消費増税10%実施は、日本発のリーマンショック級危機か!

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     今日は「消費増税10%実施は、日本発のリーマンショック級危機か!」と題して論説します。

     

     安倍政権の側近の萩生田光一氏が消費増税延期をコメントし、4/23には週刊ポストで「消費増税5%への減税が必要!」という言説が出てきたりして、消費増税について雰囲気がガラリと変わった感があります。

     

     昨年の暮れ12月末の時点では、消費増税をするのかしないのか?5分5分くらいのイメージでしたが、4分6分くらいになったような気がします。

     安倍首相の本音は、消費増税10%をやりたくないということだと思われます。何しろアベノミクスがうまくいっていないのは、2014年10月の消費増税8%が原因であるということが、事実でもあると同時に安倍首相も「消費増税8%に引き上げても、消費はV字回復するから大丈夫!」という言説に騙されたと思っている可能性は多分にあります。

     

     米国ではトランプ大統領の経済政策がうまくいっており、実質賃金の上昇率は年率3.2%、失業率は3.8%と過去50年で最低水準にまで下がっています。

     ところが日本は消費増税8%によって、デフレ促進となりました。デフレ脱却を標榜して誕生した第2次安倍政権ですが、明らかにアベノミクスは失敗しています。

     以前にもお見せしたグラフですが、2015年の実質賃金の▲0.8%という数値を100として指数化した折れ線グラフです。

     

    <2015年を100として、1990年〜2018年の期間における実質賃金指数の推移>

    (出典:厚労省のホームページの毎月勤労統計の資料の数値を引用)

     

     オレンジ色の折れ線グラフが示す通り、2014年4月に消費増税8%を施行以降、実質賃金指数は、リーマンショック時ですら回復していないのです。

     米国のトランプ政権の経済運営が好調なのとは対照的に、日本は消費増税8%に加え、緊縮財政によって経済成長できず、国民の貧困化が進んでいるともいえます。

     日本の失業率は米国の3.8%よりも低いという指摘もありますが、それは単に少子高齢化が進んでいて生産年齢人口の減少という環境に起因するものであり、残念ながらアベノミクスとはほとんど関係ありません。むしろアベノミクスでは雇用の質が悪い非正規社員の雇用が増えているというのが実態です。

     

     こうして明らかに消費増税8%は失敗だったという言説が溢れ始め、ついには消費増税延期どころか消費減税5%という言説も登場するなど、状況はガラリと変わりました。

     

     もちろん緊縮財政を推進する財務省を中心としたマスコミは、幼児教育無償化の財源として消費増税10%は避けられないなど、火消しに躍起です。メディアリテラシーが高い人であれば、最近の日本のマスコミ報道で、消費減税の言説をチョロチョロと紹介しながらも、「消費増税10%は決まった!」とか既成事実化しようとする記事も多く見受けられることに、お気付きかと思います。

     

     そんな中、昨日次のような記事がありましたのでご紹介します。

     

    『ロイター通信 2019/05/16 19:58 インタビュー:消費増税凍結必要、実施なら日本発リーマン級危機も=本田氏

     [東京 16日 ロイター] - 前スイス大使で安倍晋三首相の経済アドバイザーとして知られる本田悦朗氏(TMI総合法律事務所顧問)は16日、ロイターとのインタビューの中で、10月に予定されている消費税率引き上げを実施すれば、デフレ脱却が難しくなるだけでなく、日本発のリーマン・ショック級の危機誘発になりかねず、「増税凍結」が適切と述べた。

     また、消費増税を前提とした教育無償化などの財源は、赤字国債発行で充当し、日銀の量的金融緩和で対応すれば、財政・金融の両輪がそろって回り、「一石二鳥」の効果が期待できると主張した。

    <無償化財源は「人材育成国債」発行で>

     本田氏は、大規模な金融緩和と財政出動を重視するリフレ派の代表的な論客。2012年末の第2次安倍政権発足以降、3党合意に基づいた消費税率の引き上げに一貫して反対してきていた。

     特に2014年4月の消費税率5%から8%への引き上げは、「予想以上に長期間にわたり深刻な悪影響を与えた」とみる。

     今年10月に予定通り増税すると、「実質賃金と期待インフレ率が大きく下落し、予想実質金利上昇、デフレに戻ってしまうリスクがある」と懸念。期待インフレ率の低下を招き、実質金利の高止まりから円高リスクを増大させることにもなりかねないと危機感を示した。

     政府は、リーマン・ショック級の事態が起きない限り、予定通り増税するとの見解を繰り返しているが、「むしろ消費増税により日本発でリーマン・ショック級の事態が起きる可能性を懸念すべきだ」と述べた。

     また「単なる増税延期では、いつか増税すると人々は考えるため、消費を手控えてしまうので、増税は凍結すべき」との考えだ。

    消費増税による増収分は、教育無償化など社会保障の安定財源に充てられることが決まっている。このため政界や市場関係者には、増税延期は難しいとの見方が少なくない。

     こうした見解に対し、本田氏は「増税凍結を受けた(消費増などによる)税収増で充て、それでも足りない財源は赤字国債で補えばよい」と提案。「『赤字国債』という名称のイメージが悪ければ『人材育成国債』などではどうだろう」と指摘。国債発行額が増発されれば、日銀が買い入れることの可能な国債の量も増えるため「量的緩和に効果があり、一石二鳥」と主張し、財政と金融が連動して政策効果を上げる利点に注目するべきだとした。

     今の時点での増税凍結は、軽減税率やポイント還元に対応した企業などから反発を招くとの見方もあるが、「今回の増税は税率が10、8、6、5、3%と5種類もの多岐にわたり複雑すぎる上、9カ月の時限措置では恒久増税のショックを和らげる効果も疑問。まだ対応できていない小売店も多く、(増税凍結は)大きな問題にはならないのでは」との見方を示した。

     今後の財政再建のあり方について「消費増税の実施時期はあらかじめカレンダーで決めず、物価や成長率など経済状況を目安にすべき」との見解を示した。

     また「日本の消費税率は確かにスウェーデンなどと比較して低いが、税収に占める間接税比率は十分大きい。財務省悲願の直間比率改善は既に達成されている」と述べた。

     今後の政策運営では「財政赤字を急激に減らさないよう、財政出動を継続してほしい」とした。

     米国などで議論されている国債発行と中央銀行の買い入れをセットにした現代金融理論MMTについては「定義がよく分からない」と慎重な立場。「無制限な国債発行は不可能で、国の純債務を名目国内総生産(GDP)で割った比率が、収束する状態が財政の持続性に重要」と強調した。

     また「財政状況を改善するためにこそ、まずはデフレからの完全脱却が必要。名目成長率が名目金利を上回っている限り、財政状況は改善し、現在その条件を満たしているにもかかわらず、これを壊すべきではない」と強調した。』

     

     

     上記は安倍政権の経済アドバイザーである本田悦郎氏へのインタービューです。本ブログでも本田悦郎氏の論説をご紹介したことがあります。( 安倍首相の経済アドバイザー 本田悦朗氏(駐スイス大使)「増税凍結が望ましい!」 )

     

     消費増税10%に増税すればデフレ脱却が遠のくとはまさに仰る通りです。また最近のマスコミが幼児教育無償化の目玉政策があって消費増税の税収を充当することになっているから、消費増税は避けられないという見方に対しても、本田悦郎氏は、赤字国債を発行すればよいとしています。まさに私がよくいう「国債発行」と「財政出動」の組み合わせで、国債不足も解消できる旨の論説をされておられます。

     

     最後のMMT理論については、中立の立場というか、よくわからないというお立場のようで、そこは少し残念ですが、消費増税についての考え方は、ほぼ私と同一見解です。

     

     赤字国債の「赤字」というイメージで、「借金が悪だ!」とか「借金を将来世代に先送りするのはダメ!」とか、間違った言説が広まっているわけであり、MMT理論のポイントの一つである政府の赤字は民間の黒字、政府の黒字は民間の赤字ということが理解できれば、MMT理論も自ずとご理解できるものと私は思います。

     

     それにしても、消費増税10%が、日本初のリーマンショック級の危機の発生という言説までされておられます。これまた全くその通りであり、欧米諸国と比べて消費税率が低いからとか、これらもクソな言説です。

     

     欧米諸国はケチケチのドイツですら公共事業を1996年比で30%増やしているわけで、公共事業を減らし続けて物価も上昇せず、初任給も1997年から20万円前後で20年以上も変わらないという事実もあり、欧米との消費税率の比較なんか何ら意味がありません。

     

     消費税率を高くしているのは、過激なインフレを抑制してマイルドなインフレにするために消費税率を20%にしておくということはありますが、それは経済が絶好調すぎて投資が過熱が止まらないような状況下であれば、検討の余地はあります。

     

     とはいえ、そもそも消費増税という選択肢そのものがインフレ対策なのですが、未だ日本ではインフレにすらなっていませんので、消費増税という政策自体、選択肢にすら入らないというのが正しい考え方なのです。

     

     

     というわけで今日は「消費増税10%実施は、日本発のリーマンショック級危機か!」と題して論説しました。

     本田悦郎氏が消費増税についてインタビューに答えたロイター通信の記事をご紹介させていただきましたが、皆様はどう思われたでしょうか?「消費増税すべきだ!」などという言説は、鼻で笑うくらい経済をまるで分っていない音痴な人だということが、よくご理解いただけたのではないでしょうか?

     今後行われる日米の通商協議でも、消費増税は輸出補助金の増額ということで米国政府からも懸念されており、最悪通商協議で消費増税するなら米国産の農産物や自動車を最低限○○だけ買え!みたいなミニマムアクセス米ならぬミニマムアクセスカーみたいな要求を飲まざるを得なくなるかもしれません。

     こうしたことを考えても、安倍首相には早々に消費増税の凍結もしくは消費減税5%のメッセージを出していただきたいものと思うのです。

     

     

    〜関連記事〜

    安倍首相の経済アドバイザー 本田悦朗氏(駐スイス大使)「増税凍結が望ましい!」

    ”合わせ技”リーマンショック

    消費増税対策2兆円とは、20m級の津波に対して2mの堤防しかないことを意味する!

    ついに消費減税5%という言説が登場!

    乗数効果について

    増税して政府の財政を健全化させることは憲法13条違反です!

    財政法第4条について(公共事業の費用は国債発行して何ら問題なし!)

    「日銀の円建て国債購入が財政法第5条による財政ファイナンスに該当する」との指摘に対する反論

    政府の黒字は国民の赤字、政府の赤字は国民の黒字です!

    デフレ脱却のためには財政赤字の拡大が必要です!


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