デフレの本質を理解していない安倍総理

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     今日は「デフレの本質を理解していない安倍総理」と題して論説します。

     

     下記はロイター通信の記事です。

    『ロイター通信 2019/02/12 16:32 安倍政権以前の実質賃金が高かったのはデフレが理由=安倍首相

    [東京 12日 ロイター] - 安倍晋三首相は12日午後の衆院予算委員会で、安倍政権以前の方が実質賃金の水準が高かったとの指摘に対して、デフレという異常な状況だったためと説明し、「名目賃金を物価で割り戻したのが実質賃金。実質が高いのはデフレ自慢」と述べた。共産党の志位和夫委員への答弁。

    志位氏は安倍政権での実質賃金が前年比マイナスであることなどから消費が低迷しているとして消費増税の停止を求めた。首相は就業者の拡大によって総雇用者所得は拡大していると強調した。』

     

     

     上記の記事は、共産党の志位委員長が「安倍政権以前の方が実質賃金の水準が高かったとの指摘に対して安倍首相の答弁を報道したものです。その内容とは「名目賃金を物価で割り戻したのが実質賃金であり、実質賃金が高いのは、デフレを自慢していることに他ならない」というのが安倍首相の答弁です。

     

     さらに「就業者数の拡大によって総雇用者所得は拡大している」とも答弁しています。

     

     下表は毎月勤労統計で再集計されたもので、厚労省のホームページに記載の数値です。

    年度 実質賃金前年比(%)
    1991 1.1
    1992 0.4
    1993 -0.9
    1994 0.9
    1995 1.4
    1996 1.1
    1997 0.0
    1998 -1.9
    1999 -1.1
    2000 0.9
    2001 -0.6
    2002 -1.9
    2003 -0.5
    2004 -0.7
    2005 1.0
    2006 0.0
    2007 -1.1
    2008 -1.8
    2009 -2.6
    2010 1.3
    2011 0.1
    2012 -0.9
    2013 -0.7
    2014 -2.8
    2015 -0.8
    2016 0.8
    2017 -0.2
    2018 0.2

     

     この数値を2015年の▲0.8%という数値を100として指数化して折れ線グラフにすると下記のとおりです。

    (出典:厚労省のホームページの毎月勤労統計の資料の数値を引用)

     

     上記グラフを見れば一目でわかりますが、実質賃金は1996年〜1997年をピークに下落の一途を辿っているということ。さらには、2009年リーマンショックで落ち込み、リーマンショック発生以前の水準に回復することなく、2014年4月消費増税8%施行により、さらに落ち込みました。

     

     安倍首相の「名目賃金を物価で割り戻したのが実質賃金であり、実質賃金が高いのは、デフレを自慢していることに他ならない」というのは、「デフレが深刻化して物価が上昇すると実質賃金が上昇する」という誤認であり、大変問題であると言わざるを得ません。

     

     安倍首相は、物価が下落すれば実質賃金は上昇するものであり、安倍政権下では物価が上昇しているからこそ実質賃金が下がっているのだとでも言いたいのでしょうか?

     

     結論から申し上げますと、物価が下落しようが上昇しようが実質賃金の上昇とは関係がありません。生産数量=販売数量が減少すると、物価と関係なく実質賃金は下落します。安倍政権では物価上昇しているから実質賃金が下がっているという言説は、明確に間違いです。

     

     下表は2017年度、10円の製品が10個売れていたとして、2018年度どうなったか?をシミュレーションでケーススタディにした表です。

     

     

     

     この表の見方としては、企業の所得=名目賃金と考えていただいてOKです。実際には労働分配率の問題がありますが無視してください。 名目賃金から物価を調整したものが実質賃金となります。

     ケーススタディを一つ取り上げて解説しますと、ケーススタディ,蓮∧価が10%下落し、数量は変わらなかったケースですが、この場合は名目賃金10%の下落となります。実質賃金は物価と所得が同時に10%下落していますので変化なしです。

     

     この表を見てお分かりかと思いますが、実質賃金が上がったか下がったか?は、販売数量に起因することとなります。販売数量が増えたか?減ったか?が実質賃金に影響するということが一目でわかります。

     

     では安倍首相の答弁「名目賃金を物価で割り戻したのが実質賃金。実質が高いのはデフレ自慢」ですが、物価が下がっているにもかかわらず実質賃金が上昇するケーススタディが上表に存在します。

     

     それはケーススタディ┐任后ケーススタディ┐蓮∧価が10%下落しましたが、数量が20%増加したため、名目賃金は8%上昇しました。その結果、実質賃金は20%増加したというのがケーススタディ┐任后

     

     何が言いたいかといえば、「物価が上昇しているから実質賃金が下落している」というのが安倍首相の答弁だったわけで、それはケーススタディГ該当しますが、真実は「物価が下落しても実質賃金が上昇する」というケースがあり得ます。要は、物価の上昇・下落に関係なく、実質賃金が上昇するケースがあるのです。

     

     実質賃金が上昇するケースとは、生産性向上により一人当たりの販売数量(=生産数量)が増える以外にあり得ません。デフレインフレは貨幣現象ではなく、需要の過不足に起因するものであるため、需要が不足していれば物価と関係なく実質賃金は下落するのです。

     

     

     というわけで今日は「デフレの本質を理解していない安倍総理」と題して論説しました。


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