日本に市場開放を求めるトランプ大統領

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     今日は「日本に市場開放を求めるトランプ大統領」と題して論説します。

     

     下記は時事通信のニュースです。

    『時事通信 2019/04/19 17:19 日米首脳、26日に会談=安倍首相、大阪G20へ地ならし

     安倍晋三首相の米欧6カ国歴訪の日程が固まった。
     トランプ米大統領と26日(日本時間27日)にワシントンで会談する。今年の先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)で議長を務めるフランスのマクロン大統領とは23日に会談する。6月に大阪市で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に向け、地ならしを進める。
     首相は22日に出発。フランス、イタリア、スロバキア、ベルギー、米国、カナダの順に訪れ、29日に帰国する。
     日米首脳が直接会うのは昨年9月以来。今年2月の米朝首脳会談を踏まえ、首相は北朝鮮の非核化に向けた方針を改めて擦り合わせ、トランプ氏が拉致問題を取り上げたことに謝意を伝える考え。今週交渉が始まった新しい貿易協定も議題になるとみられる。両首脳は通訳だけを交えた1対1の会談も行う。』

     

     

     安倍首相が今月4/26にトランプ大統領とワシントンで会談することになりました。この日程の他、5/26〜5/28に国賓として来日し、さらに6/28〜6/29に大阪で開催されるG20で来日する予定であり、3カ月連続の首脳会談となることが確定していて、異例ともいえます。

     

     またトランプ大統領は3/19に公表した大統領経済報告で、日本との新たな貿易に関してFTA(二国間貿易協定)の締結を念頭に日本に市場開放を求める姿勢を示しています。日本側は貿易交渉をTAG(物品貿易協定)と名付け、農産品などの品目に限定して協議する方針を示していますが、米国政府はサービス分野を含めたFTA交渉とする方針を改めて表明しています。

     

     大統領経済報告では、日本が豚肉や牛肉の輸入品に課す関税について、オーストラリアなどの競合国に対する税率が、対米国よりもかなり低いと指摘しています。日本が農産品に限定して協議する方針を示しているのに対して、米国側はサービス分野を含めたFTA交渉を求めています。

     

     トランプ大統領との交渉は、通商交渉を始めると言った瞬間にFTAになるのは明確であり、そもそも通商交渉を始めてはいけません。日本はTPP以上に譲歩しないという立場で、TPPが前提の交渉となっています。そのため、米国がTPPを離脱したのは良かった部分もあるわけで、それとは別にFTAの交渉が始まれば、地獄のような交渉になることは明々白々です。

     

     トランプ大統領の主張は「TPPでは米国にとって不利益が多い。だからTPP加盟はやめて脱退する。だからTPP以上に米国に有利な貿易条件を日本と交渉する!」ということでFTA交渉を始めるというのが趣旨です。

     

     日本の立場は、普通に「TPP以上の交渉はしないのでTPPに加盟してください!」といえばいいだけの話であって、二国間FTAをやるくらいならば、TPPの方がまだましです。

     

     今回の4/26の安倍総理の訪米は日本側から求めたもので、上述の時事通信の記事にある通り、5月のトランプ大統領の訪日を待たずに北朝鮮の核ミサイル問題や日本人拉致問題などで、米国との連携を早期に確認する必要があるため判断したとしています。

     

     北朝鮮外交に関しては、米国の北朝鮮に対する態度で交渉が決裂したというのは、安倍総理の外交が影響を及ぼした可能性は高いといえるかもしれません。「北朝鮮に対して甘く付き合ってはいけない!」というメッセージを発信し続けたことが、米朝交渉決裂という帰結に結び付いたと分析する外交専門家は多くおられます。もちろん実際はどうかわかりませんが、そうした見解について一定の同意を示したいと思います。

     

     また北朝鮮問題というのは、日本にとっては米朝が甘く合意されるくらいならば、決裂した方がましであって、そもそも甘く合意するのがましという時点でどうなのか?という意見はあるものの、決裂でぎりぎり小ましな方向に動いたといえます。

     

     だからといって、それとバーターで二国間FTAが進みつつあるわけで、安倍総理がトランプ大統領と会えば会うほど、二国間FTA交渉を進めざるを得なくなる、というよりも進んでしまうことになるでしょう。

     

     本来、日本の国益を考えれば、北朝鮮問題と通商問題とは別の話として切り分けて米国と付き合うべきです。にもかかわらず農産品に限定して・・・とか、農産品を差し出すとなれば、日本の農家はどう保護されるのか?安倍総理の政策からは、全く見えてきません。農作物の関税を引き下げて・・・というのは食料安全保障の弱体化につながるものであり、日本の国益につながる解決策ではないのです。

     

     むしろ、米国の製品の輸入を増やすためには、日本国民の実質賃金が上昇するなど、あるいはインフレで国内需要が旺盛であることなど、内需拡大を盛り上げることで輸入を増やし、米国にとっての対日貿易赤字減少となるような政策こそ、トランプ大統領への最大のプレゼントになると思うのです。

     

     

     というわけで今日は「日本に市場開放を求めるトランプ大統領」と題して論説しました。

     トランプ大統領は米国民ファーストで、当然貿易赤字を削減するために、対日通商交渉で北朝鮮問題を絡めてFTA締結を交渉するというのは、普通に想定できた話でもあります。

     日本はこのタイミングで未だに消費増税キャンペーンをマスコミどもが報じており、消費に対する罰則である消費増税をすれば、米国の製品にも消費税が課税されるわけで、対日貿易赤字削減とは真逆に動きます。だからこそ、トランプ大統領は消費増税を快く思っていないでしょう。

     関税は自国の産業を守るための主権であって、安易に妥協してはいけません。関税をお互いに引き下げれば、輸出が増えるから、農産品の関税を引き下げるという考え方には明確に反対です。

     むしろ内需主導の政策をちゃんとやることこそ、貿易摩擦も解消につながるということを、改めて通商政策に携わる人たちに認識していただきたいと、私は思うのです。

     

     

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