相次ぐ値上げラッシュをどう考えるべきか?

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     今日は「相次ぐ値上げラッシュをどう考えるべきか?」と題し、労働分配率と合わせて論説します。

     

     下記はAERAdotというサイトの記事です。

    『週刊朝日 2019/03/07 07:00 冷凍食品、ペットボトル飲料も…生活直撃! 春の値上げラッシュ到来

     今年は新年早々、小麦粉が値上がりした。干ばつなどの気候要因や輸送コストが上昇するなどで輸入小麦の価格が引き上げられたことが背景にある。このほかのものでも原材料の価格高騰や人手不足、輸送費の上昇などにより、この春は値上げラッシュとなる。

    都内に住む40代の女性会社員は相次ぐ値上げで生活のやりくりが難しくなるという。
     「おでんのパックを常備していて、何もないときにそれだけでおかずになり重宝しています。今後はスーパーの安売りを狙わないといけなくなり、大変困ります。冷凍うどんも便利なので、いつも冷凍庫に入れていますが、値上げ前にまとめ買いするにしても保存場所に限度があります」
     この女性は勤め先の会社で昇給をあまり期待できないと話し、物価上昇に対して節約するか、副業をする「ダブルワーク」しかないと考えている。身のまわりでもダブルワークの人は増えているといい、自分も数年ほど前から会社が休みの日などにアルバイトをしているという。
     散髪は誰にも必要だが、2月には「10分で千円」という宣伝で急成長してきたヘアカットのQBハウスが値上げした。低料金で庶民の味方だったが、通常料金1080円を1200円に引き上げた。1割程度の値上げは庶民の財布に痛手だ。
     このほか、人気商品となったことで原料調達が難しくなり、値上げするものもある。老化予防や血流改善などの健康効果が注目されてヒットしているさば水煮缶だ。マルハニチロによると、国産さばの国内需要や輸出が拡大して取引価格が大幅に上昇しており、缶詰用の原料調達が難しくなっているのだという。190グラムで220円だった缶が3月から240円となった。国内外で人気が高まりすぎたことがあだとなった。
     主婦にとって、おでんや煮物、サラダなどのおつまみとしても重宝するのが、ちくわやかまぼこなど魚肉を使った練り物だが、これらも値上げとなる。原材料や包装材料、人件費やエネルギーコスト、物流費の上昇が背景にある。日本水産や紀文食品は3月から、数%から十数%引き上げた。
     生めん、ゆでめん、冷凍めんも値上がり。シマダヤは3月から、小麦粉やエネルギーコスト上昇などを理由に価格を3〜10%引き上げた。(後略)』 

     

     

     上記の通り、食品から散髪など、値上げラッシュが相次いでいます。この記事についてどう考えるべきなのか?を、下記1〜3の順で論じます。

     

    1.値上げ自体は良いことです!

    2.政府は労働分配率の引き上げがしやすい環境を作るべき!

    3.公務員の賃金UPも一つの方法です!

     

     

     

    1.値上げ自体は良いことです!

     

     先ほども述べましたが、食品メーカー、飲料メーカー各社は、値上げを続々発表しています。

     

     森永乳業では4月出荷分から牛乳・ヨーグルトについて値上げを発表し、店頭価格を10円程度引き上げるとのこと。日清食品では即席の袋めん、カップ麺について、一食当たり6円〜15円値上げをします。日清直品は具材や包材などの原材料の資材価格が想定以上に高騰したことに加え、人件費・物流費の上昇など、事業環境が厳しさを増したことから値上げをしたと表明しています。

     

     以前、宅配業界のヤマト運輸が値上げに踏み切りましたが、デフレ解消にとっては理想的という考え方もあります。

     

     値上げラッシュという言葉そのものが、ネガティブに聞こえるような気もしますが、これはむしろいい兆しです。人件費が高騰したから値上げしたということは、値上げをすることで人件費の高騰に導くことを意味するので、国民が豊かになるためには値上げは必要だとも考えられるのです。

     

     もちろん値上げには悪い側面もあるでしょう。しかしながら最終的には労働者の賃金が上昇するということでいいことがあると理解するべきです。

     

     仮に値上げが問題というならば、日本国全体がまず賃金を上げましょうという議論にするべきであり、値上げ問題で困るということの気持ちのエネルギーを注力していただきたいと思います。

     

     では賃金が上がるためにはどうすべきか?値上げが苦痛にならない状況にしようとして値下げをした場合は、巡り巡って賃金は下がります。賃金が下がったら値段が下がったとしても結局値段が高いと思うようになるでしょう。

     

     お金持ちになれば多少値段が上がっても気にならない一方、値下げをすれば逆にめぐり巡って賃金が下がって国民が貧乏になってしまうのです。

     

     皆さんには、もう一つ考えていただきたいのですが、消費増税による値上げというのはどう思うでしょうか?

     

     仮にも値上げした分のお金が巡り巡って国民の賃金になるならば、それはそれで国民が豊かになるかもしれません。ところが実際は単に財務省が吸い上げたお金を、政府の負債の返済に使われてしまうのです。賃金の上昇であれば、全部でなくても消費に回るお金が生じ、GDP3面等価の原則で「消費=生産=生産した人の所得」となって新たな所得を生むのですが、政府の負債の返済は誰の所得もならない、即ちGDPにカウントされません。

     

     財務省は政府の負債を減らそうとしていますので、それを目的にした消費増税では国民は豊かにならず、それどころか貧困化を加速することになるのです。

     

     だから賃金が上昇するような値上げであれば私たちはむしろ良いことと理解すべきです。そして値上げされたら賃金が上がるようにしましょう!と考えるべきでもあります。

     

     

    2.政府は労働分配率の引き上げがしやすい環境を作るべき!

     

     そのためには労働分配率を引き上げなければなりません。労働分配率の引き上げとは、売上のうち労働者の賃金に回す部分の割合を、内部留保や配当よりも増やしましょうということです。

     

    <2007年〜2016年の労働分配額>

    (出典:財務省の法人企業統計「財政金融統計月報第787号」から数値を引用)

     

    <労働分配のうち「従業員給料」「配当金」「内部留保」について2007年を100とした指数推移比較>

    (出典:財務省の法人企業統計「財政金融統計月報第787号」から数値を引用)

     

     

     上記グラフの通り、過去10年ほど法人企業統計をみますと、経常利益の伸びに対して、従業員の給与・賞与はほとんど横ばいですが、配当金と内部留保は激増しており、配当金は2007年比で1.5倍、内部留保は2.5倍にまで膨れています。

     

     儲かった部分が配当金と内部留保に回っていることが歴然としています。これがアベノミクスの果実なのでしょうか?これでは労働者がアベノミクスで豊かさを実感したくても、実感できないでしょう。

     

     要するに企業が値上げして儲かった部分を、従業員へのベースアップ・ボーナス・残業代に分配しなければならないのですが、今の日本にはそういう状況がありません。

     

     配当と内部留保が激増する中で労働者の賃金は横ばいとなっているところ、労働者の賃金が1.5倍になっていれば日本国民は豊かになっていたはずです。

     

     ところが日本政府、安倍政権がやっていることは、残業規制、スチュワードシップコード、コーポレートガバナンスコードなど、すべて労働分配率を下げる改革です。

     

     本来どうすべきか?といえば、

    ●労働者への最低賃金を引き上げる

    ●株主への配当に回らないような仕組みを考える

    ●賃金UPした会社の法人税を下げる

    ●賃金UPした取り組みをやっていたら、その分補助金を上げる

    等が考えられます。

     

     このような賃金UPを促す政策をすればいいのですが、安倍政権がやっていることは、口頭で「賃金を上げて下さい!」と言っているだけにすぎません。それでも5年間、経団連も「わかりました!」と賃金UPをしてきましたが、今年は米中貿易戦争など世界的なスロートレードで景気の先行きが不透明なのは明々白々で、「今年はできません!」となってしまいました。

     

     政府は口頭で賃上げを促すだけではなく、賃金UPの仕組みを作り、補助金を出したり税制を変えるなどが本来取るべき方策です。

     

     

    3.公務員の賃金UPも一つの方法です!

     

     そのためには、公務員以外の人からみれば人気がない政策で反論もあるかもしれませんが、私は公務員の賃金UPという方策もあり得るものと考えております。

     

     財務省の緊縮削減により、カツカツで働いている公務員や、公共調達という準公務員がたくさんいます。具体的には介護や医療関係など、公共事業関係の賃金は政府が決めることが可能です。

     

     物流などのロジスティクスも同様、最低運賃を設定するなど、ある程度政府が決めることが可能です。

     

     上述のように政府が賃金UPに関与する場合、直接関与できる部分と間接的に関与できる部分があるのですが、公共事業業種で不当に賃金が安くなっているところ業種については、しっかりと賃金を上げていく必要があるのではないでしょうか?

     

     なぜならば、公務員の給料は政府最終消費支出であるため、支出=消費=分配となって公務員の分配(=賃金)が増えるますし、それ自体がGDP成長即ち経済成長することを意味するのです。

     

     

     

     というわけで今日は「相次ぐ値上げラッシュをどう考えるべきか?」と題して論説しました。

     物価が上がることについて、「物価を下げろ!」と声を上げるのは間違いであり、「もっと賃金UPがしやすくなるような環境を政府は作れ!」と、国民は政府に対して怒るべきです。それをやればデフレも脱却できるからです。

     実質賃金について統計不正問題の意味があったとするならば、実質賃金というものが政策議論の俎上に乗るようになったという点は意味があるかもしれないと、私は思います。

     

     

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