ソフトバンク(証券コード:9434)について

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    JUGEMテーマ:経営

     

     株式市場は、ついにリーマンショック級の下落となりつつあり、大変不安定な状況となっています。そんな中、先週ソフトバンクが上場しましたが、今日はソフトバンク株の上場について取り上げたいと思います。

     

     下記は産経新聞の記事です。

    『産経新聞 2018/12/19 11:42 ソフトバンク上場 初値1463円で公開価格割れ

     ソフトバンクグループの携帯電話子会社ソフトバンクが19日、東京証券取引所第1部に上場した。初値は1株1463円で公開価格(1500円)を2・5%下回った。初値ベースの時価総額は7兆35億円で、7兆3395億円だった日本郵政に次ぐ約3年ぶりの大型上場となったが、上場前のトラブルも影響し、前途多難な船出となった。

     午前終値は1360円で、時価総額は6兆5105億円となった。上場直前に大規模な通信障害が発生したほか、通信機器が政府調達から事実上排除される華為技術(ファーウェイ)の基地局設備を使っていることなどが売り材料となった。この日は取引開始直後の午前9時に初めての売買が成立したが、一時は1350円割れまで値を下げた。

     ソフトバンクはソフトバンクグループの中核子会社で、ソフトバンクグループは保有株の3分の1超の約17億6400万株を売却するが、上場後も63・14%の出資比率で連結子会社を維持する「親子上場」。資金調達額は初値ベースで約2兆6千億円と政府が昭和62年のNTT上場時に調達した額を上回り過去最大で、ソフトバンクグループは調達資金を先端企業などへの投資に振り向ける。

     歴代上場案件における初値ベースの時価総額は、NTTが24兆9600億円でトップ。平成10年のNTTドコモが約8兆8099億円で、今年は新興市場マザーズに6月上場したフリーマーケットアプリ運営のメルカリが6766億円で最大だった。』

     

     上記記事の通り、ソフトバンクグループの携帯電話子会社のソフトバンクが12/19に上場しました。

     

     公募価格1,500円に対して2.5%下回り、ザラ場では一時1,350円を割って、終値でも公募価格比で14.5%も安い1,282円ということで、規模こそ大型上場だったものの、完全に失敗のクソ株上場という結果になりました。

     

     上場当日、私は通勤電車に乗りながら、証券会社のサイトでソフトバンク株の初値の状況をスマートフォーンでみていましたが、AM08:45時点で、成り行きの売り注文が、成り行きの買い注文よりも、けた違いに多く、公募割れが想定されました。

     

     不思議なことに、1,463円に大量の指値の買値注文があったのですが、これは証券会社のグリーンシューオプションと思われ、推移を見守っていました。AM09:00には値が付かず特別売り気配となった何分か経って、1,463円で値が付いたと記憶しています。

     

     その後も売り注文が相次いで急降下していったん回復した後、再び下落基調。後場も振るわずさらに株価は下落し続けて、終値は1,282円という状況でした。

     

     その翌日12/20も売り気配で1,176円の最安値を付けた後、少し戻して12/21の終値は1,316円ですが、以前公募価格を10%以上下回る価格帯で株価は推移しています。

     

     今後の株価の行方がどうなるか?気になるところですが、ホルダーの方々の検討をお祈りします。

     

     そもそもなぜこのような株式上場となってしまったのか?といえば、上場前の12/6n大規模な通信障害が発生し、1万件〜2万件の解約が発生したと言われているのが1つ目。

     

     2つ目は、ソフトバンクはHuaweiの通信設備を使っており、政府がHuaweiやZTE(中興通訊)を排除する方向であるため、通信設備を変えるのに多額の費用が掛かるのでは?という憶測も悪材料として捉えられたと思われます。

     

     孫正義が率いる親会社のソフトバンクグループは、巨額な資金を得て事業を多角化することに加え、投資会社化を強めていくことも想定できます。

     

     とはいえ、コアとなる携帯電話事業は、政府からの値下げ圧力や、楽天電話参入の激動期に晒されるなど、携帯電話業界の先行き不透明感も、ソフトバンク株の上場後の株価の推移が思わしくない原因の一つであると考えられます。

     

     今月初旬に発生した通信障害では、3〜4時間程度通信ができなくなったとされ、困った人も多かったのではないでしょうか?

     

     私は実はソフトバンクの孫正義が好きではないため、携帯電話はAUで2回線、タブレットでNTTドコモの1回線を契約しています。AUやNTTドコモでは、そうした大きな通信トラブルは発生していませんが、政府はソフトバンクの通信障害を重くとらえ、再発しないよう緊急事態である旨の声明を出しましたが、これは当然といえます。

     

     なぜならば、携帯電話事業は公共性がある事業だからです。既に社会的インフラになっており、重要インフラになっているといえるでしょう。

     

     携帯電話でコンビニやスーパーで買い物をしたり、新幹線に乗車したり、飛行機に搭乗したりと、いろんなものに使われている点で、いわば産業の下部構造を構成する業種といえます。

     

    <国家(国民生活・経済活動)を支える5階層>

     

     上表では、国土を除けば携帯電話事業は、下から2番目の3階層を構成するサービスであって、大変重要なインフラ産業であることが理解できるかと思います。

     

     こうした下部構造を構成する業種、上表の2階層、3階層の業種は、単に自由市場に任せればいいというわけにはいきません。通信業は電源とかなり近い重要な業種で、社会にとって必要不可欠だからです。

     

     古典派経済学を信奉する経済学者や、米国のフーバー大統領的なレッセフェール(自由放任主義)や、ダイナミックな自由市場に委ねるというのではなく、公共性を鑑みたうえで事業を展開していただくというのが極めて重要であると考えます。

     

     今年2018年8月に、菅官房長官が携帯電話料金について4割値下げする余地があるという発言があり、私は批判したことがあります。それはデフレ脱却ができていないのに、なぜデフレ促進させる値下げをわざわざ政府が注文を付けるのか?という点に尽きます。

     

     公共性が高いので、場合によっては公定価格があったとしても、正当化されるという考え方もあるため、一概に政府の口出しが完全にダメというものではありません。

     

     電話料金や携帯端末の料金値段設定の話は、今はデフレなので微妙ですが、業者の審査を厳しくするとか指導を強化していくなどは、公共性が高いがゆえに普通にあってしかるべきだと私は思います。

     

     そう考えた場合、政府が通信会社に対して、特にソフトバンクにHuawei・ZTEの部品を使わないよう指導するのは全然あり得ることです。

     

     今回のソフトバンクで問題があるとすれば、証券会社のフィディシャリーデューティーについても指摘したいです。特に個人投資家に対して、年間配当利回りが5%を超えることを売りにして配分していた点について問題があると言わざるを得ません。

     

     ここでも「カネカネカネ」という発想が、こうした事象を引き起こしているといえます。

     

     配当金の額は将来約束されているわけではないということや、会社の判断で減配する可能性も十分にあることに加え、多額の配当金を社外流出させるのは、かえってソフトバンクの株式価値を下げることにつながるからです。

     

     ソフトバンクのサービスの品質向上にはコストをかけなければならないのに、そうしたコストにお金をかけず”株主還元”と高配当を謳うのは欺瞞以外の何物でもありません。

     

     加えて日本政府による携帯電話料金4割値下げ指導と、Huawei・ZTE問題に対する費用、そして直近の通信障害と、ソフトバンク株を高配当だからといって買えるか?といわれれば、先行き不安材料が多く見通しは厳しいと言わざるを得ません。

     

     ところが、ソフトバンクは海外事業を展開して資金調達の金額も大きく証券会社のお得意先でもあります。だからといって証券会社がソフトバンクの孫正義の意向で、個人投資家を蔑ろにして高配当を宣伝文句に嵌め込むというのは、いかがなものか?と思うのです。

     

    <ソフトバンクの決算の推移>

    (出典:IPO初値予想から引用)

     

     

     今回の公募株数は、1,603,693,700株ですが、新株発行はなく全株ソフトバンクグループジャパンの売出であるため、株数は増えません。一株当たり利益(EPS)は、2018年3月期の決算で、92.75円です。配当利回り5%だとすれば、1,500円×5%=75円となり、配当性向は80%超となります。(92.75円÷75.00円≒80.86%)

     

     2017年3月期で見ても、一株当たり利益は96.47円ですから、配当性向は極めて高いということになります。

     

     そもそも80円以上の配当ができるレベルですか?ということと、80円配当するくらいであれば、ちゃんと通信設備のメンテナンスにお金をかけるべきでは?ということです。

     

     通信設備にコストをかけずに利益を出して高配当するなど、公共性の高い事業者として全くふさわしくないというのが、ソフトバンクに対する私の感想です。

     

     

     というわけで今日は、ソフトバンク(証券コード:9434)株式の上場について述べました。


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