公的年金の破綻を信じ、公的年金保険料を払わない人は人生を失うレベルで損するという事実

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     今日は「公的年金の破綻を信じ、公的年金保険料を払わない人は人生を失うレベルで損するという事実」と題して、公的年金についてのニュースの問題点について述べたいと思います。

     

     下記は日本経済新聞の記事です。

    『日本経済新聞 2019/01/26 02:00 年金開始、75歳も選択肢に 毎月の受取額は2倍 厚労省が検討 

     厚生労働省は公的年金の受給開始年齢を75歳まで繰り下げられるようにする検討に入った。毎月の年金額は65歳開始に比べて2倍程度とする方向だ。いまは70歳開始が上限だが、一段と高齢になってから年金をもらう選択肢をつくる。働く高齢者を増やす呼び水にし、元気な高齢者に社会保障を支える側に回ってもらうのが狙いだ。

     公的年金をもらい始める年齢は現在60〜70歳の範囲で加入者が選ぶことができる。政府は2018年2月に閣議決定した「高齢社会対策大綱」で70歳超への繰り下げを認めることを検討する方針を打ち出しており、受給開始を何歳まで認めるかが焦点になっていた。

     19年は公的年金制度の持続性を確認する5年に1度の財政検証の年にあたる。厚労省は今夏までにまとめる検証結果を踏まえ、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)で受給開始年齢を75歳まで繰り下げる案を軸に議論する。20年中に関連法改正案の国会提出を目指す。

     公的年金は国民年金(基礎年金)と厚生年金の2階建てになっているが、両制度とも70歳までの繰り下げ受給を可能にしたのは30年以上前。この間、平均寿命は男女ともに6歳程度延び、元気に暮らすことができる「健康寿命」も長くなった。70歳を超えても元気に働く高齢者は増えている。

     「人生100年時代」をうたう政府は現在65歳まで希望者全員の雇用を企業に義務づけている高年齢者雇用安定法を改正し、70歳まで就業機会が確保される社会づくりを目指す方針だ。厚労省はこれに合わせて年金の受給開始時期の選択肢も広げ、70歳を超えても働き続ける高齢者を支援する方針。人口減と少子高齢化が進むなかで、支えられる側から支え手に回る高齢者を増やす狙いだ。

     現在は年金をもらい始める年齢を60〜70歳の間の何歳にしても、加入者が平均的な寿命まで生きた場合にもらう年金の総額が変わらないよう設計している。基準となる65歳よりも前倒しして受け取ると年金額は1カ月あたり0.5%ずつ減り、後ろ倒しなら同0.7%ずつ増える。60歳で受給開始なら基準額から3割減り、70歳まで遅らせれば42%増える仕組みだ。

     厚労省の試算では70歳で厚生年金を受け取り始めた場合、夫婦2人のモデル世帯で年金額は月33万円。60歳で退職して65歳から年金をもらうのに比べて11万円多くなる。

     今回の改革では受給開始を70歳超に繰り下げる場合は増額率を70歳までよりも引き上げ、年金額を上乗せするインセンティブをつける方向だ。例えば増額率を同0.8%にすると、75歳まで受給開始年齢を後ろ倒しした場合にもらえる年金額は基準額から1.9倍に増える。

     70歳以上で就業している人の割合は17年時点で15%だが、日本経済新聞社が今月まとめた郵送世論調査では、70歳を過ぎても働く意欲を持っている人は3割に上った。高齢世代の就労意欲は今後一段と高くなっていく可能性がある。』

     

     

     上記日経新聞の通り、年金支給開始を75歳まで引き延ばすことを厚労省が検討しているとのニュースです。

     

     70歳以上で就業している人の割合は2017年時点で15%だったのが、2019年1月に実施した日本経済新聞社の郵政世論調査では3割もの人が70歳を過ぎても働く意欲を持っているとしています。

     

     このニュースについて下記3つの順で論説します。

    1.高齢者が働ける国は立派な国、高齢者が働かざるを得ない国は腐った国

    2.公的年金問題をお金の問題として焦点を当てるマスコミ報道に問題

    3.公的年金制度の財政運営を疑って、公的年金保険料を払わない人は人生を失うレベルで損するという事実

     

     

     

    1.高齢者が働ける国は立派な国、高齢者が働かざるを得ない国は腐った国

     

     私は押し付けるつもりはありませんが、ある価値観があります。「女性が働ける国は立派な国、女性が働かざるを得ない国は腐った国」ということです。

     

     昨今は女性活躍だとか、国会議員でも女性比率を高めるとか、男女平等という名目で、私の価値観からすれば大変おかしな言説が当たり前のように蔓延っています。

     

     本来であれば女性は家庭を守り、子どもを育て、親と一緒に住めれば介護をする。広い一軒屋の住宅で、2世代、3世代で住めば、子どもは母親の愛情を受けて育ち、親は介護が必要になっても、夫が働いている間に妻や子供らで面倒を見ることができます。私が小さい頃はおばあちゃんが一緒に住んでいました。かつての日本はそうだったのです。

     

     ところがデフレが長く続き、1997年の構造改革基本法によって緊縮財政が始まり、地方への公共事業を削減するなどして、地方インフラ整備を怠ったために大都市への人口集中が加速しました。当然大都市は土地の値段が高く、一軒屋の住宅を持つことはなかなかできません。マンションを買ったとしても、2世代で住むのは難しい。そしてデフレであるがゆえに賃金の伸び悩みなどもあって、子どもを二人・三人と持つのも躊躇する。

     

     それは子供を育てるための学費やらかかるコストもありますが、物理的に二人・三人と子供を持ち、親世代まで面倒を見るとなれば、マンションではなかなか難しいでしょう。といって一軒屋の住宅が東京都内で簡単に買えるか?といえばそうでもない。

     

     そうしたことで母親が働かざるを得なくなっている環境になっていると私は思っています。

     

     この環境は決して素晴らしいこととは思いません。もちろん母親が働き、出世してお金を稼ぐということがあってもいいのですが、母親が働かざるを得ないというのは、旦那の稼ぎでは十分に生計が成り立たないということであり、旦那の稼ぎが十二分にあれば、母親は専業主婦でいることが普通にできるわけで、かつての日本はそうだったわけです。

     

     では旦那の稼ぎが十二分でなくなってしまったのはなぜか?といえば、これはもうデフレを放置し、GDPが500兆円で20年以上も経済成長していないからに他なりません。

     

     1997年の構造改革基本法制定以来、緊縮財政が始まって1998年には消費増税5%となりました。それ以降も公共事業を削減し続け、小さな政府を目指すといって、郵政民営化やら道路公団民営化やら、政府支出削減を推進してきました。インフレのときであれば、こうした政策もまだ理解ができるのですが、そうでないにもかかわらず公共事業削減を推進してきたのです。

     

     日本はずっとデフレのまま一人当たりGDPは伸び悩み続けてきたわけで、仮に1997年の構造改革基本法が制定されず、公共事業も適切に増加させて、医療介護の自己負担額も20%のままにしていれば、思いっきり経済成長ができていたことでしょう。

     

     何しろ1997年の構造改革基本法がなければ、今頃日本人の平均年収は1500万円程度にまでなっていたといわれています。年収が1500万円にまで到達する過程で、政府が負債を増やして公共投資をどんどん行い、その結果所得が大きく発生した多くの日本人が大きな家を買ったりするなどして、需要が増加し、その需要に対応するために企業が設備投資を行うことで一人当たりの生産性向上につながって、所得が増加していく・・・という循環で、経済成長と一人当たりの賃金UPが実現できていた可能性は極めて高いのです。

     

     しかしながらそうなっておらず、母親が正社員やパートで働かざるを得なくなった。これは大変残念なことだと思っています。

     

     同じように、高齢者が働ける国は立派な国だと思いますが、高齢者が働かざるを得ない国というのは腐った国だと思うのです。何しろ高齢になれば肉体的な衰えは出てくるわけで、それでも働けるのは素晴らしいですが、年金額が少なく生活が苦しくなるから働かざるを得ないというのでは、これはもう豊かさとは真逆の貧困化でしかないと思うからです。

     

     

     

    2.公的年金問題をお金の問題として焦点を当てるマスコミ報道に問題

     

     日本経済新聞の記事では、「年金制度の持続的な運営・・・」と報道していますが、なぜか経済成長を前提としていません。名目GDPで△3%とか、△4%とか、普通に経済成長していれば、こんな議論になりません。

     

     いわばデフレが前提になっている時点で、厚労省の議論は無責任であるとマスコミは報道すべきです。

     

     年金の財源は年金積立金と税金で賄われるのですが、厚労省は年金額が給料に占める割合を示す所得代替率を50%程度までに引き下げるべきである一方で、給付抑制が進まず2014年度では60%超となっており、年金制度の永続的な制度維持のめどが立っていないとしています。

     

     年金の真の問題はお金の問題ではありません。このまま生産年齢人口が減少したとして、年金受給者は国庫支出(税金)を増やすなどして必ず年金をもらうことが可能です。

     

     国庫支出を増やしたいときに、日本でハイパーインフレになっていなければ、国庫支出を増やすことは簡単です。

     

    <一人がたくさんの人を支えているイメージ図>

     

     よくある年金の報道で、こうしたイラスト、これに似たイラストをよく目にするかと思います。

     

     こうしたイラストは年金財政の破綻を煽るもので、「消費増税しなければ年金制度は維持することができない」というの類の言説で用いられるイラストでもあります。

     

     現役世代が減少して、高齢者が増えていくために、一人の収入では支えきれないという話なのですが、これ普通に国庫支出を増やせばいいだけの話です。正確には、国庫支出を増やすという税金の補てんだけでは片づけられない問題があります。

     

     それは年金受給者が買いたいモノ・サービスが供給されなくなるという超インフレギャップに陥ることです。

     

    <インフレギャップのイメージ>

     

     マイルドなインフレ発生状態とは、正常な状態といえるのですが、インフレギャップが開きすぎるだけではなく、デフレ放置で儲からない環境であるためにいろんな業種が自主廃業やら企業合併で日本の隅々までサービスが行き渡ることができないとなった場合、どれだけ税金で補てんして年金給付額を維持したとしても、買いたいモノ・サービスが供給されないということが生じます。

     

     インフラはボロボロになり、運送事業はデフレでほとんど廃業してしまったなど、生産性を高めることができずスピーディーに供給ができず、モノ・サービスが自宅に届かない、病院に行きたいが病院も潰れてしまっている、AIに投資できるお金もなくて無人病院、無人店舗ですら十分な利益が出せず運営ができないという状況になってしまえば、ハイパーインフレになってしまうのです。

     

     工業先進国ではハイパーインフレは起こり得ないのですが、デフレを放置して供給力を毀損し続けていけば、日本は工業先進国から発展途上国に成り下がり、日本国民がどれだけお金を持ったとしても、国民の必要とするモノ・サービスが供給されないという事態に陥るのです。

     

     年金の問題はお金の問題ではありません。お金であれば自国の通貨発行でいくらでも補てんできます。真の年金問題は、究極的にはモノ・サービスが供給されなくなるということであることを、私たち日本国民は認識するべきでしょう。

     

     

    3.公的年金制度の財政運営を疑って、公的年金保険料を払わない人は人生を失うレベルで損するという事実

     

     マスコミの年金破綻報道を耳にする皆さんが、「年金保険料は払っても無駄だ!」といって、年金保険料を支払わなかった場合、政府はその人に対して年金を支払う必要がなくなります。となれば、年金保険料を支払わなかった人だけが困る話で、これはもう人生を失うレベルで困るはずの事態を招きます。

     

     しきりにマスコミは、世代格差の拡大やら、国民年金の納付率を問題にして、国民の年金に対する信頼が損なわれているという報道を続けます。

     

     皆さんにぜひ知っていただきたいのですが、国民年金の納付率が下がったとしても、年金財政が破綻することはあり得ず、年金保険料を払い続けている人が損をすることはありません。年金保険料を払わない人だけが損をします。

     

     端的にいえば、マスコミに年金不安を煽られ、どうせ私たちは年金なんてもらえない、払っている保険料以上にもらえないから損するなどといって、保険料を納めない人だけが着実に損をします。

     

     なぜならば年金をもらうためには、年金保険料を払っている人にしか払われず、保険料を納めない人は未納であるために年金を受給できなくなるからです。

     

     これは年金保険料未納者が、税金で高齢者の負担をしておきながら、将来的に自分は年金をもらえないという人生を失うレベルの損失を被ることでもあります。

     

     年金保険料を払いたくても所得が少なくて払えない人は、年金の免除申請をすれば、未納期間と認定されず、年金をもらうことが可能です。

     

     本来ならばマスコミはこうした制度を周知徹底して、未納期間を出させないように知見を啓蒙することこそ、マスコミの本来の報道の在り方なのではないでしょうか?

     

     財務省の犬のごとき、消費増税を実現させるために、年金不安を煽るだけ煽って、公的年金保険料を払わない人が続出し、そうした人々が将来無年金で困ったことになったとしたら、財務省の犬としてサポートしたマスコミの罪は重いと私は思うのです。

     

     

     というわけで今日は「公的年金の破綻を信じ、公的年金保険料を払わない人は人生を失うレベルで損するという事実」と題して論説しました。


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