米中貿易戦争で中国は勝てません!

0

    JUGEMテーマ:国防・軍事

    JUGEMテーマ:ケータイ

    JUGEMテーマ:通商政策

    JUGEMテーマ:中国ニュース

     

     今日は日本政府が通信機器で中国製品(Huawei・ZTEなど)の排除を要請したニュースを取り上げ、米中貿易戦争について論じたいと思います。

     

    1.日本政府が締め出しの対象とした14分野について

    2.安全保障上の問題と米国が仕掛けた覇権挑戦国中国つぶし

    3.圧倒的な内需国の米国と輸出依存国中国

     

     日本経済新聞の記事を取り上げた後、上記の順で論説します。

     

     

     まずは日本経済新聞の記事を紹介します。 

    『日本経済新聞 2018/12/13 通信機器調達、情報漏洩防止へ14分野に要請 政府、ファーウェイなど排除念頭  

     政府は情報漏洩や機能停止の懸念がある情報通信機器を調達しないよう重要インフラを担う民間企業・団体に要請する。電力や水道、金融、情報通信、鉄道など14分野が対象。悪意のあるプログラムで社会機能が麻痺(まひ)するなど安全保障上の懸念があるためだ。米国が取引を禁じる中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)などが念頭にある。

     政府は既に中央省庁の情報通信機器の調達に関して指針をまとめている。通信回線装置やサーバー、端末など9項目が対象。価格をもとに選んでいた調達先に関し、安全保障上の危険性を一段と考慮し、2019年4月以降の調達に適用する。これを踏まえ、19年1月から民間事業者にも調達しないよう求める。

     ファーウェイのほか、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)の通信機器などが事実上、排除される見通しだ。

    米政府はファーウェイ製品などを経由して軍事情報が盗み出されていると分析し、8月に成立した19年度国防権限法(NDAA2019)で政府機関での製品使用などを禁じる方針。日本側が新指針を策定したのも、こうした米国の動きを踏まえたものだ。

     今回、政府がこうした通信機器のリスク排除を民間にも広げるのは重要インフラ業者のシステムが脅威にさらされたときの被害規模が大きいため。電力会社のシステムが悪意のあるプログラムにより停止すれば電力供給が滞り経済活動が止まりかねない。鉄道や航空といった交通網や医療機関が混乱すれば国民生活に甚大な影響を与える。

     政府は来年1月にサイバーセキュリティ戦略本部(本部長・菅義偉官房長官)のもとで民間の重要インフラ業者らを集めた「重要インフラ専門調査会」を開く。電気事業連合会や日本水道協会、銀行、証券、保険各業界などの代表者に新指針の内容を説明し、安保上の危険性がある通信機器を調達しないよう求める。

     ただ、政府が民間企業の調達先を指示したりすれば、過剰な民間介入と指摘されかねない。政府は重要インフラに対してあくまでも協力の要請や注意喚起という形式をとることで、取引停止などを強制するものではないとの立場をとる。

     企業側も動き出している。ファーウェイなど中国製をサービスや業務で利用している日本企業は他社製品への交換を検討し始めた。

     ソフトバンクは現行の通信規格「4G」の基地局にファーウェイとZTEを採用している。17年度に調達したファーウェイの基地局は6割近いものの、次世代規格「5G」の基地局には中国製を採用しない方針だ。顧客離れを防ぐため4Gについても抜本的な見直しを迫られる可能性がある。

     ある物流企業では外勤の営業職などにファーウェイとZTEのモバイルルーターを貸与している。他社製品への切り替えも視野に入れ、レンタル元の大手通信キャリアと議論を始めた。

     大手化学メーカーもファーウェイ製のモバイルルーターを使っている。ファーウェイ幹部の逮捕(その後、保釈)を受け、供給元であるプロバイダーの担当者から安全対策上の問題がないとの説明があったという。

     重要インフラ業者にはより高水準の安全対策が必要だ。電力卸売大手のJパワーは発電所の運用状況をやりとりする通信設備を備えるが、ファーウェイやZTEの製品・サービスは使用していないという。』

     

     

     

    1.日本政府が締め出しの対象とした14分野について

     

     上記の記事の通り、日本政府がついにHuaweiとZTEの締め出しに動き出しました。日本政府が掲げた14分野と対象のシステム例は下表の通りです。

     

    <重要インフラ14分野の対象のシステム例>

    情報通信 ネットワーク、編成・運行
    金融 勘定系システム、資金証券系システム、国際系システム
    航空 運行、予約・搭乗、整備
    空港 警戒警備・監視
    鉄道 列車運行管理、電力管理
    電力 電力制御、スマートメーター
    ガス プラント制御、遠隔監視・制御
    行政 地方自治体の情報
    医療 診療記録などの管理
    水道 水道施設や水道水の監視
    物流 集配管理、貨物追跡、倉庫管理
    化学 プラント制御
    クレジット クレジットカード決済
    石油 受発注、生産管理、生産出荷

     

     政府は上記14分野の重要インフラを担う民間企業・団体に対して、情報漏洩や機能停止懸念がある情報通信機器を調達しないよう要請しました。

     

     悪意あるプログラムで社会機能がマヒするなど、安全保障上の懸念があるため、米国が取引を禁ずる通信機器大手のHuaweiが念頭にあるほか、ZTE(中興通訊)も事実上排除されることになります。

     

     記事にもありますが、政府が民間企業に調達先を指示すれば、過剰な民間介入と指摘されかねないという見方を報じています。米国ではHuaweiとZTEの排除の動きを、同盟国中心に世界的に広げてきました。

     

     今回の中国製品排除について、Huaweiが中国共産党と結びつきが強い点からも、日本政府の対応は適切であると考えます。疑わしきは罰せずというのならば、排除には議論の余地があるかもしれません。とはいえ、今の状況は目の前の饅頭の中に毒が入っているかもしれないというやつを食べる奴はバカという話であり、同様にHuaweiの機器を使わなければならない必然的な理由がなければ、危ないものは使わない方が得策であるに決まっています。

     

     以前、韓国のサムスン電子製のギャラクシーノートPCのリコール問題で、国交省が機内持ち込み全面禁止としていますが、これも米国運輸省に追随する形で禁止しました。

     

     危ないものは、どれだけ安くても使わないのは当たり前です。安い部品を調達したい動機があるとすれば、原価を抑えて低価格にすることで、高価格製品と価格競争力でシェアを奪っていくというだけの話。そうした業者は当然規制すべきであり、規制をしないで自由市場に任せれば淘汰される的な、いわばレッセフェール(自由放任主義)を礼讃するような言説は、咎められるべきです。

     

     私からみれば「見えざる手」でダイナミックな自由市場に任せれば、自然淘汰されていくなどというのは寝言に等しいです。デフレ脱却ができずにいるのは、こうしたコピー紛いの粗悪な製品を安く輸入することを放置しているからです。

     

     

     

    2.安全保障上の問題と米国が仕掛けた覇権挑戦国中国つぶし

     

     マクロ経済への影響もさることながら、安全保障面においても、今回の政府の対応はポジティブに考えるべきです。何しろHuawei自身は中国共産党と資本関係があります。にもかかわらず、原価を安くすれば自社が儲かるからという理由で、日本製の電子部品を使わず、HuaweiやZTEが製造する通信機器を唯々諾々と使い続けるのは、国家として問題があるといえます。

     

     100%黒であることを証明しなければ規制すべきでないという意見もあるかもしれません。しかしながら中国が製造2025を打ち出し、半導体製造など中国国内で国産化するために不当に技術移転を行い、軍事力を増強しつつ経済で金融も含めて発展途上国を中心に高利でお金を貸し込んで返せなくなると長期間租借の契約を締結するという由々しき事件を引き起こしています。

     

     スリランカのハンバントタ港にしろ、ギリシャのピリウス港にしろ、港を整備するのに中国がスリランカやギリシャにお金を高利で貸し込み、返せなくなると長期間租借契約して中国軍が拠点にするなど、軍事目的・軍事拡大を狙って、その一環で通信機器を世界中に販売しているのです。

     

     米国のピーターナヴァロ氏がこれを指摘し、トランプ大統領も賛同して中国製品排除の動きに乗り出しました。

     

     これをマスコミは米中貿易戦争といってますが、上述の安全保障上の問題のみならず、覇権国米国の挑戦国として伸し上がろうとする中国つぶしの動きともいえます。米中貿易戦争とやらは、単なる貿易問題ではなく、大きなパラダイムシフトが起きている中での一つの事件とみるべきです。

     

     

     

    3.圧倒的な内需国の米国と輸出依存国中国

     

     一部の評論家の間では、米国は中国に勝てないなどと論説する人がいますが、果たしてそうでしょうか?

     

    <米中間における貿易構造(2017年)>

    (出典:三井住友銀行のアナリストレポートの中国国家統計局から作成した資料を引用) 

     

     

     上記は、米中間の貿易構造を示した資料なのですが、米国側から見た場合、米国から中国への輸出額は1,304億ドルであるのに対し、米国の中国からの輸入額は5,056億ドルです。

     

     米国が中国から輸入する品目上位には、電気機器や機械類関連といった品目がありますが、これらは別に中国の部品を使わなければならないというわけではありません。おそらく企業がコストの安い中国製品(HuaweiやZTEなど)を単に輸入しているだけです。上位品目は‥典さヾ1,470億ドル、機械類1,096億ドルと、両品目それぞれで米国→中国の輸出額1,304億ドル近くに匹敵します。

     

     関税を引き上げ合う貿易戦争となった場合、外需依存国は弱い一方、内需国は関税引き上げがあっても影響が小さい。こうしたグラフをみれば、米国は相対的に中国の需要に依存しておらず、中国は米国の需要に依存しているということは明らかです。

     

     米国が中国から輸入している品目上位についていえば、‥典さヽ1,470億ドルも、機械類1,096億ドルも、コストが安いということで米国企業が調達先を中国にしているだけです。中国製品でなければいけないという理由は、ほとんどないでしょう。何しろ米国は先進国です。いざとなれば自分たちで作ることは可能でしょう。

     

     こうした資料をみれば、輸出依存・外需依存国がいかにみじめなことになるか?ご理解いただけるのではないでしょうか?米国は完全に中国をつぶしにきたといえます。米国の同盟国の日本でさえ、中国へ輸出ができなくなったというわけです。

     

     よく日本では、国内が経済成長できないからこそ海外で稼がなければ・・・という言説があるわけですが、海外輸出に依存するということは、その輸出先の国の主権一つで需要がシャットされてしまうリスクがあるということが、反面教師で理解できるのではないでしょうか?

     

     

     というわけで今日は「米中貿易戦争で中国は勝てません!」と題して論説しました。

     米国の同盟国以外のイランなどに輸出を続ければ、米国はさらなる制裁を強めることでしょう。米中貿易戦争の勝ち負けは目に見えて明らかで、中国が苦しくなるわけですが、そこで日本に擦り寄ってきたところに、経団連を中心とする日本企業は「ビジネスチャンス!」といって飛びついているわけで、空気が読めていないことの証左です。

     私はアンフェアなチャイナグローバリズムは認めることができませんし、何しろ中国共産党が利する状況は日本の国益にならないだけでなく、他の発展途上国が中国に騙されて掠め取られる被害を回避する意味でも、今回の日本政府の中国製品排除は大いに評価したいと思うのであります。

     

     

    〜関連記事〜

    中国Huawei・ZTE問題と、国家安全保障にかかわる次世代通信システム5Gサービスについて

    米国による同盟国への中国ファーウェイ製品の使用中止要請について

    「日本人が中国人を安い賃金で雇う」ではなく「中国人が日本人を安い賃金で雇う」時代へ!

    中国の一帯一路の被害国を増やすことに手を貸す日本企業と、中国とのプロジェクトを決別宣言したマレーシア

    中国の公平でないグローバリズムに強硬な姿勢をとる米国と、製造2025をビジネスチャンスと考えるアホな国

    中国のAIIBと一帯一路に手を貸す銀行・企業は、中国の侵略に手を貸すのと同じです!

    「リカードの比較優位論」の欺瞞と国際貿易(池上彰の間違った解説!)


    コメント
    コメントする








       

    calendar

    S M T W T F S
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930     
    << September 2019 >>

    スポンサーリンク

    ブログ村

    ブログランキング・にほんブログ村へ
    にほんブログ村

    recent comment

    • 安定電源に全く役にも立たない再生可能エネルギーが買取から入札へ!
      正論太郎01 (07/01)
    • 大阪W選挙で維新圧勝の影響について
      島道譲 (04/16)
    • 英語教育について(トランプ大統領の演説を誤訳したNHK)
      永井津記夫 (12/07)
    • ハロウィーンは日本のお祭りとは違います!
      ユーロン (11/12)
    • オプジーボが医療財政の大きな負担であるため保険の適用外にしたいと思っている財務省
      SSST. (10/13)
    • サムスン電子について
      故人凍死家 (09/26)
    • 財務省の役人は、なぜ緊縮財政なのか?
      吉住公洋 (09/26)
    • 生乳流通改革という欺瞞と、イギリスのミルク・マーケティング・ボード
      富山の大学生 (06/05)
    • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
      師子乃 (10/02)
    • オランダ人の物理学者、ヘイケ・カメルリング・オネス
      mikky (12/01)

    profile

    search this site.

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM