打つ手なしの中国経済(爆買い規制と供給力過剰問題)

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    JUGEMテーマ:経済全般

     

    今日は中国経済について意見いたします。

     

     

     

    1.爆買い規制と減少し続ける中国の外貨準備高

     

     201611日から爆買いに規制が入ったのはご存知の通り。今、銀座は閑古鳥が鳴いている施設もあると言われています。

    爆買いの規制とはどんな内容か?それは、11万元(2017/2/26の為替レートで約16万円)だったのが、年間最高10万元(約160万円)にまで規制されたのです。即ち11万元なら年間365万元と約6,000万円弱の購買力から、160万円の購買力に規制がされたことになるのです。

     通常爆買いした場合、中国人が銀聯カードで日本の秋葉原で家電製品を購入した場合、購入する都度、人民元売り日本円買いという両替が発生します。ところが、中国共産党政府は、この爆買いを規制しなければならないくらい、為替レートのトレンドが変わってしまったのです。

     

     今、中国は人民元高には困っていません。人民元安で困っているのです。20158月に上海バブル崩壊のあと、景気浮揚策として輸出を伸ばそうとするために人民元売り外貨(ドル・ユーロ・円)買いの為替介入に出たところ、外国人投資家らが、人民元を売り始めました。

     

     もともと、外国人投資家らの見立てとして「人口大国かつGDPで日本を抜いて2位に躍り出た中国の需要は、この先無限に広がるに違いない。需要が大きく伸びる中国において、自国通貨の人民元は上昇し続けるだろう。人民元は買い!」というのが外国人投資家の投資スタンスでした。

     

     20158月上海バブル崩壊以降の人民元売り外貨買いの為替介入の結果、こうした見方が外れ、「あ、人民元って下がることもあるの?」ということで、人民元を売り始めるようになりました。

     

     中国人民中央銀行は、外貨準備高400兆円を取り崩し、人民元を買い支える通貨防衛に出ます。即ち人民元売り外貨買いの為替介入から一転し、人民元買い外貨売りの為替介入に打って出たのです。そして、外貨準備高300兆円を切ったという報道がありました。20158月には400兆円あった外貨準備高が、わずか1年半程度で100兆円も減少するという異常なスピードで為替介入をしています。つまり1年半ずっと為替介入を継続していたわけで、今もなお続いているのです。

     

     他の国だったらとっくに通貨危機が発生しているところですが、400兆円もの外貨準備高があるので、買い支えることができます。外貨が減少を続ける理由は、中国人民中央銀行が外貨準備高の中身を公表しないから。

     

     なぜ公表しないのか?普通、外貨準備は米ドル債などで多く保有しますが、中国の場合は300兆円も米ドル債が保有されてなく、別な形で保有されているものが多いのでは?との憶測があります。例えば、アフリカや南米のプロジェクト関連に投資という形です。こうした方法で保有している外貨は、すぐに換金することができないため、外貨準備高を取り崩して人民元を買う通貨の買い支えができません。本来、中国人民中央銀行は、外貨準備高の中身を公表するべきなのですが、それをしないから、世界中から人民元が信用を失う形で、人民元が売られ続けているのです。

     

     

    2.鉄鋼産業に見られる過剰生産能力の問題

     

     中国の経済の問題の大きな柱の一つは、中国の過剰生産能力です。

     GDPには民間設備投資という項目があります。設備投資をすればGDPはUPします。つまり設備投資をすれば、経済成長するのです。

     ところがGDPというものは、需要が十分にあるか?市場が十分にあるか?需要がなくても設備投資を実施すればGDPは増えてしまいます。例えば、需要が全くないエリアに家を建ててしまい、結果誰も住んでいないマンションをたくさん建ててしまったとしても、GDPは増えるのです。

     

     設備投資についても、需要がなくても工場を作れば、GDPは増えます。中国共産党政府は、それに頼った結果、過剰生産能力がとんでもないことになってしまいました。特にひどいのが自動車産業と鉄鋼産業の供給力です。

     例えば、鉄鋼の過剰生産能力だけで4億トンと言われています。4億トンという数字は、日本の生産能力の4倍に相当します。

    中国共産党政府は、各地に鉄鋼の減産を指示しますが、地方は言うことを聞きません。減産するとは端的に言えば、リストラです。工場閉鎖、従業員カットであり、中国共産党政府の指示通りに実行すれば、暴動が起こる可能性があります。

     そのため既にダンピング輸出が始まっており、新日鉄(証券コード:5401)JFEホールディングス(証券コード:5411)といった日本の鉄鋼業の業績にも影響を与えています。

     

     とはいえ、ダンピング輸出しても、供給能力が減るわけではありません。余るものは使わなければならない。そのため、AIIB、インドネシア高速鉄道、シルクロード計画など、海外事業で無茶な受注をして食いつなごうとしているのです。

     

    「過剰生産能力=供給能力が余っている状態」の問題点は、巨大なデフレギャップです。即ち、「極小需要<過剰供給」で供給力があまりにも大きすぎる状態です。この過剰生産能力の解消方法は、工場閉鎖しかありません。

    とはいえ、無理に実施すれば失業者がたくさん増えます。これは株式バブル・不動産バブル以上に重く解決が困難な問題です。

     

     中国の輸入14%マイナス、GDPで言えば普通はマイナス3%くらいですが、いつも中国政府が発表するGDPの数値は7%。なぜか?理由は習近平政権は10年でGDP2倍にすると公約しているからです。資産運用の世界で言えば、7%利回りの金融商品を10年保有すれば、元金は2倍になります。1.0710乗≒2.00です。そのため、本当は経済成長がマイナスである可能性もあるにもかかわらず、経済成長率7%という発表をしているのです。

     

     

     

    3.中国経済に頼ってはいけない

     

     このような中国とお付き合いを深めれば深めるほど、中国経済が崩壊した場合の経済的ダメージは大きい。中国の爆買いに限らず、中国そのものに頼った企業経営・国家運営は極めて危険です。我が国はグローバルが正しいとして中国に頼った経済成長というのは、絶対にやってはいけないのです。

     我が国がとるべきは、一刻も早くデフレ脱却のために政府支出増に転換することです。我が国の政府が政府支出増により需要を作れば、中国向けに輸出や欧州・米国向けの輸出の供給能力を日本国内に振り向けられます。

     今日は中国経済状況について、外貨準備高減少が続く理由背景と合わせ、過剰供給能力問題についても指摘させていただきました。


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