消費税は消費に対する罰則課税です!

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    JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

     

     今日は「消費税は消費に対する罰則課税です!」と題して論説します。

     

     下記は東京新聞の記事です。

    『東京新聞 2019/06/09 消費増税、反対60% 全国世論調査 景気対策も反対61%

     安倍政権が十月に予定する消費税増税に反対する人が60%に上ることが、本社加盟の日本世論調査会が一、二日に実施した全国面接世論調査で分かった。負担増や景気への悪影響に懸念が根強い。キャッシュレス決済へのポイント還元など、景気の腰折れを防ぐための経済対策にも61%が反対し、十分な理解を得られていない実態が浮き彫りになった。

     米中貿易摩擦などで世界経済の減速懸念が強まっている。景気の現状を悪化傾向とみる人は57%に上り、改善は39%にとどまった。改善が51%で悪化が44%だった昨年六月の調査から逆転した。

     増税反対の理由は、低所得者の負担が重くなる逆進性の問題を挙げる人が最多の33%で、税金の負担増が大変だと考える人と、景気への悪影響を懸念する人がいずれも23%で続いた。賛成する人では、年金や医療、子育て支援など社会保障の充実に必要との理由が40%と最も多かった。

     クレジットカードなどキャッシュレス決済の利用者を優遇するなどの景気対策は、年齢層が上がるほど反対が増え、高年層(六十代以上)では70%に達した。現金志向が強い高齢世代にはメリットだと捉えられていない。軽減税率導入は反対が49%、賛成が48%で拮抗(きっこう)した。

     景気を悪化傾向とみる理由を聞くと、給料やボーナスなど収入が増えていないとしたのが28%で、消費の伸び悩みを挙げる人も18%いた。景気を良くなっていると判断する人では「雇用情勢が改善している」との理由が最多だった。

     安倍政権の経済政策「アベノミクス」には「期待しない」「あまり期待しない」との回答が計50%で、「ある程度」を含めて期待するとした48%をわずかに上回った。

     米グーグルなど巨大IT企業に対する規制強化の是非は「どちらともいえない」と判断を留保する人が45%に上った。賛成は39%だった。』

     

     上記の東京新聞の記事は、日本世論調査会が実施した世論調査によれば、消費増税に反対する人が60%に上ることが分かったとのニュースです。政府はキャッシュレス決済へのポイント還元など、景気の腰折れを防ぐための経済対策を講じようとしていますが、その経済対策に対しても61%が反対していて、十分な理解を得られていないと報じています。

     

     過去の世論調査で、消費増税の賛否について、2年ほど前は、反対割合は5割越えになったことはないものと、私は記憶しています。おそらく、先のことなのでよくわからないということで、最近になってあと4ヶ月、あと3か月と、2019年10月に近づいてきたため、反対が増えてきたというところでしょう。

     

     増税の反対理由として、逆進性の問題を上げたり、景気への悪影響を懸念するという理由がありますが、反対理由の人の中でも気付いていないと思われることは、そもそも消費増税の目的が財政健全化のためであるということです。

     

     そして、大変残念なことに、消費増税をやれば却って財政健全化は遠のきます。私は消費増税に反対の立場で論説することが多いのですが、最大の理由は財政が悪化するという点です。

     

     景気の悪影響という理由は、まさに財政が悪化するということに他なりません。なぜならば、消費税は消費に対する罰則課税です。

     

     例えば炭素税が増税されたとして、ある企業が「よっしゃぁー!炭素税がUPしたから今後はどんどん二酸化炭素を排出するぞぉー!」なんて企業はありません。

     

     またたばこ税が増税されたとして、喫煙者が「よっしゃぁー!たばこ税がUPしたから今後もっとたばこを吸うぞぉー!」という人はいません。

     

     同じように消費税が増税されたとして「よっしゃぁー!消費税がUPしたから私は今後もっと消費を増やすぞぉー!」とか、「よっしゃぁー!消費税がUPしたから我が社は今後もっとたくさん設備投資や経費を増やすぞぉー!」とはなりません。

     

     そもそも、GDP3面等価の原則で、消費(支出)=生産=所得(分配)です。日本のGDPに占める割合が6割も占める個人消費が必ず減ります。消費を抑制する=生産を抑制する=所得を抑制する となります。

     

     ところが景気が絶好調の時であれば別です。よくヨーロッパ諸国の消費税率が20%台であることを引き合いに出し、日本も20%台にするべきという言説がありますが、ヨーロッパ諸国はケチケチのドイツですら、公共事業は1996年比で30%増で、米国でさえトランプ大統領登場前で2.3倍に増やしています。日本は公共事業を削減しまくっているわけで、欧州は物価が上昇しているのと比べて、日本は物価が下落もしくは横ばいで、少なくとも欧州のように上昇はしていません。

     

     景気が好調だった1980年代後半は、景気が良すぎてプライマリーバランスが黒字化していたときがありました。消費税が0%→3%、即ち消費税が初めて日本で導入されたのは1989年4月ですが、この頃はバブルでした。1985年〜1992年の間、日本はプライマリーバランス黒字だったのです。

     

    <プライマリーバランスの推移(1980年〜2017年)>

    (出典:政府財政統計より数値を引用)

     

     上記のグラフの通り、バブル期1985年〜バブル崩壊時1992年は、プライマリーバランスは黒字でした。1989年に消費税を導入したときは、財政黒字だったので、むしろ消費税の導入は景気の過熱を抑制するという点で考えれば、正しい政策だったと私は思います。

     

     しかしながらバブル崩壊後に1997年に消費税率3%→5%のときは、既に財政が赤字になっており、バブル崩壊後で景気が悪かったところに、消費増税をしたため、プライマリーバランスの赤字幅が拡大しました。

     

     2008年にはリーマンショックが発生し、このときは世界で誰も物を買わなくなったため、景気が悪くなり、プライマリーバランスの赤字額が拡大しています。

     

     2014年4月の消費増税5%→8%では、プライマリーバランス赤字額の悪化というのは見られませんが、景気の指標を示す数値でいえば、直近の実質GDPは△2.2%とはいえ、大きな輸入の減少がなかりせば、マイナスに沈んでいます。GDPデフレーターもゼロ近辺を推移しており、景気が良いとはいえません。

     

     消費税を上げるべきというのは、景気が良くて、景気の過熱を抑制するためというならば、政策として選択し得ます。1989年のバブル真っただ中であり、3%の増税がそれほど問題も起こさなかったのです。

     

     消費税が消費に対する罰則課税であることを考えれば、例えばGDPが△10%が2年〜3年続いたら、さすがに景気が良すぎるということで、景気の過熱を抑制するため、消費税を20%とかもあり得るかもしれません。この場合、20%がいいのか?10%なのか?5%なのか?議論の余地はあります。

     

     とはいえ、今は景気が悪いので、消費増税をやれば、デフレがさらに深刻化し、資金を借りる需要がさらに減って銀行の決算悪化が進行するでしょうし、消費が落ち込んで、GDPやコアコアCPIやGDPデフレータなどの指標も間違いなく悪化するでしょう。

     

     何しろ消費税は消費に対する罰則課税であり、消費=生産=所得 なので生産に対する罰則ともいえますし、所得も減るという話になります。

     

     

     というわけで今日は「消費税は消費に対する罰則課税です!」と題して論説しました。

     自民党の女性議員で片山さつきという議員がいますが、彼女は財務省出身の国会議員です。かつて朝まで生TVだったか?何かの討論番組で、1997年の消費増税5%で経済が悪化したことについて、アジア通貨危機があったからであって消費増税は景気悪化とは関係がないというような発言をしていた記憶があります。

     もしかすると、消費税を上げたい輩からすれば、米中貿易戦争やブレグジットなどを、消費増税10%による景気悪化の理由とすり替えるかもしれません。というより世界の経済情勢ですり替えることが可能と考えれば、今こそ消費増税10%のチャンスと考える財務官僚や国会議員らがいるのでは?という疑義を持ちます。

     しかしながらそうした外的要因以前に、消費税は消費に対する罰則課税であり、GDP3面等価の原則で、消費減少=生産減少=所得減少となるということを、まず私たちは理解する必要があるものと考えます。

     その上で、さらに外的要因でリーマンショックのようなことが発生すれば、消費増税による影響に加算されてさらに景気が悪くなることを理解し、増税派らの景気悪化のすり替えを許さないようにするべきであると、私は思うのです。

     

     

     

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    日本のプライマリーバランスが黒字だったときは?


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