なぜ日本国の先人らは男系の皇統を守り続けたのか?

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    JUGEMテーマ:天皇について

     

     今日は「なぜ日本国の先人らは男系の皇統を守り続けたのか?」と題して論説します。

     

     男系とは、男性の天皇の子供しか皇位を継ぐことはできないというルールをいいます。

     

     ”男性の天皇の子供(男の子でも女の子でもいい)”というのがポイントで、”男性の天皇の息子(男の子)”ではありません。そのため、愛子様(愛子内親王殿下)は、男系の血筋の子供であるため、天皇になることができます。

     

     ところが愛子内親王殿下の子供は、男の子だろうが女の子だろうが、女系の血筋の子供となるため、皇位継承できません。

     

     そう言われると読者の皆さんの中には、「現代の皇統で女性を排除するなんて男女差別で時代錯誤も・・・」などと批判する方もおられるかもしれませんが、それは的外れな批判です。なぜ的外れか?といえば、話はまるで逆であり、皇統から排除されているのは、杉っ子も含めた一般の日本人男性だからです。

     

     何しろ、一般の日本人女性は、男系の皇統に嫁ぐことで、自分の子供を天皇の座につけることが可能ですが、杉っ子を含む日本人男性は、皇室の女性と結婚したとしても、生まれた子供は天皇になれません。理由はもちろん女系の血筋の子供になってしまうからです。

     

     日本の男系の伝統は、皇統から「日本人男性」を排除しているのです。

     

     日本の皇統は、なぜ日本人男性を排除しているのでしょうか?

     

     考えられる一つの理由として、「皇統乗っ取り」「皇帝廃絶」といったろくでもない企みを抱くのは、大抵が男性であるからだと思われます。

     

     具体的には、平安時代の公卿の藤原道長があげられます。藤原道長は自分の娘を天皇に嫁がせることができましたが、息子を皇位に就けることはできませんでした。たとえ藤原道長自身が皇室の内親王と結婚したとしても、その子供は女系の血筋の子供であるため、皇統を継ぐことはできません。せいぜい自分の娘の子供を天皇にすることくらいしかできず、外戚による横暴は抑制できました。

     

     しかしながら、日本の歴史で過去に、本来皇位継承資格が無い者が天皇の地位(皇位)を奪取するという皇位簒奪事件が無かったわけではありません。

     

     大化の改新の645年の以前に、乙巳の乱で中大兄皇子(天智天皇)と中臣鎌足によって殺害された蘇我入鹿や、孝謙上皇に寵愛された弓削の道鏡といった人物は、皇位簒奪事件の典型例といえるでしょう。

     

    【1】蘇我入鹿の皇位簒奪を阻止した中大兄皇子

     

    <629年>

    ●蘇我蝦夷(そがのえみし)の妹が嫁いだ田村皇子が天皇に即位(舒明天皇の即位)

     

    <643年>

    ●大臣の座を父親の蘇我蝦夷から譲り受けた蘇我入鹿が山背大兄王らの後続を攻め滅ぼす(聖徳太子の血筋が消滅)

     

    <644年>

    ●蘇我入鹿が「上の宮門」「谷の宮門」の2棟の邸宅を建設して畝傍山に要塞を築き、皇室行事を独断で代行する

     

    <645年>

    ●中大兄皇子(天智天皇)と中臣鎌足が蘇我入鹿を殺害する(乙巳の変)

     

    【2】道鏡の皇位簒奪を阻止した和気清麻呂

     

    <761年>

    ●孝謙天皇(女性天皇)であり天武天皇系の淳仁天皇に譲位した孝謙上皇が、病に伏せる

    ●その際、弓削市出身の道鏡が祈祷し、孝謙上皇の道鏡への寵愛が始まる

     

    <764年>

    ●道鏡寵愛をいさめた淳仁天皇が、恵美押勝の乱の巻き添えをくらって追放される

    ●孝謙上皇が再び天皇に就き、重祚して称徳天皇となる

     

    <769年>

    ●道鏡が「自分が皇位に就けば天下泰平になる」とする宇佐八幡宮の神託があったとして、習宜阿曽麻呂(すげのあそまろ)に虚偽の奏上をさせる

    ●称徳天皇が和気清麻呂を宇佐八幡宮に派遣する

    ●和気清麻呂が「我が国は開闢以来、君臣の分定まれり。臣を以って君と為すこと未だ非ざるなり。天津日嗣は必ず皇緒を立てよ。無道の人は宜しく早く掃除すべし」とのお告げを受ける

    ●称徳天皇が道鏡には皇位を継がせないと宣言する

     

     蘇我入鹿も道鏡も共通しているのは、皇室に嫁いだ女性もしくは女性天皇を利用し、権力を強化したという点です。こうした史実を知れば、日本の皇統における伝統が、日本人の男性排除論に基づいていたとしても、何ら不思議ではないと思うのです。

     

     男性が皇統から排除されている理由がなんとなく分かったとして、皇統を継ぐには皇室に男の子が生まれる必要があります。ところが、1965年に秋篠宮文人親王殿下がお生まれになり、その後、宮家で9人連続で女の子が生まれました。9人連続で女の子が生まれる確率は、0.5の9乗=0.001953・・・・≒0.2%です。

     

     0.2%の事態が発生したことで、男系の皇統の維持が困難になるという認識が広まり、小泉純一郎政権のときに、皇室典範に関する有識者会議が2004年に開催され、このときに女性天皇や女系天皇の容認、長子優先を柱とした報告書が提出されました。

     

     女性天皇は歴史上、孝謙天皇(重祚して称徳天皇)や持統天皇などがいましたが、女系天皇は歴史上一度も存在したことがありません。

     

     こうして2000年以上続く伝統を破壊する報告書に対して、保守勢力が騒然となった直後に、悠仁親王殿下が誕生しました。

     

     結果的に有識者会議の報告書は「なかったこと」になったのです。にもかかわらず、悠仁親王殿下という男系の皇統の後継者がいてもなお、女系天皇論は終息していません。

     

     私は、皇統の歴史や日本の文化を考えた場合、「古臭い」とか「男女平等に反する」とか「歴史を振り返っても仕方がない!」とか「過去は過去で未来に向けて改革!」といったノリで男系の皇統を破壊させる女系天皇論を、全く容認することができません。

     

     とはいえ、現時点で悠仁親王殿下という後継ぎがいたとしても、女の子しか生まれず皇統の男子がいなくなってしまう可能性はあり得ます。

     

     実は歴史上、今以上に男系による皇統が危うくなったことがあるのですが、それは明治天皇です。江戸末期の仁考天皇の7人の息子のうち成人できたのは孝明天皇のみで1人しか生き延びられませんでした。また孝明天皇の3人の息子のうち成人したのは明治天皇のみで、明治天皇の5人の皇子のうち成人したのは大正天皇のみでした。

     

     自分の兄弟や皇子が次々と命を失う中で、明治天皇が伏見宮家を含む皇族を「永世皇族」としたのです。この考えは現在の皇室典範でも継承されています。

     

     現在皇室といえば、秋篠宮家、常陸宮家、三笠宮家、高円宮家の四宮家のみで、伏見宮系の宮家は入っていません。伏見宮系は11もの宮家があります。伏見宮系の宮家の一つ久邇宮から香淳皇后が昭和天皇に嫁ぎ、現在の皇室ともつながっているので超名門の皇族です。

     

     また愛子内親王殿下、眞子内親王殿下、佳子内親王殿下、悠仁親王殿下はいずれも女系では久邇宮家の血筋です。

     

     血縁に恵まれない明治天皇は、伏見宮家を「永世皇族」として、万一男系の伝統が途絶えそうになった場合に備えたのです。

     

     ところが、第二次大戦敗戦後の1947年にGHQの指令で皇室の財産が国庫に帰属することとなり、皇室は宮家を維持できなくなってしまいました。普通に日本政府が財政出動して皇室維持費を支出すれば解決することではありますが、当時は不可能でした。

     

     米国の目的、GHQの日本駐在の目的の一つとして、天皇の皇統というナショナリズムの伝統を破壊することにありました。そのために皇室財産を国庫に帰属させ、宮家を維持できないようにしたのです。政府支出で日本政府が対応することも考えられるのですが、当時はそれができる状況ではありませんでした。

     

     その後の朝鮮戦争や冷戦が始まって、日本に対する姿勢が変わり、日本を西側諸国の一員として育成し、ソ連・中国の共産党からの防波堤にしようとしました。今の米国が日本の皇統という世界最強の伝統を破壊しようと思っている人がいるとは思えません。ところが、当時のGHQの皇統廃絶路線を引き継いだ勢力は間違いなく存在します。

     

     それは日本国内でいえばグローバリストであり、海外でいえば中国共産党です。日本の女系天皇論者や女性宮家を主張している人々が、中国からお金をもらっているとまでは言いませんが、彼らがそうした主張を続ける結果、中国共産党に利することになります。

     

     沖縄独立論者もまた同じです。沖縄独立運動は明らかに日本のナショナリズムを破壊するためのプロパガンダです。沖縄独立運動は史実に基づかない運動です。

     

     日本が男系の皇統を維持する方法は現実的に存在するにもかかわらず、なぜそうした方法には見向きもせず、女系天皇や女系宮家創設などという解決策を主張するのでしょうか?

     

     悠仁親王殿下の「血脈」で男系の皇統が維持される可能性は極めて高く、それでも途絶えることが心配というのであれば、皇籍から離脱した伏見宮家の子孫の方々に、皇籍を復帰していただければ済むのではないでしょうか?

     

     

     というわけで「なぜ日本国の先人らは男系の皇統を守り続けたのか?」と題して論説しました。

     結局、男系の皇統を破壊したい輩というのは、中国とビジネス上でつながりが深いとか、人件費が安い工場があってそれによって利益を得ているグローバル日本人らが、中国と仲良くすべきとして、むしろ男系の皇統などいつでも無くしたほうが都合がいいという考え方を持っているからだと、勝手に推測します。

     真に日本の発展を考えるのであれば、皇統は男系で維持されるべきであり、それこそが2000年以上脈々を受け継がれてきた世界最古の伝統・文化であって、世界からも羨望の的となっているに違いありません。

     私はかつて作家の山本七平氏の「日本人とは何か?」という本を読んだことがあります。日本人のアイデンティティやルーツを知ることができる面白い本ですが、改めて私たちは皇室の歴史を知り、中国共産党に対抗するためにも、日本人とは何か?日本人とは何なのか?知る必要があると私は思うのです。

     

     

    〜関連記事〜

    皇室は、日本のナショナリズムの中核です!

    「中国は経済成長すれば、やがて中国人民が豊かになって民主化する」という言説と「沖縄はもともと中国の領土だ」という言説の真偽


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