地方の軟弱インフラの象徴の”暫定2車線高速道路”の危険性

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     昨日、ロンドンから無事帰国しました。ロンドンはGDP300兆円の先進国であることを、改めて認識できました。後日、旅行記の記事を書きますが、何しろ地下鉄網は日本の東京の地下鉄に勝るとも劣らず。ついでにいえば、パリ市内の地下鉄網も同様です。

     インフラ整備がいかに重要か?生産性向上にいかに貢献するものなのか?をまざまざと知ることとなりました。

     

     そんな中、連休中にインターネットで日本国内のニュース記事を見ていたのですが、高速道路での正面衝突事故の記事を見たので、そのニュースを取り上げたいと思います。

     

     下記はFNNニュースの記事です。

    『FNNニュース 2019/05/02 11:42 高速で正面衝突し炎上 男性焼死 子どもら7人も重軽傷

     ゴールデンウイークの高速道路で事故が起きている。

     2日朝、福島県の常磐自動車道で、反対車線にはみ出した車が、正面衝突して炎上した。

     1人が焼死し、子どもを含む7人が重軽傷を負った。

     事故があったのは、常磐道の広野インターチェンジ付近で、2日午前5時前、下り線を走っていた乗用車が中央分離帯を乗り越えて、上り線の乗用車と正面衝突した。

     この事故で、対向車線にはみ出した乗用車が炎上し、運転していた神奈川県の山本大智さん(20)が全身にやけどをして、まもなく死亡、2台の乗用車に乗っていた子どもを含む男女7人も重軽傷を負った。

     現場は、片側1車線の直線道路で、常磐道の上下線は、広野インターチェンジ - いわき四倉インターチェンジの間が、およそ4時間半にわたって通行止めとなった。(福島テレビ)』

     

     

     上記記事の通り、常磐自動車道の広野インターチェンジ付近で、下り線を走行中の乗用車が中央分離帯を乗り越えて上り線の乗用車と正面衝突したというニュースです。この事故の影響で、広野インターチェンジといわき四倉インターチェンジの間が4時間半にわたって通行止めになったと報じられています。

     

     東京で都内に住んでいますと、首都高速道路ですら片側2車線の4車線であり、東京都内のインフラの充実度は、地下鉄網に限らず道路整備も地方と比べれば進んでいるといえるでしょう。

     

     何しろ、今回事故が起きた常磐自動車道は、片側1車線で対面通行の真ん中ポール立てという高速道路です。都内にしか住んだことがない人にしてみれば、「そんな高速道路あるの?」とか、「地方は人が少ないから、やむを得ないのでは?」などの意見を持たれる方もおられるでしょう。

     

     私は2008年7月〜2013年3月まで、福島県のいわき市に住んでいまして、3.11のときも福島県いわき市にいて、思いっきり罹災しました。その3.11の東日本大震災と福島原発事故の発生以前に、常磐自動車道をいわき中央インターチェンジから北上して、相馬まで行ったことがあります。常磐自動車道でいえば、東京から水戸インターチェンジまでは「片道3車線」、いわき中央インターチェンジまでは「片道2車線」で、いわき中央インターチェンジ以北は「片側1車線・対面通行・真ん中ポール立て」という状況です。一応2020年に、いわき中央インターチェンジと広野インターチェンジの区間が「片道2車線・4車線」になる予定となっているようですが、現時点では「片側1車線・対面通行・真ん中ポール立て」でした。

     

     これが東京都内ですと道路事情は全く異なり、「片側2車線・4車線」の首都高が張り巡らされています。

     

     例えば品川から郊外に出ようとした場合、山手トンネルが開通して五反田にインターチェンジができたことで、品川から渋谷や新宿方面に向かう場合、山手通りを通らずして、五反田から首都高に乗り、渋谷も新宿も数分で到着します。

     

     さらには東名高速道路も中央自動車道もすぐに入れます。そもそも品川からであれば、渋谷・新宿方面へ向かう五反田インターチェンジのほかに、高速道路のインターチェンジが4つあります。具体的にいえば、銀座方面へ向かう芝浦インターチェンジ、浦安・ディズニーランドへ向かう大井インターチェンジ、羽田空港へ向かう大井南インターチェンジ、横浜方面へ向かう勝島インターチェンジの4つです。

     

     鉄道でいえば、常磐線はいわき駅から先の四倉駅までは複線ですが、福島県の四倉駅から宮城県の岩沼駅までは単線です。

     

     一方品川駅は、山手線、京浜東北線、東海道線、横須賀線、京浜急行線、東海道新幹線が走っており、2027年にはリニア中央新幹線が開通予定です。

     

     このように都内の異様なまでの交通インフラの充実ぶりに比べれば、地方は見捨てられたのと同然ともいえます。

     

     杉っ子が生まれた年の1973年に新幹線整備計画が決定されましたが、山形〜秋田の奥羽新幹線、新青森〜新潟〜富山の羽越新幹線のほか、山陰新幹線、四国新幹線、東九州新幹線など、未整備の新幹線の基本計画が存在しているにもかかわらず、50年以上を経ても、整備計画化すらされていません。

     

     新幹線は、基本計画→整備計画→事業家のプロセスで整備されるのですが、新幹線への予算は2019年度で3,963億円となっています。これは2018年比で13.9%増の480億円増であるものの、中国が米中貿易戦争で外需に頼れないということで、内需拡大で1兆円増額したのと比べれば、雲泥の差といえるでしょう。何しろ中国は高速鉄道の予算は毎年6兆円も使っており、米中貿易戦争で1兆円をさらに積み増して7兆円にしたというわけですから、3,963億円という数字そのものも、7兆円の半分にすら遠く届かない状況です。

     

     道路でいえば、未だに地方では途切れている個所、即ちミッシングリンクが多数存在しています。さらに高速道路でいえば、今回の事故があった常磐自動車道のような「片側1車線・対面通行・真ん中ポール立て」の暫定2車線の高速道路が、首都高研究家の清水草一氏によると、日本の高速道路の約4分の一が暫定2車線であり、アメリカ2.3%、ドイツ1.1%、フランス0.2%。韓国4.5%と比較して異常であり、危険であると警鐘しています。

     

     2車線対面通行の高速道路は、世界の常識からみれば非常識であるといえるでしょう。しかも対面通行で真ん中にポールが立っているだけであるため、一度事故が発生すれば重大事故になる傾向が強いのです。さらにいえば、災害発生後の復旧工事時には通行止めにするか、片側交互通行にせざるを得ません。

     

     私はインフラ視察で世界の各国を往訪していますが、東南アジアの発展途上国であっても、暫定2車線の高速道路というのは見たことがありません。

     

     ところが緊縮財政に染まって、政府がお金を極力使わないべきであるとする間違った言説が蔓延する日本では、暫定2車線であったとしても地元住民は便利になったと喜びます。本来ならば地元住民は、すぐに「片側2車線・4車線」へバージョンアップするよう地元の国会議員らへの働きかけを行うべきです。

     

     自民党の国会議員にしても、野党の国会議員にしても、「地元の皆さんの声を届けます!」とお題目だけで、「地元への利益誘導をやる!」と発言しているのを聞いたことがありませんでした。何しろ”利益誘導”という言葉自体がネガティブっぽく聞こえるから。”クリーンな政治”だとか、”無駄削減の行政”だとか、クソの役にも立たないどころか、そうした言説こそ日本をダメにして、地方をダメにしているということに気付かない国民が多いこともあって「片側1車線・対面通行・真ん中ポール立て」の暫定2車線の高速道路で満足してしまうのだと私は思います。

     

     実際に大型連休で、今回のような事故が発生しますと、特に焼死されてお亡くなりになった方には大変残念に思います。その一方で事故が発生した四倉〜広野間が「片側2車線・4車線」の高速道路だったら、このような悲惨な事故が発生しなかったのでは?という疑義も濃厚であり、緊縮財政による犠牲者なのでは?とも考えられるのです。

     

     

     というわけで今日は「地方の軟弱インフラの象徴の”暫定2車線高速道路”の危険性」と題して大型連休中に発生した常磐自動車道での事故について論説しました。

     平成時代は緊縮財政によって多くの人々が殺された時代だったと私は思っています。高速道路は安全であるというだけでなく、非常時であっても、スピーディーなロジスティクスの機能を有させるということを考えるならば、「片側1車線・対面通行・真ん中ポール立て」の暫定2車線のままでいいはずがありません。

     地方で工場を誘致しようにも、こうした軟弱なインフラの状況では物流に時間がかかってしまい、インフラ整備が進む地域と比べて生産性が劣ってしまうのです。

     それだけではなく今回のような悲惨な事故の危険性を少しでも減らせるように、緊縮財政を改めて、積極財政へと転じていただき、地方のインフラ整備に予算をしっかりつけて真の地方創生を推進していただきたいものと私は思うのです。

     

     

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