経団連の賃上げ数値目標削減について

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     今日は「経団連の賃上げ数値目標削減について」と題して論説します。

     

     下記はSankeiBizの記事です。

    『SankeiBiz 2018/12/21 06:18 経団連、「官製春闘」脱却へ 賃上げ数値目標削除の方針

     経団連が2019年の春闘指針で、18年は盛り込んだ賃上げの数値目標を削除する方針を固めたことが20日分かった。「賃上げの機運を維持する」との趣旨は盛り込み、賃上げを求める政府との歩調を合わせる。指針は「経営労働政策特別委員会報告」として、年明けに公表する。

     18年の春闘の指針では、安倍晋三首相が3%の賃上げを求めたことを受けて「『3%の賃金引き上げ』との社会的期待を意識しながら自社の収益に見合った前向きな検討が望まれる」としていた。数値目標の削除で、各社の経営状況に応じた交渉を進めるとの姿勢を明確にし「官製春闘」からの脱却を目指す。

     菅義偉官房長官は20日の記者会見で「来年は消費税率の引き上げが予定されている。経済の回復基調が持続するには、賃上げが大きな鍵になる」と述べ、経済界に賃上げを求めた。

     経団連の中西宏明会長は最近の春闘を「官製春闘」との言葉で表すことには「ナンセンスだ」と不快感を示していた。賃金引き上げは企業が自主的に決めるべきだとの中西会長の意向を強く反映させる。』

     

     上記記事の通り、経団連が賃上げの具体的な数値目標を削減するという方針を固めました。

     

     私は常日頃、実質GDPがプラスになっていても、GDPデフレーター(名目GDP増分÷実質GDP増分)やコアコアCPI(生鮮食品とエネルギーの価格変動を除く消費者物価指数)がプラスマイナスゼロ近辺をウロウロしていて、2%以上を継続的に達成できていない状況にある日本はデフレ脱却していないという認識を持っています。

     

     そして国防安全保障や仮想敵国中国との軍事バランスなども考慮すれば、一刻も早くデフレ脱却して経済成長を取り戻し、軍事費も十分に拡大できるようにしておかなければならないと思います。

     

     デフレ脱却という意味で賃上げは重要なものの一つと深く認識した上で、今回の目標削減方針については、全く違和感を感じません。経団連がいうように、春闘は経営側と労働側の折衝であるため、特に違和感を感じません。

     

     賃上げは、デフレが脱却して経営環境が改善していく中で、労働側がちゃんと要求すれば上がっていくものだからです。

     

     政府としては、経団連企業に対して直接賃金を上げるよう要請するよりは、むしろ経営側が自然に賃上げするようなマクロ経済環境を財政出動を中心として作り上げていくということが王道です。

     

     2018年の春闘では安倍総理がデフレ脱却に向けて3%の賃上げを求めたことを踏まえ、経団連指針で3%の賃上げとの社会的期待を意識しながら、自社の収益に見合った前向きな検討が望まれると明記していました。

     

     会社が自然に賃上げを労働側との折衝であげられるような土壌を作ることこそが政府の役割であって、政府が賃上げをどれだけ声高に要請したとして、企業は少しは賃上げを検討するかもしれませんが、ほとんどがポーズに終わり、結局安倍総理が要請しようがしなかろうが同じような結果に終わるでしょう。

     

     だから菅官房長官が経済界にどれだけ要請したところで、そんなものはクソの役にも立ちません。

     

     一方でデフレ脱却できていれば、経営者は先行きに自信を持ち、労働側からの賃上げ要請に対して普通に前向きに検討することが可能です。要はデフレ脱却さえすれば、賃金は自ずと上昇せざるを得ないのです。

     

     ましてや今、人手不足が露呈して、しかも人手不足は継続中でもあります。この人手不足が継続している限りにおいて、外国人労働者の受入さえしなければ、自ずと賃金は上昇していきます。

     

     それこそ資本主義の原則に基づいて、そうした環境をしっかりと作っていくことこそが大事であり、政府の役割であるといえるでしょう。

     

     では、そういう環境は、どうすれば作れるのでしょうか?となれば、それは「躊躇なき”国債増刷”」「積極的な”財政出動”」というポリシーミックスに加え、外国人労働者を受け入れないということです。

     

     安倍政権は誠に残念なのですが、「国債増刷せず市中の国債買取による金融緩和だけをやっている」「財政出動も積極的ではなく、民主党政権のときよりも公共事業は増えていない」「2019年4月から出入国管理法改正により外国人労働者受入拡大をやり、経済成長ができる人手不足のチャンスをつぶしている」というのが安倍政権の政策ラインナップです。

     

     経団連の対応は置いておいて、安倍政権の政策では残念ながら経済成長どころか経済衰退、日本亡国化、中国への属国化一直線としかいえません。菅官房長官にしても、賃上げ数値目標を主張されることよりも、デフレ脱却のために自分たちがやっている政策が間違っているということに気付かない限り、日本の再デフレ化、さらなるひどいデフレ化は避けられそうにもないと思うのです。

     

     

     というわけで今日は「経団連の賃上げ数値目標削減について」と題して論説しました。


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