絶好調の米国経済も、マイルドなデフレに突入か?

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    JUGEMテーマ:デフレ・インフレ

     

     米国で5/2にスティーブン・ムーア氏がFRB理事を辞任するというニュースがありました。今日は、そのニュースを取り上げ、「絶好調の米国経済も、マイルドなデフレに突入か?」と題して論説します。

     

     下記はブルームバーグの記事です。

    『2019/05/03 03:53 ムーア氏、FRB理事候補を辞退−トランプ大統領

     トランプ大統領は2日、スティーブン・ムーア氏が連邦準備制度理事会(FRB)理事候補の辞退を決めたとツイートした。

     ムーア氏は現在空席が2つあるFRB理事のポストで候補に挙がっていた。上院の指名承認を受ける必要があったが、上院共和党議員の一部はムーア氏が女性蔑視の見解を過去に示したことを懸念し、支持しない意向を明白にしていた。

     トランプ大統領のツイート後、ムーア氏はFRB理事候補を辞退するのは「私自身に対する容赦ない攻撃が自分や家族に耐えられなくなり、これがあと3カ月続くのはつら過ぎる」ためだとする声明を発表。その上で、今後もトランプ氏の政策を「声高に」支持する姿勢を示した。

     ムーア氏はFRB理事候補辞退の数時間前、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、理事指名の獲得に向けて「私は一歩も引かない」と言明。ホワイトハウス側からは依然として指名されるとの示唆を受け取っていると話し、「私にとって最大の支持者は大統領だ。大統領はフルスピードで前進している」などと語っていた。  

     トランプ大統領が推すFRB理事候補を巡っては、約2週間前に元ピザチェーン経営者のハーマン・ケイン氏の指名断念が明らかになったばかり。ホワイトハウスは新たな候補を発表していないが、保守派エコノミストのジュディ・シェルトン氏や財務省でカウンセラー(顧問)を務めるクレイグ・フィリップス氏の名が挙がる可能性はある。両者ともFRB理事職に関心があると、事情に詳しい関係者は語っている。』
     
     上記ブルームバーグの記事の通り、トランプ大統領がFRBの新しい理事に指名していたスティーブン・ムーア氏が、理事の候補から辞退することを発表したというニュースです。
     FRB(The Federal Reserve Board)というのは日本における日銀と同じで、米国の中央銀行制度の最高意思決定機関で、日本語で「連邦準備理事会」とも呼ばれ、7名の理事から構成されます。
     そのFRBは2名ほど空席があり、トランプ大統領は2019/03/22にFRBの理事の候補として、スティーブン・ムーア氏を指名していました。ところが、スティーブン・ムーア氏が指名された後、スティーブン・ムーア氏が、米国のマスコミ・エコノミストらによって大変なバッシングを受けたのです。
     どのようなバッシングか?米国のマスコミ・エコノミストらは、スティーブン・ムーア氏はFRB理事には不適格と批判し、本来独立性を保つべき中央銀行の理事に、自分の友達を送り込んで支配しようとしているとして、トランプ大統領に対しても批判しました。
     スティーブン・ムーア氏は、もともとトランプ大統領の経済政策のブレーンの一人で、論説の特徴として、中央銀行が目指す物価の安定よりも、積極的な経済成長を目指そうとする論説が多い人です。
     例えば2018年の米国では、トランプ大統領の経済政策の成功によって、米国株式市場が史上最高値を付けている最中に、あろうことか?FRBは金利を引き上げました。
     なぜFRBが金利を引き上げたか?その理由は、インフレ懸念を除去するために手を打とうとして金利を引き上げたのです。スティーブン・ムーア氏は、このFRBの金利の引き上げは大きな間違いであると批判しました。
     スティーブン・ムーア氏がFRBの利上げを間違いであるとした大きな理由として株式市場ではなく商品市場について触れています。
     
    <商品相場指数GSCIインデックスの推移>
    (出典:Investing.com)
     上記チャートの通り、2018年の秋口の高値から年末にかけて商品市場が下落しているとのこと。グラフはGSCIインデックスなので、商品相場全体の価格になりますが、スティーブン・ムーア氏によれば、鉱物の銀・銅、農産物の大豆・チーズ、石油など、こうしたものが長期で下落を続けており、商品市場全体のインデックスでもピークから13%下落していると指摘。このような商品市場の長期的な下落からみて、米国経済は株式市場は堅調かもしれないがマイルドなデフレに入っているのでは?との認識を示していました。
     このスティーブン・ムーア氏の認識は非常に重要で、世界大恐慌の教訓としてインフレよりもデフレの方がはるかに怖いという教訓を認識しているものと思われます。
     つい最近の政府の発表で米国のGDPは3.2%の伸びと、先進国では格段に素晴らしい成績ですが、そもそもGDP3%〜4%の伸びは、FRBが恐れているインフレではありません。マイルドなインフレで望ましい状況です。デフレの方がはるかに怖く、GDP3.2%だからといって、インフレ懸念を心配する必要はありません。
     むしろ商品相場の動きからデフレ基調を心配すべきであるというのがムーア氏の見方であり、FRBの利上げは間違っているとの主張で、私もその見方・考え方には同調します。
     というわけで今日は「絶好調の米国経済も、マイルドなデフレに突入か?」と題して論説しました。
     スティーブン・ムーア氏の指摘の通り、恐れるべきはデフレであってインフレではありません。もちろんハイパーインフレは恐れていいのですが、米国や欧州や日本のような工業先進国において、ハイパーインフレなど起きようがありません。ハイパーインフレとは13000%のインフレであり、「1.5の12乗」即ち毎月50%の物価上昇が12カ月続いた場合であり、これは今100円の缶コーヒーが1年後13000円になることを意味します。
     このような極端なインフレは退治すべきですが、GDPが3%だからといってすぐ利上げをするのは、せっかくの経済成長に水を差すだけであり、FRBの利上げは間違っているというのはまさにその通りです。
     私はかつて、三菱商事に口座を作って金地金の現物取引をしたことがあります。1グラム=1,300ほどで買って、2013年に1グラム=5,200円で4倍になったところで売却しました。そういう意味では商品相場も稀にウォッチしますが、さすがに長期的な下落がデフレ突入の前兆であるというスティーブン・ムーア氏の指摘は、なるほどと納得できるものであると思うのです。

     


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