”ちゃんとEUから離脱しろ!”との与党保守党の声とメイ首相の苦悩

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     今日は「”ちゃんとEUから離脱しろ!”との与党保守党の声とメイ首相の苦悩」と題して論説します。

     

     下記はブルームバーグの記事です。

    『ブルームバーグ 2018/12/13 06:06 メイ英首相続投へ、与党信任−党首として次期総選挙は戦わず

     英与党保守党が12日夜実施した下院議員による信任投票の結果、メイ党首(首相)が信任された。勝利したとはいえ、かなりの数の議員が不信任を表明しており、欧州連合(EU)離脱を控えた重大局面で、首相の立場への打撃は避けられない。

     無記名で行われた信任投票ではメイ首相への支持が200票、不支持は117票だった。首相が今回勝利したことで、反対派は少なくとも今後1年は信任投票によってメイ氏の追い落としを目指すことができなくなる。だが同時に3分の1を上回る議員が、メイ氏に首相であってほしくないと考えている状況が浮き彫りになった。ポンド相場は投票を控えて上昇していたが、予想よりも不支持の票数が大きかったと受け止められたことで、上げ幅を縮小した。

     信任投票の実施に伴い、メイ首相もかなりの犠牲を強いられた。首相は自分に批判的な保守党メンバーとの内々の会合で、2022年までに行われる次期総選挙に党首として臨まないと明言したと同席した複数の関係者が明らかにした。このような譲歩は、EU離脱が実現する過程で、メイ氏が引き続き英国のかじ取りを担うことを目指すものといえる。

     メイ首相は首相官邸の前でテレビカメラに向かい、「支持を感謝するが、かなりの数の同僚が私に不信任票を投じた。彼らの主張に私は耳を傾けている」と述べた。

     ハンコック保健・社会福祉相はスカイニューズとのインタビューで、「本心では次期総選挙を戦いたいと望んでいるが、それができないことは承知していると首相は話した。それについて彼女はかなり感情的だった」と発言。メイ政権がいつまでも続かないと批判勢力を安心させるためには必要な譲歩だったと別の閣僚も匿名を条件に語った。

     一方、メイ首相が当面どうなるかという問題が決着したとしても、一時的な猶予で終わる可能性が高い。EUが決定した英国との離脱合意案は議会の厳しい反対に直面し、EUからより良い条件を引き出す試みもこれまでのところ成功していない。

     保守党で離脱推進派のマーカス・フィッシュ下院議員は「首相が勝っても大きな違いはない」と主張。メイ政権を閣外協力で支える北アイルランドのプロテスタント強硬派、民主統一党(DUP)に言及し、「彼女はDUPを制御できず、それは政権に対する信任投票や近い将来の総選挙につながる。われわれは首相の離脱案を支持するつもりはなく、実際問題として彼女は続けることができない」との見方を示した。

     最大野党・労働党は、メイ政権の信任投票を議会で求め、解散・総選挙に追い込むことを目指すかどうか検討しているもようだ。与党保守党内の批判勢力に首相が勝利したことで、逆に野党の攻勢にさらされやすくなるとすれば、皮肉な結果といえよう。』

     

     

     上記の通り、ブレグジット関連の記事なのですが、英国がEUからちゃんと離脱できるのか?注目されている状況下での信任投票でした。

     信任投票は日本時間の午前03:00から投票が始まり、過半数の200票となって続投が決まりましたが、投票前にメイ首相は、英国の将来にリスクと不安定を招く党首選となれば、国益のために離脱に向けて仕事をやり遂げると強気の発言をしていました。そうした中での続投結果ということになります。

     

     ただ今後の流れは、メイ首相がEUと打開策を協議し、2019年1月21日までにイギリス議会でEU離脱を採決しなければならず、その後に、3/29離脱というスケジュールですが、それまでどうなるか?まだ予断を許しません。

     

     なぜメイ首相が不信任といわれているのか?

     

     メイ首相は与党保守党のリーダーであり、普通に考えれば日本でいえば内閣総理大臣が不信任案で否決されるのと同じです。にもかかわらず、不信任が成立するかもしれないという状況になっているという理由は、与党の保守党の中でもメイ首相が間違っているのでは?と思っている人が多いということに他なりません。

     

     その間違いとは、EU離脱することが間違いということではなく「ちゃんと離脱しろ!中途半端な離脱には反対!」という指摘です。

     

     北アイルランドとアイルランドの国境問題が、EUのちゃんとした離脱を困難にしている一番の象徴なのですが、EU離脱という体裁はとったとしても、関税については実質的には現状と変わらない状況になろうとしています。

     

     関税の仕組みは今のままとなるであろうという案をメイ首相は主張しているのですが、それに対して「ちゃんと離脱して、EU諸国からの輸入について英国として関税がかけれるようにしろ!中途半端なEU離脱ではダメだ!」というのが不信任の理由です。

     

     なかなか解決策が難しいのですが、どう難しいのか?

     

     共同体が3つあります。EUという共同体、ユナイテッドキングダム(英国)という共同体、アイルランドという共同体です。

     

     解決策が困難なのは、この3つの共同体のうち、どれを絶てるか?ということであるため、これはメイ首相にとって超難問といえます。

     

     アイルランドと北アイルランドの国境は、普通につながっています。

     

    <アイルランドとイギリスの北アイルランドの位置>

    (出典:ヤフーの地図から)

     

     

     

     アイルランドと英国の北アイルランドとの間は、国境線はなく往来は自由であるといわれています。これはコモントラベルエリア(CTA)と呼ばれていて、英国とアイルランドの移動では出入国審査を行わないとしているからです。いわば、アイルランドと英国の北アイルランド間の移動は、日本でいえば東京都と神奈川県を移動するのと同じといえるでしょう。

     

     ユナイテッドキングダムとしてはEUからちゃんと離脱するための方策として考えられるのは、アイルランドを分断することです。即ち上記地図上のアイルランドと北アイルランドに国境線を引くということです。

     

     これをアイルランドの人が許すか?という問題がありますが、ユナイテッドキングダムとしては、北アイルランドのみを特別な地区にするなどの工夫が必要です。

     

     

     というわけで今日は「”ちゃんとEUから離脱しろ!”との与党保守党の声とメイ首相の苦悩」と題して論説しました。

     アイルランドといえば、ユーロ加盟国であるために通貨はユーロですが、英国はユーロ加盟国ではないので通貨はポンドです。かつてはサブプライムローンショックで財政破綻もしました。そのため、英国の北アイルランドとアイルランドの間で国境線を引けるのか?具体的には現在実施していない出入国審査を行うようにするというのが可能なのか?大変難しい問題です。日本でも東京都と神奈川県とで国境線を引くとなれば、簡単なことではありません。

     とはいえ、EUに加盟していれば、自分たちで規制したい法律を制定することはできず、EUで作られた法律は押し付けられ、自主権がないという状況が続きます。

     困難かもしれませんが、英国がEUからの独立をちゃんと保つためには、北アイルランドとアイルランドの間に、国境線を引く以外に方法はないものと、私は思うのです。

     

     

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