本質的に全く同じ現象の”英国のブレグジット問題”と”トランプ大統領のロシア疑惑”
JUGEMテーマ:英国に関するニュース
JUGEMテーマ:グローバル化
前回、前々回とトランプ大統領のロシア疑惑を中心に論説しましたが、今日は英国のブレグジット問題を取り上げ、「本質的に全く同じ現象の”英国のブレグジット問題”と”トランプ大統領のロシア疑惑”」と題して論説します。
2016年11月に米国の大統領選挙で、ドナルド・トランプが勝利することが確実となり、米国でトランプ大統領の大旋風が吹き荒れる中、欧州では英国のブレグジット問題が大騒動になっていたわけですが、トランプ大統領のロシア疑惑、英国のブレグジット問題は、全く同じ現象であるといえます。
英国のブレグジットが問題となったのは、英国の国民投票で投票者の51.9%がEUからの離脱を求めたとする結果が出た2016年6月で、ドナルド・トランプが大統領選挙で勝利が確実とされたのは、2016年11月です。
グローバル礼賛のマスコミにとっては、いずれも予想外の出来事で、どちらも共通するのは反グローバリズムという現象です。
2016年という年は、ブレグジットとトランプ現象という反グローバリズムが起きた年という意味で、象徴的な年でした。
しかしその後になってグローバリズム陣営の逆襲が始まりました。それが英国でブレグジットさせないという罠で、2年間続きました。
未だにEUと英国の合意ができず、延期に次ぐ延期となっていますが、メイ首相がEU側と合意した合意案に、英国議会が認めればEUからスムーズに離脱できるというのが、その合意案です。
ところがその合意案は罠です。なぜならば形だけEUから離脱する一方、英国はEUに実質的にずっと居残ることになるからです。EUにすれば、英国に抜けられて何が一番困るか?それは英国に負担金を払ってもらえなくなることです。
<2014年度のEU予算への国別純拠出額>
(出典:みずほ総合研究所)
EU予算への国別純拠出額において、英国は2014年度の数値で、ドイツ、フランスに次いで3位に位置しています。そのため、EU側とすれば、ブレグジットを骨抜きにして英国に分担金を払い続けてもらう形にしたいのです。
英国にとっては、メイ首相の合意案では実質的にEU離脱になっておらず、ちゃんとEUから離脱するため、合意無き離脱の方向に向かっているのですが、合意無き離脱になったら大変だと騒いでいるのは英国のマスコミです。
英国のマスコミは、ある日突然、国境がなかったところに国境ができて、ヒトモノカネの移動の自由がなくなり、英国経済が大混乱になって、英国のGDPは10%以上下がるなどの言説を振りまいてきました。
「合意なき離脱は危険!」という言説は、グローバリストらが放つ罠です。
逆にグローバリストの放った罠である「合意がある離脱」の場合、負担金を払うという点で中途半端な離脱になってしまうわけで、その罠にハマらず、さっさとEUから離脱するのが、英国が主権を取り戻すという観点からもベストシナリオであると私は思います。
そしてこの英国のブレグジット問題と同じで、トランプ大統領の当選を未だ納得しないグローバリスト側が仕掛けた罠がロシア疑惑でした。
ロシア疑惑という何もないところに疑惑を作り、とにかくトランプ大統領の評判を落とし、あわよくば、ロシア疑惑によって米国議会で大統領弾劾にもっていく、これがグローバリスト側の真の狙いであるに違いありません。ロシア疑惑は、そのための罠にすぎなかったのです。
しかしながら懸命なことに、トランプ大統領は、グローバリスト側が仕掛けた罠にかからず、ネズミ一匹すら出ないで終了しました。そしてブレグジットもメイ首相がEUと合意したとされる怪しい合意案は葬られようとしています。
結局、英国のブレグジット問題も、米国のロシア疑惑も、マスコミどもがグローバリズム陣営の一員であり、反グローバリズムの台頭を言論・報道でつぶそうとしているといえるでしょう。
日本でも報道の自由、言論の自由、表現の自由が憲法21条で定められているため、日本を貶める言論をしようとも、嘘八百を並べた本を書いてそれで印税を稼ごうとも、処罰されることはありません。私こと杉っ子もまた、このブログを通じて言論活動をしているのは、憲法21条の言論の自由に守られているからこそ、できることともいえます。
とはいえ、マスコミどもは、特にテレビでいえば、限られた公共電波を使って放映しているわけで、その効果は新聞や本などと比べると比較にならないくらい影響が強いです。そしてマスコミのスポンサーといえば、これまたグローバリズム陣営の一角である大企業がスポンサーになっており、こうした構造は世界共通であるといえるでしょう。
だからといって、憲法で守られているからといって、事実が歪曲され、正しい真実を国民が知らされず、国益を失い続けてしまうことになるとしたら、それこそ将来世代にツケを残すといえます。
というわけで今日は「本質的に全く同じ現象の”英国のブレグジット問題”と”トランプ大統領のロシア疑惑”」と題して論説しました。
世界の覇権国経験国の英国と、現在の覇権国の米国が、ともに反グローバリズムに動こうとしてから2年以上が経過しようとしています。
その間も、フランスではマクロン大統領が勝ったとはいえ、マリーヌ・ルペンの台頭や、ドイツでもグローバリストのメルケル首相が人気を落とし、AfD(=ドイツのための選択肢)が台頭しました。また直近ではスペインの総選挙において、VOXという反グローバリズムを掲げた政党が議席を伸ばして躍進したというニュースがありました。
日本はどうでしょうか?どう考えても周回遅れのグローバリズム推進で、国力の弱体化が続き、今もなお弱体化しているというのが現状でしょう。
グローバリズムの行く先は、経済理論的にも国民の幸せにつながらないということに、多くの人々に理解していただき、政策立案や施行される立場の方には、いち早く政策転換していただきたいですし、これからより一層、世界は反グローバリストの方向に進むであろうと、私は思うのです。
〜関連記事〜
◆ブレグジットでホンダが出て行くことは、ユーロに加盟していない英国には関係のない話です!
◆EU離脱案が2度も否決された理由の一つである北アイルランドとアイルランドの国境のバックストップ問題
- 2019.05.10 Friday
- 世界経済(欧州)
- 01:33
- comments(0)
- -
- by 杉っ子