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