スウェーデンは本当に理想国家なのか?

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    JUGEMテーマ:北欧経済

     

    2012224日 読売新聞「[税と安心 一体改革の行方](1)消費税25%、北欧は納得」という記事について意見します。

     

    この記事は、消費税5%を8%に引き上げをするか否か?を巡って当時議論された論説です。概要は以下の通り。

    『「消費税国会」が始まって1か月。「無駄の削減が先」「景気が悪い時に増税などとんでもない」という慎重論も根強い中、なぜ消費税率引き上げが必要なのか。その結果、どんな社会保障の将来像を描けるのか。海外事情も含め、"生活者の視点"から、社会保障・税一体改革の意味を考える。

     安い保育料/育休8割補償/大学無料

     ともにIT(情報技術)関連企業の会社員。平均月収は計7万クローナ(約84万円)を超え、所得税などで3割近い約2万クローナ(約24万円)が源泉徴収される。日本の消費税に当たる付加価値税の税率は原則25%。「確かに税金は高い。だけど納得できる」とマティアスさんは言う。

     それというのも、保育園の費用の大半は市の予算で賄われ、自己負担は2人分で月約1700クローナ(約2万円)。16歳になるまで国から児童手当が支給され、月額2250クローナ(約2万7000円)を受け取れる。授業料も、小学校から大学まで無料だ。

     息子がそれぞれ1歳になるまで、夫婦交代で育児休業をとった時は、給料の80%が国から支給された。インゲルさんは「この国では男女がともに働き、子育てするのが普通。とてもいい環境よ」と笑顔を見せる。

     高負担への納得感は、子育て世帯だけに限らない。

     ストックホルムの職業安定所で、効果的な履歴書の書き方の講習を無料で受けていた男性(27)は、職を失って1年以上たったが、月約1万クローナ(約12万円)の失業手当を受け取っている。男性は「お陰で生活費の心配をせずに職探しに専念できる」と話す。

     スウェーデンの社会保障の特徴は何か。ペール・ヌーデル前財務相の説明は明快だ。「高齢者や低所得者だけでなく、あらゆる世代に給付がある。普遍的な給付のために負担は高くなるが、納めた税金が確実に戻ってくるとの実感があるから国民は負担を受け入れるし、世代間の対立もない」(後略)』

     

    上記の記事について、本ブログの読者は何を感じるでしょうか?「スウェーデンは理想国家であり、日本も消費税増税によって老後の安心を・・・・」という思考プロセスの結果、消費税増税するのが良いと思われる方もいるのではないでしょうか?

     

     また「日本政府は小さな政府を目指すべき。無駄な公務員を削減し、公共工事を削減して支出を少なくするべき!その上でスウェーデンのような高負担高福祉までとも行かなくても、中負担中福祉国家を目指すべき!」というような論説も、新聞でよく見かけました。

     

     こうした論説について、反論させていただきます。 

     

     そもそも、スウェーデンやノルウェーなどの北欧諸国は、労働人口に対する公務員の割合が高く、30%程度に達しているのに比べ、日本は5%程度です。30%程度が公務員となれば北欧諸国では労働人口の約1/3弱が公務員となり、その分政府支出がGDPに占める割合は高くなります。

     

     

     上記はスウェーデンが他国と比べて何が違うのか?政府支出とGDPに占める割合をグラフにしたものです。

    スウェーデンは、社会保障費と社会保障以外の政府支出の合計は、対GDP比50%超ですが、日本は42.5%となっています。

     

     日本は「社会保障以外の政府支出」の対GDP比は、19.4%OECD諸国で下から数えて4番目に低いです。理由は、無駄な公共工事削減、公務員削減として、政府支出を削減してきたからです。米国は「社会保障支出の政府支出」の対GDP比は少ないですが、「社会保障以外の政府支出」の対GDP比は多くなっています。これは軍人(公務員)が多いからです。

     韓国の社会保障支出の対GDP比の少なさも注目です。日本と比べて韓国はGDP比率で半分以下でしか社会保障支出が行われていません。失業者のセーフティネットや病人やら、弱者に厳しく暮らしにくい社会であると言えるでしょう。

     

     話を戻しまして、読売新聞はスウェーデンが理想国家のように報道し、日本において消費税をUPさせるべきであると主張する論説を掲載しました。(他の新聞も消費税を引き上げなければ財政が破たんするという意見は同じでした。)しかしながら、スウェーデンの犯罪率は日本の7倍と言われています。特に昨今は凶悪犯罪が増えています。理由は中東からの移民受入が原因です。

     

     価値観の多様化などの考え方に基づき、スウェーデンは中東から移民を積極的に受け入れてきました。その結果、中東からの移民が30年度には「生粋のスウェーデン人」の人口を抜くと言われています。その中東移民もスウェーデン語を話せない人は、国内で職を得にくいのです。結果、移民の若者の失業率は50%に達し、第一世代や第二世代の移民は職に就けず、彼らが犯罪に手を染め、スウェーデンの犯罪率が高まっているのです。読売新聞に限らず、言論人や政治家の中にも「スウェーデンのような高福祉国家を目指せ!」と息巻く人がいるかと。とはいえ、「安い保育料/育児休暇8割補償/大学無料」といっても、所詮それは政府支出でお金を使っているに過ぎないのです。

     

     要は「政府支出を削減しろ!」「無駄な公務員を辞めさせろ!」という論説は、「スウェーデンが政府支出でお金を使って高福祉が実現している」という事実と矛盾するのです。

     日本はデフレですから、政府支出増によってその財源で公務員を増やして高福祉にすることはデフレ脱却に繋がります。消費増税はインフレ対策であり、デフレに苦しむ我が国において消費増税をする必要はありません。要は「消費税UPすべき!」という結論があるため、スウェーデンの高福祉高負担の話を持ち出したにすぎません。また、生産年齢人口の減少を移民で受け入れれば、スウェーデンのように犯罪が多くなるだけでなく、企業が生産性向上の設備投資をせず、安い人件費として自国民と賃金競争とならざるを得ず、所得が増えにくくなる結果、高度経済成長ができなくなってしまいます。

     結局のところ、スウェーデンは「国民負担が多く、国民への支出が大きい」という国に過ぎず、ある意味で社会主義的な国です。その国家モデルも移民増加や高齢化で崩壊しようとしています。そのスウェーデンは公務員が多いので政府の社会保障が手厚い。逆に社会保障を手厚くしようとすれば、公務員を増やさざるを得ません。「公務員を削減しろ!」といいながら、「スウェーデンを理想国家として目指すべき!」という論説が、矛盾していることに気付かない言論人は、バカかアホとしか言いようがありません。

     

     そんなわけで今日は、高福祉高負担のスウェーデンという国家の「高福祉高負担」とは、所詮公務員が多く、政府支出によって高福祉のサービスが供給されていることを指摘させていただき、一方で移民受入等の問題を多く抱えてしまっていることをご説明しました。私はスウェーデンが理想国家とは呼べないと思います。犯罪率一つとっても、移民受入で後戻りできない状態を見ても、普通に日本の方が住みやすい。「北欧諸国に倣って福祉を充実させるために消費税UP」という論説はデタラメであり、財政問題のない我が国は、「普通に政府支出増で医療費・介護費を充実させれば、デフレ脱却して雇用増・賃金UPになる」ということを改めて主張させていただきます。


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