逆イールドカーブの報道について

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     今日は「逆イールドカーブの報道について」と題して論説します。

     

     昨日の記事でも書きましたが、米国経済は絶好調です。ところが、マスコミはトランプ大統領の成果を認めたがらないようです。なぜならば、トランプ大統領は反グローバリズムだから。反グローバリズム的な政策が正しいにもかかわらず、それを受け入れることができないというのは、長年自らがよりどころにしてきた常識と、トランプ大統領の経済政策では真逆であるからということなのでしょう。ある意味で哀れな集団ともいえます。

     

     なぜならば、トランプ大統領の経済政策がうまくいっていることを受け入れられないため、逆イールドカーブになったことを取り上げて、米国経済も景気後退に入るという趣旨の報道が相次いだことがその証左です。

     

     実際に3/22に米国の債券市場において、米国の長期金利が下がり、短期金利よりも下がって逆イールドカーブになったことが米国のみならず日本でも大きく取り上げられました。

     

     この逆イールドカーブになったとはどういうことか?といえば、米国国債の3カ月物の短期国債金利と10年物の長期国債金利が逆転したというものです。普通は長期金利が高く、短期金利が低いのですが、それが逆転したということで、逆イールドカーブになったとし、景気後退のサインと報道されました。

     

     マスコミの報じ方は、「ついに米国経済が失速する!世界経済全体が悪くなる!大変だ!」という報道だったのですが、今はすでに順イールドカーブに戻っています。その証拠に4/5発表の労働統計では、米国経済は絶好調といってよいほど大変すばらしい状況で、これは決して誇張ではありません。

     

     改めてですが、イールドカーブについてご理解いただきたく、カンボジアのプノンペンコマーシャル銀行の金利表と、イールドカーブのイメージ図をご紹介します。

     

    <プノンペンコマーシャル銀行の金利表>

    (出典:プノンペンコマーシャル銀行のホームページから引用)

     

     上記はプノンペンコマーシャル銀行というカンボジアの銀行のホームページから引用したものです。杉っ子こと、私はプノンペンコマーシャル銀行に定期預金を預けていまして、米ドルで1000ドル(日本円で10万円ほど)を5年間の期間で預けています。

     上表の通り、5年間(60months)の金利は、年率6.50%であるのに対し、期間を短くすればするほど金利は下がっていって、一番期間が短い3か月物の定期預金の金利は、年率2.70%となっています。

     

     このように 普通は長期金利と短期金利で比べた場合、長期金利の方が高くなります。今の日本の定期預金は、1年も5年の0.01%で変わりませんが、海外の銀行の定期預金では、普通に長期金利の方が高いです。

     

     以前もご紹介しましたが、下図はイールドカーブのイメージ図です。

     

    <逆イールドカーブと順イールドカーブ>

    (出典:ピクテ投信投資顧問のホームページより引用)

     

     

     日本経済新聞では、逆イールドカーブになったことでトランプ大統領の再選が危うくなったと報じています。下記は2019/03/26に報じた日本経済新聞の記事です。

     

    『2019/03/26 09:50 逆イールド、トランプ氏再選に暗雲

     ドル金利下落に歯止めがかからない。市場の関心は、長短どちらの金利の下げペースが速いか、という点だ。

     米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が強まれば、相関が高い短期債の利回りが低下する。中国や欧州の経済指標が悪化すれば、安全性を求めるマネーが米長期債に流入してドル長期金利を押し下げる。

     25日のニューヨーク市場では、10年債利回りが一時2.4%の大台を割り込む局面もあった。株価も敏感に反応して、ダウ工業株30種平均も一時は100ドルを超す下げとなった。

     通常、金利が下がれば株価は上がるはず。しかし、逆イールドの呪縛に取りつかれた市場では、長期金利が急落すると長短金利逆転の深化が懸念され、株価が下がる。

     一方、短期債利回りが下落する局面もあった。シカゴ連銀のエバンズ総裁が1998年アジア経済危機時のFRB利下げを引き合いに出し、当時のグリーンスパンFRB議長の迅速な決断を評価する発言が伝わったときだ。引き締めから緩和への転換の状況が今回と似ているとしている。

     短期金利が下がれば、順イールドへの回帰が連想され、株式市場は安堵する。かくして、市場の一喜一憂が繰り返されそうだ。この逆イールドの長期化は必至である。

     FRBへの介入姿勢を露骨に強めるトランプ大統領にとっても悩ましい展開だ。過去の事例を見ても、逆イールド発生からタイムラグをおいて景気後退に突入しているので、大統領選のある2020年の米国経済が危うい。そこで、トランプ氏はFRBに「利下げ」圧力をかけることが予想される。

     しかし、現在の政策金利水準は2.25〜2.5%。利下げの余地は2.5%しかない。過去の景気後退期に実施された利下げは5%程度が必要だった。

     FRBの保有資産圧縮プログラム停止という緩和措置も9月にはカードを切ってしまう。そこで、FRBがマイナス金利を導入する可能性もウォール街では議論される。

     今や、世界のマイナス金利国債総額が10兆ドルに達するとの報道もあるが、FRBは伝統的に拒否反応が強かった。金融機関の収益悪化という副作用が強すぎるとの配慮であろう。イエレン前議長が議会証言で「米連邦公開市場委員会(FOMC)でも2010年ごろに(マイナス金利を)検討したが、金融市場への影響を懸念し採用しなかった」と語ったこともある。

     しかし、トランプ大統領の発想は、これまでの金融市場の常識を超える異次元にある。欧州中央銀行(ECB)と日銀がマイナス金利政策を維持しているのに、なぜFRBはこだわるのか、との疑問が発せられるかもしれない。

     今後、FOMC議事録でマイナス金利についての議論が出てくれば、株式市場にとっては買い材料とされよう。外国為替市場ではドル安要因となるので、日本にとっては円高リスクとなる。

     中央銀行の緩和比べが進行する中で、日銀の追加緩和も、欧米市場の注目点となってきた。円が通貨投機筋の標的となりやすい地合いである。

     なお、これまで中国の米国債売却傾向が市場では意識されてきたが、今後は中国が米国債購入を増やし、ドル長期金利を押し下げ、逆イールド現象を助長するシナリオも考えられよう。中国にとって米国債は米中貿易戦争の「武器」となる。

     

     

     この記事を見て皆さんはどう思うでしょうか?1カ月もたたず金利は順イールドに戻っており、逆イールドカーブをあれだけ大げさに報じておいて・・・と私は思います。

     

     特に記事の最後にある中国の米国債売却が米中貿易戦争の「武器」になるという言説は、米国に「IEEPA」と「USA Freedom Act」という法律の存在を知らないからこそ出てくる言説です。というより日本経済新聞社といえども、所詮その程度の理解としか言いようがないくらい、マスコミのレベルは低すぎます。(参照記事:米国債残高1位の中国は米国債売却で反撃するという言説について

     

     結局マスコミは米国が景気後退に入って世界経済全体が悪くなるということと、トランプ大統領がFRBの金融政策に介入することは、中央銀行の独立に反するからダメ!ということを言いたかったのでしょう。そしてその背景として反グローバリズムが受け入れられないという哀れな思考回路がこびりつき、こうした報道になったのだと私は思います。

     

     

     というわけで今日は「逆イールドカーブの報道について」と題して論説しました。

     一瞬だけ逆イールドカーブなったことにマスコミが乗っかって、米国経済が悪くなる→世界経済全体が悪くなるというシナリオを流し始めて、反グローバリズムが原因だとでも言いたかったのがマスコミです。

     確かに米国の短期金利は上昇していましたが、その逆イールドカーブを作った原因は、バリバリの女性グローバリストの前FRB議長ジャネット・イエレンです。トランプ大統領が当選してから株価が上昇し、経済が良くなってきた過程で、インフレにならないようにということで、短期金利を上昇させました。

     ジャネット・イエレンのこの発想は、1933年に就任したルーズベルト政権の時と同じです。ルーズベルト政権もまた不況から脱すべくニューディール政策で財政出動したのですが、景気が良くなったからといって3年後に景気引き締め策を行い、1936年以降、ルーズベルト不況が始まりました。

     まさに安倍政権も同じです。2013年こそ国土強靭化で財政出動をやったことで、名目GDPで△1.9%増となり、税収も△6.9%増となりました。ところが2014年4月の消費増税に始まった緊縮財政により、景気は失速してデフレが続いています。

     低失業率はアベノミクスの成果でも何でもなく、生産年齢人口減少という日本の人口構造による環境が原因であって安倍政権の経済政策の成果でも何でもありません。

     経済記事について、マスコミの報道がこの程度であるということも、改めて私たち国民は認識する必要があるものと私は思います。

     

     

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