日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!

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     今日は「日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!」と題して論説します。

     

     日本では、残念なことに多くの人々が、「財政問題で日本は破綻するぅー!消費増税しなければ社会保障が維持できないぃー!」とする言説が多く蔓延っています。実際は、政府が抱えている負債は、100%円建ての国債であるため、いざ国債が暴落するとなれば日銀が買い取ればいいだけの話です。

     

     はたまた株式投資のご経験がある人であれば、株式の信用取引と同様に、外国人投資家やヘッジファンドが日本国債の格付けが低いことを理由に、空売りを仕掛けてくるなどという人もいます。

     

     日本には本当に財政問題が存在するのでしょうか?改めて今日はこの問題について意見します。

     

     下記は2018年9月末時点と2017年9月末時点における国債の所有者別シェアの速報ベースの数値比較です。

     

    <国債の所有者別シェア(2018年9月末速報)>

     

     

    <国債の所有者別シェア(2017年9月末速報)>

    (出典:日本銀行のホームページの資金統計循環のデータから作成)

     

     

     2018年9月末速報と2017年9月末速報との比較で、注目すべき数値は下記の通りです。

     

    ●中央銀行(=日本銀行)

    40.9%(2017年9月末速報)⇒43.0%(2018年9月末速報)

    ●預金取扱期間(=商業銀行)

    16.8%(2017年9月末速報)⇒15.2%(2018年9月末速報)

    ●保険・年金基金

    21.6%(2017年9月末速報)⇒21.5%(2018年9月末速報)

    ●海外

    11.0%(2017年9月末速報)⇒11.6%(2018年9月末速報)

     

     上記数値を踏まえ、下記1〜6の順に論説します。

    1.矛盾をはらむ物価目標2%は、コアコアCPIでの2%目標に変更すべき!

    2.金融緩和だけでインフレになるわけがない

    3.日本のGDPが500兆円を20年間横ばい推移している理由

    4.日本の財政が信用失墜すれば外国人投資家が国債売却して国債が暴落するのウソ

    5.迫りくる金融緩和強制終了シナリオを回避するには「国債増刷」と「政府支出増」のミックス政策しかない

    6.「国債増刷」と「政府支出増」のミックス政策が金融緩和強制終了を回避する唯一の方法

     

     

     

    1.矛盾をはらむ物価目標2%は、コアコアCPIでの2%目標に変更すべき!

     

     この数値比較でいえることは、アベノミクス第一の矢である金融緩和政策を継続していることで、銀行が保有する国債が日本銀行に買われ続けているということが明確にわかります。アベノミクス第一の矢の金融緩和は、コアCPIでの物価目標2%を達成するまで、金融緩和を継続するというものです。

     

     残念ながらコアCPIでの物価目標2%達成には、程遠い状況です。

     

    <消費者物価指数の状況>

    (出典:総務省統計局のホームページから引用)

     

     2015年から2017年では、2016年にマイナスに落ち込んでいます。エネルギー価格の下落という要因がありますが、エネルギー価格の下落は、日本経済にとってはむしろプラスに働きます。なぜならば日本には資源がないからです。

     

     石油やLNGガスを輸入に頼る日本にとって、物価目標2%の数値は、本来であればコアコアCPI(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)で定めるべきです。もし、ホルムズ海峡で機雷が撒かれて海上封鎖になったり、中東で戦争が勃発すれば、原油価格上昇となります。原油価格が上昇すれば、コアCPI(生鮮食品を除く総合)も上昇します。

     

     コアCPIがそうしたシナリオで上昇したとしても、日本のGDP増加とならず、カタールなどの原油産油国のお小遣いが増えるだけであり、コアCPIで物価目標2%達成ということ自体、そうした矛盾をはらんでいるのです。

     

     上表の通り、コアコアCPIは、2015年に1.4%まで上昇したものの、2016年0.6%、2017年0.1%と低迷し、2018年度も11月末時点で0.3%と、2%達成にはほど遠い状況ですが、中東戦争勃発で日銀の物価目標達成というおかしな話にならないようにするため、物価目標2%は速やかにコアコアCPIの2%に変更すべきであることを主張します。

     

     

     

    2.金融緩和だけでインフレになるわけがない

     

     当たり前ですが、金融緩和するだけでは、インフレになるわけがありません。金融緩和によるマネタリーベース増だけでは、物価は変動しようがないのです。物・サービスとお金の対価がない限り、日本銀行がどれだけ現金を増やそう(=マネタリーベースの増加させよう)が、物価変動しません。

     

     よくある論説に、マネタリーベースを増やせば、マネーストックも増加するという論説があります。これは1976年にノーベル賞を受賞したミルトン・フリードマンらが提唱する論説です。

     

     私はこの論説にも反対の立場です。マネタリーベース増加とは、具体的には、銀行の日銀当座預金を増やすということなのですが、日銀当座預金をどれだけ増やしたとしても、物・サービスを値下げしないと売れないデフレの環境下では、儲かりにくい環境ということで企業はお金を借りようとせず、マネーストックの増加につながりません。

     

     本来であれば「政府支出増」によって、内需拡大をすればいいのですが、2014年以降の安倍政権は逆のアクセルを踏んでいます。具体的には2014年の消費増税、本予算+補正予算ベースでの緊縮財政、種子法廃止や水道法改正による国家インフラの民営化によって、政府支出を削減しようとしています。

     

     GDP=個人消費+政府支出+設備投資+純輸出

     ※純輸出=輸出−輸入

     税収=名目GDP×税率×税収弾性値

     

     GDPの計算が上記式で算出されるため、政府支出削減はGDP減少で、経済成長どころか経済低迷・縮小となります。

     

     何が言いたいかといえば、金融緩和でマネタリーベースを増やす反対側で、政府支出削減や個人消費削減につながる消費増税をすれば、設備投資が冷え込んでGDPは増えないということになるため、インフレにならずコアコアCPIでのインフレ率2%達成から程遠くなることになるでしょう。

     

     

     

    3.日本のGDPが500兆円を20年間横ばい推移している理由

     

     ではなぜ安倍政権が緊縮財政を推進しているにもかかわらず、GDPが500兆円を維持できているのでしょうか?

     

     理由は高齢化によって医療費・介護費が増加しているからです。自己負担30%が個人消費増、健保負担70%は政府支出増ですので、GDP成長(=経済成長)につながります。ところが、財務省は高齢化という経済成長の種を、医療報酬・介護報酬の引き下げやジェネリック推進や自己負担引上げなどで潰そうとしています。

     

     本来、医療介護費の増加を放置しておけば、その分経済成長できたことになるのですが、増加する医療費・介護費を抑制する緊縮財政をやっているため、その分が経済成長が削がれてしまってしまい、結果的に経済成長できず20年間500兆円を横ばい推移するにとどまっているのです。

     

     

     

    4.日本の財政が信用失墜すれば外国人投資家が国債売却して国債が暴落するのウソ

     

     日銀の資金循環統計のグラフの通り、外国人投資家も2018年9月末速報時点で11.6%のシェアがあります。金額にして120兆円程度といったところでしょう。

     

     外国人投資家が日本政府の円建て国債を買う理由は、機関投資家からみた安全金融資産という見方もありますが、外貨準備高として国債を保有しているものもあります。他国政府が外貨準備高として円建て資産を保有する場合、銀行預金を選択することはあり得ません。銀行の円建て預金はペイオフ制度で1000万円しか保証されないからです。

     

     ところが日本国債であれば1000万円という上限はありません。日本で安全な金融資産といえば日本国債が一番安全なのです。

     

     仮に外国人投資家が財政の信任とやら、抽象的な理由で国債を大量売却したとして、大量の日本円を手に入れます。日本円は日本国内でしか使えないため、外国人投資家は銀行で円売りドル買いをします。円を手に入れた銀行は、設備投資借り入れや、住宅ローンなどの資金借入需要がなければ、結局日本政府の円建て国債を買う羽目になります。

     

     銀行にとって円建て預金は負債勘定であるためです。銀行といえば聞こえがいいですが、預金には利息を付けなければならないため、誰かに貸し出ししなければなりません。信用創造機能という預金がなくてもお金を貸し出すことができるという機能を持ったとしても、借りてくれる人がいなければ信用創造も関係ありません。

     

     ある意味でノンバンクの消費者金融や商工ローンと同じで、借りてくれる人がいなければ銀行は破綻します。

     

     デフレで儲かりにくければ、企業はお金を借りませんし、非正規雇用増加で住宅ローンも自動車ローンも伸び悩むとなれば、国債を買うしかないのです。

     

     

     

    5.迫りくる金融緩和強制終了シナリオ

     

     銀行は国債を買うしかないと申し上げましたが、確かに銀行は円建て国債を買っています。それは預金が負債勘定であるため、貸出資産を増やさなければならないからです。

     

     日本の円建て国債は収入が安定した貸出資産であり、バーゼル条約でも自国通貨建て国債は、BIS規制の計算上もリスクウェイト0%としています。だから購入しやすく銀行経営を安定化させます。

     

     ところがアベノミクスの金融緩和は、銀行が保有している国債を、日銀が買い取っているのです。

     

     アベノミクスの金融緩和は、具体的には日銀に銀行が保有する国債を買い取らせ、銀行に日銀当座預金という資産に振り替えさせます。日銀当座預金は基本的には利息が付与されません。銀行としては貸し出しをしなければいけないというプレッシャーになるのですが、デフレ環境で物・サービスの値段を下げなければ消費者が買ってくれないという状況では、企業が儲かりにくいということで資金を借りてまでビジネスをしようとはならないのです。

     

     どれだけ金利が下がろうと、法人税を引き下げようと、デフレ環境下では資金需要はありません。

     

     先述のグラフでは、預金取扱機関の所有シェアは、16.8%(2017年9月末速報)⇒15.2%(2018年9月末速報)となっていました。銀行の資産運用として、リスクウェイトゼロの国債をポートフォリオから外し、企業の融資や外債や株式投資だけで運用するということはあり得ません。そもそも銀行のビジネスモデルが崩壊している状況であることを私たちは改めて認識する必要があります。

     

     このデフレを放置したまま金融緩和を継続した場合、やがて預金取扱機関が保有する国債が尽きてしまうことになります。そうなれば、金融緩和強制終了となり、2015年1月15日に発生したスイスフランショック事件と同じ事件が起きます。

     

     急激な円高→日本株大暴落となって、日本経済は混迷を極めるどころか大打撃を受けることになるでしょう。

     

     

     

    6.「国債増刷」と「政府支出増」のミックス政策が金融緩和強制終了を回避する唯一の方法

     

     このシナリオを回避するには、国債増刷しかありません。借金を誰かが増やさない限り経済成長ができないという資本主義の理論を、私たち日本人は十分に理解する必要があります。

     

     そうすれば個人や家計はデフレであるがゆえに借金しにくいけれども、「政府はもっと借金してお金を使え!」という話になるのです。

     

     幸いにも日本は総人口が減少に転じたとしても、自然災害大国であるがゆえに防災減災の投資需要があります。また高齢化によって医療・介護費も増えるため、国費で賄う割合を増やすべく、自己負担額引き下げという方法もあります。少子高齢化で一人当たりの生産性向上のためのインフラ投資として高速鉄道、高速道路、港湾整備の需要もあります。

     

     仮想敵国中国や朝鮮半島情勢で防衛の需要も多い。米国のロッキード社から戦闘機を買うだけではGDP成長できませんが、イージス艦を日本で建造するなどすれば、政府支出増に該当してGDP成長します。

     

     科学技術立国の再復活のため、科学技術予算を増加させる需要もあるでしょう。応用技術が多岐にわたるとされる国際リニアコライダー事業は、日本の科学技術振興復活として普通にお金を出すべきでしょう。

     

     といってもリニアコライダーは国際事業であるため、金額はたったの4000億円です。この4000億円ですら、日本学術会議が資金が無駄になるおそれがあるとして反対しています。

     

     逆に中国はSPPC(スーパー・プロトン・プロトン・コライダー)ということで、東京の23区全域の面積に相当する土地に、加速器を建造する計画を打ち出し、日本がリニアコライダーを招致しなければ、中国が招致に名乗り出る可能性が極めて高い状況です。

     

     日本は資源がないという欠点を持つ国家であるため、こうした科学技術がなければ、どれだけお金を貯めたとしてもダメな国になってしまうでしょう。

     

     がん治療でPD1を発見した本庶佑さんらが、科学技術予算削減でノーベル賞受賞者が出なくなると危惧されていますが、私も同様の危惧をしています。

     

     人口の増減は経済成長と相関関係が高くなく、人口の増減に関係なく日本には需要が多い。そのため、普通に建設国債や教育国債や科学技術国債などの国債を増刷して政府支出増をすれば、金融緩和強制終了シナリオを普通に回避できます。

     

     

     

     というわけで今日は「日本には財政問題は存在せず、金融緩和だけでは景気が良くなるわけがありません!」と題して論説しました。

     2019年度は最大のイベントである消費増税が控えています。この消費増税10%がこのまま実行される場合、リーマンショックの倍以上の経済ダメージを受け、中国の属国となる日が近づいていくことでしょう。

     消費増税をしなくても「国債増刷」と「政府支出増」の組み合わせを継続的にやれば、日本の総人口がどれだけ減少しようとも、普通にGDPが成長(=経済成長)し、税収弾性値によって名目GDPの成長以上に税収が増えるため、社会保障を維持するどころか十分におつりがきます。

     水道法改正の民営化や種子法廃止といった緊縮財政を直ちにやめ、外国人労働者受入もやめたうえで、政府支出増で高速鉄道高速道路港湾等インフラ整備、科学技術振興、イージス艦建造、医療費介護費拡大などすれば、設備投資が増え、デフレ脱却できます。

     かつてジョン・メイナード・ケインズが、内需拡大の重要性を訴えたケインズ理論というものを提唱しました。ケインズ経済学を知ることで、「輸出への傾斜は国力弱体化につながる」「構造改革が日本をダメにしてきた」という事実を知ることができ、「国債増刷」「政府支出増」が正しいと理解できるものと改めて私は思うのです。

     

     

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